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2.経理部、田中A子
☆その18、久遠秋人は同床異夢②
しおりを挟むキスをしながらまたクリを触る。背中がしなる。
喉の奥で浴びた叫び声が美味かった。強い酒をあおったみたいに、粘膜がしびれて気持ちいい。
「ァん! ん、ふう……っいやぁあ……!」
「は……嫌じゃない。気持ちいいでしょ、エンボちゃん」
「う、でも、いやぁ……っもうだめ、ア、もう…………」
「ほら、起きて」
意識が途切れかけた彼女の、ピンピンに勃った乳首を潰してこねる。痛みすらも快楽に繋がっているのか、目を覚ましたと同時に彼女の膣内もぎゅうっと締まった。
「ぅううン……」
「ッ、あぁ……、ねえ、気持ちイイって、言ってみな?」
「う、ぁ」
「ほら言って」
唇と指先を同時に離せば、物欲しげに目を潤ませる。動きを止めれば焦点があって、俺を見る。
溺れろ。一緒のところまで。
訳わかんなくなるところまで。
「う……、きもち……いぃ……」
唇を耳元にくっつけて囁く。
舌で舐って、唇で食んで、歯を立てて。
エンボちゃんの好きなこと全部してあげるから。
俺にしなよ。
「……俺のでイきたい?」
「はぅ、ン……っ、イきたい……」
「じゃあ俺がいいって言って」
「へ、ぇ……?」
「俺がいいって。俺にシて欲しいって」
言え。
その目で、その唇で、その身体全部で言え。
「久遠さんがいい……」
「くおんさんに……してほしい……」
言ったな?
「……明日も仕事だし、今日は、優しくしようと思ったけど、やめた。明日、足腰立たなくなるかもしれないけど付き合ってね」
「くぉ、ん、さ……ッアアアぁ……!」
俺を溺れさせたんだから、
「悪いのは、そっちだから」
最後まで、付き合ってね。
*
あー、遅刻だ遅刻。
エンボちゃんが可愛すぎて遅刻。
「おはようございます久遠専務、遅刻ですか」
「すみません堂本常務」
「いえ、戻られてから業務も立て込んでいますし、大変でしょう。昨日も残業ですよね?」
「あー……まぁ、残業は苦にはならないんですけど」
「恋人でもできたらそうも言ってられませんよ」
「……確かに」
かく言うエンボちゃんはうちで伏せってる。動けません! なんて真っ赤な顔で言って、朝からもう一発シたくなるくらい可愛かったな。さすがに本気で嫌われそうだからやめたけど。
休みを取るようだったから、合い鍵を渡して、家のものは好きに使うよう伝えておいた。でも冷蔵庫をのぞくと酒とつまみしかなかったから、無意味かもしれない。簡単な食料品くらい常備しておくんだった。
「誰か置きますか」
「だれか?」
「秘書ですよ。大体若いからってお一人で全部抱え込むようじゃいずれ潰れます。補佐が必要では」
「んーそうですね、お願いしようかな」
「何か希望はありますか」
「あー……公私混同しないような人で」
どの口がいうか。
「なるほど。羨ましい限りですなぁ」
「すみません」
「いやいや分かりますよ。でも厳しいかもしれません。みんな浮き足立ってますからね。むしろ向こうで誰かに捕まるものかと思ってましたが」
「フラれる事の方が多いんですよ、俺」
「またまた」
これは本当。
向こうから勝手に期待して言い寄られて、勝手に失望して去られる。そんな関係をたくさん繰り返してきた。冷たい、淡白、面白くない……そんな御大層な総評をいただいたりして。
だから、というわけでもないけれど、エンボちゃんとのやりとりはすごく気が楽だった。相性がいいのかもしれない。女の子のワガママって面倒だと思ってたのに、エンボちゃんにはもっと言って欲しいとすら思う。ああ、浮かれてんな、俺。
「では人事部に伝えておきますね」
「助かります」
携帯を開いて、今朝教えてもらったばかりのラインに『体調はどう?』と一言いれる。しばらく仕事をしていると、昼前にぽこんと音がした。
『だいぶ良くなったので帰ります。』
『お邪魔しました』
『鍵どうしましょう?』
『持ってていいよ』
『そういうわけにもいきません』
『ポストに入れておいたらいいですか?』
きっちりしてるのは性格だと思ってた。そういう子なんだろうと。だから押し付けることはしないで、彼女の意思を尊重した。
『今度はいつ会える?』
浮かれすぎてた。
『金曜の夜になら』
自分の失敗に、大きな間違いに気づかないほど、浮かれすぎてたんだ。
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