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第1章生徒会

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いや誰かまな板女だよ、ちゃんとあるやん胸。ほら見て、この魅惑的な山なり。タオルも昨日よりしっかりセットしたし。それと俺男。
そんな事を心の中で言っているうちに、生徒会長の親衛隊長がこちらに気付きツカツカと靴を踏み鳴らして寄ってくる。
「神代さん、おはようございます」
「お、おはようございます……」
怖い、俺より身長の低い隊長が怖い。
顔を青ざめて怯える俺の前に、腕を組み可愛らしい顔を歪めた隊長は立ち止まる。
「この毬藻と神代さんは昨日の昼食時、生徒会の皆様に誘われて食堂の2階に行きましたよね?質問なんですが、生徒会役員様方と一体こいつは何の話をしていたんですか。こいつは何も会話していないとしか言わず。あと神代さんも、会長方と何の話をしていたんですか」
「え、えーっとね~……」
毬藻が何も会話していないという事は事実だ。いや、何もという訳では無いが、9割の時間はガムテープで口を塞がれていたからしていない。
かといって馬鹿正直に話したら、会長がそんな事するはず無いと俺が攻撃を受ける。そして俺が2階で何を話したかを先に語ったらまた俺が攻撃を受ける。けれど毬藻が濃い内容を会長達と話していたら、俺が何を話したかなんて忘れるのでは無いだろうか。
おけおっけ、捏造しよう。
「昨日はマリ、んんっ。田中くん、あんまりしゃべって無かったんだ。生徒会長にうるさいって怒られたから、その後なるべく静かにしてたんだよ。現に、下の階にあまり声は届いて居なかったでしょ?」
そう言う俺の言葉を否定しようとする毬藻の口を素早く塞ぎ、なるほどと頷く隊長達に笑顔でそうそう、と答える。
あっ!こいつ俺の指噛みやがった。痛い痛いッ!毬藻が余計な事言う前に早く教室に入らなくては。
「じゃあ俺は失礼しま~す」
にこっとぶりっ子らしく微笑み俺は毬藻を引きずって教室に入る。そしてガムテープを彼の口に十数回兼ねて塞ぎ、毬藻の腕を縛って俺はほっとして席に着席した。
そして俺はそのすぐ後通りかかった副風紀委員長により風紀室へ連行され、一日中説教を食らう羽目となった。何で俺まで……。
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