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魔法少女最終話
しおりを挟むホナミさんが捕まってから半年後、魔法少女協会から全魔法少女の情報提供者・捕縛協力してくれた方々全員に謝礼金として百万円を振り込んだと書いてあった。
つまり、良い値段で売れたと言うことだろう。
20億の借金が帳消しになるばかりか、更にプラスにならない限り、振込などしないだろうし……。
裏に国が関係していることがわかった時点で俺は魔法少女として、働く事を辞めてしまった。
変態や犯罪者を態々探しに行くことはしなくなった。
貯金総額が三億を超えたお陰で、生活も随分と楽になった。
三億円は年利三%で回す事にして、年間収入を得ている。
何もしないと言うのも暇すぎるので、今は魔法少女に変身しながらコンカフェで週三で働いている。
このコンカフェは、働かなくなって三日後の深夜に再び現れた筋肉モリモリ先輩の紹介で勤め出した。
「君も遂に働かなくなってしまったね、いや実は多いんだよね君みたいにお金貯めて投資で食っていっちゃう人」
そう言ってため息を吐いていた。
それでも世の中には変態が多いし、変態協会からも新しい会員が連日の様に増えているという連絡も受けていた。
「そこで朗報なんだけど、うちの店で働かないか?」
「店なんてやってたんですか?」
「まぁコンカフェなんだけどさ、客に変態協会の会員がよく来るんだよね」
「あー、そういう事ですか……でもそれだと……」
そう言いかけたらモリモリ先輩は笑いながら言う。
「うちの従業員は表は魔法少女、裏では変態協会会員なんだ、だから客が減り始めたら変態客の振りして来店して、その時、誰かが魔法少女を撃退したって話を流すのさ」
つまりサクラになれってことか。
気が向いたらおいでと言ってモリモリ先輩は、再び五階にあるホテルのベランダから帰っていった。
そして、俺はその話に乗った。
コンカフェで働き、月一程度でパンツをずり下げた変態のフリをして来店して誰かを倒す。倒すと言っても会員の様に再起不能にはせず、魔法少女を踏んづけてる写真を撮るだけだが、それでも連日満員になる程だった。
探さなくてもやって来る会員を倒して臨時ボーナス的に皆で分け合う。
投資で入る金には手を出さなくても金が安定して入る様になり、生活は益々向上して行った。
数年後、俺はどっちの協会からも古参になってしまい、勧誘する側になっている。
そして今夜も人通りの少ない街角に立つと、狙っていた人にティッシュを配った。
【魔法少女募集♡】
次は君の手元に届く日が来るかもしれない。
ー完ー
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