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四話目(※)

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 お屋敷から這う這うの体で退散した私に、イザベラ様からは変わらず依頼が舞い込んだ。お会いしない間、私の股間はイザベラ様を思い出すだけで疼き、いざ施術に向かう道中は期待のあまり制服を押し上げるほど反応してしまうようになっていた。鮮やかな紫の瞳を妖艶に輝かせて私の痴態を眺め、忌避するでもなく昂ぶりに触れてくださるイザベラ様はなにを考えていらっしゃるのだろう––。問いかけることなどできないまま、何事もなかったような顔をして内心の動揺を押し隠し、毎日をやり過ごしていた。



「……っ、いま、なんと……?」
「私ばかり触れているのも飽きたから、貴女も私に触れていいと言ったのよ」

 イザベラ様に夢中になるあまり耳までおかしくなってしまったのかと思ったが、聞き間違えでも勘違いでもなかった。施術後、いつものようにイザベラ様の前で下着を脱いだ私に放たれた言葉は、身動き一つできないほど凄まじい衝撃をもたらした。

(施術のためお体には触らせていただいているけれど、これはつまり……)

 イザベラ様が自慰をする私の体をまさぐり性器を弄ってくださるように、……してもよいということだろうか。まさか、という思いから絶句する私の目の前で、イザベラ様の豊満な胸をかろうじて覆っているマイクロビキニがずらされた。たぷんっ♡♡と揺れる魅惑的な双丘が、ビキニの紐によってますますその大きさを強調される。舐めしゃぶりたいと何度願ったかわからない薄桃色のぷっくりとした乳首と、胸のサイズに相応しい大きめの乳輪がまろび出た。

「触れるより、見ているだけのほうが興奮する性質たちなのかしら?」
「い……、いいえっ!」

 信じられない歓喜と興奮でひりついた喉が、ごくりと大げさに鳴る。からからに乾いた口内で舌がもつれて、失礼いたしますとお伝えした声が掠れた。枕元に寄りかかったイザベラ様はベッドに投げ出した腕から力を抜いており、制止してくる素振りは見せない。欲望に衝き動かされて恐る恐る伸ばしたてのひらが、滑稽なほど震えていた。けれど、こんな機会がふたたびやってくる保証はどこにもない。イザベラ様の気が変わってしまわないうちに、自分とは比較にならない豊かな乳房を両手で包み込んだ。

(っ……あぁ、なんという柔らかさだろう♡♡♡♡ 温かくてのひらに吸い付いてくるような肌触りで、指が沈み込んでしまう♡♡♡♡♡)

 かつては欲求を押さえつけ、ちらりと窺い見ることも憚られたイザベラ様の胸に触れている。想像を遥かに上回る至福の感触に虜になり、たぷたぷ♡♡と持ち上げては滑らかな素肌を味わうように摩り、美しい形を変えるほどもにゅむにゅ♡♡と揉みしだいた。指の間に挟んでいた乳首が、少しずつ硬さを増してくる。頬を上気させ艶めかしい吐息を洩らしているイザベラ様に断ることなく、愛らしい乳首を指先できゅう♡♡と捏ね回した。

「は……っ♡♡♡♡ イザベラ様……♡♡♡♡」
「ん、ふふ……♡♡ ずいぶん気に入ったみたいね♡♡ いまにも涎を垂らしそうな顔をして……♡♡」
「はー♡♡♡♡ はーっ♡♡♡♡ イザベラ様、……もっと、触れさせていただいてもよろしいでしょうか……♡♡♡♡?」
「……私がだめだと言ったらそこまでよ♡ 守れるのなら、許してあげるわ♡♡」
「はっ、はい♡♡♡♡! ありがとうございます……♡♡♡♡」
「っ……♡♡♡!? マリオン、なにをしてっ、ぁあっ♡♡♡」
「ちゅぅうっ♡♡♡♡ れろれろっ、ぢゅうぅっ♡♡♡♡ 唇と舌で、触れさせていただいています♡♡♡♡ 美味しいです、イザベラ様……っ♡♡♡♡」
「ん、ぁっ……♡♡♡ 目の色を変えて貪った挙句、勝手なことを言ってくれるじゃない♡♡ はっ、それに自分を慰めるのを忘れているわよ♡♡? まったく……、貴女には躾が必要ね♡♡ 卑しい犬のようにここを舐めて、私に奉仕なさい♡♡」
「……っ♡♡♡♡♡!」

 叱られることを覚悟してイザベラ様の胸にしゃぶりついた私に、思いがけない命令が下った。肩を両手で軽く押され、抗わずにちゅぽんっ♡♡と音を立てて乳首から唇を離す。イザベラ様のたおやかな指先が秘部を覆うマイクロビキニを片側から引っ張って、ふっくらと盛り上がる媚肉をあらわにした。自慰を見せるという約束を無視して暴走した私の視線が、瞬時に釘付けになる。

(うぁ……っ♡♡♡♡♡ 薄紅色のきれいな襞が、ひくひくと蠢いている♡♡♡♡♡ オイルがこんなに垂れているはずはないから、愛液で濡れているんだ……♡♡♡♡♡ ずっと嗅いでいたい蠱惑的な匂いが、ちんぽに響く……っ♡♡♡♡♡)

 はあはあと息を荒げてイザベラ様の股間に屈み込み、肉感的な太ももからマイクロビキニをずり下げた。片脚から抜いたところで待ちきれなくなった私は両手でがっしりと脚を抱え込んで、蜜で濡れるおまんこに吸い付く。髪色と同じ深みのある紅色の恥毛が濡れていて、それがまたなんとも情欲を煽る。割れ目を舌で舐め広げてさんざん愛液を飲み込んでから、つんと勃ち上がっているクリトリスにちゅうぅぅ♡♡と食らいついた。ついに艶めいた声を上げて腰を震わせるイザベラ様のお姿に我慢がきかなくなり、可愛く存在を主張する肉芽を執拗に舐め、吸い、口内で転がし続ける。私の頭に両手を伸ばしたイザベラ様が行為を止めさせたいのかもっとと望んでいるのか、察することができなかった。

「あぁっ……♡♡♡ んっ、いい、わ♡♡♡ ふふ……、上手ねマリオン♡♡♡」
「ぢゅううぅ……っ♡♡♡♡♡! ぷはっ……、ぁっ♡♡♡♡♡ ありがとうございます、イザベラ様♡♡♡♡♡ どうか、このまま……っ♡♡♡♡♡」
「ぁっ♡♡♡ んんっ♡♡♡ くっ、ぁあっ……♡♡♡!」

 わずかに掠れた高い喘ぎが耳に響く。だめだと言われなかった私は、激しく湧き上がる興奮に任せて口淫に耽る。太ももを抱えたまま片手の指先で割れ目を広げ、もう片方の指でクリトリスを根元から摘まんでちゅこちゅこ♡♡と扱き上げた。濡れそぼった膣口に舌を捻じ込めば、すかさず熱く柔らかな襞に締め付けられる。舌を限界まで伸ばして奥を舐め、腰を跳ねさせて反応してくれる場所を押し上げ、溢れ出る愛液を飲み下していく。無我夢中でむしゃぶりついていると、私の髪の毛を掴んだイザベラ様がお体を強張らせて一際高い声で鳴いた。

(イザベラ様がイってくださった……っ♡♡♡♡♡ 私の舌をきゅうきゅうと締め付けて、可愛らしすぎる♡♡♡♡♡ 何度も犯す想像をしてしまっていたけど、自分の拙い愛撫でイザベラ様を乱れさせることができるなんて……♡♡♡♡♡)

「はっ♡♡♡ ぁ……っ♡♡♡ ……いつまで、そうしているつもり♡♡♡? 息を荒くしてまだ舐め回しているなんて……、ほんとうに犬になったようじゃない♡♡♡? 貴女は言いなりになって悦んでしまう変態だったのね♡♡♡」
「んぐ、んん……っ♡♡♡♡♡!」
「これじゃ躾にならないわ♡♡♡ もうだめよ♡♡♡ 私の前で、そのいきり立ったものを扱きなさい♡♡♡」
「っ……り、です……っ♡♡♡♡♡」
「ぁ……、そこでしゃべらないで……っ、なに、」
「イザベラ様の魅力に抗うなんて、無理です……っ♡♡♡♡♡!」

 狂おしく募った想いと興奮が、なけなしの理性を焼き切った。私に脚を抱えられたまま秘部を隠すこともできずに命じるイザベラ様に、はじめて反抗する。なにもかもを失うことになったとしても、私はイザベラ様が欲しかった。

「……二度とお目にかかれなくなってしまう前に、想いを遂げさせていただきます……っ♡♡♡♡♡!」
「は……っ、マリオン♡♡♡? ひ、ぁあっ♡♡♡!」

 勢いよく起き上がった私は、抱えていたイザベラ様の両脚を掴んで思いきり広げ、その間に体を割り込ませる。胸に引っ掛かっているマイクロビキニを引きちぎり、イザベラ様を全裸に剥いた。人から獣に堕ちきってしまう前に彼女のお腹に手を翳し、避妊魔法を発動する。この魔法を使用する最初で最後の機会になるだろう私の胸中にかすかに残っていた良心が、あらゆる強い感情の奔流に押し流されていく。抵抗らしい抵抗もされないまま、たっぷりと舐めてほじくった狭い膣口に亀頭をあてがった。ぬかるむ媚肉が吸い付いて、腰を押し付けるとぬぷぷっ♡♡と卑猥な音を立ててちんぽを咥え込んでいく。

「く、ぅう……っ♡♡♡♡♡ 貴女のことばかり、考えてっ♡♡♡♡ 想っていましたっ♡♡♡♡ 貴女でしかこんなことにならないのに、いつもいつもっ、好き勝手に振る舞って、私を煽り立ててっ♡♡♡♡♡! それなのにそんな貴女が、どうしようもなく愛おしくてたまらないんですっ♡♡♡♡! 責任、取ってくださいっ♡♡♡♡! ぜんぶ注ぎますから、受け止めてくださいっ♡♡♡♡♡♡!」

 あられもない嬌声を上げるイザベラ様の細くくびれた腰を両手で鷲掴み、一息に根元まで怒張を突っ込む。熱く絡みつく媚肉を自分の形に貫くと、たとえようのない快感が全身を駆け抜けた。私は一目見たとき心を奪われたイザベラ様を渇望していた。体の反応を見咎められ僕のように扱われても、彼女をほんとうに傷付けてしまうことだけは避けなければならないと自分に言い聞かせて堪えていた。
 ––だが、もう限界だった。
 最低で身勝手な行いをしている自覚はあるのに圧倒的な快楽が私を塗り潰し、本能のまま腰を動かしてしまう。ばちゅっ♡♡ばちゅんっ♡♡と肌をぶつからせて、イザベラ様の反応をたしかめることもせずがむしゃらに責め立てた。喉を反らして声を上げるイザベラ様を恍惚と見下ろし、先端に吸い付く子宮口めがけて精液を注ぎ込む。竿から搾り取るように蠢くおまんこに助けられて、放ち終わってもすぐに硬さが復活した。注いだものが滑りをよくして、ますます突き上げやすくなる。一緒にイったらしいイザベラ様の痙攣する膣内から抜けるぎりぎりまでちんぽを引いて、ごちゅんっ♡♡! と一気に奥まで捻じ込む。技巧も思いやりの欠片もない抽挿を繰り返し、譫言のようにイザベラ様を呼びながら、ありったけの欲望をぶつけて精液を注ぎ続けた。



 どのくらい時間が経ったのかわからないが、カーテンの外はまだ暗いようだ。防音魔法を使っているから私たちが性交––イザベラ様からすれば襲われたと言ったほうが正しい––していることを使用人に気付かれないとしても、こんなに長々と施術をしたことなどないため怪しまれてもおかしくはないだろう。イザベラ様の膣内に注ぎ尽くして息も絶え絶えになった私は、今度こそ訪れる終わりにいまさら恐れを抱いた。もう二度と会えないことを覚悟して暴挙に出たのに、欲を発散したところで想いが消えることも弱まることもなかった。ベッドに力なく横たわるイザベラ様から、ずる……っ♡♡とちんぽを引き抜く。栓がなくなったことで、大量の白濁がどろりと溢れ出た。
 こんなことをしでかしてしまってなおイザベラ様を離したくなくて、きつくしがみついてしまう。胸を上下させて呼吸するイザベラ様は意識を失っているのかと思ったが、驚いたことに私を抱きしめてくださった。汗だけでなくお互いの体液でどろどろになった素肌が、ぴたりと重なり合う。

「っ……、は……、マリオン」
「……っ!? イザベラ様……、っ……」
「責任を取るわ……」
「はっ……?」
「貴女の主は私よ。……これからは、私だけに奉仕しなさい」
「イザベラ様……っ♡♡♡♡!」

 やけっぱちの、告白と呼ぶのも烏滸がましい言葉で胸の裡をさらけ出し、堪えていた欲望を爆発させた私は、どうしたことかイザベラ様に見捨てられることはないようだ。柔らかな乳房からおずおずと顔を上げてイザベラ様を窺うと、やれやれ、と言うような表情で微笑んでいた。想いが通じたのかたしかめる前に、なによりも素直な体が喜び勇んで反応を見せる。むくむくと大きくなったちんぽをむっちりとした太ももに擦り付ければ、イザベラ様が慌てて体を起こそうとしてもがいた。

ですよ、イザベラ様……♡♡♡♡♡ 使用人はやって来ないようですし、朝まではまだ時間があるようです♡♡♡♡♡」
「もう、いい加減に……っ♡♡♡♡」
「我慢なんてできませんっ♡♡♡♡♡ ただ一人の主である貴女様に身を尽くしてご奉仕させていただかなくては、私の気が済みませんからっ♡♡♡♡♡♡」
「こら、主の言うことが聞けないなら、んぁあっ♡♡♡♡!」
「あぁ……、なんて可愛らしい鳴き声なのですか♡♡♡♡♡ ちんぽ収まりませんっ♡♡♡♡♡♡ イザベラ様ぁっ♡♡♡♡♡!」

 ふたなりの性欲を目の当たりにした彼女は頬を引きつらせて私から逃げようとするが、責任を取るとおっしゃってくださったのはイザベラ様ご本人だ。両手を捕まえてベッドに組み敷いた私は喘ぎながらも文句を言おうとする唇を自分のそれで塞いで、夜明けまでご奉仕に勤しんだ。
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