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番外編
その後の物語① ヴォルフside
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アーシアが、ルーシェ様の本を書き終え。
実際に本が発売されてから、二ヶ月が経つ。
彼女は特別文官としての職務に就き、王宮内の一室で物語を書く生活を送っていた。
そして俺と彼女の関係は……良い意味で、変わってはいなかった。
◇◇◇◇
チラリと窓を見て落ちた陽射しを確認する。
俺は側妃のテセア様へ声をかけた。
「テセア様、護衛の交代時間ですので、他の者に代わります」
「ええ、分かったわ。ヴォルフ」
俺に代わりテセア様を護衛をする王家騎士の肩を叩き、足早に王宮を歩く。
向かう先は、アーシアの元だ。
彼女に会うとなれば……もう胸が鼓動して緊張している。
「アーシア、入っていいか」
辿り着いた部屋の扉を叩き、問いかける。
部屋の中からペンを置く音と、紙がトントンと整理される音が響き、彼女––アーシアの声が響いた。
「どうぞ、ヴォルフ様」
「失礼する」
王家騎士団長である俺には、王家の部屋以外の入室に許可は必要はない。
だけど、アーシアの部屋に入る時だけは別で、ちゃんと許可を貰い入室をする。
彼女にだけは……嫌われたくはないからな。
入室した俺は、先ほどまで物語を書いていたアーシアへと、緊張を隠しながら自然に笑いかける事を心掛ける。
「もう日が暮れる。今日も屋敷まで送る」
「ありがとうございます。いつも助かってます」
「いい、夜道に一人は心配だからな」
心配だから彼女の邸まで送る……なんて都合のいい言葉で取り繕う。
本音は、少しでも共に居たいだけだ。
その気持ちを隠しながら、俺は持って来ていた物を彼女に手渡した。
「最近は寒くなってきたから……これ、使え」
ぶっきらぼうな呟きと共に、手袋を手渡す。
無骨な物ではなくて、可愛らしい刺繡がされている物を選んだつもりだ。
「テセア様の御実家が、縫い物を取り扱っているらしくてな。ついでに買ってきた」
「っ……嬉しいです。ヴォルフ様」
緊張してアーシアの目が見れないが、反応と声の明るさにほっと安堵する。
女性の好む物は分からなかったが……どうやら喜んでくれたようだ。
「行こうか」
「はい!」
アーシアを邸まで送るため、共に歩き出す。
特別文官である彼女は、実務こそないが王家に多大な貢献をもたらしている。
彼女の存在こそが、貴族派閥への牽制になっているのだ。
だから身の安全のためにと、護衛の任を俺が勝手に申し込んだのだ。
まぁ、つまり。
彼女と共に居たいがために作り上げた口実だ。
「今日は、こんな事があってな……」
「そうなのですね……!」
お互いの近況を、この時間を使って話し合う。
俺は王家の事、アーシアはもっぱら書いている物語の進捗状況などだ。
「王家について、今はどうなっているのですか」
「そうだな……」
尋ねる彼女に、王家の近況を話す。
ガイラス陛下は残された時間を、ディノ殿下のためにと尽力している。
殿下も同様に、勉学に励んでいるようだ。
それに、あのブルーノ閣下も王家のためにと、公爵家を継ぐ息子と共に地盤固めをしていると聞く。
「シュイクが言っていたよ。父が張り切っているから、暫くは公爵家も安泰だとな」
「ふふ、閣下が本気を出せば……確かに安泰ですね」
「それと、殿下がまたアーシアと会いたいと言っていたぞ」
「本当ですか? なら、明日は殿下に会いにいきます」
会話をしつつ、王都へと出る。
賑わう人波と共に、吹きすさぶ冷たい風を受け、彼女が手袋を身に付けた両手をこする。
その姿を見て、思わず彼女の手に自分の手を重ねた。
「っ、ヴォルフ様?」
「寒いだろ。人も多い、はぐれる訳にはいかないだろ」
手が繋ぎたかった……すらも素直に言えず。
意気地のない言い訳を並べた俺に、アーシアはふわりと笑う。
そして受け入れるように、俺の手を握り返してくれた。
「っ!!」
「じゃあ、ちゃんと離さずに送ってくださいね」
こんなにも、俺は自身の鼓動を鎮めるのが下手だったろうか。
笑いかけながら握られた手から、手袋ごしに温もりが伝わってきて……激しく鼓動を繰り返す心臓を、抑えられなかった。
「手、温かいです。ヴォルフ様」
「なら…………良かった」
絡む指に、嬉しいという感情が胸に湧く。
俺はアーシアに、今まで同じ危機を乗り越えた戦友のような親しみを持っていた。
でも最近、それ以上の感情を抱いているのにも気付いたのだ。
熱情に近い気持ちを……
「少し、回り道していこう」
「そうですね。ヴォルフ様」
少しでも長く居たいから、目的など無いのに王都を回る。
いつから彼女にこんな気持ちを抱いていたのか、分からない。
だが凛々しく困難に立ち向かう彼女に尊敬を抱き。
自身の気持ちに正直に生きている姿を、いつしか敬愛していたのだろう。
「どうしたんですか、ヴォルフ様。ぼーっとして」
「すまない。少し考え事をしていた」
「だから、私がこれを買っても呆然としていたのですね」
そう言って、彼女は背伸びして俺の口になにかを当てた。
かじれば、甘い焼き菓子だと分かる……いつの間にか露店で買っていたのだろう。
「まだ夜も護衛の任があるのですよね。だったら、今のうちに糖分を摂取しないとですよ?」
「あ、あぁ。そうだな。ありがとう、アーシア。嬉しい……」
「ふふ、甘いのが好きなヴォルフ様なら、きっと喜ぶと思ってましたよ」
「喜ぶに決まってる。アーシア。あっちに別の菓子があるぞ。行こう」
あぁ……顔が熱い、今はきっと赤くなっているだろう。
向けられた優しさが嬉しくて、愛しい気持ちが溢れる。
ばれないため、慌てて別の菓子店に向かう口実を作って背を向けた。
危機を乗り越えて、今もアーシアの傍に居れる事が堪らなく幸せだ。
できる事なら、この気持ちを彼女へ告げたい。
だが、情けない事に俺には勇気がない。
レジェスとの離婚を終え、ようやく自由になった彼女に想いを告げていいのか。
意気地のない俺では、判断ができなかった。
「……」
それに、もし彼女に拒否されれば……
この曖昧な関係が崩れてしまうだろう。
それが、怖いとも感じる。
自分自身のずるい気持ちを自覚しつつ、今はこの居心地のいい二人の時間を壊したくない。
「アーシア、あっちも行こう」
「そうですね、食べ歩きしましょうか!」
笑って俺の傍に居てくれる彼女が、好きだ。
あと一歩進みたいと迷う気持ちはあるが。
俺にとって他の何にも代えがたいこの楽しみな時間を大切にしたくて、決断出来ぬ日々を過ごしていた……
◇◇◇◇
ゆっくりとになりますが、番外編を更新していきます。
(5話ほど)
本編とは違って苦難を乗り越えた後の、ほのぼのメインの予定です。
よろしければ、読んでくださると嬉しいです。
実際に本が発売されてから、二ヶ月が経つ。
彼女は特別文官としての職務に就き、王宮内の一室で物語を書く生活を送っていた。
そして俺と彼女の関係は……良い意味で、変わってはいなかった。
◇◇◇◇
チラリと窓を見て落ちた陽射しを確認する。
俺は側妃のテセア様へ声をかけた。
「テセア様、護衛の交代時間ですので、他の者に代わります」
「ええ、分かったわ。ヴォルフ」
俺に代わりテセア様を護衛をする王家騎士の肩を叩き、足早に王宮を歩く。
向かう先は、アーシアの元だ。
彼女に会うとなれば……もう胸が鼓動して緊張している。
「アーシア、入っていいか」
辿り着いた部屋の扉を叩き、問いかける。
部屋の中からペンを置く音と、紙がトントンと整理される音が響き、彼女––アーシアの声が響いた。
「どうぞ、ヴォルフ様」
「失礼する」
王家騎士団長である俺には、王家の部屋以外の入室に許可は必要はない。
だけど、アーシアの部屋に入る時だけは別で、ちゃんと許可を貰い入室をする。
彼女にだけは……嫌われたくはないからな。
入室した俺は、先ほどまで物語を書いていたアーシアへと、緊張を隠しながら自然に笑いかける事を心掛ける。
「もう日が暮れる。今日も屋敷まで送る」
「ありがとうございます。いつも助かってます」
「いい、夜道に一人は心配だからな」
心配だから彼女の邸まで送る……なんて都合のいい言葉で取り繕う。
本音は、少しでも共に居たいだけだ。
その気持ちを隠しながら、俺は持って来ていた物を彼女に手渡した。
「最近は寒くなってきたから……これ、使え」
ぶっきらぼうな呟きと共に、手袋を手渡す。
無骨な物ではなくて、可愛らしい刺繡がされている物を選んだつもりだ。
「テセア様の御実家が、縫い物を取り扱っているらしくてな。ついでに買ってきた」
「っ……嬉しいです。ヴォルフ様」
緊張してアーシアの目が見れないが、反応と声の明るさにほっと安堵する。
女性の好む物は分からなかったが……どうやら喜んでくれたようだ。
「行こうか」
「はい!」
アーシアを邸まで送るため、共に歩き出す。
特別文官である彼女は、実務こそないが王家に多大な貢献をもたらしている。
彼女の存在こそが、貴族派閥への牽制になっているのだ。
だから身の安全のためにと、護衛の任を俺が勝手に申し込んだのだ。
まぁ、つまり。
彼女と共に居たいがために作り上げた口実だ。
「今日は、こんな事があってな……」
「そうなのですね……!」
お互いの近況を、この時間を使って話し合う。
俺は王家の事、アーシアはもっぱら書いている物語の進捗状況などだ。
「王家について、今はどうなっているのですか」
「そうだな……」
尋ねる彼女に、王家の近況を話す。
ガイラス陛下は残された時間を、ディノ殿下のためにと尽力している。
殿下も同様に、勉学に励んでいるようだ。
それに、あのブルーノ閣下も王家のためにと、公爵家を継ぐ息子と共に地盤固めをしていると聞く。
「シュイクが言っていたよ。父が張り切っているから、暫くは公爵家も安泰だとな」
「ふふ、閣下が本気を出せば……確かに安泰ですね」
「それと、殿下がまたアーシアと会いたいと言っていたぞ」
「本当ですか? なら、明日は殿下に会いにいきます」
会話をしつつ、王都へと出る。
賑わう人波と共に、吹きすさぶ冷たい風を受け、彼女が手袋を身に付けた両手をこする。
その姿を見て、思わず彼女の手に自分の手を重ねた。
「っ、ヴォルフ様?」
「寒いだろ。人も多い、はぐれる訳にはいかないだろ」
手が繋ぎたかった……すらも素直に言えず。
意気地のない言い訳を並べた俺に、アーシアはふわりと笑う。
そして受け入れるように、俺の手を握り返してくれた。
「っ!!」
「じゃあ、ちゃんと離さずに送ってくださいね」
こんなにも、俺は自身の鼓動を鎮めるのが下手だったろうか。
笑いかけながら握られた手から、手袋ごしに温もりが伝わってきて……激しく鼓動を繰り返す心臓を、抑えられなかった。
「手、温かいです。ヴォルフ様」
「なら…………良かった」
絡む指に、嬉しいという感情が胸に湧く。
俺はアーシアに、今まで同じ危機を乗り越えた戦友のような親しみを持っていた。
でも最近、それ以上の感情を抱いているのにも気付いたのだ。
熱情に近い気持ちを……
「少し、回り道していこう」
「そうですね。ヴォルフ様」
少しでも長く居たいから、目的など無いのに王都を回る。
いつから彼女にこんな気持ちを抱いていたのか、分からない。
だが凛々しく困難に立ち向かう彼女に尊敬を抱き。
自身の気持ちに正直に生きている姿を、いつしか敬愛していたのだろう。
「どうしたんですか、ヴォルフ様。ぼーっとして」
「すまない。少し考え事をしていた」
「だから、私がこれを買っても呆然としていたのですね」
そう言って、彼女は背伸びして俺の口になにかを当てた。
かじれば、甘い焼き菓子だと分かる……いつの間にか露店で買っていたのだろう。
「まだ夜も護衛の任があるのですよね。だったら、今のうちに糖分を摂取しないとですよ?」
「あ、あぁ。そうだな。ありがとう、アーシア。嬉しい……」
「ふふ、甘いのが好きなヴォルフ様なら、きっと喜ぶと思ってましたよ」
「喜ぶに決まってる。アーシア。あっちに別の菓子があるぞ。行こう」
あぁ……顔が熱い、今はきっと赤くなっているだろう。
向けられた優しさが嬉しくて、愛しい気持ちが溢れる。
ばれないため、慌てて別の菓子店に向かう口実を作って背を向けた。
危機を乗り越えて、今もアーシアの傍に居れる事が堪らなく幸せだ。
できる事なら、この気持ちを彼女へ告げたい。
だが、情けない事に俺には勇気がない。
レジェスとの離婚を終え、ようやく自由になった彼女に想いを告げていいのか。
意気地のない俺では、判断ができなかった。
「……」
それに、もし彼女に拒否されれば……
この曖昧な関係が崩れてしまうだろう。
それが、怖いとも感じる。
自分自身のずるい気持ちを自覚しつつ、今はこの居心地のいい二人の時間を壊したくない。
「アーシア、あっちも行こう」
「そうですね、食べ歩きしましょうか!」
笑って俺の傍に居てくれる彼女が、好きだ。
あと一歩進みたいと迷う気持ちはあるが。
俺にとって他の何にも代えがたいこの楽しみな時間を大切にしたくて、決断出来ぬ日々を過ごしていた……
◇◇◇◇
ゆっくりとになりますが、番外編を更新していきます。
(5話ほど)
本編とは違って苦難を乗り越えた後の、ほのぼのメインの予定です。
よろしければ、読んでくださると嬉しいです。
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