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92 和合とはこういうもの5 ※R18

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「大丈夫か、アビー」

 大きな両手で頬を包んで、一度触れるだけのキスをして、次に頬、前髪を避けて額にとキスを落としてから、アレキサンダーは薄目を開けたアビゲイルに問いかけた。
 思えばセックスの最中もずっとこうして気遣う言葉をかけてくれて、ゆっくり、ゆっくりと優しく抱いてくれた彼が心の底から愛おしくなる。
 アビゲイルは返事の代わりに両頬を挟んだアレキサンダーの手に自分の手を重ねてすりすりと頬ずりする。
 
 弛緩していく体が気怠くて、でも満ち足りて嬉しい。けれども下腹部に未だ感じる圧迫感に気付いて、アレキサンダーが未射精なことを思い出した。
 
「あの……アレク様、今度はもっと……強く動いてもいいですよ……」
「……だが」
「も、もう痛くないですよ? っていうか……」
「……?」
「あの……あのね、今のもすごく優しくて、幸せな気分になっちゃったんですけどね。……あの、その……激しいのとか、も、ちょっと……して、みたい、です」
「……!」

 言ってしまってから発言のはしたなさに一気に赤面して、アレキサンダーの顔を見れなくなってアビゲイルは顔面を両手で覆う。
 
 いや、でも、セックスは共同作業だし、コミュニケーションだし、お互いに一方通行は駄目なわけで、したいことをちゃんと相手に伝えることも重要だって聞いたことあるし! あっ、それは前世でだったか? いやでも、は、恥ずかしくない、恥ずかしくない!
 
 アレキサンダーが何も言わないので、恐る恐る指を開いて隙間から彼を除いてみようとしたら、次の瞬間に腰に腕を回されてぐいっと持ち上げられてしまった。そのまま胡坐をかいたアレキサンダーの上に跨って座り込む形になり、ずっと埋まっていたアレキサンダーの強直が、一気に膣奥までズドンと突き入れられる形になった。
 
「きゃっ! ……あ、あぁっ、おく、すご……!」

 あまりの衝撃にアビゲイルは一瞬気を遣りかけた。持ち上げられたときに一瞬少し抜けて、座らされた瞬間に一気に奥まで突かれたので、奥の子宮膣部をごりりとえぐられてしまって、アビゲイルはアレキサンダーに抱き着いたまま背筋をぞくぞくと痙攣させながら、口をはくはくと戦慄かせた。
 
 そんなアビゲイルを見て口元をくいとシニカルに笑いの形に歪めたアレキサンダーが、アビゲイルの耳元で囁くように言う。
 
「……煽るのが上手いなアビー。全く、貴族の姫がどこでそんな言葉を覚えたんだ?」
「あう……ご、ごめんなさ……ぅあ、ッは、下からっ、ズンズンきてるっ……! はッ、アッ、んぁっ……!」
「さっきまで乙女だったくせに、もう次を強請るなんて……これでは傾国と言われても仕様がないとは思わない……かっ?」
「あっ、ひぃっ……!」

 言葉の最後で尻を鷲掴みにされ、持ち上げられたと思ったらすぐに下ろされ、そのタイミングで下から激しく突き上げられる。
 尻たぶを痛いくらいに指を食い込ませて鷲掴みにされたうえに、亀頭で膣内をゴリンゴリンと激しく擦られて、アビゲイルはアレキサンダーの両肩に手を置いて仰け反るようにして喘いだ。
 
「あはぁっ、い、あ、あぁっ、あ、ひぃ、あん、すご、あぁああっ!」

 目の前で揺れる二つの膨らみもただただ誘っているようにしか見えなくて、アレキサンダーは先ほどまでの優し気ないたわる様な表情から、獲物を見つけた獰猛な獣のような表情になってアビゲイルを見遣る。
 
「……ああ、アビー。お望み通りの激しい突き上げだ。こうされるのが、はあ、君は好きなんだよな……!」
「うん、好き、好きぃッ! 激しいの、んぁっ、これ、いい……!」
「すごい乱れ様だな、アビー……っ、宝石の姫がっ、夜に、こんなに淫らだなんて、誰も、はあ、知らないだろうなっ……!」

 責めるように言われるのも脳にびりびりと来る。普通なら悲しいだろうのに、今日は気にならないどころか、アレキサンダーにはもっともっと詰め寄ってほしいとさえ思う。
 アレキサンダーに責められるのがたまらなく良い。もっともっといけない自分を叱って欲しくなる。考えただけで内側からじゅるじゅると溢れる愛液を止められず、アレキサンダーの膝を汚す自分にまた羞恥から快感を拾ってしまう。
 
「あぁ、ふ、ぅあっ、あれ、く、さま、もっと、しかって、もっと、あたし、いけない、こ、なの……ぁあ、はぁんっ……!」

 アレキサンダーの突き上げがどんどん激しくなるにつれて、アビゲイルは彼の上で跳ねるだけしかできなくなった。そのうえもっともっと自分を責めてほしいと被虐的なことを強請っているアビゲイルを見て、アレキサンダーはますます穿つ動きを早くする。

「アビー、どうしようもなく、淫らで、ああ、可愛いな……!」
「……! あ、ひゃ、あぁっ! いいっ! きもち、いい……! もっと、じゅぽじゅぽ……これ、好き、好きぃ……!」
「好き……? これが……? はあ、これが、かっ?」
「あはぁっ! おく、ああん、突かれて、い、いっちゃう、かも……」
「ああ、はあ、なんて、締め付けだ……! はあ、気持ちいい、な、アビー……!」

 知らずに締め付けてしまっていたらしいが、溢れ出る愛液でぬるぬると滑って一度目のような引き攣れた感じはほとんどなく、ぐぽぐぽねちゃねちゃと大きな粘性のある打擲音が淫らに響き渡る。
 
 アレキサンダーが下からずんずんと突き上げる速度がどんどん早くなってきた。一度目のアビゲイルを気遣っての優しい緩やかな動きとは大違いで、今度はやや自分本位にも似た激しいものであった。もちろんそれを望んだのは他でもない、アビゲイルなのであるが。
 あられもない嬌声をあげてよがり続けるアビゲイルの恍惚とした表情に、アレキサンダーはぎゅっと目を瞑って背中をぶるぶると震わせた。
 
「あっ、ぐ、ぅあ……っ! ア、アビー、そろそろ、出す、ぞ……っ!」
「あふ、はぁ、んぁっ、あた、あたしも、いく……っ! いっちゃう、あれくさまあっ!」
「ああ……一緒に、いこう、な……!」
「うん……! うん……!」

 より一層力強く、アビゲイルの膣奥をえぐるようにして雄茎を突き入れたその衝撃に、アビゲイルは体の中心から背筋を通って脳天まで突き抜けるぞくぞくとした快感を覚えて、知らずにアレキサンダーを搾り取るようにして締め付けた。
 
「あっ……っ、ぐぅっ……出る……ぁ、ああっ……!」
「あ、ひぁっ! ……ん、んぁあああーーーーっ!」

 アレキサンダーの肩に手を置いて、これ以上伸ばせないというくらいに伸ばして仰け反ると、爪先をぎゅっと縮みこませてぶるぶると震えながら達し、それと同時にアレキサンダーもアビゲイルの搾り取るような強い締め付けに屈して、彼女の最奥目掛けて射精した。
 
「あ……あぁ……、おなか、あついぃ……」
「はあ、はあ、アビー、……休むな」
「え……っ、あ、なに……?」

 吐精を受け止めた幸福感の余韻を楽しむ間もなく、アレキサンダーにアビゲイルは正常位の形に戻される。そして両足を肩に担がれて、前傾姿勢になったアレキサンダーに二つ折りのような体位にされてしまった。
 
 訳が分からないアビゲイルの半開きの唇を強引に奪うと、アレキサンダーは腰を激しく動かし始めた。上から狙いを定めた銛みたいに突かれては、より一層奥まで届いて、中をごりごり擦られてしまう。
 吐精したというのにまだ張り詰めたままの雄茎を今度は上からぐさぐさと突き入れられて、休む暇も与えられないほど行為に没頭させられる。
 
「んぅっ! あふっ! んんっ! んぐ、んむぅ……っ!」
「ん、はぁっ、ちゅ、アビー、ん、ふぅっ……」

 ちゅばっ、と口を離して愛称を呼ぶだけでアビゲイルは膣を収縮させてくる。アレキサンダーはそのいい反応になおも興奮して喉奥でぐふと笑いが出てきてしまった。
 
「あっ、あぁんっ! あんっ! おッ……なか、きゅんきゅんって……! ぐりぐり、するの駄目、駄目ぇっ……! きもち、いい、の、死んじゃうっ……!」
「はは……ッ、死なないよ……ッ、俺が、死なせない……!」

 一度中で出したためか、先ほどよりもさらに滑りが良くなって、出し入れするたびに中をかき混ぜられて、じゅぼ、とかごぼ、とかの卑猥な音が寝室に響いている。
 激しくしてほしいと言ったのは確かだけど、一度目の優しげな行為ではアレキサンダーも満足できていないだろうという配慮もあったのだが、ここまで激しくされるとは、当のアビゲイルも思っていなかった。
 流石に騎士として鍛えられた逞しい身体を持つアレキサンダーの激しい獣突きに、アビゲイルは翻弄されてただただあられもなく喘ぐしか道がなかった。
 
「ひあ、もう、もう、いっちゃうよぉ、もう、何回も、何回もぉ、いっちゃってる……!」
「そんなに……? アビーの身体は、感じやすいな……はあっ……なんて可愛い」
「あ、ん、可愛くないもん……、こんな、こんなぁ……」
「俺が可愛いと言ってる。それで納得しろ、なっ?」
「あ、んぁ、きもち、いい、いい、の、もう、駄目なの」
「アビー、また、一緒に、いこう、な……」
「うん、うん……! もういく、いくからぁっ……」
「ああ俺も、もう出そうだ……!」
「出して、出してェッ……! おなかいっぱい……!」
「ああ、可愛い、アビー、アビー……ッ!」

 最後に大きく引いてからの最奥まで突き入れて、きゅうきゅうと一滴残らず搾り取ろうとするアビゲイルの締め付けを合図に、ため込んで先ほど出し切れなかった欲望を大量に吐き出した。
 
 相変わらずぎっちぎちに締め付けているアビゲイルの膣孔からずるりと己を引き出すと、二人分の淫猥な液体がごぼっと溢れてシーツを汚す。
 これではもうこのベッドでは寝れないなと苦笑するアレキサンダー。
 
 彼の本気のセックスを甘く見て「激しいのしてみたい」などと言って、すっかり翻弄されて放心している生意気なじゃじゃ馬娘。その足の間から零れるアレキサンダーの欲望の証を見ると、再び己の分身がぐぐぐと生気を取り戻す。
 
 いや、自分はいいが、アビゲイルは今日はもうくたびれ果てただろう。可哀そうに肩で息をして明後日の方向を虚ろな目で見ている彼女のために、風呂の準備をしてこようとベッドから降りて、アレキサンダーは脱ぎ捨てられていた衣服を身に着けてバスルームへ向かった。
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