若様の性長日記!・3

hosimure

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由香里さんののんびりとした癒しの雰囲気が良かった。

「由香里とあたしは高校からの付き合いでしてね。まあ親友と言うものです」

「うふふ。梢ちゃんとは就職先まで同じになるなんて、思わなかったわぁ。きっとご縁があるのねぇ」

「腐れ縁ってとこじゃない? …っとと、すみません若様。玄関先にいつまでもいたら、お邪魔になりますよね」

そう言って梢さんは由香里さんの腕を引っ張り、玄関の扉の前からどいてくれた。

「あっああ、うん」

「それじゃあご勉強、頑張ってくださいね」

「若様、失礼しましたぁ」

そうして二人は去って行ったが、オレはしばらく玄関の前から動けなかった。

多分…一目惚れだったんだろう。

けれどその後、由香里さんはウチに来ることはなく、オレも自然と忘れていった。

―が、何故五年の時を経て、こんな再会をしてしまったんだろう?

…いや、そもそもこの会社の内容を知った時に、思い出すべきだった。

梢さんのことを同僚と言っていた由香里さん。

ならば自動的に、『性』に関する仕事をしていると言うことになるんだ。

………オレのバカ。

オレは改めて自分の頭の回転の悪さを呪った。

「…でも由香里さんってマッサージ部門に働いていたんですね?」

「ええ、梢ちゃんから聞いていなかったの?」

「全く」

今回の移動の件が突然過ぎて、いろいろ説明不足な面が出ているんだろう。

「わたしはね、このマッサージ部門の部長を務めているのぉ。まあ女性部門の方だけどね」

そう言って五年前と変わらない癒し系の笑顔をオレに向けてくる。

…梢さんと言い、この会社で働いていると不老になるんだろうか?

真剣にそう思ってしまうぐらい、彼女は五年前と全く変わらない。

まあ違うところと言えば、五年前に出会った時は青のスーツを着ていた。

今は白い白衣を着ている。

う~ん…。コスプレに見えるなぁ。

由香里さんは若妻みたいな感じだから、コレでマッサージをされても、プレイの一種にしか思えない。

…あっ、違った。

『性』を扱っているんだから、プレイの一種で正しいんだった。

いつまでも非常識が身に付かない自分が悲しい。

いや、本当は身に付かない方が良いんだが、社員としては正しくないというところが問題だろう。

「若様は今のところ、梢ちゃんのところで見習い修行中なのよね?」

顎に指を当て、首を傾げる仕草がとても可愛らしい。


けれどオレは昔の梢さんのイメージが、ガラガラと音を立てて崩れていくのが、頭の中に浮かんでいた。

「ええ、まあ…。今回は特例みたいなもんです」

「そうよねぇ。あの梢ちゃんが、大事に育ててきた若様を簡単に手放すことはしないものねぇ」

うんうんと頷かれても、オレはどう答えたらいいのか分からず、アハハと苦笑した。

「まあとりあえず、梢ちゃんが帰ってくるまではわたしが指導者だから。よろしねぇ、若様」

「…はい、よろしくお願いします」

こうなれば、もうとっとと学ぶしかない。

そして梢さんが一日でも早く、帰還することを願おう!

「じゃあまずはぁ、若様、服を脱いでくださいな」

「………はい?」

思考が一瞬、停止した。

「あっちの部屋で、服を脱いでね。カゴの中にタオルがあるから、それで前を隠して、ベッドに横になったら声をかけてください」

―考えること、三十秒。

「…もしかして、マッサージの体験ですか?」

「そぉ。実際どういうマッサージをしているのか、若様に体験してもらいまぁす」

…由香里さん、大事な部分を抜かさないでください。

「えっ? でも下着もですか?」

「そうよぉ。ウチは全身マッサージもするから」 

確かにエステとかだと、女性達はそれこそ下着まで脱ぐみたいだし。

「分かりました。どの部屋ですか?」

「こっちよ」

由香里さんがさっき出て来た扉の中に入ったので、オレも続く。

そこは事務室みたいだった。

電話やパソコンが何台かあり、多分、ここで客の注文を受けたりするんだろうな。

その奥の扉を開くと、廊下があった。

そして目の前に、いくつもの扉がある。

「この奥の部屋は個室になっているのぉ。さっきの部屋では大人数を相手に教えるけれど、こっちは個人的に使うのよ。主にテスト用に使用しているわ」

マッサージを教わった後、それがちゃんと身に付いているかチェックする為の部屋なんだろう。

…こういうところもプロ並みだよな、うん。

梢さんは右から二番目の部屋の扉を指さした。

「あそこで行うからぁ、着替え終わったら声をかけてね」

「分かりました」

扉の中は、思ったより広かった。

畳にすると十畳ぐらい。

壁にはいろいろな薬品や道具が並んでおり、ベッドもある。

ベッドの脇にはカゴがあって、白いタオルが一枚入っていた。

壁にはハンガーがあり、オレはスーツをそこへかけた。

下着類は…恥ずかしいので入れた後、ベッドの下に隠し入れた。 

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