美少女ゲーム大好き女の私が、ゲームの主人公と入れ替わってさあ大変! しかも記憶や知識がそのままだから百合ハーレムです。

楠富 つかさ

文字の大きさ
7 / 11

第六話 部活を決めよう

しおりを挟む
「では、新入生の皆さんは各自部活動見学へ向かってくださーい」

さてと、たぶん今の声が生徒会副会長の澄空氷里の声だな。ゲームだと文だけだったから、分からなかったや。というわけで、私は体育館を出て二階―一年生の教室があるフロア―へ向かった。

あぁ、思い出した。このタイミングで何階に行くか選択肢が発生して、二階で日本文化研究部、三階だとなずなとの会話、四階に行くと生徒会執行部に入るんだった。取り敢えず…一階まで来たものの…

「きゃっ」
「あ、大丈夫ですか!?」

階段を降りてすぐ、チラシを持った女の子にぶつかってしまった。あれ? この娘が深山愛唯だ。なんで? 少し話とズレている。いや、今はそれより…

「いたた…。あっ、スカートが…」

そう、その少し捲れたスカート内側がね、かなり目を惹くのよ。やっぱりエロゲーだもんね。ピンクかぁ。いいねぇ。さて、取り敢えずチラシを回収してから、また演技タイムだ。

「チラシ拾い終わりました。あの? 先輩ですか?」
「ん? あ、違うよ。あたしも一年生なの」

ここで選択肢登場!
A〈大人っぽいから先輩かと思ったや〉
B〈胸が大きいから先輩かと思ったや〉
ここは勿論Bですよ。

「胸が大きいから先輩かと思ったや。私も一年生なんだよ」

言った途端に頬を赤らめる愛唯。いやぁ、可愛いなぁ。ていうか、顔を隠そうとすると…ちょうど肘が胸を押し上げる状態になるという。むふふ。

「あ、えっと。チラシ拾ってくれてありがとう。あたしは、D組の深山(みやま)愛唯(あい)です。委員会は学園委員です」
「私はA組の茜屋柚花里だよ。委員会は風紀委員。A組の学園委員は雛子ちゃんっていうんだけど、分かる?」

いやはや、こうして会話できるだけでも嬉しいなぁ。まじ、3Dだよ。この腰にかけての括れが…。ヒロイン人気ランキング堂々の二位だもの。可愛いのは当たり前。ゲームだとピンク色だった髪は少し茶色気味で、瞳は鳶色。瑞々しい唇…洗練された美少女だ。

「柚花里ちゃーん、聞いてる?」
「えっ? あ、その…見惚れてた」

今のは自分でも驚くくらい自然に出た台詞だった。ふふ、また少し赤くなってる。それでも、何処に? と訊いてくる彼女に、私は当然のように胸と答えた。

「そ……そんなに大きいかな?」
「んーと、私は…ね? こんなだから…ね?」
「あ……うん。でね、良かったらあたしの部活に入ってくれないかな?」

きたきた、本題だよ。

「何部?」
「日本文化研究部。通称ニッケン」

はい、知っていましたよ。活動内容を聞くと長そうだし、大まかな設定は分かっているし。

「どうしようかな……他に誰か部員いるの?」
「今はいないの。でも、一人でも入ってくれれば、存続させてくれるって」

うんうん。ここでフラグを立てておくと、部室で……むふふ。

「そうだねぇ……二人きりならオッケーかな」

またもや顔を赤くする愛唯、あーたまらん!

「じゃあ…そのぉ、よろしくね」


 よっしゃあ!! これで正式にニッケンのメンバーというか、愛唯と一緒に放課後を過ごせるのかぁ。もう、興奮するねぇ。

「じゃあ、活動について説明するから、部室まで着いてきてよ」

 この台詞、ゲームだと男子を相手に言うのだけど……無防備すぎでしょ。ゲームでは、二人で部員を集めるものの、努力虚しく新入生は入らず。流れで二人で活動するようになるんだよね。いくら一目惚れした相手に、逆ナンみたいに声をかけたとしても……やっぱり無防備だよねぇ。まあ、ご都合主義ということで。

「さぁ、ここよ」

 着いたのは、教室がある棟から渡り廊下を通った先の、特別教室棟と呼ばれるエリア。その三階の角部屋がニッケンの部室。中は少し肌寒く、薄暗いものの、綺麗に掃除がされていて、ゲームの時と同様に家具が配置されている。取り敢えずソファーに座って、愛唯の話を聞く。

 ニッケン、日本文化研究部は代々メモリアルハーツブランドから発売される18禁ゲームの登場人物と密接な関係があるのだ。剣次のお兄さんが主人公だったゲームだと、ヒロインの大半が所属するし、後輩として愛唯の従姉が登場する。おそらく、愛唯はその従姉から、この部を託されたのだろう。そして、驚くべきは、この部の創立メンバーな成宮先生が含まれるのだ。

「顧問もね、成宮先生なんだよ」

 おっと、活動の中身に触れていなかったが、また今度でいいか。活動よりも、この部室の存在が有意義なのだから。さて、作中で最強のチョロイン力を発揮する彼女を、どう攻略しようかな。

「じゃあ、明日もね!」

 手を振る彼女を見送って、私は帰路につくとしようか。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…

senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。 地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。 クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。 彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。 しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。 悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。 ――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。 謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。 ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。 この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。 陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!

処理中です...