20 / 23
19
しおりを挟む
ドアが閉まると、重苦しい空気がこの病室に広がるような気がした。
「どうした。こっちに来なさい」
えぇ‥。やだなぁ。
何故か睨まれている俺はゆっくりと近づいて行く。
俺の顔をジロリと睨み「何しに来た」と聞いてきた。
「えっと、俺、頼まれて」
「誰に」
「誰にと言われれば‥、綾瀬さんと、日高さんです」
「何を」
「えっと‥おじいさんに会ってほしいと」
「何故」
知るかよ。俺が知りたいくらいだ。
ふん、と鼻を鳴らされ「相変わらずだな」としゃがれた声で言われた。
相変わらず?どう言うことだ。
「軽率で、深く考えず。理由を他人に求める。流石、あの父の子だ」
「待ってください、何の話です」
「何の話?」
ふんっ、と鼻を鳴らし目を一旦逸らす。
大きく咳払いを四度ほどし、ベッドが大きく揺れる。
俺が「大丈夫ですか?」と近づくとそれを手で制した。
「会って、何をしてほしいと?」
「それは、その」
何て切り出したらいいのか分からず、俺は固まる。
いや、余計な一言を言わなくてもいい。このまま何も言わなかったらそれで終わるんだ。
「ある意味、これも罰か‥」
ごほっごほっ、とまた咳払いをした。
罰?さっきから、何を言ってるんだ。
「君は、頼まれた事を叶えないといけない。君の、ためにも」
「あの、すみません。話が見えないんですですけど」
「何を、頼まれたんだ」
怒気を含んだ声で言われる。
だから何で俺がこんなに怒られないと‥段々と腹が立ってきた。
「どうした。君は、何をしにきたんだ。暇つぶしなら、帰れ」
「あなたの秘密を聞きにきたんですよ!」
俺は感情のまま声を大にして言った。
「私の、秘密?」
話す度に咳き込む老人を見て俺はしまった、と後悔をする。
「いや、その‥」
「ハッキリ、いいたまえ」
ここまで来たら誤魔化すことは出来ない。なにより、この老人が納得しないだろう。
「どうした。こっちに来なさい」
えぇ‥。やだなぁ。
何故か睨まれている俺はゆっくりと近づいて行く。
俺の顔をジロリと睨み「何しに来た」と聞いてきた。
「えっと、俺、頼まれて」
「誰に」
「誰にと言われれば‥、綾瀬さんと、日高さんです」
「何を」
「えっと‥おじいさんに会ってほしいと」
「何故」
知るかよ。俺が知りたいくらいだ。
ふん、と鼻を鳴らされ「相変わらずだな」としゃがれた声で言われた。
相変わらず?どう言うことだ。
「軽率で、深く考えず。理由を他人に求める。流石、あの父の子だ」
「待ってください、何の話です」
「何の話?」
ふんっ、と鼻を鳴らし目を一旦逸らす。
大きく咳払いを四度ほどし、ベッドが大きく揺れる。
俺が「大丈夫ですか?」と近づくとそれを手で制した。
「会って、何をしてほしいと?」
「それは、その」
何て切り出したらいいのか分からず、俺は固まる。
いや、余計な一言を言わなくてもいい。このまま何も言わなかったらそれで終わるんだ。
「ある意味、これも罰か‥」
ごほっごほっ、とまた咳払いをした。
罰?さっきから、何を言ってるんだ。
「君は、頼まれた事を叶えないといけない。君の、ためにも」
「あの、すみません。話が見えないんですですけど」
「何を、頼まれたんだ」
怒気を含んだ声で言われる。
だから何で俺がこんなに怒られないと‥段々と腹が立ってきた。
「どうした。君は、何をしにきたんだ。暇つぶしなら、帰れ」
「あなたの秘密を聞きにきたんですよ!」
俺は感情のまま声を大にして言った。
「私の、秘密?」
話す度に咳き込む老人を見て俺はしまった、と後悔をする。
「いや、その‥」
「ハッキリ、いいたまえ」
ここまで来たら誤魔化すことは出来ない。なにより、この老人が納得しないだろう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる