魔法少女チナツ

あるちゃいる

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魔法少女1-6

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 俺は今喫茶店でモーニングセットを注文し
外を眺めがら出勤前のお茶をしている。

 駅前では痴漢にあってた女子高生が捕らえられた男を見て頷いていた
 その後パトカーに乗ってハゲデブと
女子高生は居なくなった。

 俺は少し考える。
 魔法少女のままだととてもじゃないが
 犯罪者と向き合えない。
 火力が無いのだ
 これは致命的である
 魔法少女なんだから魔法を使えと思うだろう
 だが、その使い方を俺は知らないのだ。

 パンツをずらせば元に戻る
 だが、戻しても服装は魔法少女のままだ
 それだとどっちが変態か分からなくなる。
 俺は時計を見ながら考える。
 時間はまだ九時を少し回ったくらいだ
 考える時間はまだ少しある

 「魔法……魔法が使えれば」

 考えてた言葉が声になって出てしまった
 小さく呟いた筈の言葉はその店中に響いてしまった
 周りからチラチラ見られ、ヒソヒソと声がしたあと
 クスクスという笑いに変わる

 俺はその場に居ることが苦痛になって店を跡にした。

 歩きながら考えると危ないので、取り敢えず会社へと向かう
 俺の派遣会社は一ヶ月のスパンで移動させる変な会社が多かった

 なので、即戦力ばかり求められる
 禄に説明もないまま回ってくる書類をパソコンで打ち込むのが俺の仕事だった。

 打ち込みながらは余り余計な事は考えない様にしてきたが、今日は色々考える事が多かった。
 なのでうっかりミスを連発し、サービス残業になってしまった。

 だが、そのお陰で考えは纏まった。

 魔法を使ってみればよいのだ
 多分ステッキを振れば何かしら出てくるかもしれない。

 残業を終えミスした書類をすべて片付けると最終電車が出るまで少し時間があった。

 俺は今朝ハゲデブを殴り飛ばした公園に来ると、こっそり変身した。

 そしてブンブンとステッキを振り回して魔法が出ないか試した。

 だが魔法は出なかった。
 何かしら唱えないと駄目なのか?
 そう疑問に思い何がいいか考えていると

 「えへへお嬢ちゃ~んな~にしてんの~?家出かなぁ?」

 と、声をかけられた

 振り向くと細っこいオッサンが居た。

 どうやら俺を家出少女と思ったらしい

 その男は馴れ馴れしく俺の肩を抱いて歩きだそうとしたので

 「きゃーー!パパー!」

 と、叫んでみた。

 すると男は慌ててずっこけながら俺から離れ

 「ちっ! パパと一緒かよ!」

 と、吐き捨てる様に言って去ろうとしたので、その頭目掛けてステッキを振り回した。

 すると今までは何も出なかったのに
 光の玉が飛んで行き、逃げようとする男の後頭部に当たった。

 意識を失い倒れた男を警察に通報したあと、俺は元の姿に戻ると最終電車へ乗るために駅へと歩く。

 口元はニヤニヤが止まらなくなっていた。
 だが、ここで喜ぶことはしない。
 恥ずかしさもあったからだ

 なので俺は、家へと帰ってようやくガッツポーズをして喜ぶのだった。
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