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カルマイン編
さよなら長閑
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シグムントは見事に眠れなかった。その理由は至って簡単で、少しでも寝返りをうとうものなら、イザルとルシアンが飛び起きてシグムントの体調を確認するからだ。
一体なんの拷問だ。四回目も同じことを繰り返されて耐えきれなかったシグムントが文句を言えば、二人揃って堂々と宣った。
「また生まれると思ったら、気が気じゃなくてな」
「おかげで全然眠れなかったぞ……。それにもう出たから出ないよ」
「なんの話だあ?」
「マラキア、気にしなくていいから前見て運転して」
またイェネドが馬の間で泣きそうにしている。馬車は野営地を出発してから、ひたすらに山を下り続けて一刻程。騎士団の演習場まで、もう間も無くというところまで来ていた。
滑らかな光を泳がせるように、青々とした草花が風によって波打つ。のどかな風景が続くこの土地が、ギュスターヴである。
「演習場近くの削れた岩肌が俺の採掘場所でな。ここに現れる土の魔物がいい魔鉄を寄越すんだ」
「そういやギルドで見たけどよ、騎士団とこの護衛依頼の募集人数が多くなかったか。そんなにやべえ魔物出るのか」
ルシアンがシグムントに指差すようにして演習場の場所を示している横で、イザルが何の気なしに宣った。
ギュスターヴへの護衛依頼ではなく、腕の立つ騎士が多くいるはずの演習場周辺を守るようにと、国からの依頼がギルドに出ていたのだ。業務内容も報酬も特に記入がないことから、おそらく働き次第というところか。
見慣れた宰相の文字に嫌悪感を覚えて無視をしたが、今更思えば妙な話であった。
「ああ、騎士団の視察に王様がくるかもしれんのだと」
「……まじで?」
「王様!」
マラキアの言葉に、イザルとシグムントで反応が分かれた。
シグムントが嬉々として声を上げる様子を前に、イザルは至極面倒くさそうな表情を見せる。わかっている。どうせ直談判をしてツノを返してくださいとかいうつもりだ。
そんなことは当然許されるわけもない。キラキラとした顔を向けてくるシグムントから逃げるように顔を逸せば、次の標的はルシアンに変えたらしい。ヴっ、という情けないルシアンの声がした。
「なあなあ、一緒に行かないか。俺はお目通りを願わなければ話はできんと思うんだ!」
「そんな可愛い顔で俺を見ないで、挫けそうになる」
「てめえが挫けたら俺の首が物理的に飛ぶんだが?」
「あんたら本当に仲良いねえ」
マラキアは荷馬車の上のやかましさを心地よく思っているようだ。なんとも呑気に馬を操る。
目の前の森の先には、騎士団の演習場だろう塀の高い建物が見えてきた。どうりで腕っぷしには自信のありそうな男たちがちらほらしている。
「なあ、俺は演習場に向かうけど、あんた達はどうするんだ」
「俺も一緒に行きた」
「俺らはここで降りる。金策がてら鉱山でそこらの魔物でも狩ってくるわ」
「ここまで乗せてくれてありがとうマラキア。俺たちはこれで」
イザルの大きな手がしっかりとシグムントの唇を覆っていた。ルシアンの爽やかな笑みに誤魔化されるように曖昧に頷いたマラキアは、荷馬車から降りるなり、名残惜しそうにイェネドの首輪を外していた。
「ああそう、じゃあまた帰りに蜂合えば乗せてくよ。じゃあなわんころ。お前がいて助かったよ」
マラキアの手に頭を撫でられたイェネドが、太い尾っぽを揺らして反応を示す。そのまま三人と一匹でマラキアに別れをつげ、荷馬車が演習場に入っていくのを見送れば、イザルはぐっと握った拳をシグムントの頭に一つ落とした。
「ほぎゃっ」
「お前、俺らの立場分かってんのかあ?」
「すまん……」
「イザル、すぐ手ぇあげんなよ。可哀想だろうが」
ひん……、と情けない顔をしているシグムントの頭をルシアンが撫でる。どうやら迂闊な言動をしたことは理解しているらしい。唇を吸い込むようにして、半泣きで反省をしていた。
「だって、角交換したら霧の魔物の探索も楽だろうって」
「あん?」
「シグの魔力を使って見つかるものなの?」
「いいや、深夜の国に行けば何かわかるかなって」
「ああなるほど……転移か……」
イザルの言葉に、シグムントがこくんと頷いた。深夜の国から生まれた霧の魔物だ。太陽の国に紛れる霧の魔物の原因を探すのなら、一度深夜の国に向かうのも、シグムントの転移でついて帰る方が断然楽なのだ。
人間が向かうには、条件を満たさなければ深夜の国への門は開かれない。その門がどこに現れるかもまた、不明なままだからだ。
「門は管理されているんだよ。イザルが門に気がついた時は、なんの前触れもなかっただろう?」
「ああ、でけえもんが動いた感覚を追いかけてたら、深夜の国にいたな」
「ああ、魔王の魔力が揺らぐと門が開くんだ。俺はイザルがくる一週間くらい前に、脱皮したからその時だなあ」
「脱皮もするんだ……」
産卵だけでなく……?と言わんばかりに、ルシアンは引き攣り笑みを浮かべた。
「だから、魔王の体に何かの不調や転機が起こると門が開くのだ。まあ、角があれば城を座標にして転移もできるが……」
「でも待って、通行証があれば出入りは自由なんでしょ? ヒネクレが持ってるって言ってたやつ」
「ああ、そうだな。あれには俺の牙が入っていてな、俺が国にいるうちはいつでも魔力に引き寄せられて帰れるようになっていたんだ」
「え、じゃあ今って」
ルシアンの言葉に、シグムントの顔がゆっくりと青ざめていく。己が深夜の国にいなければ、人間界へと出た行商人たちが戻ってこれないことに今更気がついたらしい。
目に見えて汗を噴き上げて静かに慌てるシグムントに、イザルやルシアンまでも引き攣り笑みを浮かべた。
まさか己が玉座から引き摺り下ろされるとは夢にも思っていなかったのと同じだ。シグムントの顔色がどんどん白くなるのを前に、ルシアンは慌てたように取りなした。
「ほ、ほら、元はと言えばイザルがシグの首を取りに来なければよかった話だし!」
「ツノな」
「それに魔王を討てって言わなければそもそもこんな面倒なことになんなかったわけだし!」
「その面倒をさらに拗らせたのはお前だけどなルシアン」
今にも泣きそうな顔をして落ち込むシグムントを前に、ルシアンは狼狽える。合いの手のように訂正を投げていたイザルはというと、面倒臭そうにボリボリと頭をかいて他人事である。
イザルからしてみれば、次代の魔王らしいディミトリとやらが嫌だとヒネクレが言っていたので、戻れなくても問題はないように思える。しかし、ルシアンもイザルも周りを敵に回しがちであるからして、シグムントに対する気の利いた一言すら簡単には出てこない。
慰めるようにシグムントの手のひらに鼻先を押し付けているイェネドの方が、心の機微を悟るのはうまそうだ。そう思った時だった。
「それは不敬罪に当たるのでは?」
「あ?」
どこからか飛んできた怜悧な声に、イザルが顔を上げる。ルシアンの顔が厳しいものに変わると。シグムントを背中に回すようにして前に出た。
「お久しぶりですセタンナ隊長」
「貴様も随分な顔ができるようになったものだ」
短い金髪を後ろに流した麗人は、釣り上がり気味の目を微かに緩ませて立っていた。纏う服は相変わらず男ものだ。化粧をしないセタンナは、女性にしては低い声も相待って男にしか見えない。
共のものをつけずにここにいることを疑問に思ったのか、ルシアンが僅かに眉を寄せる。その様子に気がついたのか、セタンナはゆっくりと手のひらを虚空に差し出した。
「休暇だ。とは言っても敵情視察のようなものだがな」
ーー私がついている。
セタンナの背後で白い炎が燃え上がったかと思うと、人を象るようにフレディが姿を現した。
どうやら共をつけないのは気が楽だからか。そう悟ったらしいルシアンが、小さくため息を吐く。セタンナを前にすると気を張ってしまうのは、確実に職業病だ。
「で、こちらにはなんの」
「何しにきたんだてめえ。城にこもってりゃあいいだろう」
「イザル……」
相変わらずの不貞腐れた顔でイザルが宣う。セタンナに対していい印象を抱いていないのは知っているが、あからさまな様子には思うところがある。
しかし、セタンナの方は至って普通であった。目を細めるようにイザルを見つめると、細い顎を上げ冷たい瞳を向ける。
「第一騎士団のジリオン隊にお呼ばれしてな。暴力を振るいに」
「果たし状突きつけられたってことか。相変わらず仲悪いんだなあ」
「メイディアもいるぞ。遊撃隊は上二人が不在だが、ウェルダーがまとめてくれている」
「親善試合ってことですか?」
マラキアが納品すると言っていた武具はこのために用意されたのか。ルシアンは合点が言ったように頷くとくるりと辺りを見渡した。
「メイディアは? まさか一人で演習場に?」
「奴なら先にギュスターヴについているはずだ。オルセンシュタインの家に行っているのではないか。野暮用があると聞いている」
オルセンシュタイン家といえば、ギュスターヴではそこそこに名の知れた名家である。メイディアがそこの出だと言うのを聞いてイザルは僅かに驚いたような顔を見せる。
「なんだ、オルセンシュタイン家ってそんなに有名なのか?」
「ああ、まあ魔族のお前は知らんのも無理はないか。まあいい……、お前たち。私はこれからメイディアの屋敷へと向かう。一緒についてこい」
「ああ? なんで俺たちま」
「ついてこい。面白いものが見れるぞ」
不服を宣うイザルを遮るように、不遜顔で笑うセタンナが宣う。
嫌な予感がする。イザルとルシアンにしか感じ取れない何かが、悪寒となって体を走り抜けた。
一体なんの拷問だ。四回目も同じことを繰り返されて耐えきれなかったシグムントが文句を言えば、二人揃って堂々と宣った。
「また生まれると思ったら、気が気じゃなくてな」
「おかげで全然眠れなかったぞ……。それにもう出たから出ないよ」
「なんの話だあ?」
「マラキア、気にしなくていいから前見て運転して」
またイェネドが馬の間で泣きそうにしている。馬車は野営地を出発してから、ひたすらに山を下り続けて一刻程。騎士団の演習場まで、もう間も無くというところまで来ていた。
滑らかな光を泳がせるように、青々とした草花が風によって波打つ。のどかな風景が続くこの土地が、ギュスターヴである。
「演習場近くの削れた岩肌が俺の採掘場所でな。ここに現れる土の魔物がいい魔鉄を寄越すんだ」
「そういやギルドで見たけどよ、騎士団とこの護衛依頼の募集人数が多くなかったか。そんなにやべえ魔物出るのか」
ルシアンがシグムントに指差すようにして演習場の場所を示している横で、イザルが何の気なしに宣った。
ギュスターヴへの護衛依頼ではなく、腕の立つ騎士が多くいるはずの演習場周辺を守るようにと、国からの依頼がギルドに出ていたのだ。業務内容も報酬も特に記入がないことから、おそらく働き次第というところか。
見慣れた宰相の文字に嫌悪感を覚えて無視をしたが、今更思えば妙な話であった。
「ああ、騎士団の視察に王様がくるかもしれんのだと」
「……まじで?」
「王様!」
マラキアの言葉に、イザルとシグムントで反応が分かれた。
シグムントが嬉々として声を上げる様子を前に、イザルは至極面倒くさそうな表情を見せる。わかっている。どうせ直談判をしてツノを返してくださいとかいうつもりだ。
そんなことは当然許されるわけもない。キラキラとした顔を向けてくるシグムントから逃げるように顔を逸せば、次の標的はルシアンに変えたらしい。ヴっ、という情けないルシアンの声がした。
「なあなあ、一緒に行かないか。俺はお目通りを願わなければ話はできんと思うんだ!」
「そんな可愛い顔で俺を見ないで、挫けそうになる」
「てめえが挫けたら俺の首が物理的に飛ぶんだが?」
「あんたら本当に仲良いねえ」
マラキアは荷馬車の上のやかましさを心地よく思っているようだ。なんとも呑気に馬を操る。
目の前の森の先には、騎士団の演習場だろう塀の高い建物が見えてきた。どうりで腕っぷしには自信のありそうな男たちがちらほらしている。
「なあ、俺は演習場に向かうけど、あんた達はどうするんだ」
「俺も一緒に行きた」
「俺らはここで降りる。金策がてら鉱山でそこらの魔物でも狩ってくるわ」
「ここまで乗せてくれてありがとうマラキア。俺たちはこれで」
イザルの大きな手がしっかりとシグムントの唇を覆っていた。ルシアンの爽やかな笑みに誤魔化されるように曖昧に頷いたマラキアは、荷馬車から降りるなり、名残惜しそうにイェネドの首輪を外していた。
「ああそう、じゃあまた帰りに蜂合えば乗せてくよ。じゃあなわんころ。お前がいて助かったよ」
マラキアの手に頭を撫でられたイェネドが、太い尾っぽを揺らして反応を示す。そのまま三人と一匹でマラキアに別れをつげ、荷馬車が演習場に入っていくのを見送れば、イザルはぐっと握った拳をシグムントの頭に一つ落とした。
「ほぎゃっ」
「お前、俺らの立場分かってんのかあ?」
「すまん……」
「イザル、すぐ手ぇあげんなよ。可哀想だろうが」
ひん……、と情けない顔をしているシグムントの頭をルシアンが撫でる。どうやら迂闊な言動をしたことは理解しているらしい。唇を吸い込むようにして、半泣きで反省をしていた。
「だって、角交換したら霧の魔物の探索も楽だろうって」
「あん?」
「シグの魔力を使って見つかるものなの?」
「いいや、深夜の国に行けば何かわかるかなって」
「ああなるほど……転移か……」
イザルの言葉に、シグムントがこくんと頷いた。深夜の国から生まれた霧の魔物だ。太陽の国に紛れる霧の魔物の原因を探すのなら、一度深夜の国に向かうのも、シグムントの転移でついて帰る方が断然楽なのだ。
人間が向かうには、条件を満たさなければ深夜の国への門は開かれない。その門がどこに現れるかもまた、不明なままだからだ。
「門は管理されているんだよ。イザルが門に気がついた時は、なんの前触れもなかっただろう?」
「ああ、でけえもんが動いた感覚を追いかけてたら、深夜の国にいたな」
「ああ、魔王の魔力が揺らぐと門が開くんだ。俺はイザルがくる一週間くらい前に、脱皮したからその時だなあ」
「脱皮もするんだ……」
産卵だけでなく……?と言わんばかりに、ルシアンは引き攣り笑みを浮かべた。
「だから、魔王の体に何かの不調や転機が起こると門が開くのだ。まあ、角があれば城を座標にして転移もできるが……」
「でも待って、通行証があれば出入りは自由なんでしょ? ヒネクレが持ってるって言ってたやつ」
「ああ、そうだな。あれには俺の牙が入っていてな、俺が国にいるうちはいつでも魔力に引き寄せられて帰れるようになっていたんだ」
「え、じゃあ今って」
ルシアンの言葉に、シグムントの顔がゆっくりと青ざめていく。己が深夜の国にいなければ、人間界へと出た行商人たちが戻ってこれないことに今更気がついたらしい。
目に見えて汗を噴き上げて静かに慌てるシグムントに、イザルやルシアンまでも引き攣り笑みを浮かべた。
まさか己が玉座から引き摺り下ろされるとは夢にも思っていなかったのと同じだ。シグムントの顔色がどんどん白くなるのを前に、ルシアンは慌てたように取りなした。
「ほ、ほら、元はと言えばイザルがシグの首を取りに来なければよかった話だし!」
「ツノな」
「それに魔王を討てって言わなければそもそもこんな面倒なことになんなかったわけだし!」
「その面倒をさらに拗らせたのはお前だけどなルシアン」
今にも泣きそうな顔をして落ち込むシグムントを前に、ルシアンは狼狽える。合いの手のように訂正を投げていたイザルはというと、面倒臭そうにボリボリと頭をかいて他人事である。
イザルからしてみれば、次代の魔王らしいディミトリとやらが嫌だとヒネクレが言っていたので、戻れなくても問題はないように思える。しかし、ルシアンもイザルも周りを敵に回しがちであるからして、シグムントに対する気の利いた一言すら簡単には出てこない。
慰めるようにシグムントの手のひらに鼻先を押し付けているイェネドの方が、心の機微を悟るのはうまそうだ。そう思った時だった。
「それは不敬罪に当たるのでは?」
「あ?」
どこからか飛んできた怜悧な声に、イザルが顔を上げる。ルシアンの顔が厳しいものに変わると。シグムントを背中に回すようにして前に出た。
「お久しぶりですセタンナ隊長」
「貴様も随分な顔ができるようになったものだ」
短い金髪を後ろに流した麗人は、釣り上がり気味の目を微かに緩ませて立っていた。纏う服は相変わらず男ものだ。化粧をしないセタンナは、女性にしては低い声も相待って男にしか見えない。
共のものをつけずにここにいることを疑問に思ったのか、ルシアンが僅かに眉を寄せる。その様子に気がついたのか、セタンナはゆっくりと手のひらを虚空に差し出した。
「休暇だ。とは言っても敵情視察のようなものだがな」
ーー私がついている。
セタンナの背後で白い炎が燃え上がったかと思うと、人を象るようにフレディが姿を現した。
どうやら共をつけないのは気が楽だからか。そう悟ったらしいルシアンが、小さくため息を吐く。セタンナを前にすると気を張ってしまうのは、確実に職業病だ。
「で、こちらにはなんの」
「何しにきたんだてめえ。城にこもってりゃあいいだろう」
「イザル……」
相変わらずの不貞腐れた顔でイザルが宣う。セタンナに対していい印象を抱いていないのは知っているが、あからさまな様子には思うところがある。
しかし、セタンナの方は至って普通であった。目を細めるようにイザルを見つめると、細い顎を上げ冷たい瞳を向ける。
「第一騎士団のジリオン隊にお呼ばれしてな。暴力を振るいに」
「果たし状突きつけられたってことか。相変わらず仲悪いんだなあ」
「メイディアもいるぞ。遊撃隊は上二人が不在だが、ウェルダーがまとめてくれている」
「親善試合ってことですか?」
マラキアが納品すると言っていた武具はこのために用意されたのか。ルシアンは合点が言ったように頷くとくるりと辺りを見渡した。
「メイディアは? まさか一人で演習場に?」
「奴なら先にギュスターヴについているはずだ。オルセンシュタインの家に行っているのではないか。野暮用があると聞いている」
オルセンシュタイン家といえば、ギュスターヴではそこそこに名の知れた名家である。メイディアがそこの出だと言うのを聞いてイザルは僅かに驚いたような顔を見せる。
「なんだ、オルセンシュタイン家ってそんなに有名なのか?」
「ああ、まあ魔族のお前は知らんのも無理はないか。まあいい……、お前たち。私はこれからメイディアの屋敷へと向かう。一緒についてこい」
「ああ? なんで俺たちま」
「ついてこい。面白いものが見れるぞ」
不服を宣うイザルを遮るように、不遜顔で笑うセタンナが宣う。
嫌な予感がする。イザルとルシアンにしか感じ取れない何かが、悪寒となって体を走り抜けた。
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