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外伝19話 計画の内容とスキルの正体
しおりを挟む「全く分からないんだけど?ロリコンかお前」
「違うよ。ただ君の子が欲しいだけ」
「ますます分からん……」
「ケイン……テメェアスタルテ様に向かってその口の利き方は!」
ソラが剣を抜くが、アスタルテが頭をこつく。
「やめろ、ソラ……良いか?これは対等な願いなのだ。それに彼女もいきなりこんな事を言われては納得できんさ」
「……申し訳ありません」
ソラは後ろに下がり、剣もしまった。
「それでね、改めて君にお願いしたいんだ。僕と君の子を作ってくれないか?」
「……理由は?」
「聞く気になったようだな」
「聞くだけだ。受ける気になったわけじゃねえから勘違いするなよ」
「フッ……良いだろう。ではまず、君は神鈴木を知っているか?」
「神……スズキ、あっ」
「どうやら知っているようだな。なら話は早い。結論から言うと、君達の住む例の星……『ジムダ』は、神鈴木によって作られたものだ」
「……そうか」
「ん?意外とショックを受けていないな」
「なんとなくそんな気がしてたからな」
実際田中は以前に一度この仮説を立てていた。ケインにとっても驚きではあるが、初見の反応ほどではないのだ。
「じゃあこれは知ってるか?スキルと言うものの正体?」
「は?スキルはスキルだろ」
「教えてやろう。スキルってのは2つの種類があるんだ。一つはオリジナルスキル……惑星ジムダの人間が12歳を迎えた時に手に入れるものだ。そして、もう一つは神鈴木によって作られたスキル…‥特定の条件を果たした時に神鈴木によって与えられるもの……」
「……」
「流石にこれは少し予想外だったか?」
「いいや、予想通りすぎて怖いくらいさ」
「虚勢を張るな。顔に出てるぞ?」
「……チッ、それで?スキルを作ったのが神鈴木ならお前はなんだ?自称神か?」
「違う。余は神より認められし4人しかいない半神半人、言うなれば亜神だ。ここだけの話、元々亜神は人間だったのだ」
「ただの人間がどうしていきなり神なんて大層なものになる?」
「ただの人間ではない。我々は魔王を倒した勇者パーティーだった者だ。つまり魔王というのは……」
「ああ……なるほど」
「ほう、今の説明だけでわかったようだな」
「魔王ってのは……神が与えた職業……つまり、人類に倒される為に作られたんだな?」
それならば、ガルドのように魔王のスキルを持った者がその意識をスキルに苛まれてしまうのも納得できる。
「その通りだ。あれは試練だったのだ。魔王を倒せる人類を亜人として迎え入れる為のな。魔王を倒したパーティーの人間は神に亜神のスキルが与えられ、寿命が無くなり半永久的に使え続ける」
「幾つか疑問がある」
「答えられる範囲なら答えてやろう」
「亜人を集める理由は?」
「分からん。だが、神鈴木は強い人間を欲していた」
「なぜ4人しかいない?魔王を倒した人間はもっといるはずだ」
「強制ではないからな。別に他の者が断っても不思議じゃない」
「じゃあどうして僕たちのところには誘いが来てないんだ?」
「それも分からん。神鈴木が止めたのだ」
「……お前が何者かは分かった」
「分かってくれたか……ならば」
「待てよ。まだ疑問はある。何故それで僕に子供を作れと言うんだ?」
「ああ、そうだったな。ケインよ、お前は知っているか?あの星の人間ではインフレが進んでいる事を」
「どういうことだ?」
「最強と謳われたオルトメキナだが、今のお前なら勝てない相手ではない……おかしいと思わないか?」
「それは……」
「…‥結論を言おう、余達は謀反を計画している。神鈴木を殺せば、この宇宙の支配者になるのは余達だ。既に余を含めた3人がこの計画に賛同している」
「……は?」
「だがな……余達3人では、どう足掻いてもあのふざけた神に勝てんのだ。そこでだ、別の強い奴に託す事にした。知っているか?強者と強者の血からは必ず強者が生まれる。だからあの星の戦闘レベルは上がり続けていたのだ」
「僕とお前が子供を作れば……なるほど、つまりその子供に神を殺させるつもりというわけか」
「いいや、それでも正直神鈴木に勝てるかは分からん。だからお前の親友にも頼む事にした」
「しん……ゆう?」
「故郷にいる今代の勇者だよ」
「っ!?テメェ……」
「そう、余とケインの子……そして、他の亜神とエルナの子が更に子を産めばそれは間違いなく神をも超える存在になる。無論、お前達にも分前をやるとも」
これが……亜神アスタルテの話した計画の全容であった……
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