夜のドライブで…

須藤レイ

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彼も靴を脱いで水の中に足を入れる。
「お!!夏だからぬるいかと思ってたら意外に冷たいんだね」
彼が驚きの声をあげる。


『バシャ……バシャ……バシャ』
彼が足をばたつかせて波をたてる。
私は自分の足と彼の足を交互に見た。

やっぱり彼の足は私より大きくて逞しかった。
「なんか……子供みたいだな。俺たち……」
そう言って彼が私を見て笑った。

「うん」
そう答えた時、彼と目があった。
お互い足の動きを止めた。

私の手を握る彼。
「足は冷たいけど手は暖かいね」
「うん」
さっきから『うん』しか言ってない。

彼の眼差しが真剣だから言葉数が少なくなってしまう。
そして彼の顔が私の顔に接近する。

「ダメ!!」
そう言った私は彼の手を振りほどいて立ち上がった。

プールサイドを少し歩く。
彼との距離を取ろうとする。

後ろを振り向く勇気はない。
カラダが小刻みに震えていた。
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