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第四章 出現! 難易度SSSの新ダンジョン
ルシウスの救出
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ヨシュアは次々とノーモーションで空中に魔法剣を生み出していく。
魔法樹脂で最初に透明な剣を創り宙に浮かせ、そこに自分の群青色の魔力を満たしていった。
「あ、鮭の人の環だ!」
「ヨシュアさんは足元タイプの人なのね」
鮭の人ヨシュアの環は、白い軍靴の周囲にギラギラ目に痛いほど強い白光で円環状に輝いている。そこに群青色の魔力がもわっと大量に絡みついていた。
環が足元に出るタイプは非常に珍しいと聞いていた。約八百年前、魔術師フリーダヤが開発してから現在まで、彼のパートナーの聖女ロータスと数名しか歴史上に存在しなかったはず。
魔力に満たされた魔法樹脂の剣は、やがて金剛石ダイヤモンドの輝きを持つ魔法剣に変化した。
それらの数は見たところ数十、いや下手すると百本を超えるだろう。
「!?」
いったい大量の魔法剣をどうするのかと皆が見守る中、鮭の人は今度はそれら魔法剣を分解し始めた。
魔力に還元し、その魔力を床に突き立てていたルシウスの聖剣に注ぎ込んでいく。
目の前の光景にルシウスが慌てている。
「ま、待てヨシュア、それ以上分解したらお前、魔法剣が使えなくなるぞ!?」
「別に、叔父様がそのままダンジョンボスをやりたいっていうなら構いませんけど?」
「……ぐっ」
二人のやり取りを見た一同は察した。
「この二人、甥っ子さんのほうが強いのねえ」
「さあ、カズン様。ジューアお姉様に皆さんも。ありったけの魔力をこの聖剣に注ぎ込んでください!」
「任せろヨシュア!」
嬉々としてヨシュアの隣に陣取って魔力を込め始めたのはユーグレンだ。
彼のファンクラブ会長と言うだけはある素早さだった。
魔力を注がれ始めた聖剣は明滅しだした。
アイシャとトオンも一度視線を交わして頷き合った後で聖剣の柄を掴んだユーグレンの手に自分たちの手を重ねていった。
「何だか一年前を思い出すね、アイシャ」
「本当。もう遠い昔の話みたい」
この地下を埋め尽くしていた邪悪な古代生物の化石――カーナ姫の息子の亡骸を浄化するときも、こうして浄化を先導したアイシャの手に皆の手を重ねて魔力を注ぎ込んでいた。
「よ、ヨシュア……待て、待ちなさい。お前、そのままでは本当に一本も魔法剣が残らなく……」
「叔父様、ちょっと黙ってて」
あらかた魔法剣を分解し終え、彼の群青色の魔力を聖剣に吸収しきった時点で、残った魔法剣は三本のみ。
「ちょうど旅の間に強化したものだけ残ったか」
白い額に滲んだ脂汗を無造作に手で拭って、ヨシュアが呟いた。口調はあっさりしているが、作業はかなりの負担のようだ。
その三本を目の前まで下ろし、ヨシュアはじっと銀の花咲く湖面の水色の瞳で見つめた後、一度だけぎゅっと強く目を瞑った。
すぐに気を取り直して、自分用のストックとして体内に戻しておく。
「魔力、込め終わりました?」
「これ、どこまで込めればいいんですかヨシュアさんー!?」
「決まってる、限界までだよ」
聖剣を最初に掴んだのはユーグレン。その上にトオン、アイシャ。そして神人ジューアにカズン。
最後、カズンの手の上からヨシュアがそっと手を重ねて、足元の自分の環を思いっきり軍靴の足裏で蹴り飛ばした。
「何て乱暴な使い方をするんだ、ヨシュア……」
「だって足元にあるんですもの。カズン様みたいに胸元だといじりやすくて便利ですよね」
「私、私も胸回りなんだ、ヨシュア」
「へえ。ユーグレン様もですかー」
そんな会話をカズンと鮭の人、ユーグレンの三人がしている間に、環使いたち全員の環が発現し、連動してそれぞれの魔力を帯びて輝きを増していく。
「おい、弟の甥っ子。そろそろ聖剣のキャパシティをオーバーするぞ!」
「了解です、ジューアお姉様。そういえばお姉様、久し振りですね。お元気でしたか?」
「……この状況で呑気に挨拶できるお前に呆れておるわ」
そんな軽口を叩いていると、魔力を注がれて明滅していた聖剣が輝きっぱなしになった。
ルシウスが握っていたときはネオンブルーに輝いていたが、複数人の魔力を注がれた今は陽光の如く白色の光を放っている。
「よし、ここまで! オレが聖剣を叔父様の足元に投げつけます。男三人とユキノ君はそれと同時に叔父様を抱えてこちらに戻ってくる。何か質問ある?」
「「「ないです!」」」
「じゃあいきますよー。せーの!」
ヨシュアの掛け声と同時に、トオン、ユーグレン、カズンの三人はラスボスに向けて駆け出した。
「ユキノ君、叔父様が皆に攻撃しないよう抑えて!」
「ピュイッ!(わかった!)」
片腕のないルシウスの全身を、もふっと大型化してふわふわの胸元にぎゅーっと抱え込んだ。
残った手足で抵抗され、ルシウスの放つ魔力で羽毛が大量に焦げたり抜けたりだが、ここで抑えきれなかったらもう後がない。
たとえローストドラゴンにされたとしても、ユキノにだって譲れないことはある。
「ピィ……(ルシウスくん、ごめんね、ごめんね)」
「ゆ、ユキノ君、痛い……!」
「ピゥウ……(ごめんなさいー!)」
ちょっとだけ抱え込んだ身体からみしっと骨の軋む音が聞こえた。けれどユキノは力を弱めることはしなかった。
とすっ、と予想していたより軽めの音がして、ヨシュアの投げた聖剣がルシウスの足元の床に突き刺さった。
「今だ、叔父様を早くこちらへ!」
「ピュア!」
ユキノは即座にルシウスを解放し、男三人に手渡した。
「ユキノ君も早く!」
「ピウ……(きみたち先にヨシュアくんのとこまで戻って!)」
ピュイッとひと鳴きしたユキノに、抱え込んだルシウスごとぽいっと勢いをつけて放られた。
ヨシュアを挟んでアイシャやジューアが待機している場所までだ。
「乱暴すぎないかユキノ君!?」
いてて、と床に顔面から落ちたトオンがよろよろと立ち上がる。カズンやユーグレンも似たようなものだった。
そのユキノもすぐに後からどすどすと大きな足音を立てて皆のところに戻ってきた。
そしてすぐに、ぐったりしているルシウスや、合流したばかりのカズンやヨシュアも含めて全員を前脚で一気にまとめて掴み、もふもふの羽毛の中に沈めるように胸に抱え込んだ。
「え、どういうことユキノ君!?」
「ピッピーッ!(このままここにいたら、ルシウスくんの二の舞になっちゃうよ!)」
「あー! そうだった、忘れてた!」
「ピュイッ(一気に地上まで飛ぶからね。落ちないように捕まっててね!)」
今のユキノは本来の大きさの半分ほど。トオンの古書店の一階分ほどの高さがある。
とはいえ、全員ひとまとめにするには少しサイズが足りなかった。
だがダンジョン内に数多作った広間ならともかく、広間と広間を繋ぐ回廊を飛ぶにはこのサイズが限界なのだ。
「ピアアアア!(いきます!)」
魔法樹脂で最初に透明な剣を創り宙に浮かせ、そこに自分の群青色の魔力を満たしていった。
「あ、鮭の人の環だ!」
「ヨシュアさんは足元タイプの人なのね」
鮭の人ヨシュアの環は、白い軍靴の周囲にギラギラ目に痛いほど強い白光で円環状に輝いている。そこに群青色の魔力がもわっと大量に絡みついていた。
環が足元に出るタイプは非常に珍しいと聞いていた。約八百年前、魔術師フリーダヤが開発してから現在まで、彼のパートナーの聖女ロータスと数名しか歴史上に存在しなかったはず。
魔力に満たされた魔法樹脂の剣は、やがて金剛石ダイヤモンドの輝きを持つ魔法剣に変化した。
それらの数は見たところ数十、いや下手すると百本を超えるだろう。
「!?」
いったい大量の魔法剣をどうするのかと皆が見守る中、鮭の人は今度はそれら魔法剣を分解し始めた。
魔力に還元し、その魔力を床に突き立てていたルシウスの聖剣に注ぎ込んでいく。
目の前の光景にルシウスが慌てている。
「ま、待てヨシュア、それ以上分解したらお前、魔法剣が使えなくなるぞ!?」
「別に、叔父様がそのままダンジョンボスをやりたいっていうなら構いませんけど?」
「……ぐっ」
二人のやり取りを見た一同は察した。
「この二人、甥っ子さんのほうが強いのねえ」
「さあ、カズン様。ジューアお姉様に皆さんも。ありったけの魔力をこの聖剣に注ぎ込んでください!」
「任せろヨシュア!」
嬉々としてヨシュアの隣に陣取って魔力を込め始めたのはユーグレンだ。
彼のファンクラブ会長と言うだけはある素早さだった。
魔力を注がれ始めた聖剣は明滅しだした。
アイシャとトオンも一度視線を交わして頷き合った後で聖剣の柄を掴んだユーグレンの手に自分たちの手を重ねていった。
「何だか一年前を思い出すね、アイシャ」
「本当。もう遠い昔の話みたい」
この地下を埋め尽くしていた邪悪な古代生物の化石――カーナ姫の息子の亡骸を浄化するときも、こうして浄化を先導したアイシャの手に皆の手を重ねて魔力を注ぎ込んでいた。
「よ、ヨシュア……待て、待ちなさい。お前、そのままでは本当に一本も魔法剣が残らなく……」
「叔父様、ちょっと黙ってて」
あらかた魔法剣を分解し終え、彼の群青色の魔力を聖剣に吸収しきった時点で、残った魔法剣は三本のみ。
「ちょうど旅の間に強化したものだけ残ったか」
白い額に滲んだ脂汗を無造作に手で拭って、ヨシュアが呟いた。口調はあっさりしているが、作業はかなりの負担のようだ。
その三本を目の前まで下ろし、ヨシュアはじっと銀の花咲く湖面の水色の瞳で見つめた後、一度だけぎゅっと強く目を瞑った。
すぐに気を取り直して、自分用のストックとして体内に戻しておく。
「魔力、込め終わりました?」
「これ、どこまで込めればいいんですかヨシュアさんー!?」
「決まってる、限界までだよ」
聖剣を最初に掴んだのはユーグレン。その上にトオン、アイシャ。そして神人ジューアにカズン。
最後、カズンの手の上からヨシュアがそっと手を重ねて、足元の自分の環を思いっきり軍靴の足裏で蹴り飛ばした。
「何て乱暴な使い方をするんだ、ヨシュア……」
「だって足元にあるんですもの。カズン様みたいに胸元だといじりやすくて便利ですよね」
「私、私も胸回りなんだ、ヨシュア」
「へえ。ユーグレン様もですかー」
そんな会話をカズンと鮭の人、ユーグレンの三人がしている間に、環使いたち全員の環が発現し、連動してそれぞれの魔力を帯びて輝きを増していく。
「おい、弟の甥っ子。そろそろ聖剣のキャパシティをオーバーするぞ!」
「了解です、ジューアお姉様。そういえばお姉様、久し振りですね。お元気でしたか?」
「……この状況で呑気に挨拶できるお前に呆れておるわ」
そんな軽口を叩いていると、魔力を注がれて明滅していた聖剣が輝きっぱなしになった。
ルシウスが握っていたときはネオンブルーに輝いていたが、複数人の魔力を注がれた今は陽光の如く白色の光を放っている。
「よし、ここまで! オレが聖剣を叔父様の足元に投げつけます。男三人とユキノ君はそれと同時に叔父様を抱えてこちらに戻ってくる。何か質問ある?」
「「「ないです!」」」
「じゃあいきますよー。せーの!」
ヨシュアの掛け声と同時に、トオン、ユーグレン、カズンの三人はラスボスに向けて駆け出した。
「ユキノ君、叔父様が皆に攻撃しないよう抑えて!」
「ピュイッ!(わかった!)」
片腕のないルシウスの全身を、もふっと大型化してふわふわの胸元にぎゅーっと抱え込んだ。
残った手足で抵抗され、ルシウスの放つ魔力で羽毛が大量に焦げたり抜けたりだが、ここで抑えきれなかったらもう後がない。
たとえローストドラゴンにされたとしても、ユキノにだって譲れないことはある。
「ピィ……(ルシウスくん、ごめんね、ごめんね)」
「ゆ、ユキノ君、痛い……!」
「ピゥウ……(ごめんなさいー!)」
ちょっとだけ抱え込んだ身体からみしっと骨の軋む音が聞こえた。けれどユキノは力を弱めることはしなかった。
とすっ、と予想していたより軽めの音がして、ヨシュアの投げた聖剣がルシウスの足元の床に突き刺さった。
「今だ、叔父様を早くこちらへ!」
「ピュア!」
ユキノは即座にルシウスを解放し、男三人に手渡した。
「ユキノ君も早く!」
「ピウ……(きみたち先にヨシュアくんのとこまで戻って!)」
ピュイッとひと鳴きしたユキノに、抱え込んだルシウスごとぽいっと勢いをつけて放られた。
ヨシュアを挟んでアイシャやジューアが待機している場所までだ。
「乱暴すぎないかユキノ君!?」
いてて、と床に顔面から落ちたトオンがよろよろと立ち上がる。カズンやユーグレンも似たようなものだった。
そのユキノもすぐに後からどすどすと大きな足音を立てて皆のところに戻ってきた。
そしてすぐに、ぐったりしているルシウスや、合流したばかりのカズンやヨシュアも含めて全員を前脚で一気にまとめて掴み、もふもふの羽毛の中に沈めるように胸に抱え込んだ。
「え、どういうことユキノ君!?」
「ピッピーッ!(このままここにいたら、ルシウスくんの二の舞になっちゃうよ!)」
「あー! そうだった、忘れてた!」
「ピュイッ(一気に地上まで飛ぶからね。落ちないように捕まっててね!)」
今のユキノは本来の大きさの半分ほど。トオンの古書店の一階分ほどの高さがある。
とはいえ、全員ひとまとめにするには少しサイズが足りなかった。
だがダンジョン内に数多作った広間ならともかく、広間と広間を繋ぐ回廊を飛ぶにはこのサイズが限界なのだ。
「ピアアアア!(いきます!)」
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