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魔法少女2-4
しおりを挟む「ホナミさん通帳とかって確認してますか?」
助手席の窓から幻想的な灯りで無機質な工場を照らしている場所を通り過ぎた辺りでボソリと独り言のように呟く。
視界が点にしか見えないのに、俺の方を振り向きながら佐渡内ホナミは聞き返す
「通帳?」
「わあっ⁉ ホナミさん! 前々!」
俺は慌てて前を向かせると、合流から入ってきたトラックを避けさせる。
それでも気になったのか前を向きながら聞き返してきた。
「通帳って何の?」
「魔法の杖を受けった時、一緒に中にカードと通帳入ってませんでしたか?」
うーん。と何やら考え込んでたホナミはやはり知らないという。
「ホナミさん……もしかして魔法を使うとお金がかかる事知らないとかじゃないですよね?」
雑魚を倒してる最中、パチンコ玉の如く魔法を撃ってた様子を思い出しながら嫌な予感がしながら聞いてみると、案の定知らなかった。
俺が確認出来ただけでも20発は撃っていた。
単純的に数えても千二百万はマイナスな筈だ。
その後俺が賞金五千万円の男を倒している間も魔法を放つ音は何回も聴こえていたし、二千万円近くの赤字になってる気がする。
それを伝えると笑いだしてこう言った。
「やだ! ちなっちゃん知らないの? 魔法のカードは無限に使えるのよ?」
そう言いながら胸ポケットに入れていたカードを親指と人差し指で挟むとヒラヒラさせながら続ける。
「魔法少女っていうのはねチナツちゃん、魔法の(カード)少女て言う意味なのよ。杖はただの棒よ? 本体はこっちのカード」
「いや、無限じゃないですよ?」
そういった俺の言葉を遮るように被せ気味に話を続けたので押し黙る。
「だって私、このカードもらった瞬間ATMで九百万卸してホストに行ったしぃ、その後も億ション買ったりブランド服買ったり車買ったりしてたけど請求なんて来てないわよ? あ!それともあれかな?」
何かに気付きクスクスと笑いながら俺を見たあと
「ちなっちゃん未成年だから使い過ぎないようにそんな数字が書かれていたんじゃない? 実は最初から」
子供だからで片付けようとするホナミを半ば呆れながら見るも、まるで信じていない様な顔で億ションに着くまで延々と笑っていた。
億ションの最上階を買ったようで、大理石の床や壁を靴を脱がずに入る。
恐る恐る歩きながらソファーに座れと言われるがままに浅く座ると、水晶で出来た値段的に換算すると数百万クラスのローテーブルの下に、無造作に置かれた通帳を見つけた。
それを取って中を覗いた。
見た事もない額の数字が赤く色付いて並んでいたのを確認すると、素早くそれを閉じてソッと机の上に置いた。
何となくここに居たら駄目な気がして素早く立ち上がると、飲み物を持って来たホナミさんに兄が心配するからと断って帰ろうとした。が、止められてソファーに戻された。
マイセンの高級茶器に入れられた中には琥珀色をした紅茶が入っていたが、嗅いだことも無いような芳醇とした香りで一瞬意識が飛びかけた。
この香り……何処かで嗅いだような気がする……。
そうだ……何時だったか選挙前の時、票集めの仕事をやるとかで連れてって貰った議員の家で出されたお茶と同じ臭いがしていた。
たしかgで3万近かった筈だ
俺はその時、緊張で味なんか分からなかったが、今も嫌な緊張感に包まれて、味も分からなかった。
「ねぇ?ちなっちゃん。 貴女は知らないかも知れないけど、お兄さん変態協会の会員よ?」
意識を何とか戻して帰るチャンスを伺っていると唐突に俺の正体をバラしてきた。
そこで俺は頷いてあたかも知っていた風を装った。
「それでも私の兄なので……」
「そう……知っているのね……うーん、単刀直入に言うわね? 貴女私と一緒に暮らしなさいよ」
「絶対嫌です!」
被せ気味に俺は即断った。
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