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第1章 異世界へ、そしてダンジョンへ
4.早速お出かけ
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今はまだ昼とも言えないが朝とも言えない微妙な時間だ。幼稚っぽく言うとおやつの時間と言った時間である。
地球なら、この時間は仕事や学校も始まってしまい、主婦の方なら家事も一段落ついてブレイクタイムにでもしている頃だろう。
そんな普通なら(地球での)店も空いているはずの時間に俺は朝ごはんを食べに出かけたと思ったのにカリスに連れて行ってもらった店は満員御礼だった。
いつもなら朝から行列に並ぶことで少し憂鬱な気分になってしまっていただろうが、これから始まる美少女との食事というイベントに頭がいっていた俺はただただ期待と、どんな会話をすればいいのかということに少しの焦りと緊張で決してそんな気持ちは無かった。
◇
数十分後に店の中に入る。
店内はいろんな世代の人たちで活気に満ちていて、その雰囲気にのまれ俺も会話がしやすそうだ。
地球と相違点を見つけるならば、足元にちらほら武器を置きながら食事をしていることぐらいだろうか。ただテーブルの上に置きながらは流石にしないようだ。
そんな少し新鮮な気持ちになりながらも店員さんに料理を注文する。メニューは割と普通で他の人たちが食べている料理も見たがどれも美味しそうで、何と無くで選んだ。
料理は店員さんが折り返すような感じですぐに届いた。混雑しているから注文されてからではなく、その前から作っていたのだろう。
「昨日のあの"まほう"というものはどういう仕組み?全く理解ができない」
料理が届きどうやって話しを始めようかと考えているとカリスの方から話しかけてくれた。
「そうだな……あれはイメージして力を一点に集めるように意識したらできる。そして、それを何か自分のイメージしたものに変換する感じで」
「ちょっと言ってる意味がよく分からない。誰でも使えるもの?」
そんな言い方されると少々悲しい。
まあ、非があるとすれば俺だろうからそれは於いておこう。
「使えるんじゃ無いか?というか昨日は皆にバレないようにって言ってたけど……いいの?使って」
俺的には正直驚きたければ驚いて、不思議に思われようが、距離を置かれようが万年ソロプレイを貫く覚悟がある俺にとってはどうでもいい。しかし、カリスは俺みたいなぼっちになりたくないだろうし、どうなのか気になったので一応確認をとる。
「最初は訳わからなくて怖いものという認識だったけど、私もその"まほう"を使えたらいいな~と思ったから使う気になったのかな?」
「悪用されたら困るけどれどね。でもそんなに簡単じゃないぞ?見ただけで使えると思うと後悔するよ。多分」
先に魔法がいきなり簡単に使えるものだと思われても困るので、一応心が折れてしまう前に警告しておく。
嘘つき扱いされてこの世界に1人になったらのならば、とても心細い。というよりも、カリスと一緒にいたい。
だから、先に言っておいた。
「じゃあ見られても簡単に真似出来ないならダンジョンでやる?」
「いや、他の人に当たると危ないし騒ぎになると困るからな……どこか森はあるか?できれば他の所で」
「この近くにあるよ」
「じゃあ、なるべくそこでやるとしよう」
カリスに魔法を教えることになりました。
異世界で早速師弟関係(?)を築く俺。ソロの代表格とも言えたのに、ここまで成長するとはやはり、見た目が変わったから?
まあ、それは於いておこう。
「だがその前に武器を揃えないか?」
「え?でもセシリアちゃんは剣を自分で出せるんじゃないの」
「あれは魔力をもとに作っているから、芯となる本当の金属の剣があった方が使いやすい」
あれよりも金属の方が付与もできるし、長くも使える。総合的に見ると、圧倒的に金属の剣の方がお得なのだ。
「今日は、武器を揃えるの?おすすめの武器屋があるから、そこで買おう!」
ということで武器を買いに行くことにした。
前も行ったけど、なんか女子との買い物とかここに来る以前の俺なら考えられない幻想の話でしかなかったのが現実になるとは……。
◇
カリスに付いて行くと鍛冶屋が沢山ある通り道に着いた。
「ここは私のおすすめの店。普段は少し高くて買えないけど、品質は確かだよ」
早速アンティークな鍛冶屋に入る。
「いろんな武器があるなー」
ロングソードや短剣、片手剣、エストック、レイピア、ソードブレイカーのようなものまであった。最後のは何であるんだよ。戦争でもしてんのかよ。
防具は盾や板金鎧などがあった。ただ、武器より少なかった。
鍛冶屋というより武器専門店という感じだな。
「そうだね。ほとんどの武器がここで揃えられるほど多いんだよ」
「そうか、ボクは自分のもの探すからちょっと店主に訊いてくる」
カリスに、どこに行ったか心配されないように、それで迷惑をかけないために一言声を掛けてから店主のもとへ行くことにする。これは、常識でしたね。
◇
「この店の大剣を見せてくれ」
「少し待ってろ、予算はあるのか?」
「40万メタルほど」
明日ダンジョンで、稼ぐから少し高めのを買おう
「なかなか持ってるじゃねーか、そのぐらいの値段でおすすめのを持ってくる」
店の奥から剣を手にした店主が戻ってきた。
「大丈夫か?こんなに重たいの持てるのか嬢ちゃん?」
渡された大剣をなんとなく振ってみた。勿論、魔法を使いながらだ。因みに〈重量操作〉と〈身体強化〉の2つだ。
「スゲーな、今まで殆どいないぞ、そんな簡単に大剣振る奴なんぞ。でも似合わねーぞ、いいのか?」
確かにな。というか魔法なしでこのくらい振れる奴がいるのか?
「まあ、これでも筋肉はある方だからな」
テキトーに嘘をついておく。店の人とは仲良くなっておいた方が何かといいし、ここでほんとのことを言ってもデメリットの方が多そうだからそうした。
「いくらだ?」
「これは42万メタルだ。払えるか?」
「ああ」
金をカウンターの上に見えるように並べていく。
「確かに、42万メタルを受け取った。はい、新しい剣だ」
「ありがとう、大切に使わせてもらうよ」
「そうかい。そいつはありがたいな。また、来てくれよ」
少しオーバーしてしまったが結構いいものなので概ねいいだろう。
俺の目的の剣も変えたことだしカリスのもとへ行く。
◇
「カリス、いいの見つかったか?」
「このポーションが欲しい」
「どれどれ」
そういいポーションに鑑定魔法を通して見てみる
非常に品質はよくなかった。
当たり前と言えば当たり前。
何故なら魔法で作るのが主流だからだ。確かにこれは、魔法も使わ無いでこれは凄いが。
「これよりもボクが作るポーションの方が効果があると思うがどうする?」
「でもポーション作るのって何ヵ月も掛かるし材料も集めるだけでも大変なのにそれは流石に悪いよ」
「大丈夫だ10分もあれば魔法で作れるから」
「もう………魔法って何でもありなのね。幾ら払えばいいの?」
「金は要らない。これは俺の魔法の練習にもなるからな。宿に戻るか?」
「ありがとう!じゃあ、戻ろーう!!」
分かりやすく喜んでくれてるな。
◇
暫く歩き宿に着くと早速俺はポーションの生成に取り掛かる。
いつもはポーションは必要無いから殆ど作らないが今回は最高難度の特異魔法で作るか。
回復魔法でも欠損部位まで治せて魔力まで全部回復させる、実際には半日前の状態に戻すというものだ。
カリスは作るところを見たいといい、ここに居る。
「じゃあ作るぞ」
まず、瓶を5本作成する。次に空中に水のような球を作りそれをポーションに変えていく。
だんだん透明から半透明、そして若干光を通すくらいの水色になった。
そして、それらを丁寧に静かに各瓶に注ぐ。
「出来たぞ」
「早くない?10分も掛かってないじゃない。兎に角、魔法は攻撃だけではないんだね」
「そうだぞ、魔法は使いこなせれば便利だ」
ポーションをカリスに渡す。
「これ、あまり見ない色。普通は緑色とか黒色ぽいのが多いけど、このポーションはどんな効果があるの?」
緑、黒……くそ不味そうな色してんな……。
それはさておき、使う上で効果を知らなければ使えないと思うので、説明に移る。
「簡単に言うと半日前の状態に戻せる、ただし蘇生はできない」
正確に言うと物理的なダメージ部分しか回復出来ない。つまりは魔法の攻撃が多かったときにはほとんど役にたたないのだ。魔法が俺たち意外が知らなかったとしても調子に乗るわけにもいかない。なぜならゲームの中でも蘇生魔法というのは無かったからだ。
「それってつまり死なない限り回復し放題なの?!」
「半日以上経たない戦闘ならな」
「これ、古代級のポーションくらいあるよ……こんなにあっさり作るなんて……」
いい仕事もしたことだし今日は、もう遅いから寝ることにしよう。
「もう夕方だし飯食って寝るか」
カリスと共に宿の食堂へと赴くのであった。
地球なら、この時間は仕事や学校も始まってしまい、主婦の方なら家事も一段落ついてブレイクタイムにでもしている頃だろう。
そんな普通なら(地球での)店も空いているはずの時間に俺は朝ごはんを食べに出かけたと思ったのにカリスに連れて行ってもらった店は満員御礼だった。
いつもなら朝から行列に並ぶことで少し憂鬱な気分になってしまっていただろうが、これから始まる美少女との食事というイベントに頭がいっていた俺はただただ期待と、どんな会話をすればいいのかということに少しの焦りと緊張で決してそんな気持ちは無かった。
◇
数十分後に店の中に入る。
店内はいろんな世代の人たちで活気に満ちていて、その雰囲気にのまれ俺も会話がしやすそうだ。
地球と相違点を見つけるならば、足元にちらほら武器を置きながら食事をしていることぐらいだろうか。ただテーブルの上に置きながらは流石にしないようだ。
そんな少し新鮮な気持ちになりながらも店員さんに料理を注文する。メニューは割と普通で他の人たちが食べている料理も見たがどれも美味しそうで、何と無くで選んだ。
料理は店員さんが折り返すような感じですぐに届いた。混雑しているから注文されてからではなく、その前から作っていたのだろう。
「昨日のあの"まほう"というものはどういう仕組み?全く理解ができない」
料理が届きどうやって話しを始めようかと考えているとカリスの方から話しかけてくれた。
「そうだな……あれはイメージして力を一点に集めるように意識したらできる。そして、それを何か自分のイメージしたものに変換する感じで」
「ちょっと言ってる意味がよく分からない。誰でも使えるもの?」
そんな言い方されると少々悲しい。
まあ、非があるとすれば俺だろうからそれは於いておこう。
「使えるんじゃ無いか?というか昨日は皆にバレないようにって言ってたけど……いいの?使って」
俺的には正直驚きたければ驚いて、不思議に思われようが、距離を置かれようが万年ソロプレイを貫く覚悟がある俺にとってはどうでもいい。しかし、カリスは俺みたいなぼっちになりたくないだろうし、どうなのか気になったので一応確認をとる。
「最初は訳わからなくて怖いものという認識だったけど、私もその"まほう"を使えたらいいな~と思ったから使う気になったのかな?」
「悪用されたら困るけどれどね。でもそんなに簡単じゃないぞ?見ただけで使えると思うと後悔するよ。多分」
先に魔法がいきなり簡単に使えるものだと思われても困るので、一応心が折れてしまう前に警告しておく。
嘘つき扱いされてこの世界に1人になったらのならば、とても心細い。というよりも、カリスと一緒にいたい。
だから、先に言っておいた。
「じゃあ見られても簡単に真似出来ないならダンジョンでやる?」
「いや、他の人に当たると危ないし騒ぎになると困るからな……どこか森はあるか?できれば他の所で」
「この近くにあるよ」
「じゃあ、なるべくそこでやるとしよう」
カリスに魔法を教えることになりました。
異世界で早速師弟関係(?)を築く俺。ソロの代表格とも言えたのに、ここまで成長するとはやはり、見た目が変わったから?
まあ、それは於いておこう。
「だがその前に武器を揃えないか?」
「え?でもセシリアちゃんは剣を自分で出せるんじゃないの」
「あれは魔力をもとに作っているから、芯となる本当の金属の剣があった方が使いやすい」
あれよりも金属の方が付与もできるし、長くも使える。総合的に見ると、圧倒的に金属の剣の方がお得なのだ。
「今日は、武器を揃えるの?おすすめの武器屋があるから、そこで買おう!」
ということで武器を買いに行くことにした。
前も行ったけど、なんか女子との買い物とかここに来る以前の俺なら考えられない幻想の話でしかなかったのが現実になるとは……。
◇
カリスに付いて行くと鍛冶屋が沢山ある通り道に着いた。
「ここは私のおすすめの店。普段は少し高くて買えないけど、品質は確かだよ」
早速アンティークな鍛冶屋に入る。
「いろんな武器があるなー」
ロングソードや短剣、片手剣、エストック、レイピア、ソードブレイカーのようなものまであった。最後のは何であるんだよ。戦争でもしてんのかよ。
防具は盾や板金鎧などがあった。ただ、武器より少なかった。
鍛冶屋というより武器専門店という感じだな。
「そうだね。ほとんどの武器がここで揃えられるほど多いんだよ」
「そうか、ボクは自分のもの探すからちょっと店主に訊いてくる」
カリスに、どこに行ったか心配されないように、それで迷惑をかけないために一言声を掛けてから店主のもとへ行くことにする。これは、常識でしたね。
◇
「この店の大剣を見せてくれ」
「少し待ってろ、予算はあるのか?」
「40万メタルほど」
明日ダンジョンで、稼ぐから少し高めのを買おう
「なかなか持ってるじゃねーか、そのぐらいの値段でおすすめのを持ってくる」
店の奥から剣を手にした店主が戻ってきた。
「大丈夫か?こんなに重たいの持てるのか嬢ちゃん?」
渡された大剣をなんとなく振ってみた。勿論、魔法を使いながらだ。因みに〈重量操作〉と〈身体強化〉の2つだ。
「スゲーな、今まで殆どいないぞ、そんな簡単に大剣振る奴なんぞ。でも似合わねーぞ、いいのか?」
確かにな。というか魔法なしでこのくらい振れる奴がいるのか?
「まあ、これでも筋肉はある方だからな」
テキトーに嘘をついておく。店の人とは仲良くなっておいた方が何かといいし、ここでほんとのことを言ってもデメリットの方が多そうだからそうした。
「いくらだ?」
「これは42万メタルだ。払えるか?」
「ああ」
金をカウンターの上に見えるように並べていく。
「確かに、42万メタルを受け取った。はい、新しい剣だ」
「ありがとう、大切に使わせてもらうよ」
「そうかい。そいつはありがたいな。また、来てくれよ」
少しオーバーしてしまったが結構いいものなので概ねいいだろう。
俺の目的の剣も変えたことだしカリスのもとへ行く。
◇
「カリス、いいの見つかったか?」
「このポーションが欲しい」
「どれどれ」
そういいポーションに鑑定魔法を通して見てみる
非常に品質はよくなかった。
当たり前と言えば当たり前。
何故なら魔法で作るのが主流だからだ。確かにこれは、魔法も使わ無いでこれは凄いが。
「これよりもボクが作るポーションの方が効果があると思うがどうする?」
「でもポーション作るのって何ヵ月も掛かるし材料も集めるだけでも大変なのにそれは流石に悪いよ」
「大丈夫だ10分もあれば魔法で作れるから」
「もう………魔法って何でもありなのね。幾ら払えばいいの?」
「金は要らない。これは俺の魔法の練習にもなるからな。宿に戻るか?」
「ありがとう!じゃあ、戻ろーう!!」
分かりやすく喜んでくれてるな。
◇
暫く歩き宿に着くと早速俺はポーションの生成に取り掛かる。
いつもはポーションは必要無いから殆ど作らないが今回は最高難度の特異魔法で作るか。
回復魔法でも欠損部位まで治せて魔力まで全部回復させる、実際には半日前の状態に戻すというものだ。
カリスは作るところを見たいといい、ここに居る。
「じゃあ作るぞ」
まず、瓶を5本作成する。次に空中に水のような球を作りそれをポーションに変えていく。
だんだん透明から半透明、そして若干光を通すくらいの水色になった。
そして、それらを丁寧に静かに各瓶に注ぐ。
「出来たぞ」
「早くない?10分も掛かってないじゃない。兎に角、魔法は攻撃だけではないんだね」
「そうだぞ、魔法は使いこなせれば便利だ」
ポーションをカリスに渡す。
「これ、あまり見ない色。普通は緑色とか黒色ぽいのが多いけど、このポーションはどんな効果があるの?」
緑、黒……くそ不味そうな色してんな……。
それはさておき、使う上で効果を知らなければ使えないと思うので、説明に移る。
「簡単に言うと半日前の状態に戻せる、ただし蘇生はできない」
正確に言うと物理的なダメージ部分しか回復出来ない。つまりは魔法の攻撃が多かったときにはほとんど役にたたないのだ。魔法が俺たち意外が知らなかったとしても調子に乗るわけにもいかない。なぜならゲームの中でも蘇生魔法というのは無かったからだ。
「それってつまり死なない限り回復し放題なの?!」
「半日以上経たない戦闘ならな」
「これ、古代級のポーションくらいあるよ……こんなにあっさり作るなんて……」
いい仕事もしたことだし今日は、もう遅いから寝ることにしよう。
「もう夕方だし飯食って寝るか」
カリスと共に宿の食堂へと赴くのであった。
応援ありがとうございます!
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