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【薔薇のパル】になった件
邪魔者達の強襲
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二人暫く抱き合って温もりを分け合った。
「…じゃあ、名残惜しいけど帰るね。」
「ん。」
抱き締める腕を解き身を離す、最後にと口付ける。
「また明日ね。」
「あぁ、また明日。」
そう言うとメイさんは部屋を出て行った、俺は鍵をかけクローゼットへ向かう。
クローゼットを開け、カバンからネクタイを取り出し掛けていく。
最後に身につけていたネクタイを外し、それを鼻先へと近付けくんと鼻を鳴らす。
メイさんの香りがした、嗚呼本当に【薔薇のパル】になったんだなぁと実感した。
それをクローゼットへしまえば、制服を脱ぎ掛けていく。
シャツとパンツだけになればクローゼットを閉じ、バスルームへ向かう。
明日も生徒会の仕事がある、早く寝よう。
そう考えながらシャツとパンツを洗濯機に放り込んだ。
「おはよう、古鬼田くん。」
「おう、おはようさん。」
身支度を整え部屋を出ると既に古鬼田くんが廊下に立っていた。
弄っていたスマホをポケットにしまうと歩き出したので俺も鍵を閉め後を追う。
「今日から本採用だべ?」
「うん、そうだね。」
会計補佐の書類はメイさんが今日の朝に提出してくれるらしい。
だから、今日から俺達は生徒会配属になる。
「気合い入れねぇとな。」
「うん、メイさんの為にも学園の為にも。」
食堂へ向かいながら二人で喝を入れ合う。
「あんな奴らリコールしちまえばいいのにな。」
「同意見だけど、そう簡単な話じゃないだろ?」
「まぁ確かに出来てりゃとっくにしてるわな…。」
食券を買い適当な席につく、リコールには大賛成だが一人ならまだしもメイさん除き生徒会全体となると話は違う。
下手をするとメイさんまでリコールされてしまう危険性もある。
「俺らだけでも支えになってあげよう。」
「そうだな。」
そう話し合い俺らは適当に朝食を終わらせ、寮を出た。
終礼後、俺達二人は生徒会室前に立っていた。
トントントンとノックをする、中から「はぁい。」と聞こえたので扉を開ける。
「いらっしゃい、御形くん古鬼田くん。」
「うっす。」
「メイさん書類通った?」
そう問うとメイさんはウインクをして見せた、薄らとした隈は残っていて痛々しい。
「ばっちし通ったよん!二人共成績優秀だったからかな!」
「良かったっす。」
「うん、良かった。」
俺達も席につき今日の仕事に取り掛かる、今日は物品破損の処理書類だ。
これだけ破損させたのかと思い舌を巻く、物品破損書類だけでも膨大な数だ。
今日中に終わらせられるかな、と不安になりながらペンを取った。
暫く三人共無言でペンを走らせているとバンッと大きな音をたてて扉が開かれた、そこには函辺蘭を筆頭に生徒会メンツと花咲ナズナが立っていた。
函辺蘭はズカズカと生徒会室に入って来ると俺と古鬼田くんに目をやり、メイさんを睨んだ。
「おい!メイ!何勝手に部外者を入れている!」
「なァに、蘭。暫く生徒会室に来なかったクセにイチャモンつけに来たの?」
メイさんが席から立ち上がり、函辺蘭の前に立ちはだかった。
「ナズナを受け入れなかったクセにお前は二人も連れ込んで何してんだ。」
「何って仕事だけど?二人共正式な生徒会役員だよ。」
「はぁ!?俺を差し置いて何勝手してやがんだ!」
「蘭達が遊び呆けてるからでしょ。」
「なっ!?」
「他の連中もお姫様に夢中みたいだから、俺達のことは放って置いて。お引き取り願える?」
他の生徒会メンツは視線を逸らしたが、函辺蘭は違った。
なんと拳を振り上げメイさんを殴りつけたのだ、メイさんが机にぶつかり書類が舞う。
「メイさん!」
俺は慌ててメイさんに駆け寄り、古鬼田くんが間に割り込み立ちはだかる。
「…おかえり下さい。」
古鬼田くんが低い声で威嚇し、俺は函辺蘭を睨みながらメイさんを支える。
「よ、避けないそいつが悪いんだからな!行くぞ!」
「ちょ、待ってよ蘭!」
そう捨て台詞を吐いて函辺蘭は生徒会メンツと花咲ナズナを連れて出て行った。
「メイさん大丈夫…?」
「頭打ってないっすか?」
「ってて…頭は打ってないよ、大丈夫…。」
大丈夫と応えるメイさんの頬が腫れ、口の端も切れていて俺はメイさんを古鬼田くんに任せて慌てて給湯室でハンカチを濡らし救急箱も取り出し戻った。
戻るとメイさんはソファーに凭れかかっていた、古鬼田くんが連れて行ってくれたのだろう。
「メイさんこれで頬冷やして。」
濡れたハンカチを手渡し、メイさんの隣に腰掛け救急箱を開け消毒液を取り出した。
脱脂綿に消毒液をかけメイさんの口端を拭う。
「いてて……アイツ本気で殴りやがって…。」
何度か拭うと血が止まって来たのでそこに絆創膏を貼る。
「口の中は?」
「ん~…なんとか切れてないっぽい。」
「…良かった。」
ほっと息を吐く、だが許せないなんの罪もないメイさんを殴るだなんて。
俺の憤りを感じたのかメイさんが俺の頭を撫でる。
「二人共怒ってくれてありがとう。でも、避けられなかった俺の落ち度もあるから。」
「そんな!メイさんに落ち度なんてあるもんか!」
「明らかに本調子じゃない相手に本気で殴りかかる奴を庇うことないっす。」
俺も同意見だとこくこくと頷く。
メイさんは困った様に眉をへにゃりと垂らすと笑ってみせた。
「俺の代わりに怒ってくれてありがとう…でも今日はもう疲れちゃったかな…。」
「…メイさん、今日は帰ろ?」
「提出する書類は俺が代わりに持って行くっす。」
メイさんは書類の山と俺達の顔を交互に見て一つ溜息をつくと、緩く頷き。
「ごめんね…そうさせて貰う。」
俺はそれを聞くとメイさんと自分の荷物を纏め、書類を集め終えた古鬼田くんに声をかける。
「俺メイさん送って行くから、書類提出お願いね。」
「おう。」
三人で生徒会室を出、施錠し古鬼田くんと別れ俺達は寮へ向かった。
心配だからと俺はメイさんの部屋の前まで来ていた。
「ちょっと寄って行って。」と頼まれたので部屋にお邪魔する。
部屋に入ると直ぐにメイさんから抱き締められた、俺はその腕の中に大人しく収まり腰に腕を回す。
「…殴られたのが御形くんや古鬼田くんじゃなくて良かった…じゃなきゃ、俺もやり返してたかも。」
「良くないよ…メイさんが傷付いた。」
「これくらい平気平気っていてて。」
口の端が引き攣れたのだろう、俺は伸び上がり絆創膏の上から口付けた。
するとメイさんが唇を尖らせ強請る。
「違う、こっち。」
なんだか可愛くてくすくすと笑いながら、強請られるまま唇に唇を重ねた。
何度も角度を変え触れ合うだけの口付けを繰り返し、ゆっくりと唇を離した。
赤く腫れた頬に手を伸ばすとメイさんの方から擦り寄って来た。
「…痛む?」
「ちょっとね、本気で殴られちゃったから。」
「机にぶつかってたけど、腰は?」
「そっちは大丈夫そう、明日の心配?」
ニヤリと笑うメイさんに一瞬戸惑うが、昨日のやり取りを思い出しかぁっと顔が熱くなる。
軽く胸元を拳で叩く。
「ばか!人が真剣に心配してるのに!」
「あはは~ごめんごめん。」
ぎゅうと抱き締められ、鼻先に口付けられる。
これだけで絆されてしまうのだから、恋は怖い。
「…許す。」
「ありがと~。」
「但し、今日はゆっくり休むこと。明日モーニング行くんだろ?」
「承知しました!」
「よろしい。」
変なやり取りに二人して吹き出す。
問題は山積みだけど、幸せだなぁと噛み締める。
「…御形くん、もう少しキスしたい。」
「ん。」
メイさんが屈み顔を寄せて来たので俺は目を瞑る。
唇が触れ、離れまた触れる。
嗚呼、傷が無ければもっと深く口付けられるのに、そんなことを考えながら俺はメイさんの腰に腕を回したまま、暫く好きにさせた。
「送ってくれてありがとう。」
「気にしないで、頬、ちゃんと冷やしてね。」
「うん、じゃあ明日の朝にね。」
「また明日。」
そう言ってメイさんの部屋を出た。
食堂に行こうか迷ったが、食べる気がしなくて部屋へ直行した。
部屋へ戻りベッドへ寝転ぶ。
今日は半分も仕事進まなかったのに疲れきっていた。
明日はAmberへ行って…そして、メイさんに抱かれるんだ…。
じわりと下腹が熱くなる感覚がして自身の手で下腹を撫でた、どうってことの無いただ撫でられたというだけの感覚だ。
しかし、メイさんに撫でられた感覚を思い出すと中が疼いた気がした。
これ以上はダメだと頭の中で警報が鳴って、下腹から手を離す。
風呂へ入ろう、俺はベッドから立ち上がった。
「…じゃあ、名残惜しいけど帰るね。」
「ん。」
抱き締める腕を解き身を離す、最後にと口付ける。
「また明日ね。」
「あぁ、また明日。」
そう言うとメイさんは部屋を出て行った、俺は鍵をかけクローゼットへ向かう。
クローゼットを開け、カバンからネクタイを取り出し掛けていく。
最後に身につけていたネクタイを外し、それを鼻先へと近付けくんと鼻を鳴らす。
メイさんの香りがした、嗚呼本当に【薔薇のパル】になったんだなぁと実感した。
それをクローゼットへしまえば、制服を脱ぎ掛けていく。
シャツとパンツだけになればクローゼットを閉じ、バスルームへ向かう。
明日も生徒会の仕事がある、早く寝よう。
そう考えながらシャツとパンツを洗濯機に放り込んだ。
「おはよう、古鬼田くん。」
「おう、おはようさん。」
身支度を整え部屋を出ると既に古鬼田くんが廊下に立っていた。
弄っていたスマホをポケットにしまうと歩き出したので俺も鍵を閉め後を追う。
「今日から本採用だべ?」
「うん、そうだね。」
会計補佐の書類はメイさんが今日の朝に提出してくれるらしい。
だから、今日から俺達は生徒会配属になる。
「気合い入れねぇとな。」
「うん、メイさんの為にも学園の為にも。」
食堂へ向かいながら二人で喝を入れ合う。
「あんな奴らリコールしちまえばいいのにな。」
「同意見だけど、そう簡単な話じゃないだろ?」
「まぁ確かに出来てりゃとっくにしてるわな…。」
食券を買い適当な席につく、リコールには大賛成だが一人ならまだしもメイさん除き生徒会全体となると話は違う。
下手をするとメイさんまでリコールされてしまう危険性もある。
「俺らだけでも支えになってあげよう。」
「そうだな。」
そう話し合い俺らは適当に朝食を終わらせ、寮を出た。
終礼後、俺達二人は生徒会室前に立っていた。
トントントンとノックをする、中から「はぁい。」と聞こえたので扉を開ける。
「いらっしゃい、御形くん古鬼田くん。」
「うっす。」
「メイさん書類通った?」
そう問うとメイさんはウインクをして見せた、薄らとした隈は残っていて痛々しい。
「ばっちし通ったよん!二人共成績優秀だったからかな!」
「良かったっす。」
「うん、良かった。」
俺達も席につき今日の仕事に取り掛かる、今日は物品破損の処理書類だ。
これだけ破損させたのかと思い舌を巻く、物品破損書類だけでも膨大な数だ。
今日中に終わらせられるかな、と不安になりながらペンを取った。
暫く三人共無言でペンを走らせているとバンッと大きな音をたてて扉が開かれた、そこには函辺蘭を筆頭に生徒会メンツと花咲ナズナが立っていた。
函辺蘭はズカズカと生徒会室に入って来ると俺と古鬼田くんに目をやり、メイさんを睨んだ。
「おい!メイ!何勝手に部外者を入れている!」
「なァに、蘭。暫く生徒会室に来なかったクセにイチャモンつけに来たの?」
メイさんが席から立ち上がり、函辺蘭の前に立ちはだかった。
「ナズナを受け入れなかったクセにお前は二人も連れ込んで何してんだ。」
「何って仕事だけど?二人共正式な生徒会役員だよ。」
「はぁ!?俺を差し置いて何勝手してやがんだ!」
「蘭達が遊び呆けてるからでしょ。」
「なっ!?」
「他の連中もお姫様に夢中みたいだから、俺達のことは放って置いて。お引き取り願える?」
他の生徒会メンツは視線を逸らしたが、函辺蘭は違った。
なんと拳を振り上げメイさんを殴りつけたのだ、メイさんが机にぶつかり書類が舞う。
「メイさん!」
俺は慌ててメイさんに駆け寄り、古鬼田くんが間に割り込み立ちはだかる。
「…おかえり下さい。」
古鬼田くんが低い声で威嚇し、俺は函辺蘭を睨みながらメイさんを支える。
「よ、避けないそいつが悪いんだからな!行くぞ!」
「ちょ、待ってよ蘭!」
そう捨て台詞を吐いて函辺蘭は生徒会メンツと花咲ナズナを連れて出て行った。
「メイさん大丈夫…?」
「頭打ってないっすか?」
「ってて…頭は打ってないよ、大丈夫…。」
大丈夫と応えるメイさんの頬が腫れ、口の端も切れていて俺はメイさんを古鬼田くんに任せて慌てて給湯室でハンカチを濡らし救急箱も取り出し戻った。
戻るとメイさんはソファーに凭れかかっていた、古鬼田くんが連れて行ってくれたのだろう。
「メイさんこれで頬冷やして。」
濡れたハンカチを手渡し、メイさんの隣に腰掛け救急箱を開け消毒液を取り出した。
脱脂綿に消毒液をかけメイさんの口端を拭う。
「いてて……アイツ本気で殴りやがって…。」
何度か拭うと血が止まって来たのでそこに絆創膏を貼る。
「口の中は?」
「ん~…なんとか切れてないっぽい。」
「…良かった。」
ほっと息を吐く、だが許せないなんの罪もないメイさんを殴るだなんて。
俺の憤りを感じたのかメイさんが俺の頭を撫でる。
「二人共怒ってくれてありがとう。でも、避けられなかった俺の落ち度もあるから。」
「そんな!メイさんに落ち度なんてあるもんか!」
「明らかに本調子じゃない相手に本気で殴りかかる奴を庇うことないっす。」
俺も同意見だとこくこくと頷く。
メイさんは困った様に眉をへにゃりと垂らすと笑ってみせた。
「俺の代わりに怒ってくれてありがとう…でも今日はもう疲れちゃったかな…。」
「…メイさん、今日は帰ろ?」
「提出する書類は俺が代わりに持って行くっす。」
メイさんは書類の山と俺達の顔を交互に見て一つ溜息をつくと、緩く頷き。
「ごめんね…そうさせて貰う。」
俺はそれを聞くとメイさんと自分の荷物を纏め、書類を集め終えた古鬼田くんに声をかける。
「俺メイさん送って行くから、書類提出お願いね。」
「おう。」
三人で生徒会室を出、施錠し古鬼田くんと別れ俺達は寮へ向かった。
心配だからと俺はメイさんの部屋の前まで来ていた。
「ちょっと寄って行って。」と頼まれたので部屋にお邪魔する。
部屋に入ると直ぐにメイさんから抱き締められた、俺はその腕の中に大人しく収まり腰に腕を回す。
「…殴られたのが御形くんや古鬼田くんじゃなくて良かった…じゃなきゃ、俺もやり返してたかも。」
「良くないよ…メイさんが傷付いた。」
「これくらい平気平気っていてて。」
口の端が引き攣れたのだろう、俺は伸び上がり絆創膏の上から口付けた。
するとメイさんが唇を尖らせ強請る。
「違う、こっち。」
なんだか可愛くてくすくすと笑いながら、強請られるまま唇に唇を重ねた。
何度も角度を変え触れ合うだけの口付けを繰り返し、ゆっくりと唇を離した。
赤く腫れた頬に手を伸ばすとメイさんの方から擦り寄って来た。
「…痛む?」
「ちょっとね、本気で殴られちゃったから。」
「机にぶつかってたけど、腰は?」
「そっちは大丈夫そう、明日の心配?」
ニヤリと笑うメイさんに一瞬戸惑うが、昨日のやり取りを思い出しかぁっと顔が熱くなる。
軽く胸元を拳で叩く。
「ばか!人が真剣に心配してるのに!」
「あはは~ごめんごめん。」
ぎゅうと抱き締められ、鼻先に口付けられる。
これだけで絆されてしまうのだから、恋は怖い。
「…許す。」
「ありがと~。」
「但し、今日はゆっくり休むこと。明日モーニング行くんだろ?」
「承知しました!」
「よろしい。」
変なやり取りに二人して吹き出す。
問題は山積みだけど、幸せだなぁと噛み締める。
「…御形くん、もう少しキスしたい。」
「ん。」
メイさんが屈み顔を寄せて来たので俺は目を瞑る。
唇が触れ、離れまた触れる。
嗚呼、傷が無ければもっと深く口付けられるのに、そんなことを考えながら俺はメイさんの腰に腕を回したまま、暫く好きにさせた。
「送ってくれてありがとう。」
「気にしないで、頬、ちゃんと冷やしてね。」
「うん、じゃあ明日の朝にね。」
「また明日。」
そう言ってメイさんの部屋を出た。
食堂に行こうか迷ったが、食べる気がしなくて部屋へ直行した。
部屋へ戻りベッドへ寝転ぶ。
今日は半分も仕事進まなかったのに疲れきっていた。
明日はAmberへ行って…そして、メイさんに抱かれるんだ…。
じわりと下腹が熱くなる感覚がして自身の手で下腹を撫でた、どうってことの無いただ撫でられたというだけの感覚だ。
しかし、メイさんに撫でられた感覚を思い出すと中が疼いた気がした。
これ以上はダメだと頭の中で警報が鳴って、下腹から手を離す。
風呂へ入ろう、俺はベッドから立ち上がった。
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