1 / 42
プロローグ
しおりを挟む
「私と結婚をしないか?」
悲劇の始まりはその一言
当時10歳の平民の私に
突然婚約を申し込んできたフェルト国の貴族
ルクスリア・アンブラー公爵の言葉
当時、両親はその言葉に大いに喜んだルクスリア公爵は民からも人気がある美形で
必ず私を幸せにしてくれると
そして私も両親が喜んでくれるならと引き受けた
これが大きな間違いだ
フェルト国では結婚できるのは16歳から、ルクスリア公爵は20歳
私は10歳、なので6年間の間は公爵家で嫁入り前の勉強として連れて行かれた
公爵家に着いて早々に私は家の掃除をしろと言われる
寒い冬の中、水に手を入れ…震えながら掃除をしていく
広い家を掃除するのにたくさんの時間がかかった
「掃除は済んだのか?」
「はい!ルクスリア様!」
寒い中、頑張った私の手は震えている
けど褒めてもらえるかもしれない、だってこの人は婚約者だから
そう思っていたが
バシン!!
飛んできたのは平手だった
叩かれたほほが熱く、鋭い痛みが走った
「時間がかかりすぎだ、もう少し使えると思ったがな…」
「ル…ルクスリア…様?」
「はぁ…使えないな…本当に」
今ならわかる
ルクスリア様は婚約者が欲しかったのではない
都合のいい奴隷が欲しかったんだ、ストレス発散できる奴隷が
それから、こじつけのような理由と共に暴力を振るわれる日々が始まった
「窓が少し汚れている…お前は何もできないな」
「掃除の際に物の位置を少しもずらすな、そんな事もできないのか」
「おい、服にしわが少しあるな…数日飯は抜きだ」
日に日にエスカレートしていく暴力
私の顔や体には常に青あざができ、血もよく流した
それでも私は公爵家に軟禁されていたためにルクスリア様の行為を知る者はいない
私はルクスリア様に認めてもらおうと、努力した
言われた事を守り、忠実に従った…この時から感情を無くしていった
ある時、ふと机の上に本が置かれていた
「魔法教本・初級」と書かれていた
私は隠れてその本を読み、魔法を学ぶことにした
夜な夜な、起きてはその本を読んだ
この生活を少しでも良くするためにだ
水を温めるために火の魔法を
埃をはくために風の魔法を
生け花を枯らさぬように水の魔法を
そして物を自在に動かすような魔法まで
徐々に魔法が使える事に自分でも喜んだ
そしてこう思った
(今の私ならルクスリア様も褒めてくれる)
私はルクスリア様に初めて魔法を見せた
だが、反応は違っていた
「それは、魔法が使えなかった俺への当てつけか?」
「ち、違いま…」
鈍い音と共に、顔を殴られた
そしてそのまま腹に蹴りを
「俺が魔法をできないから見せつけたんだよな!?本当にクズだお前は!!使えない!!お前は一人じゃ何もできないのだから大人しく家事だけをしておけ!!」
「ご…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい」
私は逃げ出したくて、でもできなくて謝るしか出来なかった
その日から暴力は更にひどくなった
けど、望みがなかった訳じゃない
私には両親がいる、きっと迎えに来てくれる…優しい母や父が
きっと顔を出さない私を心配してくれているはずだ
1年…
2年……
3年………
両親は会いに来なかった
「お前の両親は使えないクズを処分できて良かったとさ、お前は使えないからな」
ある日、ルクスリア様はそう言った
私の心は完全に壊れた
「ごめんなさい…ごめんなさい」
そう言い続けて暴力の日々を過ごした
それでも、魔法を勉強するのはやめなかった
教本は取られたが独学でずっと魔法は使っていた、きっとなにか役に立つはずだ
婚約してから6年
私は16歳になった
明日、ルクスリア様と正式に結婚する事となる
だが、形だけだ
この日、私は決心した
確かめるためだ、両親の気持ちを
手紙がきていたのは知っていた
私に隠していることも、ルクスリア様が絶対に空けるなと言っていた引き出しを魔法で強引に空ける
そこには多くの手紙があった
全て私の両親から
ーーーーー
○月△5日
ルクスリア様へ
娘はどうでしょうか?
元気にやっているでしょうか、あの子はドジな所もありますがいい子です
どうかよろしくお願いします
○月△9日
ルクスリア様へ
娘は帰って来る日はいつになるでしょうか?
きっとあの子も寂しがると思うので会わせていただいてもいいですか?
ご都合が悪ければこちらから伺います
△月×2日
ルクスリア様へ
あの子が私達と会いたくないと言っている?
そんなはずはありません、絶対に会いに行きます
愛するあの子がそんな事いうわけがありません
△月×5日
娘に会わせてください!!
元気だというならせめて一目だけでも!!
△月×9日
お願いします…お願いします
娘を返してください
私は長くありません……せめて少しでも話をさせてください
×月×9日
本日、あの子の母が亡くなりました
病気です、私も同じく長くはありません…どうか最後に娘の無事だけでも
あの子に母の死に目にも会わせてやれないなんて
ーーーーーー
震える指で、一番新しい手紙を開いた
□月○○日
フェルト国役所より連絡です
本日、ルクスリア公爵家の婚約者アリサ様の父上であるオリエント様が病気によりお亡くなりになりました
葬儀の日にちについては……
最後の日にちは…
1年前だった
ーーーーーー
私は公爵家を飛び出した
鍵のついた扉は魔法で吹き飛ばした、止めようとして来た衛兵達も皆
公爵家には書きなぐるようにメモを残した
ー婚約破棄しますーと
あてもなく、泣きながら走った
裸足で、服もボロボロだった
街を走る私を心配や好奇の目が見つめる
全てを無視して、私は走った、逃げ出したくて、早く離れたくて
私はフェルト国を出て
そしてあの家にたどり着いた
今日、この日…この地獄の日々が終わりを告げた
悲劇の始まりはその一言
当時10歳の平民の私に
突然婚約を申し込んできたフェルト国の貴族
ルクスリア・アンブラー公爵の言葉
当時、両親はその言葉に大いに喜んだルクスリア公爵は民からも人気がある美形で
必ず私を幸せにしてくれると
そして私も両親が喜んでくれるならと引き受けた
これが大きな間違いだ
フェルト国では結婚できるのは16歳から、ルクスリア公爵は20歳
私は10歳、なので6年間の間は公爵家で嫁入り前の勉強として連れて行かれた
公爵家に着いて早々に私は家の掃除をしろと言われる
寒い冬の中、水に手を入れ…震えながら掃除をしていく
広い家を掃除するのにたくさんの時間がかかった
「掃除は済んだのか?」
「はい!ルクスリア様!」
寒い中、頑張った私の手は震えている
けど褒めてもらえるかもしれない、だってこの人は婚約者だから
そう思っていたが
バシン!!
飛んできたのは平手だった
叩かれたほほが熱く、鋭い痛みが走った
「時間がかかりすぎだ、もう少し使えると思ったがな…」
「ル…ルクスリア…様?」
「はぁ…使えないな…本当に」
今ならわかる
ルクスリア様は婚約者が欲しかったのではない
都合のいい奴隷が欲しかったんだ、ストレス発散できる奴隷が
それから、こじつけのような理由と共に暴力を振るわれる日々が始まった
「窓が少し汚れている…お前は何もできないな」
「掃除の際に物の位置を少しもずらすな、そんな事もできないのか」
「おい、服にしわが少しあるな…数日飯は抜きだ」
日に日にエスカレートしていく暴力
私の顔や体には常に青あざができ、血もよく流した
それでも私は公爵家に軟禁されていたためにルクスリア様の行為を知る者はいない
私はルクスリア様に認めてもらおうと、努力した
言われた事を守り、忠実に従った…この時から感情を無くしていった
ある時、ふと机の上に本が置かれていた
「魔法教本・初級」と書かれていた
私は隠れてその本を読み、魔法を学ぶことにした
夜な夜な、起きてはその本を読んだ
この生活を少しでも良くするためにだ
水を温めるために火の魔法を
埃をはくために風の魔法を
生け花を枯らさぬように水の魔法を
そして物を自在に動かすような魔法まで
徐々に魔法が使える事に自分でも喜んだ
そしてこう思った
(今の私ならルクスリア様も褒めてくれる)
私はルクスリア様に初めて魔法を見せた
だが、反応は違っていた
「それは、魔法が使えなかった俺への当てつけか?」
「ち、違いま…」
鈍い音と共に、顔を殴られた
そしてそのまま腹に蹴りを
「俺が魔法をできないから見せつけたんだよな!?本当にクズだお前は!!使えない!!お前は一人じゃ何もできないのだから大人しく家事だけをしておけ!!」
「ご…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい」
私は逃げ出したくて、でもできなくて謝るしか出来なかった
その日から暴力は更にひどくなった
けど、望みがなかった訳じゃない
私には両親がいる、きっと迎えに来てくれる…優しい母や父が
きっと顔を出さない私を心配してくれているはずだ
1年…
2年……
3年………
両親は会いに来なかった
「お前の両親は使えないクズを処分できて良かったとさ、お前は使えないからな」
ある日、ルクスリア様はそう言った
私の心は完全に壊れた
「ごめんなさい…ごめんなさい」
そう言い続けて暴力の日々を過ごした
それでも、魔法を勉強するのはやめなかった
教本は取られたが独学でずっと魔法は使っていた、きっとなにか役に立つはずだ
婚約してから6年
私は16歳になった
明日、ルクスリア様と正式に結婚する事となる
だが、形だけだ
この日、私は決心した
確かめるためだ、両親の気持ちを
手紙がきていたのは知っていた
私に隠していることも、ルクスリア様が絶対に空けるなと言っていた引き出しを魔法で強引に空ける
そこには多くの手紙があった
全て私の両親から
ーーーーー
○月△5日
ルクスリア様へ
娘はどうでしょうか?
元気にやっているでしょうか、あの子はドジな所もありますがいい子です
どうかよろしくお願いします
○月△9日
ルクスリア様へ
娘は帰って来る日はいつになるでしょうか?
きっとあの子も寂しがると思うので会わせていただいてもいいですか?
ご都合が悪ければこちらから伺います
△月×2日
ルクスリア様へ
あの子が私達と会いたくないと言っている?
そんなはずはありません、絶対に会いに行きます
愛するあの子がそんな事いうわけがありません
△月×5日
娘に会わせてください!!
元気だというならせめて一目だけでも!!
△月×9日
お願いします…お願いします
娘を返してください
私は長くありません……せめて少しでも話をさせてください
×月×9日
本日、あの子の母が亡くなりました
病気です、私も同じく長くはありません…どうか最後に娘の無事だけでも
あの子に母の死に目にも会わせてやれないなんて
ーーーーーー
震える指で、一番新しい手紙を開いた
□月○○日
フェルト国役所より連絡です
本日、ルクスリア公爵家の婚約者アリサ様の父上であるオリエント様が病気によりお亡くなりになりました
葬儀の日にちについては……
最後の日にちは…
1年前だった
ーーーーーー
私は公爵家を飛び出した
鍵のついた扉は魔法で吹き飛ばした、止めようとして来た衛兵達も皆
公爵家には書きなぐるようにメモを残した
ー婚約破棄しますーと
あてもなく、泣きながら走った
裸足で、服もボロボロだった
街を走る私を心配や好奇の目が見つめる
全てを無視して、私は走った、逃げ出したくて、早く離れたくて
私はフェルト国を出て
そしてあの家にたどり着いた
今日、この日…この地獄の日々が終わりを告げた
288
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる