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番外編【突然の出来事】1謎の発疹
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「やっぱり、夏は冷たいものに限りますね!」
8月のお盆前の休日、私と大鷹さんは珍しく、某回転寿司チェーンで昼食をとっていた。土日引きこもりの私だって、ごくたまに外食をするのだ。休日の昼間ということもあり、店内はそれなりに混雑していた。某グルメサイトのアプリを使って予約したため、私たちはスムーズに店内の席に案内された。便利な世の中である。
「紗々さん、そんなに食べて大丈夫ですか?」
現在はかんぱちとマグロのフェアを開催していて、テーブルの上にはかんぱちとマグロの寿司が並んでいる。ノーマル、漬け、炙りをそれぞれ頼んでみた。フェアというのなら、それを存分に味わいたいと思うのは悪いことだろうか。心配そうな大鷹さんを無視して、私は中トロのマグロに手を付ける。脂がのっていてほろりと口の中で溶けて最高だ。
「おいしい!」
「紗々さんが大丈夫なら、構いませんが」
大鷹さんも私に続いてマグロの中トロを口に運ぶ。大鷹さんも頬を緩めてマグロを存分に味わっている。しばらく、私たちは無言で食事を続けた。
「ごちそうさま!」
食事が終わり、私はお腹が膨れて上機嫌だった。店を出ると、涼しかった店内とは違い、猛烈な暑さが私たちを襲ってきた。駆け足で駐車場の車に乗り込み、エンジンをかけてエアコンを効かせる。
「おいしかったですね。たまには外食もいいものです」
運転席の大鷹さんが意味深に私に視線を投げかける。これではまるで、私のせいで外食が少ないみたいではないか。実際にはそうなのだが、それはそれでちょっと反抗したくもなる。
「別に私と来なくても、他の人と外食すれば」
「寂しいこと言わないでください。僕は」
「私と一緒に食べたいんでしょ」
「紗々さんと一緒がいいんです」
私の言葉は途中で遮られ、その後の言葉は見事にかぶってしまった。思わず大鷹さんの顔を見つめてしまう。すると大鷹さんと目が合った。お互いの視線が絡み合うこと数秒。
「あはは」
「紗々さんが僕の気持ちを理解してくれて、うれしいです」
私が苦笑すると、大鷹さんはとろけるような顔を私に向ける。きっと、この顔の暑さは社内にエアコンが効いていないからだ。私は大鷹さんから顔をそらして、紅くなっているだろう頬を隠す。頬に手を当てると、心なしか熱くなっていた。
某回転すしチェーン店を出た私たちは、近くのショッピングモールで買い物をした後、帰宅した。帰宅して時刻を確認すると、4時過ぎになっていた。
それぞれの部屋に戻って一息をつく。いつもは家で食事をするが、外でおいしい食事をすると気分が上がって楽しい。今日もおいしい寿司を食べることが出来て気分上々だ。
しかし、外食の楽しさはわかっているが、外に出る労力と外食の楽しさを天秤にかけると、どうしても外に出る労力が勝ってしまう。とはいえ、これからはもう少し、外に出る努力をしてみよう。そうすることで大鷹さんのあの笑顔を見られるのなら、儲けものである。大鷹さんは私が外出する機会が増えると喜ぶみたいだ。
まるで親が子供を見るような表情な気もするが、そこは気にしない。
「かゆ」
異変が起きたのは、家に帰宅して30分ほど経った頃のことだ。急に首や腕、足の太もも辺りにかゆみを覚えた。虫にでも刺されたのかと思って薬を塗ろうと部屋を出る。
リビングでかゆみ止めの薬を探しながら、つい、かゆいところを手で触ってしまう。虫刺されなどの症状の場合、患部はなるべく触らないほうがよいと聞いたことがある。しかし、患部を触った瞬間、虫刺されではないことに気づく。首元にはざらざらとした感触があり、慌てて洗面所の鏡で確認すると、蕁麻疹のような赤い発疹が出ていた。
「いやいや、これはいったい……」
「どうしたんですか?」
私が自分の身体の状態に焦っていると、大鷹さんが自室から出てきた。手を洗いにきたのか、洗面所の私と鉢合わせになる。大鷹さんは私が手で首元を抑えている様子を見て首をかしげた。
「首元、やばいですよね?」
「ど、どうしたんですか?腕にも蕁麻疹みたいなの出来ていますけど……」
とりあえず、他人から見た私の状態はどうなのか。大鷹さんに首元を指さして尋ねると、大鷹さんはとても驚いた表情をしていた。そして、首元以外の腕に視線を向けられる。大鷹さんの言う通り、腕にも首元と同じような赤い発疹が現れていた。きっと、足のふとももにもできているだろう。
「わかりません。さっき、急にかゆくなって、それで……」
何が原因の発疹だろうか。とりあえず、かゆいことに間違いはないので、まずは発疹が出た部位を保冷剤にタオルを巻いて冷やすことにした。
8月のお盆前の休日、私と大鷹さんは珍しく、某回転寿司チェーンで昼食をとっていた。土日引きこもりの私だって、ごくたまに外食をするのだ。休日の昼間ということもあり、店内はそれなりに混雑していた。某グルメサイトのアプリを使って予約したため、私たちはスムーズに店内の席に案内された。便利な世の中である。
「紗々さん、そんなに食べて大丈夫ですか?」
現在はかんぱちとマグロのフェアを開催していて、テーブルの上にはかんぱちとマグロの寿司が並んでいる。ノーマル、漬け、炙りをそれぞれ頼んでみた。フェアというのなら、それを存分に味わいたいと思うのは悪いことだろうか。心配そうな大鷹さんを無視して、私は中トロのマグロに手を付ける。脂がのっていてほろりと口の中で溶けて最高だ。
「おいしい!」
「紗々さんが大丈夫なら、構いませんが」
大鷹さんも私に続いてマグロの中トロを口に運ぶ。大鷹さんも頬を緩めてマグロを存分に味わっている。しばらく、私たちは無言で食事を続けた。
「ごちそうさま!」
食事が終わり、私はお腹が膨れて上機嫌だった。店を出ると、涼しかった店内とは違い、猛烈な暑さが私たちを襲ってきた。駆け足で駐車場の車に乗り込み、エンジンをかけてエアコンを効かせる。
「おいしかったですね。たまには外食もいいものです」
運転席の大鷹さんが意味深に私に視線を投げかける。これではまるで、私のせいで外食が少ないみたいではないか。実際にはそうなのだが、それはそれでちょっと反抗したくもなる。
「別に私と来なくても、他の人と外食すれば」
「寂しいこと言わないでください。僕は」
「私と一緒に食べたいんでしょ」
「紗々さんと一緒がいいんです」
私の言葉は途中で遮られ、その後の言葉は見事にかぶってしまった。思わず大鷹さんの顔を見つめてしまう。すると大鷹さんと目が合った。お互いの視線が絡み合うこと数秒。
「あはは」
「紗々さんが僕の気持ちを理解してくれて、うれしいです」
私が苦笑すると、大鷹さんはとろけるような顔を私に向ける。きっと、この顔の暑さは社内にエアコンが効いていないからだ。私は大鷹さんから顔をそらして、紅くなっているだろう頬を隠す。頬に手を当てると、心なしか熱くなっていた。
某回転すしチェーン店を出た私たちは、近くのショッピングモールで買い物をした後、帰宅した。帰宅して時刻を確認すると、4時過ぎになっていた。
それぞれの部屋に戻って一息をつく。いつもは家で食事をするが、外でおいしい食事をすると気分が上がって楽しい。今日もおいしい寿司を食べることが出来て気分上々だ。
しかし、外食の楽しさはわかっているが、外に出る労力と外食の楽しさを天秤にかけると、どうしても外に出る労力が勝ってしまう。とはいえ、これからはもう少し、外に出る努力をしてみよう。そうすることで大鷹さんのあの笑顔を見られるのなら、儲けものである。大鷹さんは私が外出する機会が増えると喜ぶみたいだ。
まるで親が子供を見るような表情な気もするが、そこは気にしない。
「かゆ」
異変が起きたのは、家に帰宅して30分ほど経った頃のことだ。急に首や腕、足の太もも辺りにかゆみを覚えた。虫にでも刺されたのかと思って薬を塗ろうと部屋を出る。
リビングでかゆみ止めの薬を探しながら、つい、かゆいところを手で触ってしまう。虫刺されなどの症状の場合、患部はなるべく触らないほうがよいと聞いたことがある。しかし、患部を触った瞬間、虫刺されではないことに気づく。首元にはざらざらとした感触があり、慌てて洗面所の鏡で確認すると、蕁麻疹のような赤い発疹が出ていた。
「いやいや、これはいったい……」
「どうしたんですか?」
私が自分の身体の状態に焦っていると、大鷹さんが自室から出てきた。手を洗いにきたのか、洗面所の私と鉢合わせになる。大鷹さんは私が手で首元を抑えている様子を見て首をかしげた。
「首元、やばいですよね?」
「ど、どうしたんですか?腕にも蕁麻疹みたいなの出来ていますけど……」
とりあえず、他人から見た私の状態はどうなのか。大鷹さんに首元を指さして尋ねると、大鷹さんはとても驚いた表情をしていた。そして、首元以外の腕に視線を向けられる。大鷹さんの言う通り、腕にも首元と同じような赤い発疹が現れていた。きっと、足のふとももにもできているだろう。
「わかりません。さっき、急にかゆくなって、それで……」
何が原因の発疹だろうか。とりあえず、かゆいことに間違いはないので、まずは発疹が出た部位を保冷剤にタオルを巻いて冷やすことにした。
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