酒と熱に溺れて

レイティア

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5〜瀬途一side〜

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髪を撫でられる感覚。

凄く気持ちいい。

少しの微睡みの中から目を覚ます。


「ん、」

少しボーとする。


「⁈‼︎⁈」

起き上ろうとすると、腰が凄く怠い。というか超痛い。


悶絶していると、

「大丈夫か?」

遠慮がちに先輩の声がした。

驚いて顔を上げる

「⁈あ、先輩…」

先輩の凄く後悔しているような顔。

あぁ、やっぱり。

先輩の顔を見ていられず、目を逸らしてしまう。


「悪かったな。腹減っただろ?そこで何か買ってくる。」
「先輩?」

先輩は何だか感情を押さえつけるようにいい、振り返らずに出て行った。

やっぱり気持ち悪かったんだろうか?

もう、そばにいることさえ、許されないかもしれない…

誰になんと言われてもいい…

でも、先輩にだけは、嫌われたくない。

こんな風に思うのは初めてだった。

今まで好きになった人にここまで想って執着するなんて無かった。


先輩先輩先輩先輩先輩
俺のこと嫌わないで………

泣きたくもないのに、涙が次から次へと流れる。

悲しくて辛くて苦しくて、胸が痛い。

先輩に嫌われるくらいなら…この痛みに心臓が止まってしまえばいいのに…

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