夜のドライブで…

須藤レイ

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カーナビはすぐに近くの学校を探してくれた。
ルートを登録したからいつでも出発出来る。

「そうだ……なんで学校のプールなんかに行きたいの? 別に泳ぐわけじゃないでしょ」
ここでやっと行き先に疑問を投げかける彼。

それは私が学校のプールに行きたいって言った時に投げかける言葉だった。
彼はいつもワンテンポ反応が遅い。
その遅い感じがとても心地いいし私を自由にする。

「一度やってみたかったんだ。夜の学校に忍び込んでみるの」

「忍び込んでみたいのはわかったけど……なんでプールなの?」

「それは……夏だから……夏の学校のプールが私を呼んでる気がしたから……」
相当意味のわからない説明だったけど私は自分の説明を気に入った。

「わかった。学生のころ彼氏がいなかったからそういう青春ぽいことがしたいんだろ?」
意味のわからない私の説明になんとなくそれっぽい補足を付け足す彼。

「違います。学生のころちゃんと彼氏いました」
おどけてそう答える私。

私と彼のじゃれあいが続く中で私のスマホが鳴った。
スマホはカバンの中に入ってて『ブーブー』とバイブレーションする。

「出なくていいの? スマホ鳴ってるけど……」
「あ……うん……大丈夫……行こう」
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