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急変
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『新入生歓迎会を始める前にココで一つ、生徒会から連絡が在ります。新しく
生徒会の会計として一年生の東条七海君が生徒会入りしましたので報告を。で
は七海君一言……まぁ入学式に代表挨拶をすっぽかした彼がこの場に居るはず
も無く、代わりに会長から挨拶を……皆さん御存知の通り彼女も居るわけが無
いわけで。……はぁ僕もいい加減怒って良いかな?』
体育館からどうでもいい男の、俺には何の関係も声が響いてくる。俺は勿論
いつもの場所。
「お前呼ばれてるぞ。関係無くないじゃないか」
相変わらずセツナは人が考えてる事、というか地の文を読んで話しかけてく
る。ちなみに今俺はセツナの膝枕。最近これ位はデフォである。ラヴラヴだか
らな。
「お前もな。何故俺が奴に呼ばれて行かねばにゃらん」
セツナに頬を抓られる。コークスクリューも随分可愛くなったものだ。
「ラ、ラヴラヴとかじゃないもん。あ、後可愛いとか言うな」
だから言って無いし。まぁ今の俺にはそんな事よりも、全校集会よりも、重
大な悩みが在るのだ。言いたい事が在るのは分っている。皆さんも思っている
事だろう「惚れた女と一緒に寝て何にもしないってどんだけヘタレなんだ
よ!!」と。俺だって絶賛後悔の無限ループ中だよ。
「お前あれからソレばっか言っているな。いい加減聞き飽きたぞ」
「だから、言ってねぇって。勝手にお前が読んでるだけだろう」
「惚れた女とかあんまり言うな。こっちはどうゆう反応すれば良いんだ?」
そっちかよ。まぁ俺、最初から好きとか嫌いとか相手に隠さないから読まれ
ても関係無いんだけど。読んだなら察して誘って……照れてた顔が鬼の形相に
なったから、これ以上は止めておこう。
「それは聞き飽きたから、いい加減ちゃんとした告白が聞きたいなぁ。なん
て」
こっちの気も知らないで。今言ったって俺が惨めなだけだろうが。
「旦那に勝てたら、言ってやるよ。よっと」
俺はセツナにそう伝えると、起き上がってそのまま下に飛び降り、体育館に
向かい、予定通り襲撃作戦に入る。しかし、何故だかいつも以上の戦闘力を持
っていた副会長に、フランスパンの突撃も俺のえくすかりばーでの奇襲も成功
しなかった。
ちなみにこの日は終業式。何故そんな日に新入生歓迎会をと思ったが、後か
ら聞くと、例年通りならば四月に予定されていたのだが、今年はやる気の無い
生徒会長が原因で在るようだ。
終業式と言う事は勿論この後は夏休み。俺は夏休みなど何もせず無意味に過
ごして居ると思いの方も多いだろうが、俺の夏休みは毎年忙しい。俺達の児童
施設は無くなってしまったが、まだ児童施設も親の居ない子もたくさん存在す
る。キャラと違うのは承知の上だが、俺は毎年夏休みを使って、智也と共にそ
ういった施設を手伝いに行くのだ。後は個人的な用もいくつかあって、夏休み
は大変忙しかったので一万五千回もループなどせず一回で終わった。皆さんが
他人の夏休みを見せられる辛さは理解しているので、この事は省略する事にす
る。そしてこの物語は秋を通り超して冬に入る。と言うよりぶっちゃけ巻きに
入る。ちゃんと計画せずに書くからこうゆう事になるのだ。
ここまでの過程を一気に飛ばした結果、入学式直後だった、時間はいつの間
にか卒業式近い季節になっている。こんな時期は誰だって暖房器具が欲しくな
る。
「つー訳でハロゲン。なんかヤレ」
「どーゆ訳だよ。暇ならいつもみたいに寝てれば良いじゃねぇか」
LHR。いつもの様に黒板にでかでかと自習と書いてある為、クラスの皆は思
い思いに談笑をしている。担任である美鈴が寝ている姿が見えない以外の事
は、いつもと変わらぬ光景である。
「なんか胸騒ぎがすんだよ。きな臭いっつーかさ。美鈴は?」
「美鈴ねぇなら、星佳さんと白衣を着た科学者っぽい人と話していたのを見た
けど」
「謎の科学者が突如来襲。この学校を巨大な実験に使うとか! 確かにきな臭
くなってきたな」
「いや、たぶん学校関係ねぇよ。あの二人本職は名のある科学者だから個人的
にだろ。俺の感じたきな臭いは、少し嫌いな臭いがした気がしただけだ。非日
常を望むならお前は先ずインコでも飼うことから始めろ」
珍しいな。もう一線を退いてから大分立つというのに、今更星佳に? 論文
に口添えでもして貰いに来たのだろうか? まぁどうでもいいか。そんなこと
より俺にはもう時間が無い。考えねば成らんことは他に在る。
「なぁハロゲン、やっぱ告白するなら卒業式か?」
「定番だなぁ。……いやて言うかサラッと言ったけどお前告白するのか
よ!?」
「お前が恋愛なんて……相手は茜か? 昔からの親友の恋だ相談ぐらい乗る
よ」
「だからお前には相談しないんだ。と、言う事で昔からの友人である茜と、ラ
ブコメアニメのバイブルであるハロゲン。相談に乗れ」
「智也は仕方無いよ。まぁ確かにこたつ君はチャラそうだもんね」
「だから俺はチャラくもヤンキーでも無いって。んで相手は? 俺等の知って
る人か?」
「あぁ、セツナ。ちなみにその前に無駄に爽やかな壁が立ち塞がっている」
「会長? 黒川先輩か茜だと思ってたけど」
もうお前は黙っててくれ。と言うのも面倒だからコイツは無視。
「相手が生徒会長なら、やっぱり会長就任式の引き継ぎ……何てモンはウチの
学校には無いから、卒業式の在校生代表の挨拶とか? お前役員ならそれぐら
い出来るだろ?」
「それ、失敗するよね? お前が一番良く分ってるよね? 本家でも完璧にス
ルーされただろうが」
「七海はこの学校に桜の木があるの知ってる?」
何だイキナリ? どこの学校にも桜の木ぐらい在るだろう。
「あっ! お前憶えてないか? 星佳さんがこの学校作るときに植えた巨大な
桜の木」
あーそう言えば「学校なら恋にまつわる伝説の桜の木が無いとね」とか言っ
てたな。
「そこで決まりだよ七海。卒業式の日に雪那先輩を呼び出してアタッーク」
そこでチャイムが鳴った。今日の授業はこれで終わりである。そこはたとな
く不安なので続きは本人を眺めながら考えよう。直接聞くのも良い。どうせ読
まれているのだろうしな。
俺は三人に挨拶をするといつもの様に生徒会室に向かう。気のせいだと思っ
てたけどやっぱりなんか不愉快な臭いがするな。何の研究をしている科学者な
んだ? まぁいい。生徒会室の扉を開けると、旦那と静の二人だけで、セツナ
は居なかった。俺が部屋に入るとすぐに旦那に話しかけられた。
「今日は来賓が来てるから生徒会用のネクタイちゃんとしてくれよ。まぁもっ
とも雪那が対応しているから問題ないと思うけどね」
「来賓ってどっかの科学者か?」
「よく知っているね。さっき学園長と新堂先生と一緒に僕のクラスに来てね。
雪那が呼ばれて行ったよ。何の話だろうね?」
「会長は頭も良いし留学の話とかかしら?」
ココに科学者が来た? 何故その時に気づかなかった? 星佳は既に一線を
退いてる? 関係無い。 学校には用は無い? 当前だ。平和ボケでもした
か? それとも色ボケか? どっちにしろ情けねぇ。アイツ等が興味有るのは
何時だってモルモットの方だろうが! 全てを理解して俺は思いっきり壁を叩
く。後手に回った。でも絶対負けねぇ。
「どうしたのよイキナリ?」
「どこかに用事でも思い出したかい?」
飛び出そうとした俺に声が掛る。二人を忘れていた。今は話している時間が
無い。
「悪いけど今日は二人とももう帰ってくれ。急用ができた」
「ソレは、この前の話と……雪那と関係があるのかい?」
「あぁ。だが今は説明している時間が無い。今度全部説明するから……」
俺がコイツに? ソレは俺がやることじゃないだろう。セツナ自身が向き合
わなきゃならない事だ。俺が出しゃばって良い事じゃない。
「……知りたいのなら直接セツナに聞け。俺が話す事じゃない。お前から聞く
なり、セツナから話して来るのを待つなり好きにしろ。だから今は、今だけは
俺に任せてくれ。セツナだけは何があっても守るから、だから、頼む……」
この人が俺なんかよりずっとセツナと付き合いが長いのは知ってる。セツナ
を助けた事も。ずっと守ってきた事も。でも今回は俺じゃなきゃダメなんだ。
「分った。どうやら今回は僕じゃ力不足みたいだね。キミに任せるよ」
いい人過ぎるんだよアンタは。どうやって勝てば良いんだが。
「サンキュ旦那」
「七海?」
「静。コレは『俺の事』だ。お前は気にしなくて良い。忘れると良い」
「ええ。分ったわ。貴方がそう言うのなら」
「雪那を頼んだよ」
俺は軽く手を上げて応え、生徒会室を後にする。セツナ達が居るとしたら応
接室か。何をしに来たか知らないが、これ以上俺の物を奪う気なら容赦なく潰
す!!
応接室の前に立つ。ココに居るな。確信と共にノックもせずにドアを思いっ
きり開ける。中に居たのは、星佳に美鈴、それにセツナ。その対岸には左右に
黒服の男を立たせてある。ボディガードだろうか? まぁ研究所破壊する様な
相手に会いに来るんだ。当然の用意だな。見覚えの無い白衣を着た、まぁ助手
かなんかだろう。どうでもいい。俺の目線は最後に一人の男で止まる。髭を生
やし白髪の混じった髪に白衣を着た壮年の科学者。俺が一生掛けても忘れられ
ない人物の一人。
「ハロー東条センセ、お久しぶり」
「「「七海!?(ちゃん)」」」
最初に三人に驚かれる。この反応だとやっぱり俺には隠しておきたかったみ
たいだね。向こうはまだ気づかないか。まっ多少なりとは変わってるしね。
「あれ? 憶えてない? 貴方の可愛いモルモット七海君ですよぉ」
「まさか、七海……なのか?」
「非道いなぁ。あんなに毎日弄くり回してたのに忘れちゃったんですかぁ?」
「いや、お前と再び会えるとは思って無くてな」
「コッチだってテメェの面なんざ二度と見たく無かったんだけどね。今日は一
体何の用で? 昔はロリコンでしたが今度は女子高生に鞍替えですか?」
「違うの七海ちゃん落ち着いて。貴方の気持ちも分るけど、今日は貴方や雪那
ちゃんの将来に関わることなの」
星佳に止められる。将来に関わる事? 何が違うのか解らないのだが? こ
こぞとばかりに助手らしき男が話始める。
「そうです。イキナリ現れたので話しが止められてしまいましたが、そちらの
清美さんの様に頭の中にCIを持つ人は――」
「CIが人の成長に追いつけずに機能を停止、あるいは破損、バグの発生……つ
まりは将来的にはCIを持つ人間の死を意味する。って言うのならもう解決して
るんでお引き取り願えますか? それに伴う実験に協力しろって言うなら残念
ながら死んでください」
が、つまらないので途中で乗っ取ってやる。
「何故貴様がその事を!?」
「CIを脳に埋め込む実験は施設事、『事故』により消滅。その後、軍事国家に
でも飛んで最強の兵士を作る実験でもしてたか? でも成功例は出なかった。
成人だと、記憶などの情報量が多すぎてさっきいったように、CIがぶっ壊れ
る。子供だと、CIの情報量を脳が処理できずに脳が壊れる。コレはね子供でCI
の演算処理できる一種の天才でしか成功しない実験なんだよ。何人も壊してソ
レにやっと気づき、今度は数少ない成功例のセツナをまた弄ろうってか?」
「そこまで知ってるとは、七海お前は……」
「そうだよ。自分で自分を弄ったよ。アンタ等が色んな子供を壊してる間に、
俺は成功例の『七海』を弄れたからな。こっちの方が進んでるみたいだね。後
このCI実験体に多く見られる肉体成長の低下も克服してある。素手でアンタの
心臓をえぐり出すくらいは簡単にね。試してみる?」
瞬間黒服が懐に手を入れたので、一瞬で距離を詰め、二人の両腕をあり得な
い方向にへし折る。
「解った? 玩具を打つより早くお人形を壊すくらいは簡単なんだよ。次はア
ンタ等――」
「止めろ馬鹿者!!」
美鈴の叫びが響く。
「私はお前が何かを壊す所を見たく無いんだ」
美鈴の願いに比べれば俺の私怨なんてどうでも良いことだな。俺は美鈴の所
に行き、素直に話しを聞くことにした。
「七海の話は事実の様だ。どうやら、私達の研究よりも進んでることは確か
だ。しかし、それでも君達が近い将来危険だと言うのは変わらないだろう」
「だから解決したってば。簡単に方法だけ言うのなら、CIでは無くて、脳の方
を弄る。脳に本来は無い、CIの部屋を作る。詳しい説明は省くが、コレで解決
だ。そのため薬も完成してある」
「まさか、そこまで進んでるとは……しかしそのことが解決したとしてもま
だ、未知の事が多いはずだ。ちゃんとした施設で調べた方がいい」
「アンタも人弄るのが好きだね」
「私は君達の事を純粋に考えているのだよ。そう思われるのも無理は無いが
な」
「Dr.東条。今は貴方の言葉を信じます。ですが、この子達を研究に協力させ
る事は出来ません。それにまだ子供達で実験を続けると言うのなら今度は完全
に消しますよ」
「私は正直他人なんざどうでもいい。アンタ等がどこで何をしようが、ソレで
誰かが不幸になろうが知ったことじゃない。只、私のたった一つの、唯一私の
持ち物であるコイツに触れたら、その時は世界だろうがなんだろうがぶっ壊
す!……それだけは憶えておけよ」
「さぁ。二人とも今日はもう帰っていいよ。後は大人のする事だから」
あんなドスを利かせられた後じゃあ、俺もセツナも従わざるを得ない。二人
で応接室を後にして生徒会室へ向かうことにした。
「凄かったな二人共」
「んー元からあんなだよ」
「お前もちょっと怖かった」
あー、それは失敗。マジで殺す気で行ったからな。怯えさせたかな?
「べ、別にだからと言って、お前の事を嫌いにならないぞ。私の為にしてくれ
た事だしな」
やっぱ俺、この人好きだなぁ。と思いながらさりげなーくセツナに後ろから
抱きつく。
「アリガト」
「甘えるな」
「あのさ、さっき言った事。俺等の頭の中のチップこれ元々、頭良くないと使
えないんだよ。科学者の子供みたいな生まれもってIQが高くないと。だから全
然セツナはズルくなんか無いよ」
「ソレを私を抱きしめながら言うお前は結構ズルイけどな」
「俺も科学者の子供なのかな? 興味無いけど」
「さっきの人、東条って呼ばれてたけど、お前と同じ名前なのは関係あるの
か?」
「あー、あれね。アレは俺の事を弄ってた研究所の責任者。たぶん研究所に俺
を売ったかなんかした、俺の親から聞いてたんだろう。アイツが俺の事を七海
って呼んでたからソレを名前にした。東条研究所の七海。お前みたいに恩人か
ら貰ったとか素敵な名前じゃないんだよ」
「よくソレを自分の名前に出来たな」
「んー。何でも良かったからな。それに昔は今よりも心が無かったから……」
セツナと話ながら歩いているとすぐに生徒会室に着く。生徒会室のドアを開
くとそこには予想外の人物が待っていた。
「やぁ。二人ともお帰り」
旦那!? わーお。意外と積極的なんだね。俺はセツナにしか解らない方法
で瞬時に伝える。
(セツナ。もしまだ話したくないのなら、俺の名前を、そしたら、誤魔化すな
りなんなり、どんな手を使おうが隠し通す。もし全てを話す覚悟なら旦那の名
前を、そしたら今日の所は俺は帰る)
少しの沈黙。
「……俊幸。待っていてくれたのか。すまないな」
「じゃあ俺は帰るよ。旦那あのさ……いや、やっぱり前話した事忘れてくれ。
アンタはアンタだスーパーマンじゃない。皆を救う必要なんて無い。素直に生
きればいいんだ」
「あぁ。僕なりの答えをだすよ」
後は、二人の事だ俺が口を出すことじゃない。知ってるからって、同じだか
らって偉そうに庇ったりしてもセツナの為になる訳じゃない。だから俺は、今
この場所には必要無い。でも部屋を出ようとして立ち止まる。
「あのさ、二人の友人つーか後輩の立場から言わせて貰うとさ、二人がどんな
答えを出してもそれは間違いじゃないと思う。どっちも責めないし、どっちも
悪くないと思う。だからさ変に取り繕ったり、嘘や隠したりせず、素直な答え
を出して欲しいかな」
「「ありがとう」」
二人から例を言われてしまった。今度こそホントに生徒会室を後にした。最
後に。
(頑張れ、セツナ)
生徒会の会計として一年生の東条七海君が生徒会入りしましたので報告を。で
は七海君一言……まぁ入学式に代表挨拶をすっぽかした彼がこの場に居るはず
も無く、代わりに会長から挨拶を……皆さん御存知の通り彼女も居るわけが無
いわけで。……はぁ僕もいい加減怒って良いかな?』
体育館からどうでもいい男の、俺には何の関係も声が響いてくる。俺は勿論
いつもの場所。
「お前呼ばれてるぞ。関係無くないじゃないか」
相変わらずセツナは人が考えてる事、というか地の文を読んで話しかけてく
る。ちなみに今俺はセツナの膝枕。最近これ位はデフォである。ラヴラヴだか
らな。
「お前もな。何故俺が奴に呼ばれて行かねばにゃらん」
セツナに頬を抓られる。コークスクリューも随分可愛くなったものだ。
「ラ、ラヴラヴとかじゃないもん。あ、後可愛いとか言うな」
だから言って無いし。まぁ今の俺にはそんな事よりも、全校集会よりも、重
大な悩みが在るのだ。言いたい事が在るのは分っている。皆さんも思っている
事だろう「惚れた女と一緒に寝て何にもしないってどんだけヘタレなんだ
よ!!」と。俺だって絶賛後悔の無限ループ中だよ。
「お前あれからソレばっか言っているな。いい加減聞き飽きたぞ」
「だから、言ってねぇって。勝手にお前が読んでるだけだろう」
「惚れた女とかあんまり言うな。こっちはどうゆう反応すれば良いんだ?」
そっちかよ。まぁ俺、最初から好きとか嫌いとか相手に隠さないから読まれ
ても関係無いんだけど。読んだなら察して誘って……照れてた顔が鬼の形相に
なったから、これ以上は止めておこう。
「それは聞き飽きたから、いい加減ちゃんとした告白が聞きたいなぁ。なん
て」
こっちの気も知らないで。今言ったって俺が惨めなだけだろうが。
「旦那に勝てたら、言ってやるよ。よっと」
俺はセツナにそう伝えると、起き上がってそのまま下に飛び降り、体育館に
向かい、予定通り襲撃作戦に入る。しかし、何故だかいつも以上の戦闘力を持
っていた副会長に、フランスパンの突撃も俺のえくすかりばーでの奇襲も成功
しなかった。
ちなみにこの日は終業式。何故そんな日に新入生歓迎会をと思ったが、後か
ら聞くと、例年通りならば四月に予定されていたのだが、今年はやる気の無い
生徒会長が原因で在るようだ。
終業式と言う事は勿論この後は夏休み。俺は夏休みなど何もせず無意味に過
ごして居ると思いの方も多いだろうが、俺の夏休みは毎年忙しい。俺達の児童
施設は無くなってしまったが、まだ児童施設も親の居ない子もたくさん存在す
る。キャラと違うのは承知の上だが、俺は毎年夏休みを使って、智也と共にそ
ういった施設を手伝いに行くのだ。後は個人的な用もいくつかあって、夏休み
は大変忙しかったので一万五千回もループなどせず一回で終わった。皆さんが
他人の夏休みを見せられる辛さは理解しているので、この事は省略する事にす
る。そしてこの物語は秋を通り超して冬に入る。と言うよりぶっちゃけ巻きに
入る。ちゃんと計画せずに書くからこうゆう事になるのだ。
ここまでの過程を一気に飛ばした結果、入学式直後だった、時間はいつの間
にか卒業式近い季節になっている。こんな時期は誰だって暖房器具が欲しくな
る。
「つー訳でハロゲン。なんかヤレ」
「どーゆ訳だよ。暇ならいつもみたいに寝てれば良いじゃねぇか」
LHR。いつもの様に黒板にでかでかと自習と書いてある為、クラスの皆は思
い思いに談笑をしている。担任である美鈴が寝ている姿が見えない以外の事
は、いつもと変わらぬ光景である。
「なんか胸騒ぎがすんだよ。きな臭いっつーかさ。美鈴は?」
「美鈴ねぇなら、星佳さんと白衣を着た科学者っぽい人と話していたのを見た
けど」
「謎の科学者が突如来襲。この学校を巨大な実験に使うとか! 確かにきな臭
くなってきたな」
「いや、たぶん学校関係ねぇよ。あの二人本職は名のある科学者だから個人的
にだろ。俺の感じたきな臭いは、少し嫌いな臭いがした気がしただけだ。非日
常を望むならお前は先ずインコでも飼うことから始めろ」
珍しいな。もう一線を退いてから大分立つというのに、今更星佳に? 論文
に口添えでもして貰いに来たのだろうか? まぁどうでもいいか。そんなこと
より俺にはもう時間が無い。考えねば成らんことは他に在る。
「なぁハロゲン、やっぱ告白するなら卒業式か?」
「定番だなぁ。……いやて言うかサラッと言ったけどお前告白するのか
よ!?」
「お前が恋愛なんて……相手は茜か? 昔からの親友の恋だ相談ぐらい乗る
よ」
「だからお前には相談しないんだ。と、言う事で昔からの友人である茜と、ラ
ブコメアニメのバイブルであるハロゲン。相談に乗れ」
「智也は仕方無いよ。まぁ確かにこたつ君はチャラそうだもんね」
「だから俺はチャラくもヤンキーでも無いって。んで相手は? 俺等の知って
る人か?」
「あぁ、セツナ。ちなみにその前に無駄に爽やかな壁が立ち塞がっている」
「会長? 黒川先輩か茜だと思ってたけど」
もうお前は黙っててくれ。と言うのも面倒だからコイツは無視。
「相手が生徒会長なら、やっぱり会長就任式の引き継ぎ……何てモンはウチの
学校には無いから、卒業式の在校生代表の挨拶とか? お前役員ならそれぐら
い出来るだろ?」
「それ、失敗するよね? お前が一番良く分ってるよね? 本家でも完璧にス
ルーされただろうが」
「七海はこの学校に桜の木があるの知ってる?」
何だイキナリ? どこの学校にも桜の木ぐらい在るだろう。
「あっ! お前憶えてないか? 星佳さんがこの学校作るときに植えた巨大な
桜の木」
あーそう言えば「学校なら恋にまつわる伝説の桜の木が無いとね」とか言っ
てたな。
「そこで決まりだよ七海。卒業式の日に雪那先輩を呼び出してアタッーク」
そこでチャイムが鳴った。今日の授業はこれで終わりである。そこはたとな
く不安なので続きは本人を眺めながら考えよう。直接聞くのも良い。どうせ読
まれているのだろうしな。
俺は三人に挨拶をするといつもの様に生徒会室に向かう。気のせいだと思っ
てたけどやっぱりなんか不愉快な臭いがするな。何の研究をしている科学者な
んだ? まぁいい。生徒会室の扉を開けると、旦那と静の二人だけで、セツナ
は居なかった。俺が部屋に入るとすぐに旦那に話しかけられた。
「今日は来賓が来てるから生徒会用のネクタイちゃんとしてくれよ。まぁもっ
とも雪那が対応しているから問題ないと思うけどね」
「来賓ってどっかの科学者か?」
「よく知っているね。さっき学園長と新堂先生と一緒に僕のクラスに来てね。
雪那が呼ばれて行ったよ。何の話だろうね?」
「会長は頭も良いし留学の話とかかしら?」
ココに科学者が来た? 何故その時に気づかなかった? 星佳は既に一線を
退いてる? 関係無い。 学校には用は無い? 当前だ。平和ボケでもした
か? それとも色ボケか? どっちにしろ情けねぇ。アイツ等が興味有るのは
何時だってモルモットの方だろうが! 全てを理解して俺は思いっきり壁を叩
く。後手に回った。でも絶対負けねぇ。
「どうしたのよイキナリ?」
「どこかに用事でも思い出したかい?」
飛び出そうとした俺に声が掛る。二人を忘れていた。今は話している時間が
無い。
「悪いけど今日は二人とももう帰ってくれ。急用ができた」
「ソレは、この前の話と……雪那と関係があるのかい?」
「あぁ。だが今は説明している時間が無い。今度全部説明するから……」
俺がコイツに? ソレは俺がやることじゃないだろう。セツナ自身が向き合
わなきゃならない事だ。俺が出しゃばって良い事じゃない。
「……知りたいのなら直接セツナに聞け。俺が話す事じゃない。お前から聞く
なり、セツナから話して来るのを待つなり好きにしろ。だから今は、今だけは
俺に任せてくれ。セツナだけは何があっても守るから、だから、頼む……」
この人が俺なんかよりずっとセツナと付き合いが長いのは知ってる。セツナ
を助けた事も。ずっと守ってきた事も。でも今回は俺じゃなきゃダメなんだ。
「分った。どうやら今回は僕じゃ力不足みたいだね。キミに任せるよ」
いい人過ぎるんだよアンタは。どうやって勝てば良いんだが。
「サンキュ旦那」
「七海?」
「静。コレは『俺の事』だ。お前は気にしなくて良い。忘れると良い」
「ええ。分ったわ。貴方がそう言うのなら」
「雪那を頼んだよ」
俺は軽く手を上げて応え、生徒会室を後にする。セツナ達が居るとしたら応
接室か。何をしに来たか知らないが、これ以上俺の物を奪う気なら容赦なく潰
す!!
応接室の前に立つ。ココに居るな。確信と共にノックもせずにドアを思いっ
きり開ける。中に居たのは、星佳に美鈴、それにセツナ。その対岸には左右に
黒服の男を立たせてある。ボディガードだろうか? まぁ研究所破壊する様な
相手に会いに来るんだ。当然の用意だな。見覚えの無い白衣を着た、まぁ助手
かなんかだろう。どうでもいい。俺の目線は最後に一人の男で止まる。髭を生
やし白髪の混じった髪に白衣を着た壮年の科学者。俺が一生掛けても忘れられ
ない人物の一人。
「ハロー東条センセ、お久しぶり」
「「「七海!?(ちゃん)」」」
最初に三人に驚かれる。この反応だとやっぱり俺には隠しておきたかったみ
たいだね。向こうはまだ気づかないか。まっ多少なりとは変わってるしね。
「あれ? 憶えてない? 貴方の可愛いモルモット七海君ですよぉ」
「まさか、七海……なのか?」
「非道いなぁ。あんなに毎日弄くり回してたのに忘れちゃったんですかぁ?」
「いや、お前と再び会えるとは思って無くてな」
「コッチだってテメェの面なんざ二度と見たく無かったんだけどね。今日は一
体何の用で? 昔はロリコンでしたが今度は女子高生に鞍替えですか?」
「違うの七海ちゃん落ち着いて。貴方の気持ちも分るけど、今日は貴方や雪那
ちゃんの将来に関わることなの」
星佳に止められる。将来に関わる事? 何が違うのか解らないのだが? こ
こぞとばかりに助手らしき男が話始める。
「そうです。イキナリ現れたので話しが止められてしまいましたが、そちらの
清美さんの様に頭の中にCIを持つ人は――」
「CIが人の成長に追いつけずに機能を停止、あるいは破損、バグの発生……つ
まりは将来的にはCIを持つ人間の死を意味する。って言うのならもう解決して
るんでお引き取り願えますか? それに伴う実験に協力しろって言うなら残念
ながら死んでください」
が、つまらないので途中で乗っ取ってやる。
「何故貴様がその事を!?」
「CIを脳に埋め込む実験は施設事、『事故』により消滅。その後、軍事国家に
でも飛んで最強の兵士を作る実験でもしてたか? でも成功例は出なかった。
成人だと、記憶などの情報量が多すぎてさっきいったように、CIがぶっ壊れ
る。子供だと、CIの情報量を脳が処理できずに脳が壊れる。コレはね子供でCI
の演算処理できる一種の天才でしか成功しない実験なんだよ。何人も壊してソ
レにやっと気づき、今度は数少ない成功例のセツナをまた弄ろうってか?」
「そこまで知ってるとは、七海お前は……」
「そうだよ。自分で自分を弄ったよ。アンタ等が色んな子供を壊してる間に、
俺は成功例の『七海』を弄れたからな。こっちの方が進んでるみたいだね。後
このCI実験体に多く見られる肉体成長の低下も克服してある。素手でアンタの
心臓をえぐり出すくらいは簡単にね。試してみる?」
瞬間黒服が懐に手を入れたので、一瞬で距離を詰め、二人の両腕をあり得な
い方向にへし折る。
「解った? 玩具を打つより早くお人形を壊すくらいは簡単なんだよ。次はア
ンタ等――」
「止めろ馬鹿者!!」
美鈴の叫びが響く。
「私はお前が何かを壊す所を見たく無いんだ」
美鈴の願いに比べれば俺の私怨なんてどうでも良いことだな。俺は美鈴の所
に行き、素直に話しを聞くことにした。
「七海の話は事実の様だ。どうやら、私達の研究よりも進んでることは確か
だ。しかし、それでも君達が近い将来危険だと言うのは変わらないだろう」
「だから解決したってば。簡単に方法だけ言うのなら、CIでは無くて、脳の方
を弄る。脳に本来は無い、CIの部屋を作る。詳しい説明は省くが、コレで解決
だ。そのため薬も完成してある」
「まさか、そこまで進んでるとは……しかしそのことが解決したとしてもま
だ、未知の事が多いはずだ。ちゃんとした施設で調べた方がいい」
「アンタも人弄るのが好きだね」
「私は君達の事を純粋に考えているのだよ。そう思われるのも無理は無いが
な」
「Dr.東条。今は貴方の言葉を信じます。ですが、この子達を研究に協力させ
る事は出来ません。それにまだ子供達で実験を続けると言うのなら今度は完全
に消しますよ」
「私は正直他人なんざどうでもいい。アンタ等がどこで何をしようが、ソレで
誰かが不幸になろうが知ったことじゃない。只、私のたった一つの、唯一私の
持ち物であるコイツに触れたら、その時は世界だろうがなんだろうがぶっ壊
す!……それだけは憶えておけよ」
「さぁ。二人とも今日はもう帰っていいよ。後は大人のする事だから」
あんなドスを利かせられた後じゃあ、俺もセツナも従わざるを得ない。二人
で応接室を後にして生徒会室へ向かうことにした。
「凄かったな二人共」
「んー元からあんなだよ」
「お前もちょっと怖かった」
あー、それは失敗。マジで殺す気で行ったからな。怯えさせたかな?
「べ、別にだからと言って、お前の事を嫌いにならないぞ。私の為にしてくれ
た事だしな」
やっぱ俺、この人好きだなぁ。と思いながらさりげなーくセツナに後ろから
抱きつく。
「アリガト」
「甘えるな」
「あのさ、さっき言った事。俺等の頭の中のチップこれ元々、頭良くないと使
えないんだよ。科学者の子供みたいな生まれもってIQが高くないと。だから全
然セツナはズルくなんか無いよ」
「ソレを私を抱きしめながら言うお前は結構ズルイけどな」
「俺も科学者の子供なのかな? 興味無いけど」
「さっきの人、東条って呼ばれてたけど、お前と同じ名前なのは関係あるの
か?」
「あー、あれね。アレは俺の事を弄ってた研究所の責任者。たぶん研究所に俺
を売ったかなんかした、俺の親から聞いてたんだろう。アイツが俺の事を七海
って呼んでたからソレを名前にした。東条研究所の七海。お前みたいに恩人か
ら貰ったとか素敵な名前じゃないんだよ」
「よくソレを自分の名前に出来たな」
「んー。何でも良かったからな。それに昔は今よりも心が無かったから……」
セツナと話ながら歩いているとすぐに生徒会室に着く。生徒会室のドアを開
くとそこには予想外の人物が待っていた。
「やぁ。二人ともお帰り」
旦那!? わーお。意外と積極的なんだね。俺はセツナにしか解らない方法
で瞬時に伝える。
(セツナ。もしまだ話したくないのなら、俺の名前を、そしたら、誤魔化すな
りなんなり、どんな手を使おうが隠し通す。もし全てを話す覚悟なら旦那の名
前を、そしたら今日の所は俺は帰る)
少しの沈黙。
「……俊幸。待っていてくれたのか。すまないな」
「じゃあ俺は帰るよ。旦那あのさ……いや、やっぱり前話した事忘れてくれ。
アンタはアンタだスーパーマンじゃない。皆を救う必要なんて無い。素直に生
きればいいんだ」
「あぁ。僕なりの答えをだすよ」
後は、二人の事だ俺が口を出すことじゃない。知ってるからって、同じだか
らって偉そうに庇ったりしてもセツナの為になる訳じゃない。だから俺は、今
この場所には必要無い。でも部屋を出ようとして立ち止まる。
「あのさ、二人の友人つーか後輩の立場から言わせて貰うとさ、二人がどんな
答えを出してもそれは間違いじゃないと思う。どっちも責めないし、どっちも
悪くないと思う。だからさ変に取り繕ったり、嘘や隠したりせず、素直な答え
を出して欲しいかな」
「「ありがとう」」
二人から例を言われてしまった。今度こそホントに生徒会室を後にした。最
後に。
(頑張れ、セツナ)
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