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1口の魔法のチョコシリーズ
6話 魔法庫の案内人(mahoとkotone)
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まほとことね、カフェにて
夕方のカフェは、蒸気と光が混ざる。
スチーム音に重ねて、スプーンの音がちいさく響く。
「ねぇ、ことね。
この前の配信、聞いたよ。声の雰囲気、また柔らかくなった」
まほがカフェラテを揺らしながら言う。
市役所勤務の彼女は、仕事帰りの制服のまま。
落ち着いていて、でもどこか茶目っ気のある目をしてる。
「ほんと? 最近、息がしやすくなった気はする」
ことねは笑う。
歯科衛生士の白いバッグと、くたっとした水色のコート。
その横には、子どもの塾のプリント。
「疲れてると、声って固くなるもんね」
まほはストローをくるりと回す。
指先まで、やわらかい。
「……まあ、いろいろね」
ことねは窓の外に目をやる。
冬の空気は透明で、ビルの隙間に心が澄む。
「でもさ」
まほが声を潜める。
親友であり、相棒であり、姉みたいな存在。
「そろそろいい人、現れてほしいなぁって思うわけ」
「え、突然?」
ことねは苦笑しながらストローの先を噛む。
「だって、ことねはちゃんと未来がある人だから。
優しくて、情熱あって、作品に真心がある。
……過去の人には、もう縛られないでほしいなって」
胸が、ちょっとだけ静かに疼く。
触れたくない思い出が、雪みたいに落ちてくる。
「……焦ってないよ」
「焦らなくていい。でも、
心の場所が空いたままなのは、ちょっと寒いじゃん?」
「……うん」
まほの言葉は、いつだって優しい。
押さない、急かさない。
けれど確かに背中をあたためてくれる。
「いい人いたら紹介するから。
ことねの世界守ってくれる人、絶対いるし」
「まほは? 夫婦仲は?」
「うちはもう安定の“人生同盟”よ」
まほがにやっとする。
「いいなあ~」
「そのうち、ことねも“味方”に出会うよ。
恋じゃなくていいの。
まずは味方。それが恋に変わるなら、それでいい」
コーヒーの湯気が、ふたりを包む。
外では仕事帰りの人たちが行き交い、
中ではふたりの時間だけがゆっくり。
「じゃあ、次の魔法庫ラジオは?」
ことねがタブレットを開く。
「テーマは——
“ひとりで強くならない魔法”」
「……それ、いいね」
スマホで録音ボタンを押す。
その瞬間、
遠くの席で子どもたちの笑い声がした。
未来の音だと思った。
今日、救ってくれたのは
恋じゃない。
親友という名の、あたたかい灯だった。
夕方のカフェは、蒸気と光が混ざる。
スチーム音に重ねて、スプーンの音がちいさく響く。
「ねぇ、ことね。
この前の配信、聞いたよ。声の雰囲気、また柔らかくなった」
まほがカフェラテを揺らしながら言う。
市役所勤務の彼女は、仕事帰りの制服のまま。
落ち着いていて、でもどこか茶目っ気のある目をしてる。
「ほんと? 最近、息がしやすくなった気はする」
ことねは笑う。
歯科衛生士の白いバッグと、くたっとした水色のコート。
その横には、子どもの塾のプリント。
「疲れてると、声って固くなるもんね」
まほはストローをくるりと回す。
指先まで、やわらかい。
「……まあ、いろいろね」
ことねは窓の外に目をやる。
冬の空気は透明で、ビルの隙間に心が澄む。
「でもさ」
まほが声を潜める。
親友であり、相棒であり、姉みたいな存在。
「そろそろいい人、現れてほしいなぁって思うわけ」
「え、突然?」
ことねは苦笑しながらストローの先を噛む。
「だって、ことねはちゃんと未来がある人だから。
優しくて、情熱あって、作品に真心がある。
……過去の人には、もう縛られないでほしいなって」
胸が、ちょっとだけ静かに疼く。
触れたくない思い出が、雪みたいに落ちてくる。
「……焦ってないよ」
「焦らなくていい。でも、
心の場所が空いたままなのは、ちょっと寒いじゃん?」
「……うん」
まほの言葉は、いつだって優しい。
押さない、急かさない。
けれど確かに背中をあたためてくれる。
「いい人いたら紹介するから。
ことねの世界守ってくれる人、絶対いるし」
「まほは? 夫婦仲は?」
「うちはもう安定の“人生同盟”よ」
まほがにやっとする。
「いいなあ~」
「そのうち、ことねも“味方”に出会うよ。
恋じゃなくていいの。
まずは味方。それが恋に変わるなら、それでいい」
コーヒーの湯気が、ふたりを包む。
外では仕事帰りの人たちが行き交い、
中ではふたりの時間だけがゆっくり。
「じゃあ、次の魔法庫ラジオは?」
ことねがタブレットを開く。
「テーマは——
“ひとりで強くならない魔法”」
「……それ、いいね」
スマホで録音ボタンを押す。
その瞬間、
遠くの席で子どもたちの笑い声がした。
未来の音だと思った。
今日、救ってくれたのは
恋じゃない。
親友という名の、あたたかい灯だった。
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