若様の性長日記!・3

hosimure

文字の大きさ
上 下
4 / 9

3

しおりを挟む
素っ裸になった後、腰にタオルを巻き付け、ベッドの上に座った。

…何かコレって、オレが風俗嬢になったみたいだ。

自分で思って、凄く後悔した。

けれど由香里さんをいつまでも待たせるワケにはいかないので、声をかける。

「由香里さん、脱ぎましたよ」

「はーい」

明るい声と共に、由香里さんは部屋に入って来た。

そして壁際に置かれた一つのイスを引っ張って、オレの目の前に座った。

「ではまずお話を聞くところからはじめるわね」

「はい」

「若様、アレルギーとかない?」

「ないです」

「最近疲れているところなぁい? 体の部分で、不調なところ」

「それなら肩や腰の辺り…ですね。デスクワークが多いので凝っています」

「なら眼もお疲れじゃない?」

「そうですね。一応裸眼なんですけど、目薬差すことが増えました」

「ふむふむ。ちょっと腕を伸ばしてくれる?」

「あっ、はい」

由香里さんは真剣な表情で、オレの腕に触れる。

「筋肉が固まっているわねぇ。お風呂で揉み解したりした方が良いわよ」

「でも自分じゃあんまり効かないみたいで…。あまりにヒドイ時は整体に行っています」

「けれど通えないでしょう?」 

「…ですね。月に二度ぐらいしか行けていません」

「秘書のお仕事って、半端ないって聞くもの。梢ちゃんももうちょっと若様を気遣ってくれれば良いのに…」

眉をひそめながら心配してくれている様子は、まるで本当の医者のように見える。

まあマッサージも大事な医療行為だしな。

「梢さんの方がきっと、オレなんかより疲れていますよ。秘書と指導役の二役をこなしているんですから」

「まあそうでしょうけど…」

…そんなにオレの体はヒドイんだろうか?

今度親父にマッサージチェアを購入するよう、相談してみるか。

「ところで由香里さん、さっき言っていたアレルギーですけど、今からマッサージに使う薬品のことですか?」

「ええ、そうよ。後は気持ちをほぐす為に、お香を焚いたりするからそっちでもね」

「お香でもアレルギーってあるんですか?」

「ごくまれに、だけどねぇ。煙アレルギーって言うのかしら? 肌に合わない人はいるからね」

いろんなアレルギーがあるんだなっと思っていると、由香里さんが立ち上がった。

「んっ、若様の状態はとりあえず分かったわ。じゃあ今度は体をほぐすから、寝てくれる?」

「はい」

オレはベッドに横になった。 

「それじゃあまず、お香を焚きますね。気分が悪くなったりしたら、遠慮なく言ってね?」

「分かりました」

由香里さんは棚に向かい、お香の準備をはじめた。

マッサージと言うより、エステに近いな。

しかも女性エステ。

でも悪い体験ではない。一度ぐらい、してみたいと思っていた。

やがて部屋の中に、薄い煙と淡い匂いが漂ってきた。

由香里さんはお香を入れた容器を、棚の隣にあるテーブルに置いた。

薄紫色の煙から匂うのは、少し甘いけれどすっきりした花の匂い。

「どう? ウチの会社特製のお香の匂いは?」

「良い匂いですね。何か体の中がすっきりしそうです」

「気に入ってもらえて良かったわ。お香の選び方はお客様の状態によって変わるの。もちろんマッサージ師の好みも入るけどね」

「じゃあこのお香はオレに合っているんですね」

「そうだと嬉しいわ」

花のように微笑み、由香里さんはイスを持って移動した。

オレの頭の上の方で座る。

「じゃあまずは眼の疲れから取りましょう」

「よろしくお願いします」

「はい、お任せください」

オレは眼を閉じ、由香里さんに身を預けることにした。 


しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

旦那様!単身赴任だけは勘弁して下さい!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:5,523pt お気に入り:184

淫らなマッサージは望まぬ眠りの後に施される

BL / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:23

【完結】蘭方医の診療録

歴史・時代 / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:89

【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:568pt お気に入り:3,979

同僚くすぐりマッサージ

大衆娯楽 / 完結 24h.ポイント:92pt お気に入り:7

言葉に出せません

BL / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:53

【R18】アリスの不条理な箱庭

大衆娯楽 / 連載中 24h.ポイント:824pt お気に入り:25

処理中です...