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一話 声を大にして言いたい
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令嬢に必要な物は何か?
優雅さ?美しさ?教養?どれもこれも確かに必要だろう。だが、そうではない。それがなければ、見向きもされず、それがなければ、壁の花にすらなれない。それとはなにか。
それは、ずばり、身長。
王宮で開かれる舞踏会はそれはそれは煌びやかで美しい。天井に飾られた硝子玉のシャンデリアはろうそくの明かりを反射してキラキラと輝き、会場に飾られている今が旬の季節の花々は、みずみずしく舞台を彩る。
けれど、一番舞踏会を華やかに見せるのは、見目麗しい令嬢達だろう。ピンクに青に赤、色とりどりのドレスはまるで夜に咲く花のよう。ダンスホールで踊ればさらに美しさは増す。
そう。
まず、そんな美しいドレスを着こなす為にはすらりとした肢体が必要。
そしてダンスのパートナーと優雅に踊る為には、それ相応の身長が、必要なのだ。
しかし、運命とは残酷なものである。前世聖女という輝かしい栄華を手にし、恋愛することなく聖女と言う役職に一生を捧げた女は、今世こそは恋愛に心をときめかせたいと願っていた。切実に。
別に聖女というものが悪かったと言うわけではない。美味しいご飯を食べ、温かな場所で眠り、皆の為に祈りを捧げる。素晴らしい役職である。そう。そう、なの、だが。
自分と同じ年頃の少女達があはは、うふふと色恋に花を咲かせ、泣いたり笑ったり忙しくしては、楽しげに友達と会話をするそんな姿を見て、何とも思わないわけがない。
そう、はっきり言おう、女はうらやましかったのだ。
人々が寝ている時間に起きて朝の冷たい水で身を清め、聖女としての力を高める為に過酷な修行し、人々の幸せを願って祈りを捧げ続ける。
嫌だったわけではない。うらやましさを糧にして、女は歴代の中で最も聖女らしくあり続け、人々から称賛される立派な聖女であった。
だが。それは前世での話。
今世、ココレット・ステフ男爵令嬢として生まれ変わった女は神に感謝し、そして今世こそは前世あれほどまでにうらやましく思った少女達と同じように、色恋に花を咲かせてみせると誓ったのだ。
そう。誓ったのだ。
ここで冒頭の問題へと時を戻そう。
天は二物を与えずとはよく言ったものだ。今年十六歳と成人を迎えたココレットは、はちみつ色のふわりとした髪を持ち、美しいアメジストの瞳を持つ。産まれた時からいくら野原を駆けまわろうが、馬に乗ろうがその白い肌は焼けることなく美しさを保ち、出会った人からは必ず『可愛らしい』と言われた。
そう。ずっと。
お気づきだろうか。ずっとである。ココレットは十三歳の時から身長が一ミリたりとも伸びず、十三歳の時に作った可愛らしいレースたっぷりのふりふりドレスが未だに着れるのだ。
貧乏男爵家としては、それはそれは節約になる。だがしかし、彼女が十六歳の成人した令嬢だと気づくものはいるかと聞かれれば、黙るしかない。
そしてやっとのことで漕ぎ着けた、子爵家との婚約。両親がへこへこと頭を下げに下げたことで手に入れた婚約話であったのだが、それが今、終わりを告げようとしていた。
「我が子爵家を、キミは・・キミは侮辱したのだ。」
これからこの人と色恋をしていくのだとうきうきしていた、舞踏会に来るまでのココレットの姿が、今はただ嘆かわしい。
ココレットの目の前には婚約者である子爵家の令息レックスがいるのだが、舞踏会場についた彼女の姿を見て、レックスは顔を真っ赤にすると彼女の手を引いて、人気のない場所へと移動すると、ねちねちと話を延々とし、そしてある結論に行きつく。
「何なのだその恰好は!子どもそのものではないか!子どもと僕が婚約など・・・くそ!我が子爵家を侮辱するキミとの婚約などあり得ない!申し訳ないが、婚約は破棄させていただく。キミもそのつもりでいてくれ。くれぐれも、僕とキミが婚約していたなど、他の者にはいいふらさないでくれ。」
「・・あ・・」
引き留める間もなく、レックスはココレットに背を向けて舞踏会の中へと姿を消してしまった。エスコートしてくれるはずの人がいなくなり、ココレットは壁の花になるしかない。いや、何と言うかココレットは壁の花にすらなれない。
花というよりは、蕾だろう。
人々の視線がちらちらとココレットへと向く。それもそうだろう。舞踏会の会場に似つかわしくない小さな可愛らしい令嬢の姿は目を引くものだ。
皆が内心思っている事など、心を読む力がなくても分かる。
『小さな子どもがどうしてこんな場所に?』
ココレットは、声を大にして言いたい。『私は成人している!』と。しかしそんな事を言うわけにもいかず、人々の視線から逃れるようにココレットは会場から足早に外へと出た。
春の夜風はまだ少し冷たく、ココレットの火照った頬を冷やすにはちょうど良かった。王宮の庭には、魔法使い達の魔法によって光の水晶が浮かび、庭に咲く花々を美しく見せる。
ただ、にぎやかな会場と違い、その場は静かで音もせず、ココレットはため息をつくと噴水の淵へと腰掛けてその水を指で撫でながら苛立たしげにぶつぶつと呟いた。
「私だって、私だって好きでこの身長な訳じゃないわ。」
水に波紋が広がり、それを指で掻き混ぜるようにココレットはぶつぶつと呟きながら苛立たしさをぶつける。
「何よ。ちょっと普通より頭一つ分、いやそれ以上かな、それくらいちっちゃいだけじゃない。」
聖女であった頃からの彼女の癖が、静かに発揮されているのだが、彼女はその事に気付かない。
「もう!もう!私は恋愛したいだけなのに!もう!そもそも婚約破棄って酷いわ。はぁ・・まぁ、貧乏男爵家からそれを覆すことなんて、できるわけがないけれど。まぁでも、あんな人を見た目で判断する人とはそもそも恋愛できないわね。」
噴水の色がすでに普通ではなくなっている事に、彼女は気づくことなく立ち上がると月に向かって拳を掲げた。
「そうよ!そもそも、私の魅力が分からない人となんて恋愛出来ないわ。婚約破棄出来て良かったのよ!」
気持ちを切り替えたココレットは笑顔に戻ると、運命の人を見つける為に舞踏会場へともう一度戻る事を決意すると歩き出した。そんなココレットが立ち去った時、一人の青年が生垣から姿を現した。
実の所、彼女が来る前から休憩の為に身を潜めていたのだが、女性が一人ぶつぶつ言っている姿に、途中から出て行くことも出来ずにずっと隠れていたのだ。
ココレットの声が小さかったので、何を言っていたかまでは聞き取れていなかったことが救いだろう。ただし、最後拳を振り上げて『婚約破棄出来て良かったのよ!』と言う、最後の大きな声だけは聞こえていた。
「ふぅ。ばれなくて良かった。」
盗み聞きは良くない。最後聞こえた言葉も忘れよう。そう青年こと、この国の第二王子であるローワンは思っていたのだが、それを見た瞬間に、言葉を失う。
「これ・・は・・・何だ?まさか、これは聖水か!?」
十六年前に他界した歴代最強と呼ばれた聖女にしか作れないと言われていた聖水で噴水は満ち満ちていた。それは淡く、温かく光り輝いていた。
ローワンは慌てて先ほど声の主の去った方角を見たが、そこにはすでに人影はない。
「まさか、聖女の再来か!?」
舞踏会場の外では大騒ぎとなるのだが、そんな事とはつゆ知らず、ココレットはせめて一曲くらいは誰かと踊りたいと瞳をぎらぎらとさせて粘りに粘っていたのだが、結局、誰一人としてココレットを誘う事はない。
「おい、誰か、踊ってやれよ。」
「いや、だって・・・どう見ても子どもだろう?」
「けど、踊りたそうにしているし・・・」
「俺は婚約者がいるしお前だってそうだろう?子どもとはいえ、婚約者に失礼だろう。」
そんな会話がココレットに聞こえる。
ココレットは頬をパンパンにふくらましながら内心で声を大にして叫んだ。
-私だって成人しているんだからねぇぇぇぇ!!!!絶対に私は恋愛をしてみせる!運命の人を見つけるんだからぁぁぁぁ!
一度人生を終えてそれなりに経験を積んでいるはずの元聖女の、そんな落ち着きの欠片すらない叫び声は誰にも届かない。
ただし、運命のいたずらか、はたまたココレットの自業自得か、歯車は回り始める。
「絶対に見つけてみせる。婚約破棄された令嬢を探すんだ!聖女かもしれないということは伏せて、内密に見つけ出すぞ。」
この日、第二王子が運命の相手を見つけ、その相手を探していると言うお触れが国中に知らされた。舞踏会場に出席していた婚約者のいない令嬢達はもう一度集められることが決められ、令嬢達は自分こそが王子の運命の相手だとうきうきと話に花を咲かせる。
婚約破棄されたと聞いた時のココレットの両親は絶望し悲しみにくれたが、このお触れが出た途端にこれはチャンスだとココレットの背中を押した。
「いいかいココレット。頑張るんだぞ。」
「これはチャンスよ!チャンスをつかむのよ!」
両親のその切羽詰まった表情に、ココレットは、王子は無理でも、王子の側近とか、騎士様とか、その辺でもどうにか捕まえられないだろうかと、色恋というよりも、闘志を燃やすことになるのであった。
「絶対に見つけるぞ。」
王子は聖女を見つけるのが自分の使命とばかりに意気込む。
「絶対にチャンスをつかむわ。」
ちびっ子元聖女は、恋愛のチャンスをつかむぞと、斜め上に闘志を燃やすのであった。
そんな二人が恋に落ちるのには、まだ、かなり、道のりは長そうである。
★★★★★
読んでいただき、ありがとうございます。
今回は一話完結で書いてみました。
もしも、もしもお気に入り数が伸びた時には、連載にしたいと思います。
読んでいただき、ありがとうございました!
作者 かのん
※お知らせ
他にも連載をしています。
『生まれ変わった魔法使い』
『竜様方のメイドちゃん』
よろしければこちらもお読みいただけたら嬉しいです。
優雅さ?美しさ?教養?どれもこれも確かに必要だろう。だが、そうではない。それがなければ、見向きもされず、それがなければ、壁の花にすらなれない。それとはなにか。
それは、ずばり、身長。
王宮で開かれる舞踏会はそれはそれは煌びやかで美しい。天井に飾られた硝子玉のシャンデリアはろうそくの明かりを反射してキラキラと輝き、会場に飾られている今が旬の季節の花々は、みずみずしく舞台を彩る。
けれど、一番舞踏会を華やかに見せるのは、見目麗しい令嬢達だろう。ピンクに青に赤、色とりどりのドレスはまるで夜に咲く花のよう。ダンスホールで踊ればさらに美しさは増す。
そう。
まず、そんな美しいドレスを着こなす為にはすらりとした肢体が必要。
そしてダンスのパートナーと優雅に踊る為には、それ相応の身長が、必要なのだ。
しかし、運命とは残酷なものである。前世聖女という輝かしい栄華を手にし、恋愛することなく聖女と言う役職に一生を捧げた女は、今世こそは恋愛に心をときめかせたいと願っていた。切実に。
別に聖女というものが悪かったと言うわけではない。美味しいご飯を食べ、温かな場所で眠り、皆の為に祈りを捧げる。素晴らしい役職である。そう。そう、なの、だが。
自分と同じ年頃の少女達があはは、うふふと色恋に花を咲かせ、泣いたり笑ったり忙しくしては、楽しげに友達と会話をするそんな姿を見て、何とも思わないわけがない。
そう、はっきり言おう、女はうらやましかったのだ。
人々が寝ている時間に起きて朝の冷たい水で身を清め、聖女としての力を高める為に過酷な修行し、人々の幸せを願って祈りを捧げ続ける。
嫌だったわけではない。うらやましさを糧にして、女は歴代の中で最も聖女らしくあり続け、人々から称賛される立派な聖女であった。
だが。それは前世での話。
今世、ココレット・ステフ男爵令嬢として生まれ変わった女は神に感謝し、そして今世こそは前世あれほどまでにうらやましく思った少女達と同じように、色恋に花を咲かせてみせると誓ったのだ。
そう。誓ったのだ。
ここで冒頭の問題へと時を戻そう。
天は二物を与えずとはよく言ったものだ。今年十六歳と成人を迎えたココレットは、はちみつ色のふわりとした髪を持ち、美しいアメジストの瞳を持つ。産まれた時からいくら野原を駆けまわろうが、馬に乗ろうがその白い肌は焼けることなく美しさを保ち、出会った人からは必ず『可愛らしい』と言われた。
そう。ずっと。
お気づきだろうか。ずっとである。ココレットは十三歳の時から身長が一ミリたりとも伸びず、十三歳の時に作った可愛らしいレースたっぷりのふりふりドレスが未だに着れるのだ。
貧乏男爵家としては、それはそれは節約になる。だがしかし、彼女が十六歳の成人した令嬢だと気づくものはいるかと聞かれれば、黙るしかない。
そしてやっとのことで漕ぎ着けた、子爵家との婚約。両親がへこへこと頭を下げに下げたことで手に入れた婚約話であったのだが、それが今、終わりを告げようとしていた。
「我が子爵家を、キミは・・キミは侮辱したのだ。」
これからこの人と色恋をしていくのだとうきうきしていた、舞踏会に来るまでのココレットの姿が、今はただ嘆かわしい。
ココレットの目の前には婚約者である子爵家の令息レックスがいるのだが、舞踏会場についた彼女の姿を見て、レックスは顔を真っ赤にすると彼女の手を引いて、人気のない場所へと移動すると、ねちねちと話を延々とし、そしてある結論に行きつく。
「何なのだその恰好は!子どもそのものではないか!子どもと僕が婚約など・・・くそ!我が子爵家を侮辱するキミとの婚約などあり得ない!申し訳ないが、婚約は破棄させていただく。キミもそのつもりでいてくれ。くれぐれも、僕とキミが婚約していたなど、他の者にはいいふらさないでくれ。」
「・・あ・・」
引き留める間もなく、レックスはココレットに背を向けて舞踏会の中へと姿を消してしまった。エスコートしてくれるはずの人がいなくなり、ココレットは壁の花になるしかない。いや、何と言うかココレットは壁の花にすらなれない。
花というよりは、蕾だろう。
人々の視線がちらちらとココレットへと向く。それもそうだろう。舞踏会の会場に似つかわしくない小さな可愛らしい令嬢の姿は目を引くものだ。
皆が内心思っている事など、心を読む力がなくても分かる。
『小さな子どもがどうしてこんな場所に?』
ココレットは、声を大にして言いたい。『私は成人している!』と。しかしそんな事を言うわけにもいかず、人々の視線から逃れるようにココレットは会場から足早に外へと出た。
春の夜風はまだ少し冷たく、ココレットの火照った頬を冷やすにはちょうど良かった。王宮の庭には、魔法使い達の魔法によって光の水晶が浮かび、庭に咲く花々を美しく見せる。
ただ、にぎやかな会場と違い、その場は静かで音もせず、ココレットはため息をつくと噴水の淵へと腰掛けてその水を指で撫でながら苛立たしげにぶつぶつと呟いた。
「私だって、私だって好きでこの身長な訳じゃないわ。」
水に波紋が広がり、それを指で掻き混ぜるようにココレットはぶつぶつと呟きながら苛立たしさをぶつける。
「何よ。ちょっと普通より頭一つ分、いやそれ以上かな、それくらいちっちゃいだけじゃない。」
聖女であった頃からの彼女の癖が、静かに発揮されているのだが、彼女はその事に気付かない。
「もう!もう!私は恋愛したいだけなのに!もう!そもそも婚約破棄って酷いわ。はぁ・・まぁ、貧乏男爵家からそれを覆すことなんて、できるわけがないけれど。まぁでも、あんな人を見た目で判断する人とはそもそも恋愛できないわね。」
噴水の色がすでに普通ではなくなっている事に、彼女は気づくことなく立ち上がると月に向かって拳を掲げた。
「そうよ!そもそも、私の魅力が分からない人となんて恋愛出来ないわ。婚約破棄出来て良かったのよ!」
気持ちを切り替えたココレットは笑顔に戻ると、運命の人を見つける為に舞踏会場へともう一度戻る事を決意すると歩き出した。そんなココレットが立ち去った時、一人の青年が生垣から姿を現した。
実の所、彼女が来る前から休憩の為に身を潜めていたのだが、女性が一人ぶつぶつ言っている姿に、途中から出て行くことも出来ずにずっと隠れていたのだ。
ココレットの声が小さかったので、何を言っていたかまでは聞き取れていなかったことが救いだろう。ただし、最後拳を振り上げて『婚約破棄出来て良かったのよ!』と言う、最後の大きな声だけは聞こえていた。
「ふぅ。ばれなくて良かった。」
盗み聞きは良くない。最後聞こえた言葉も忘れよう。そう青年こと、この国の第二王子であるローワンは思っていたのだが、それを見た瞬間に、言葉を失う。
「これ・・は・・・何だ?まさか、これは聖水か!?」
十六年前に他界した歴代最強と呼ばれた聖女にしか作れないと言われていた聖水で噴水は満ち満ちていた。それは淡く、温かく光り輝いていた。
ローワンは慌てて先ほど声の主の去った方角を見たが、そこにはすでに人影はない。
「まさか、聖女の再来か!?」
舞踏会場の外では大騒ぎとなるのだが、そんな事とはつゆ知らず、ココレットはせめて一曲くらいは誰かと踊りたいと瞳をぎらぎらとさせて粘りに粘っていたのだが、結局、誰一人としてココレットを誘う事はない。
「おい、誰か、踊ってやれよ。」
「いや、だって・・・どう見ても子どもだろう?」
「けど、踊りたそうにしているし・・・」
「俺は婚約者がいるしお前だってそうだろう?子どもとはいえ、婚約者に失礼だろう。」
そんな会話がココレットに聞こえる。
ココレットは頬をパンパンにふくらましながら内心で声を大にして叫んだ。
-私だって成人しているんだからねぇぇぇぇ!!!!絶対に私は恋愛をしてみせる!運命の人を見つけるんだからぁぁぁぁ!
一度人生を終えてそれなりに経験を積んでいるはずの元聖女の、そんな落ち着きの欠片すらない叫び声は誰にも届かない。
ただし、運命のいたずらか、はたまたココレットの自業自得か、歯車は回り始める。
「絶対に見つけてみせる。婚約破棄された令嬢を探すんだ!聖女かもしれないということは伏せて、内密に見つけ出すぞ。」
この日、第二王子が運命の相手を見つけ、その相手を探していると言うお触れが国中に知らされた。舞踏会場に出席していた婚約者のいない令嬢達はもう一度集められることが決められ、令嬢達は自分こそが王子の運命の相手だとうきうきと話に花を咲かせる。
婚約破棄されたと聞いた時のココレットの両親は絶望し悲しみにくれたが、このお触れが出た途端にこれはチャンスだとココレットの背中を押した。
「いいかいココレット。頑張るんだぞ。」
「これはチャンスよ!チャンスをつかむのよ!」
両親のその切羽詰まった表情に、ココレットは、王子は無理でも、王子の側近とか、騎士様とか、その辺でもどうにか捕まえられないだろうかと、色恋というよりも、闘志を燃やすことになるのであった。
「絶対に見つけるぞ。」
王子は聖女を見つけるのが自分の使命とばかりに意気込む。
「絶対にチャンスをつかむわ。」
ちびっ子元聖女は、恋愛のチャンスをつかむぞと、斜め上に闘志を燃やすのであった。
そんな二人が恋に落ちるのには、まだ、かなり、道のりは長そうである。
★★★★★
読んでいただき、ありがとうございます。
今回は一話完結で書いてみました。
もしも、もしもお気に入り数が伸びた時には、連載にしたいと思います。
読んでいただき、ありがとうございました!
作者 かのん
※お知らせ
他にも連載をしています。
『生まれ変わった魔法使い』
『竜様方のメイドちゃん』
よろしければこちらもお読みいただけたら嬉しいです。
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