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7話ー大天才魔法使い?ー
しおりを挟む「カイエン様を取り戻しにきた?」
私はカイエン様の前に立ち、目の前の魔法使い、ルルに話かける
「ええ!!そうよ、私の生活費のた………違う、違う、えーと………」
ブツブツとつぶやきながら何かを考え込む
そして何かにひらめいたのか顔を明るくする
「そう!!まだ魔道の教えは不完全、だから私が面倒を見る必要があるわ」
「うそですよね?さっき生活費って言ってましたし」
「う、ウソではない!!それに決めるのは私の弟子のはずだ」
「カイエン様、私がいるので大丈夫ですよね?」
私の問いかけにカイエン様は少し考え込むが頷く
「うん、師匠には使えない聖女の魔法を彼女は使えたんだ、俺は彼女に魔道を教えてもらう」
ほ………良かった
せっかくカイエン様も学校に行きだしたのだ
またフラフラ出歩かれては奥様も考え込んでしまう
だけどルルはそれを許しくれそうになかった
「待ちなさい!!我が弟子よ…要は彼女より優れているところを見せればいいのよね?」
「ルルさん、一体何をする気………!?」
なんと、ルルは頭上に手を上げ大きな火炎の塊を作り出したのだ
魔力による業火の炎
「す………すごい!!」
まずい、カイエン様も完全に虜になってしまっている
目をキラキラさせて見つめて、このままじゃ……
「ふふ、私の完全勝利よね………この上位魔法を使えるの人なんてそうそういないわ」
ルルは余裕を保っていたが内心は
(キッツーーー!!これ維持が難しいから使いたくなかったのに…でも生活費のため…)
そう、彼女自身もギリギリであった
そよ風の刺激でも崩れてしまう限界の状況
不幸なことにそよ風は起きてしまう
「いたぞ!!侵入者だ!!」「あそこだ!!空飛ぶ侵入者だ!!」
「きゃ!」
衛兵達の大声に思わず驚いてしまったのだ
(あ………まずい………)
頭上には制御を失った火炎
そしてそれは自然の摂理に従い落ちてくる
彼女の頭に
(学園で魔法は上にだすなって言われていたけど…こういうことだったんだ)
後悔も遅く、彼女は命の危機を迎える
通常では上位火炎魔法を消滅させるなど上位水魔法しか不可能だ
だがその魔法をルル自身も含めて使用できる者はいない
通常なら、だ
「ルルさん!!しゃがんで!!」
「え!!?」
ルルは条件反射でしゃがむ、そして目の前の光景が信じられなかった
アリサが放ったのは水球だ、水魔法の初級のような魔法
だが、それを数百、数千と展開してそれを炎へと放った
(うそでしょ…あれだけの魔法の複数展開と操作なんて…賢者クラスしか不可能なはず…)
だが、目の前の出来事は現実で、現に火炎は水魔法によって消滅したのだった
「大丈夫でしたか?」
心配そうに手を差し伸べるアリサにルルは素直に握り、起き上がる
そして砂をはたきおとすと再び顔を上げる
「あなた!!私に魔法をおしえ…」
ルルが言いかけた所で肩を掴まれる
冷や汗と共に振り返るとそこには衛兵達が
笑ってはいるが、目が全く笑っていない
魔力も尽きたルルに残された選択肢は
「あの…許してくれませんか?」
「ダメに決まってるよね?…お話聞かせてもらおうか?」
「は…はいぃ」
こうして天才魔法使いのルルはベルモンド伯爵家に不法侵入して事情を聞かれることになったのだった
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