魔法少女チナツ

あるちゃいる

文字の大きさ
20 / 31

変態協会1-4

しおりを挟む


 「うーん……」
 二通目の封筒を開けると変態協会からの物だった。
 中には俺の変身した姿がぼんやりだが、写っていた。

 変なお面を踏んづけた時に撮られた様だ。
 だが、これによって何か支障があるとは思えない。
 何故ならぼんやり過ぎて顔の判別はつかないのだ。

 だが服装は違う。
 あの日は最初に着てたピンクのヒラヒラした女の子っぽい服だった。
 ようはあの服を今後なるべく着なければ良い話なのだが

 問題は変態協会の会員を倒すか会員証を壊すか奪うかすれば賞金が入ると言うことだ。

 それも一人頭五百万だ。

 俺はどうすれば効率良く稼げるかを思案する。

 「人気ひとけのなさそうな場所を選んで練り歩くか……」

 魔法少女の姿で歩けば協会の会員は寄って来る可能性はある。
 それに、変質者や犯罪者も釣れるかも知れない。

 そう思ったらもうブラック派遣会社で働く事もしなくて済む気がして来た。

 それに既に540万もある!
 年収よりも遥かに多い!

 「辞めるか!」

 そうと決まればと俺は深夜にも関わらず担当社員に連絡した。

 明け方まではまだ二時間もあったが、起きていたようですぐに出た。

 「おはよう御座います!」
 「……おう……つっても寝てねーけどな……どしたい?こんな夜中に」
 「実はですね、飛ぼうかと思いまして連絡しました」
 「……そうか……普通飛ぶ時は連絡なんてしねーんだけどな? だから飛ぶって言うんだよ」
 「そうなんですか? まぁでも今日の朝は出勤しないので、穴が開くと思うんですよ」
 「あーうん。 開くだろうな……まぁ、知らせてくれたから俺が変わりに暫く入る事になるからいーけどよ」

 「そうなんですね、それなら良かったです」
 「まぁ、なんだ 理由は聞かねーけど、働いた分は払わねーよ?」
 里山の給料を昨日預かり持っていた男は札を数えながらいう。
 無言で飛んでたら振り込んでるところだった。
 「構いません、それは貰っちゃってください」
 「あー……うん、じゃあ貰っとくわ。会社には3日経ったら報告するからお前は連絡すんなよ?」

 担当社員は今日の朝、銀行が開いたら振り込もうと思ってた封筒を自分の内ポケットにしまいながら言う。

 「あのよう、こんな事は飛ぶ奴には言わねーんだけどな?」
 「何でしょうか?」

 「妙に律儀なやつだから伝えとくわ、また働きたくなったら何時でも迎えてやるから、電話番号は消すなよ」

 「え、飛ぶのにまた雇ってくれるんですか?」

 「おう、うちは寛大たからな」

 そういうと元気でなっと言って電話を切られた。

 飛ぶやつが多過ぎて人手は常に足りないのかな?

 そう思って担当の番号はそのまま残すことにした。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている

潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。

処理中です...