【完結】もう我慢できないので婚約破棄してください!!逃げ出した先の伯爵家に愛されすぎてます

なか

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見守るあなたへ

それぞれ①

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あなたと、その大切な人たちは

きっと今……とても幸せでいるはずよ

私達はずっと見守ってきたから



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



アジャはね、今が一番幸せ



「おーい、何してるんだいアジャ!こっちの荷物をもっておくれ」

「うん!!」

「ふぅ、引退しようと思っていたけど仕事は無くならないね」

エブリンさんはアジャとよく一緒にいてくれる
最近は家事?ってお仕事を教えてくれるみたい

「はい、この荷物だよ持てるかい?」

「うん!軽い!」

「しかし、あんたの大きさはすごいね……」

「へへ」

アジャは覚えている
この体になる前は孤児で
まだ体もすごく小さくて

魔獣って呼ばれている何かと融合させられて
すごく痛くて、いっぱい暴れた

苦しくて、泣いていた所をあの組織に拾われて
リーダーだったガルバリウムはいつも怖かったけど

ラバルトだけは優しかった

けど、アジャはガルバリウムが怖いから言うことに逆らえなくて
悪い事をいっぱいしてきた

数え切れないほど

いっそ
心から悪くなってしまえば気持ちも楽になる
そう思って、悪いふりしてた


けど



「アジャ!こんなとこにいた!」「アジャ!」

荷物をエブリンさんと運んでいると
遠くから子供達が声をかけてきた

魔法学校のグロス、クレイン…そしてエウィだ

アジャの大好きな友達
仲良くしてくれる

「みんな!今アジャはお仕事中!」

「わかった!終わったらまた遊ぼう!」
「エウィも待ってるから!」

エウィは色々あったけど、今はすっかり元気だ
グロスやクレインも優しくしてる、グロスはエウィがすき?らしい

よくわからないけど


「お友達が待ってるみたいだから、早く帰らないとね」

「うん!!」


アジャは、今とっても幸せだ

けど思うんだ


「?どうしたんだい?アジャ立ち止まって……」

「エブリンさん、アジャね…思うんだ」

「なんだい、いってごらん」

「アジャ…昔悪い事いっぱいしてきたんだ、だから思うんだ……アジャ…が幸せになっていいのかな?」

「………………」

エブリンさんは黙って近づいた

「アジャ…しゃがんでくれるかい?」

「?」

アジャは言われた通りにしゃがむと

頭をエブリンさんが撫でてくれた


「あんた、成長したんだね……いいかい?確かにあんたは悪い事いっぱいしてきたんだ、だからこれからは人のために生きなさい、誰かのためにあんたは生きるんだ…大丈夫、私と違ってあんたの人生はまだまだ長いんだから」

「幸せになっていいのよ」

「……エブリンさん」

アジャは、いっぱい悪い事してきた

だから……これからは
良いことしかしない

アジャは、ずっと誰かのために

幸せが大好きだから

「ありがとう!エブリンさん!!帰ろう!」

アジャはエブリンさんを抱き上げ肩に乗せて歩き出した

「おっとっと…たく、この子は…」


アジャ





いや、僕は幸せだよ










ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



幸せはつながれていく

その笑顔は皆へ



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「お疲れ様~」

「あぁ、お疲れ様です」

酒場の中でベルモンド家に仕えている衛兵達は酒を飲みながら話をする

「しかし、お前はいつまでもそのマフラーをつけてるんだ?」

「アリサさんに貰ったの、あったかいですよ、それに先輩も…ソフィアちゃんに貰った石を保管してるって」

「そりゃあ、おめぇ……大切にするだろ……昔はリゼットちゃんやカイエン様にも貰ってたんだけどなぁ」

「先輩、ベルモンド家に仕えて長いですよね」

「ああ、あそこは色々あったが仕えていて良かったよ…なんだかこっちまで幸せになるからな」

「なんですかそれ」

「その証拠に!俺、もうすぐ結婚するんだよ」

「な!?おめでとうございます!もっと早く言ってくださいよ!」

「ははは!!さぁ祝い酒といこうぜ!!」

「ですね!!!」

笑い合う衛兵達は酒の入ったジョッキで乾杯した






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



君が救った命も

新しい日常を作り出す




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





ベルモンド家、庭園

オリビアとハウルは机を囲みコーヒーを飲みながら
ゆっくりと景色を楽しんでいた


「それにしてもここの花畑はきれいだね」

「アリサちゃんが、今でも手入れしてくれているみたいよ」

「なるほど」

オリビアはゆっくりとコーヒーを飲みながら呟いた

「ねぇ、あなた…」

「どうしたんだ?」

「あの時、リゼットが産まれた日、私達がアリサちゃんの記憶を取り戻すためにラバルトさんやアジャくんを呼んでくれたでしょ?貴族連中はきっと犯罪者を使う事に批判してきたはず……」

「………」

「ごめんなさい、私のわがままを聞いてくれて」

「気にしなくていいさ…君のためなら、家族のためなら僕はなんでもできるんだ」

「あなた……」

「それに、ラバルトくんもアジャくんもあの襲撃事件から高く評価されていてね、今ではほとんど自由な行動が許されているんだ……問題はないよ」

「それでも…ありがとう」

「あぁ…」


見つめ合う二人の元へ

リゼットが駆け寄ってきた


「お父さん!!お母さん!!」

「あらリゼット、どうしたの」

抱きついてきたリゼットを受け止めながら
オリビアはゆっくりと頭を撫でた

「これ!見つけたの!!」

リゼットが見せたのは真っ黒な本だった
オリビアも覚えている

これは



「リ…リゼット…それって」

「お兄ちゃんの部屋に隠して置いてあったんだ…これはね」

リゼットは意味深なポーズを取った

「この漆黒の堕天使を呼び起こす冥府への近道!!グリモワールだ!」

「あ、あが……」

オリビアの持っていたコーヒーカップが落ち
割れてしまった


「す、捨ててきなさい!リゼット…そしてその本の内容は忘れなさい!」

「やだ!!これ面白いもん!リゼットは破滅を導くルシファーになるの!」

「そんな物騒なのにならないで!!」



オリビアは本を取り上げようとして走る
笑いながらリゼットは逃げ回った


「まだまだ我が家は落ち着かないね」


ハウルは苦笑しながら
この幸せを心の奥で楽しんだ








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