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「そうかい?じゃあ……「あ!その前にお伝えしたいことがございます」ニッコリ優し気に微笑むオーナーに――パッと顔を上げたフロティナは言った。
オーナーはにこやかに「どうした?なんでも言ってごらん?」と優しげな声を出している。
フロティナもにこやかに微笑むと口を開く。
「私……多数の男性と関係を持ちすぎて股間にキノコが生える奇病にかかっているのですがそれでもよろしいでしょうか?ご存じですよね?私、淫乱なので。オーナーが他の男性従業員によく話してましたよね?それなのに私を望んでくださるなんて……」
「は?」
フロティナの周りに動揺が走った――――――
今まで混みあっていた会場にポッカリと隙間ができる。
…………フロティナの周りだけ。
「こんな私を貰ってくださるなんて……今回の婚約解消もキノコが悪いんですの、私が淫乱すぎたせいで……」
フロティナは顔の前で手を組むと、ずいっとオーナーに近寄る。が――――その分彼は一歩下がった。
「でも安心してくださいまし、キノコをかき分ければ行為ができますから。私ってその部分も求められてますよね?」フロティナは彼が下がった分近寄ると、ドンドン壁に追いやっていく。
「いや……その……」
フロティナは顔を逸らしてフロティナから逃れようとするオーナーの頬に顔がくっついてしまうのでは?と思うほど接近すると「愛してくださるんですよね?キノコなんて……愛さえあれば平気でございましょう?だって私のこと……淫乱とご存じですもの」と目をギラギラさせて言った。
その時「た…………」とオーナーが嫌そうに硬く目をつぶったのでフロティナが『失礼な!』と口にしようとした時、グイっと腕を引かれた。
「あら、気安く触らないでくださいまし?」
フロティナがそれを振りほどくと、ドカンと大きな音が会場に響く。
いつの間にか床に寝転がっている男性は、それでもフロティナから手を離さなかった。
「あらー」
フロティナはその指を一本一本離そうと掴んだ。
「痛い痛い!とんでもない女だ!やめろ!折れるだろ!馬鹿力め!」
そう言って立ち上がった男性の顔を見て――――フロティナは目を丸くした。
「………………バルカン様……」
フロティナが呆然と彼を見つめているとオーナーが慌てて間に入り込んできた。
「失礼ですが彼女に何か?」
「……彼女だと?」バルカンはピクリと片眉を上げてオーナーを見つめている。
「はい、すみません。彼女と私は特別な関係でして」
オーナーには竜王である彼が、今人間の形になっているので気づいていないのだろう、とフロティナはその態度を見て思った。
「と、特別な関係とは?」バルカンは頬をヒクヒクさせながら言った。
「それはもう……男女の仲ですよ」オーナーがそう言った時、会場全体の照明が落ちた気がした。
「停電かしら?」フロティナが呑気に天井を見ていると「…………5…………ふ……ふふふふふふふ、わかった。なるほどな、では人間の男に一つ質問がある」バルカンはオーナーの視線に合わせるように身を屈めた。
「ははは?なんなりと」
「彼女のアンダーヘアの色を答えろ」ツンと澄ましたオーナーにバルカンはとんでもない質問をする。
「キャー!なんてことをおっしゃりますの?セクハラでございます!もごご」騒ぎ出したフロティナの口元をバルカンが抑えながら「関係があったんだろ?わかるはずだ、俺にだけコッソリ教えてくれ」とオーナーを見つめて言った。
「…………金色だ」
オーナーはバルカンの耳元に口を寄せてそう言った時、フロティナは呆気に取られてしまい「え?女性なのにアンダーヘアはありませんよね?アンダーヘアは男性だけでございます」と思わずフロティナは言った。
「……おい!?やめろ!そんなことを大声で言うな!」顔を真っ赤にしたバルカンがフロティナの頬を両手で挟む。「え?ななんで恥ずかしいんですの?皆さん女性ならそうですよね?」フロティナは混乱した。
なんせ兄弟もいなければ、物心ついた時から父と二人っきりだったフロティナはそちら方面の知識が薄かった。
自分にないものは皆ない、と思っていたのだ。
「いや、恥ずかしくはない……が、今後外でその話題はよくない」
バルカンは咳払いをするとフロティナの顔を見つめる。
「……まあ、とにかく会えてよかった」
バルカンはそう言って立ち上がるとマントをバサリと一度、翻す。
ザワ……っと人々がざわめいた。
バルカンは先ほどの人間のサイズとは違い、一回り大きくなった姿で腕にはうっすらと鱗の線がうかんでいる。
フロティナたちの世代では竜族を直接目にしたことがあるものなど殆どいないだろう。
それは人間に擬態できるからか、とフロティナは思った。
もしかすると竜族は思ったより気軽に人間のところに混ざっているのかもしれない――――フロティナは妙に納得してしまった。
しかしそんな彼らとて、目の前で見せられたバルカンの姿に確信するしかなかった。
彼は竜王、バルカン・ドラゴンイエーガーだと。
今まで周りで野次馬のように立っていた者や、オーナーはその姿に頭を垂れる。
敬意を表するのは勿論、彼の放つ威圧感に顔を上げられない。
「人間、嘘をつくな。この女はまだ俺の婚約者だ、お前は彼女と関係など持ってないな?それに淫乱だと?……まあ、それはいいか……悪い虫が寄り付かん」
「え?」そんな威圧感の中、飄々と立っていたフロティナがすっとんきょうな声を上げ、ポンと手を打った。
(バルカン様ったら……急にどうしたのかと思えば、私との婚約を正式に解消すためにわざわざ来てくださったんだわ~)
「バルカン様、そんなことでしたら早く言ってくだされば……」フロティナは支給人からペンを借りるとあんぐりと口を開けたバルカンに向かって言った。
「婚約解消の書類はどこですか?フロティナはサインをすればいいですか?」と――――――
オーナーはにこやかに「どうした?なんでも言ってごらん?」と優しげな声を出している。
フロティナもにこやかに微笑むと口を開く。
「私……多数の男性と関係を持ちすぎて股間にキノコが生える奇病にかかっているのですがそれでもよろしいでしょうか?ご存じですよね?私、淫乱なので。オーナーが他の男性従業員によく話してましたよね?それなのに私を望んでくださるなんて……」
「は?」
フロティナの周りに動揺が走った――――――
今まで混みあっていた会場にポッカリと隙間ができる。
…………フロティナの周りだけ。
「こんな私を貰ってくださるなんて……今回の婚約解消もキノコが悪いんですの、私が淫乱すぎたせいで……」
フロティナは顔の前で手を組むと、ずいっとオーナーに近寄る。が――――その分彼は一歩下がった。
「でも安心してくださいまし、キノコをかき分ければ行為ができますから。私ってその部分も求められてますよね?」フロティナは彼が下がった分近寄ると、ドンドン壁に追いやっていく。
「いや……その……」
フロティナは顔を逸らしてフロティナから逃れようとするオーナーの頬に顔がくっついてしまうのでは?と思うほど接近すると「愛してくださるんですよね?キノコなんて……愛さえあれば平気でございましょう?だって私のこと……淫乱とご存じですもの」と目をギラギラさせて言った。
その時「た…………」とオーナーが嫌そうに硬く目をつぶったのでフロティナが『失礼な!』と口にしようとした時、グイっと腕を引かれた。
「あら、気安く触らないでくださいまし?」
フロティナがそれを振りほどくと、ドカンと大きな音が会場に響く。
いつの間にか床に寝転がっている男性は、それでもフロティナから手を離さなかった。
「あらー」
フロティナはその指を一本一本離そうと掴んだ。
「痛い痛い!とんでもない女だ!やめろ!折れるだろ!馬鹿力め!」
そう言って立ち上がった男性の顔を見て――――フロティナは目を丸くした。
「………………バルカン様……」
フロティナが呆然と彼を見つめているとオーナーが慌てて間に入り込んできた。
「失礼ですが彼女に何か?」
「……彼女だと?」バルカンはピクリと片眉を上げてオーナーを見つめている。
「はい、すみません。彼女と私は特別な関係でして」
オーナーには竜王である彼が、今人間の形になっているので気づいていないのだろう、とフロティナはその態度を見て思った。
「と、特別な関係とは?」バルカンは頬をヒクヒクさせながら言った。
「それはもう……男女の仲ですよ」オーナーがそう言った時、会場全体の照明が落ちた気がした。
「停電かしら?」フロティナが呑気に天井を見ていると「…………5…………ふ……ふふふふふふふ、わかった。なるほどな、では人間の男に一つ質問がある」バルカンはオーナーの視線に合わせるように身を屈めた。
「ははは?なんなりと」
「彼女のアンダーヘアの色を答えろ」ツンと澄ましたオーナーにバルカンはとんでもない質問をする。
「キャー!なんてことをおっしゃりますの?セクハラでございます!もごご」騒ぎ出したフロティナの口元をバルカンが抑えながら「関係があったんだろ?わかるはずだ、俺にだけコッソリ教えてくれ」とオーナーを見つめて言った。
「…………金色だ」
オーナーはバルカンの耳元に口を寄せてそう言った時、フロティナは呆気に取られてしまい「え?女性なのにアンダーヘアはありませんよね?アンダーヘアは男性だけでございます」と思わずフロティナは言った。
「……おい!?やめろ!そんなことを大声で言うな!」顔を真っ赤にしたバルカンがフロティナの頬を両手で挟む。「え?ななんで恥ずかしいんですの?皆さん女性ならそうですよね?」フロティナは混乱した。
なんせ兄弟もいなければ、物心ついた時から父と二人っきりだったフロティナはそちら方面の知識が薄かった。
自分にないものは皆ない、と思っていたのだ。
「いや、恥ずかしくはない……が、今後外でその話題はよくない」
バルカンは咳払いをするとフロティナの顔を見つめる。
「……まあ、とにかく会えてよかった」
バルカンはそう言って立ち上がるとマントをバサリと一度、翻す。
ザワ……っと人々がざわめいた。
バルカンは先ほどの人間のサイズとは違い、一回り大きくなった姿で腕にはうっすらと鱗の線がうかんでいる。
フロティナたちの世代では竜族を直接目にしたことがあるものなど殆どいないだろう。
それは人間に擬態できるからか、とフロティナは思った。
もしかすると竜族は思ったより気軽に人間のところに混ざっているのかもしれない――――フロティナは妙に納得してしまった。
しかしそんな彼らとて、目の前で見せられたバルカンの姿に確信するしかなかった。
彼は竜王、バルカン・ドラゴンイエーガーだと。
今まで周りで野次馬のように立っていた者や、オーナーはその姿に頭を垂れる。
敬意を表するのは勿論、彼の放つ威圧感に顔を上げられない。
「人間、嘘をつくな。この女はまだ俺の婚約者だ、お前は彼女と関係など持ってないな?それに淫乱だと?……まあ、それはいいか……悪い虫が寄り付かん」
「え?」そんな威圧感の中、飄々と立っていたフロティナがすっとんきょうな声を上げ、ポンと手を打った。
(バルカン様ったら……急にどうしたのかと思えば、私との婚約を正式に解消すためにわざわざ来てくださったんだわ~)
「バルカン様、そんなことでしたら早く言ってくだされば……」フロティナは支給人からペンを借りるとあんぐりと口を開けたバルカンに向かって言った。
「婚約解消の書類はどこですか?フロティナはサインをすればいいですか?」と――――――
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