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第二章 波乱の七日間
二日前①
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カトリーナが目を開けると、そこは見慣れた天井だった。
所々痛む身体に鞭をうち体を起こす。
すると、そこにはベッドに倒れ込んでいるバルトの姿があった。
バルトは、彼女の手を握りしめながら静かに寝息を立てている。その姿をみて胸が熱くなったのは気のせいではないだろう。
カトリーナはちょうど腰の近くにあるバルトの頭を、そっと撫でた。
それを煙たがるように顔をしかめ、そっと手でよけるのをみて、思わず笑みをこぼしてしまう。
「なんか可愛い」
そのつぶやきが聞こえたのか、バルトがぱちっと目を開けると、勢いよく起きてカトリーナの顔を覗き込んだ。
「カトリーナ! 気づいたのか!」
「ええ、おはよう。もしかしてずっと一緒にいてくれたの?」
「ああ、そうだ。っと、こうしてはいられない。ダシャ! カトリーナが起きたんだ! すぐに来てくれ!」
バルトの声で屋敷が唐突に動き出す。
あっという間にカトリーナのもとにたどり着いたダシャは目が合うと、途端に目を潤ませ頭を下げた。
「申し訳ございません、バルト様、カトリーナ様! 操られていたとはいえ、私は私は――」
そんな口上を述べている合間に、プリ―ニオやほかの使用人達もたどり着き、その場で全員が頭を下げる。
突然の出来事に、カトリーナは顔を引きつらせる。
「ど、どうしたのですか? みんな」
「カトリーナ様。私達は決してしてはならないことをしてしまったのです。謝罪だけでは足りませぬ。厳正なる処分をしていただければと思います」
全員が、顔を青ざめ、体を強張らせていた。
だが、それも当然というものだ。
皆がエリオットに操られ、バルトやカトリーナに武器をもって飛び掛かったのだ。普通なら、処刑。悪ければ一族道連れにしてこの世からいなかったものにされてもおかしくはない。
それでも、誰一人逃げることなくこの場に参り、頭を下げているのだ。
ひとえに、二人が慕われていたからだろう。それは、カトリーナにもバルトにも伝わっていた。
カトリーナが気を失ってたあの後。
バルトは気を失ったカトリーナを抱きかかえ屋敷に戻った。
その時には、使用人達の正気は戻っており、エリオットはエミリオの手で捉えられ催眠魔術を解かせることに成功した。
あまり、おおっぴらにはできない方法で言うことを聞かせたのだが、それはエミリオしか知らないこと。きっと彼はこれから先も語ることはないだろう。
そして後から分かったことだが、使用人達の記憶は鮮明に残っている。
当然、取り返しのつかないことをやってしまったと誰もが思ったことだろう。
そんな、すぐさま謝罪を始めた使用人たちを諫めたのはバルトだった。
「それよりも、今はカトリーナの治療と世話を頼む。それが何より優先だ」
そう言って、そのままカトリーナの傍に寄り添って離れなかったのだ。そうしたまま夜が明け、使用人達はバルトに加え、今この場でカトリーナへも謝罪をしていた。
カトリーナはバルトと目を合わせる。
すると、バルトはふっと微笑みカトリーナの前髪を耳にかけた。
「君はどう思う? 今回、一番危ない目にあったのはカトリーナだ。だからこそ、彼らの処分は君に決めてもらいたい」
「え? 私?」
突然すべてを任されたカトリーナ。
彼女はしばらく考え込むと、バルトに問いかける。
「普通は、公爵家に背いた使用人の末路はどんな感じなの?」
「通常は処刑だな」
「そうなのね」
そして、今度は一番近くにいたダシャへと振り向いた。
「じゃあ聞いてもいい? ダシャは悪いことをしたと思ってる?」
その問いかけに、ダシャは背筋を伸ばして答えた。
「はい。お二人の「命を危険にさらした罪は、簡単に償えることではございません。何とぞ、厳正な処分を」
「そう……そうなると、ここにいるみんな、処刑みたいなんだけど、みんなは死にたいってわけじゃないのよね?」
「……は、はい」
カトリーナは、ダシャの言葉を聞いて小さく首を傾げた。
そして、顎に指をあてると、やや上方を見て口を開く。
「そうね……なら、こういうのはどうかしら? 皆、悪いと思ってくれているようだし、エリオットに操られていたのは確かなんだから、公的な処分はある程度軽いものにして内容はバルト様に任せるとして……あとはそうね――」
――未来の公爵夫人がたっぷりいじめてあげるっていうのはどうかしら?
突拍子のない言葉に、ダシャやプリーニオ、そしてバルトも唖然としている。
「私のいびりはすごいわよ? なんたって、今回の黒幕をやっつけちゃったんだから! だから……結婚式が終わるまででいいかしら。いっぱいわがまま言って、私の憧れの結婚式をみんなで作ってもらうわ。それはきっと簡単じゃないわよ? 王都から両親だけじゃなくて使用人の婆やを呼びたいわ。式は派手じゃなくていいから、静かに執り行いたいし、パーティーもできるだけ簡素にして、ここにいるみんなも強制参加で祝って欲しい……。そういういじめ方はどうかしら? バルト様。これならきっと、彼らへの処分になるのではないですか?」
にやりと口角をあげたカトリーナに、バルトもおなじような顔をして笑う。
「そうだな。聞いただけでカトリーナのいびりはひどそうだ。さて、諸君らは、こんなひどい環境でも仕事をしたいと思えるか? もし思えるなら今から全力で結婚式の準備にとりかかれ。思えないならさっさとこの屋敷から出てい行っても構わない。さぁ、どうする?」
カトリーナとバルトの言葉に、ダシャをはじめとした使用人達は皆涙を流していた。
命が助かったうえに、誠心誠意尽くせと改めて当主本人から言われたのだ。これで奮起しない使用人など、本当の意味でこの屋敷には必要ないのだろう。
プリ―ニオは静かに涙をぬぐうと、いつもの冷静な口調でてきぱきと指示を出し始めた。
「そうしたら、すぐに持ち場に戻りなさい。だが、会場設営班と調理班はもう一度カトリーナ様の要望を聞いて計画を練り直せ。あと、王都への早馬を出す用意を忘れるな! カトリーナ様のご用命だ。必ず王都にいる家族全員をお連れすること」
「はい! かしこまりました!」
そういって、皆笑顔で走り出した。
バルトとカトリーナはそんな彼らの様子をみて、思わず笑みを交わしあう。
いまだに泣き続けているダシャをみたカトリーナは、そっと立ち上がり彼女の方に手を置いた。
「何泣いてるのよ」
「申し訳ありませんっ。私――」
「ダシャがいなくなったら寂しいわ。だから、これからもよろしくね」
「っ!? はい!」
泣きながらもようやくいつもの笑みを浮かべてくれたダシャをみて、カトリーナは遠慮なく用を申し伝える。
「じゃあ、着替えをお願いできるかしら? あと、実はお腹がすいちゃって。バルト様と一緒に食べたいのだけど?」
「はい! よころんで!」
どこかの居酒屋チェーンのような声を挙げつつ、ダシャはすばやく動き始めた。
そして、バルトに微笑みかける。
きっと彼も、これで万事よかったといってくれるだろう。そんな期待を込めて近づくと、バルトは本当に爽やかな笑みでそっとカトリーナの肩に手をのせた。
「さぁて。次は勝手に単独行動をした考えなしの誰かさんの番だな。俺は、使用人に対するほど君には優しくないつもりだ。覚悟はしているか?」
今までにないくらい黒いオーラを背負っていた婚約者は、確かにこの国で一番怖いんかもしれない。
身体を硬直させながらぎこちなくうなづいたカトリーナは、これからの自分の未来に、大いなる不安を抱くのだった。
所々痛む身体に鞭をうち体を起こす。
すると、そこにはベッドに倒れ込んでいるバルトの姿があった。
バルトは、彼女の手を握りしめながら静かに寝息を立てている。その姿をみて胸が熱くなったのは気のせいではないだろう。
カトリーナはちょうど腰の近くにあるバルトの頭を、そっと撫でた。
それを煙たがるように顔をしかめ、そっと手でよけるのをみて、思わず笑みをこぼしてしまう。
「なんか可愛い」
そのつぶやきが聞こえたのか、バルトがぱちっと目を開けると、勢いよく起きてカトリーナの顔を覗き込んだ。
「カトリーナ! 気づいたのか!」
「ええ、おはよう。もしかしてずっと一緒にいてくれたの?」
「ああ、そうだ。っと、こうしてはいられない。ダシャ! カトリーナが起きたんだ! すぐに来てくれ!」
バルトの声で屋敷が唐突に動き出す。
あっという間にカトリーナのもとにたどり着いたダシャは目が合うと、途端に目を潤ませ頭を下げた。
「申し訳ございません、バルト様、カトリーナ様! 操られていたとはいえ、私は私は――」
そんな口上を述べている合間に、プリ―ニオやほかの使用人達もたどり着き、その場で全員が頭を下げる。
突然の出来事に、カトリーナは顔を引きつらせる。
「ど、どうしたのですか? みんな」
「カトリーナ様。私達は決してしてはならないことをしてしまったのです。謝罪だけでは足りませぬ。厳正なる処分をしていただければと思います」
全員が、顔を青ざめ、体を強張らせていた。
だが、それも当然というものだ。
皆がエリオットに操られ、バルトやカトリーナに武器をもって飛び掛かったのだ。普通なら、処刑。悪ければ一族道連れにしてこの世からいなかったものにされてもおかしくはない。
それでも、誰一人逃げることなくこの場に参り、頭を下げているのだ。
ひとえに、二人が慕われていたからだろう。それは、カトリーナにもバルトにも伝わっていた。
カトリーナが気を失ってたあの後。
バルトは気を失ったカトリーナを抱きかかえ屋敷に戻った。
その時には、使用人達の正気は戻っており、エリオットはエミリオの手で捉えられ催眠魔術を解かせることに成功した。
あまり、おおっぴらにはできない方法で言うことを聞かせたのだが、それはエミリオしか知らないこと。きっと彼はこれから先も語ることはないだろう。
そして後から分かったことだが、使用人達の記憶は鮮明に残っている。
当然、取り返しのつかないことをやってしまったと誰もが思ったことだろう。
そんな、すぐさま謝罪を始めた使用人たちを諫めたのはバルトだった。
「それよりも、今はカトリーナの治療と世話を頼む。それが何より優先だ」
そう言って、そのままカトリーナの傍に寄り添って離れなかったのだ。そうしたまま夜が明け、使用人達はバルトに加え、今この場でカトリーナへも謝罪をしていた。
カトリーナはバルトと目を合わせる。
すると、バルトはふっと微笑みカトリーナの前髪を耳にかけた。
「君はどう思う? 今回、一番危ない目にあったのはカトリーナだ。だからこそ、彼らの処分は君に決めてもらいたい」
「え? 私?」
突然すべてを任されたカトリーナ。
彼女はしばらく考え込むと、バルトに問いかける。
「普通は、公爵家に背いた使用人の末路はどんな感じなの?」
「通常は処刑だな」
「そうなのね」
そして、今度は一番近くにいたダシャへと振り向いた。
「じゃあ聞いてもいい? ダシャは悪いことをしたと思ってる?」
その問いかけに、ダシャは背筋を伸ばして答えた。
「はい。お二人の「命を危険にさらした罪は、簡単に償えることではございません。何とぞ、厳正な処分を」
「そう……そうなると、ここにいるみんな、処刑みたいなんだけど、みんなは死にたいってわけじゃないのよね?」
「……は、はい」
カトリーナは、ダシャの言葉を聞いて小さく首を傾げた。
そして、顎に指をあてると、やや上方を見て口を開く。
「そうね……なら、こういうのはどうかしら? 皆、悪いと思ってくれているようだし、エリオットに操られていたのは確かなんだから、公的な処分はある程度軽いものにして内容はバルト様に任せるとして……あとはそうね――」
――未来の公爵夫人がたっぷりいじめてあげるっていうのはどうかしら?
突拍子のない言葉に、ダシャやプリーニオ、そしてバルトも唖然としている。
「私のいびりはすごいわよ? なんたって、今回の黒幕をやっつけちゃったんだから! だから……結婚式が終わるまででいいかしら。いっぱいわがまま言って、私の憧れの結婚式をみんなで作ってもらうわ。それはきっと簡単じゃないわよ? 王都から両親だけじゃなくて使用人の婆やを呼びたいわ。式は派手じゃなくていいから、静かに執り行いたいし、パーティーもできるだけ簡素にして、ここにいるみんなも強制参加で祝って欲しい……。そういういじめ方はどうかしら? バルト様。これならきっと、彼らへの処分になるのではないですか?」
にやりと口角をあげたカトリーナに、バルトもおなじような顔をして笑う。
「そうだな。聞いただけでカトリーナのいびりはひどそうだ。さて、諸君らは、こんなひどい環境でも仕事をしたいと思えるか? もし思えるなら今から全力で結婚式の準備にとりかかれ。思えないならさっさとこの屋敷から出てい行っても構わない。さぁ、どうする?」
カトリーナとバルトの言葉に、ダシャをはじめとした使用人達は皆涙を流していた。
命が助かったうえに、誠心誠意尽くせと改めて当主本人から言われたのだ。これで奮起しない使用人など、本当の意味でこの屋敷には必要ないのだろう。
プリ―ニオは静かに涙をぬぐうと、いつもの冷静な口調でてきぱきと指示を出し始めた。
「そうしたら、すぐに持ち場に戻りなさい。だが、会場設営班と調理班はもう一度カトリーナ様の要望を聞いて計画を練り直せ。あと、王都への早馬を出す用意を忘れるな! カトリーナ様のご用命だ。必ず王都にいる家族全員をお連れすること」
「はい! かしこまりました!」
そういって、皆笑顔で走り出した。
バルトとカトリーナはそんな彼らの様子をみて、思わず笑みを交わしあう。
いまだに泣き続けているダシャをみたカトリーナは、そっと立ち上がり彼女の方に手を置いた。
「何泣いてるのよ」
「申し訳ありませんっ。私――」
「ダシャがいなくなったら寂しいわ。だから、これからもよろしくね」
「っ!? はい!」
泣きながらもようやくいつもの笑みを浮かべてくれたダシャをみて、カトリーナは遠慮なく用を申し伝える。
「じゃあ、着替えをお願いできるかしら? あと、実はお腹がすいちゃって。バルト様と一緒に食べたいのだけど?」
「はい! よころんで!」
どこかの居酒屋チェーンのような声を挙げつつ、ダシャはすばやく動き始めた。
そして、バルトに微笑みかける。
きっと彼も、これで万事よかったといってくれるだろう。そんな期待を込めて近づくと、バルトは本当に爽やかな笑みでそっとカトリーナの肩に手をのせた。
「さぁて。次は勝手に単独行動をした考えなしの誰かさんの番だな。俺は、使用人に対するほど君には優しくないつもりだ。覚悟はしているか?」
今までにないくらい黒いオーラを背負っていた婚約者は、確かにこの国で一番怖いんかもしれない。
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