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第二章 生きるために

第十一話 ~スキルの話し~

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「スキル!?」





東雲さんの突然の言葉に興奮気味に反応してしまう。





「は、はい。スキルですよ?

もしかしてユウくん、スキルのこと知らない...?」





このゲームスキルなんてあるのか!!!

ワクワクさせやがる!





「知らない!教えてくれ!」





「えーっと。じゃあステータスの見方も知らないよね...?

左手の甲に右手の手のひらを重ねてみてください。」





言いながら東雲さんは実際に目の前に左手の甲を差し出し、上から右手の手のひらを重ねて見せた。





「ステータスなんてあるのか!こうか?」





俺も真似て手を重ねてみる。

すると目の前の空間に突如として文字が浮かんできた。









プレイヤー:楠木くすのき 優ゆう



ステータス

HP  :100

スタミナ:110

攻撃力 :105

防御力 :100



特性

平凡スタンダード:平均的なステータスを持つ



スキル



【アイテム】









「どうですか?ステータス、特性、スキルちゃんと見えてますか?」





ステータスに見入ってる俺に東雲さんがにこやかに話しかけてくる。





「見えてるけど...。

これ、特に意味があるものは何も表示されてないんだけど。」





「えっと、スキルの部分に何も書かれてないですか?

私なら『シャドウ・キャッチ:自分の影と重なっている対象をMPの限り動きを止める』って書いてるんですが...」





「シャド...? MP...? 動きを止める...?

ナニソレオイシイノ」





「美味しくはないかもしれませんね。」





「あ、はい。」





俺のステータスには書かれていない言葉に対する動揺と、俺にはスキルが無いという事実に絶望しているところに東雲さんが追い打ちをかけてくる。





「もしかしたら、これからスキルを覚えるってことかもしれませんね!

ゲームなんだし!」





「そ、それもそうだな。」





強くなろう。絶対に強くなってやる。

俺はそう誓った。





「ところで俺のステータスの項目にMPの項目が無いんだけど、東雲さんのステータスにはあるの?」





「はい、ありますよ。ユウくんもスキルを覚えたらスキルが増えるのかもしれませんね。」





「そっか。そういう可能性もあるよな。」





そしてこの特性...平凡スタンダード...これについても話題にするとまた絶望しそうだから一旦見なかったことにしよう。そうしよう。

今のこの話しは忘れよう。思い出しても良いことがない。

そんな時は...



俺は重ねた手を放して東雲さんに問いかける。





「ところで東雲さん。この後どうしようか?」





話題を変えた。



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