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78.浮き彫りになってきた、恐怖
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翌日、学校に行くと中島の席を見る。夕べ、返事も無かったし、今朝起きても返事は無かった。ただ、学校に来る前にやっと連絡はあった。
「来ていないのですわね。」
中島の席を見ていると、後ろから聞こえた声に振り返る。誰かを確認するためではなく、綺迦に返事をするために。
「今朝、中島の母さんから電話があった。」
俺がそう言うと、綺迦の表情も曇った。多分、察したのかも知れない。
「命に別状は無いそうだが、起きないんだって。」
その情報を知ると、綺迦は俯いた。なんとなく、予想はしていたのだろう。驚いたりはしなかった。結果から話した俺は、続けて経緯を言う事にする。
「今朝、起きてこないから部屋に行ったら、HMD装着したままの状態で、いくら呼びかけても起きないから急遽病院に運んだそうだ。だから、電話があったのもついさっきなんだ。」
調べてみたが、ネット上でもそういった類の話しはちらほらと見かけた。意識不明というのもそうだが、城之内のように身体に異変が起きている人も居るらしい。あくまでネットの情報なので信憑性は乏しいが、現に中島が巻き込まれている以上、否定も出来ないのは確かだ。
「ゲーム、続けるんですの?」
何時もの気丈な態度は見当たらない、不安を表に出している綺迦を見るのは初めてな気がした。それよりも、綺迦の問いに対する答えははっきりしない。
「無理して続ける必要は無いんじゃないか?それこそ、二の舞どころじゃなくなる可能性だってある。」
中島がこうなった以上、そこには恐怖や不安と負の部分が明らかになって来た。今までの強制ログアウトの様な漠然としたものじゃない。受ければ、何かしらの障害が発生する可能性が大きくなったんだ。そこまでして、ゲームをするかと言われれば否、だろう。
「私は、晶社に聞いているのですわ。」
綺迦は真っ直ぐに俺の目を見て言っていた。いつの間にかその表情には不安が見えなくなっている。ここでやると言ったら、綺迦もやると言い出しそうな気がしたが、やらないと言ってもやりそうだな。
ただ俺の場合、答えは出ていた。それは俺がどうするかに対しての事であって、現状を解決出来るものではない。だけど、ゲーム内で起きた事だから、ゲーム内に答えがあるんじゃないかって気はしていたからだ。
「俺は・・・続けようと思う。」
このまま何もしないでいる方が、きっといろいろ考えて嫌な気分になりそうというのもあった。だから、綺迦の目を見返してはっきりと言った。
「晶社が辞めると言っても、私にはとやかく言う権利はありません。ですが、私はELINEAが許せませんわ。」
「それはお互いに、だな。」
逆でもそうだ。綺迦がもうやらないと言ったとしても、俺はいいと思っていた。危険なところに飛び込む必要もないのだから。ただ、本人はやる気のようだが。
「問題は、ELINEAが現れたら逃げるしかないというところだな。」
「本当に、どうしようもないんですの?マリアは闘えていましたわ。」
そう、それなんだ。
明らかにゲームで使用されている一般的な武器じゃない。それが改造武器なのか、アリシアが使っているような武器なのかは定かじゃないが。
「それは、麻璃亜に聞いてみるしかないな。」
「そうですわね。」
綺迦には言わないが、今日の帰りに麻璃亜とは会う事になっている。今朝連絡をして、既に返事も貰っている。
「もうそろそろ授業だが、今日も屋上に行けるか?」
「もちろんですわ。」
朝の時間じゃ話し足りない。今後の事も含めて、もう少し話しはしておいた方がいいだろう。ヒナや悠美の事もあるし。
「今日は、曇りで気温は低いそうだが、いいのか?」
「愚問ですわね。」
そう言った綺迦は、いつもの表情になっていた。内心ではどうかは分からないが、俺は話せた事で少し気が楽になった。一人で考えているより、誰かと話した方が気が紛れるのは間違いない。それが当事者なら尚更だ。
「さみぃな・・・」
誰も居ない屋上を見渡していたら、考えるでもなくその言葉が出てきていた。普通に寒い・・・
そろそろ屋上も限界かもな。
「もう、屋上でのランチは終わりですの?」
聞こえた声に振り向くと、綺迦は少しだけ寂しそうな表情をしていた。本当にそうかは分からないが。俺の一言からは、もう終わりなんだと察したのだろう。晴れて気温が高ければいいが、そんな日はもう殆ど来ないだろうな。
しかし、そんなに屋上で昼飯が食いたいとは。
「そうか、俺と一緒に昼飯が食いたいとは・・・」
冗談で言ってみたが、凄い形相で睨まれた。が、綺迦はその表情をすぐに止めると顔を逸らす。
「そ、そんなんじゃありませんわ。」
「まぁ、屋上じゃなくても食べる場所なんて校内にもあるからな。寒い日はそこに行こうぜ。」
俺は言いながら振り返り、いつもの席に向かう。
「うん。」
その後ろから、小さな声でそう聞こえた気がした。
「それで、具体的な案は思い付きましたの?」
「いや、昨日の今日じゃ無理だろ。」
お互いにジャーマンを一口齧ると、早速話しに入る。結局、綺迦はジャーマンを気に入ったようで、今のところ毎日食べている。まぁ、屋上での昼飯も始めてそんなに日が経っているわけじゃないから、アホみたいにそれしか食わないってわけじゃないが。
「そうですわね・・・」
「取り合えず麻璃亜には確認かな。あの武器が俺らも使えるなら、対処の仕方も変わるだろうし。」
「えぇ。」
だが、そうすんなり話しが進むとも思えない。そもそもアリシアの件に関しては何一つ情報が入らない。それに関わっているのならば、武器を手に入れるどころか、その情報を手に入れる事すら出来ない可能性も高い。
「それと、ヒナと悠美はログインさせない方がいいんじゃないかと思っている。」
「ユミ?」
「あぁ、姫だ。ヒナの同級生なんだよ。」
「そうでしたのね。思えば私、その辺の事情も知りませんでしたわ。」
知ろうともしてないがな。
「晶社は、みんなと知り合いなのですね。」
「悠美に関して言えば、ヒナの友達ってだけでそんなに面識もない。イレギュラーなのは城之内の代わりに入ってきた麻璃亜くらいか。」
麻璃亜の事に関しては今のところ言えないからな。実のところ、たまに遊びに来る悠美よりも会っている数は多い気がする。
「話しは戻るが、もし武器が手に入るとしても、犠牲が出る可能性は減らした方がいいと思うんだ。」
ヒナが意識不明になったら、親父も母さんもどんな反応をするか分からない。一つ言えるのはDEWSをさせてもらえない可能性が高くなるという事だ。もちろん、前提として意識不明なんて事はあってはならない。
それは裕美にも言える事だ。ヒナと悠美の友達関係にしろ、互いの家の関係にしろ、何かが崩れていくような気がしてならない。
「私も同意見ですわ。ですが、彼女たちがすんなり受け入れるとも思えませんわ。」
よく気付いたな。
「そう、そこが一番の問題なんだよな・・・」
頑固だし、何を考えているのか俺には分からないところがある。素直に聞いてくれるとは思えない。
「そこは追々考えるとして、今俺らが考え付く事なんて、この程度か?」
話すほどでもなかった気はする。
いや、そんな事は無いな。話した事で自分の立ち位置も見えるし、やる事も確認出来た。それに、そうする事で得られる安堵は、一人で考えていては得られない。
「そうですわね・・・無力ですわ。」
綺迦もそれ以上は出て来ないのか、自分たちの限られた思考、行動に気落ちするように言った。
「そのうち中島の様子でも見に行くか。」
面会が可能ならの話しだが、見舞いくらい行ってやった方がいいよな。
「お見舞い、というやつですわね。」
「あぁ。」
「では、見舞いの品は私が用意致しますわ。」
そんな大仰なもんじゃないんだが・・・。それに持っていくとしたら、意識不明じゃ食べ物以外だよな。
「で、何を用意するんだ?」
「私お気に入りのスイーツがありますの。」
「まて、相手は病人だぞ・・・」
俺がそう言うと、綺迦は首を傾げた。どうしてそこで首を傾げる・・・
「病気の時、風邪でもいいや、そんなものは食わないだろう。」
「なった事がありませんわ。」
・・・
聞いて損した。
「そもそも、意識不明なんだから食えないだろうが。」
「あ・・・そうでしたわ。」
アホめ。
「まぁいい。取り合えず様子見くらいでいいだろう。長引いたらまたその時に何か考えようぜ。」
「仕方がありませんわね。」
何が仕方無いのか不明だが。
話しはその程度で終わり、昼休みの終わりが近付いて来たので、俺たちは教室に戻る事にした。
-DEWS内 メルフェア-
胡坐をかきシステムデバイスを開いて、黙々と装備と素材の確認をしている人物がいた。キャラの頭上には来栖という名前が表示されている。
その来栖は、システムデバイスを見ながら満足そうに笑うと、
「よし、次はこの素材だな・・・」
独り呟き、システムデバイスを閉じて立ち上がった。
[久しぶりだなー、おっさん。]
「うわおぅっ・・・」
来栖は突然聞こえた声に変な悲鳴を上げ、不思議な踊りを踊るように身体をあたふたさせた。
「その声は、禍月か・・・」
[おう、よく分かったなー]
「その声と独特な口調を聞けば嫌でも思い出すっての。」
来栖は腕を組むと嫌そうな顔をする。
[そうかー、あたしの声が聞けて嬉しいかー。]
「言って無いだろうが!」
来栖は地面を踏み付ける動作をして言うと、またその場に胡坐をかいた。
[だけど、変な名前に変えるなよー、探すのにちょっと苦労したぞー。]
「探して欲しくねぇっての。それに変じゃねぇ。」
[しかも、未だに最初の街に居座ってんのかー。]
「ちょっと用があって来ただけだっての。前みたいに家があるわけじゃなし。」
来栖は言って思い出すと、懐かしそうに家のあった方に目を向けた。
[それで、元気でいるのかー?]
「さっきまではな。今体調が崩れた。」
[そりゃ大変だなー。仕事をすると治るぞー。]
「治るか!」
来栖は頭の中で叫ぶと、不貞腐れたような顔をして、膝に肘をついた右手に頬を乗せた。
「大体、一般プレイヤーになった俺に話し掛けて来るなよ。それに、仕事もしねぇ。俺はもう普通のプレイヤー、分かったか。」
[うむ、知ってるぞー。ところで、素材は気に入ったか?]
来栖は視線を上方へ向けて考えると、直ぐに思い出して笑みを浮かべる。
「あぁ、あれな。あんなに貰っちまって悪いな。見たときはびっくりしたぜ。」
[管理者権限なー。有意義に使ったんだろうなー?]
「当たり前だっての、使わない意味がねーだろ。」
[だけど、一つ勘違いしているようだなー。]
「何の事だ?」
[貰ったと言っていたが、あたしは上げたなんて一言も言ってないからなー。]
嫌な予感のしていた来栖は、その一言で顔が引き攣る。
「・・・持ってたら使うだろうが!」
来栖は両手で頭を抱えると叫んだ。
[うん、それは構わんぞー。あたしも先行投資として持たせただけだからなー。]
「おい・・・」
[ま、保険みたいなもんだー。]
「まて・・・」
[でもなぁ、使ったからにはしょうがないよなー。]
「いや・・・」
[って事で働け。]
「ふざけんな!拒否権を行使する。」
禍月の理不尽な言葉に、地面に拳を打ち付けながら来栖はきっぱりと言う。
[分かった。別のキャラを用意する事にするわ。]
「え?」
あっさりと引いた禍月に、来栖はきょとんとした。まさか引くとは思ってなかったので、ゲーム内で間抜けな声を漏らしながら。
「いいのか?」
[うん、いいぞー。]
「そうか、だったら最初からそうすればいいじゃねぇか。」
[まぁそう言うな。知った仲ならやりやすいと思うのは当然だろー?]
「いやまぁ、そうだけどもさ。」
気が抜けた来栖は、胡坐を解いて足を伸ばすと仰向けになった。頭の後ろで手を組み、枕代わりにして。
[流石に無理も言えないからな。元気でなー。]
「本当にいいのか?」
まさか本当に引いてくんじゃないかと思った来栖は、何処か後ろめたさから引き留めるように言う。
[なんだ、気が変わったのかー?]
「別にそういうわけじゃねぇよ。」
[なら余生を楽しんでおけ。]
「あのな、そんな歳じゃ・・・って、どういう意味だよ?」
[ん?キャラを用意するにしてもその分のリソースは必要だろー?だから一人消して一人作るだけだ。]
「ちょっと待てや!!」
寝転がっていた来栖は勢いよく立ち上がると、またも脳内ではなく叫んだ。
[なんだ、騒々しいな。]
「その消すってのは俺のキャラって事か?」
[他に誰がいるんだー?]
「キャラ一人分のリソースが空いてないなんて事は無いだろうが!」
[分からないかなー。この仕事をするためのキャラのリソースが無いと言っているんだ。あたしの勝手で本社サーバーのリソースを使用するわけにはいかないだろー?]
「お前の勝手で一般プレイヤーの俺のキャラを消すのはいいのかよ!?」
[うん。]
来栖はきっぱりと頷く禍月の声を聞くと、膝から崩れて両手を地面に着いた。
「はぁ・・・分かった、やるよ、やればいいんだろ。」
[マジか。嬉しいなー、快諾してくれるなんて。]
愉快そうな禍月の声に、来栖は項垂れてそのまま俯せに倒れ込んだ。
「悪魔め・・・」
[何か言ったかー?]
「何でもねぇよ!で、何をすりゃいいんだよ?」
[ユアキスを覚えているかー?]
「そんな奴は知らん!」
[・・・]
[やっぱ作り直すかー。]
「だぁっ!聞け!本当に知らないんだっての。」
[鶏か。]
「興味の無いものは覚えん。」
[使えない奴だなー。]
「うるせぇ。」
[前に女性を一人連れていってもらった事があるだろー?その時に会った筈なんだけどなー。]
「・・・あ、あいつか。」
来栖は起き上がって胡坐の姿勢に戻ると、少し考えてから思い出して掌をぽんっと打った。
[思い出して良かったなー、危なく消えるところだったぞー。]
「・・・鬼畜・・・」
[なーんか言ったかー?]
「何にも。それで、そいつがどうかしたのか?」
[パーティに一人欠員が出た。入れ。]
「・・・って、無茶振り過ぎだろうが!知らないおっさんがいきなり入れて、って言って入れると思ってんか!」
[我儘な奴だなー。それを含めて仕事だろー。]
「お膳立てくらいしろよ。」
[しょうがないなー。まりあは覚えいるだろー?]
「ん?あぁ、胸のでかいねーちゃんな。よく覚えているぞ。」
[それ、本人に言ったら殺されるから気を付けろ。]
「え・・・」
危ねぇ奴だな、と来栖は続けようとしたが、禍月の声のトーンが変わった事でその言葉を慌てて飲み込んだ。実際に目にしているわけではないので、禍月がどんな表情で言っているのかは分からないが、背筋の凍るような声にそれ以上は巫山戯られないと思って。
[ちなみに触ったら本人じゃなく、あたしがキャラも圀光リュート本人も抹殺するから心しておけ。]
「・・・はい。」
そう返事をした来栖はいつの間にか、自分でも気付かずに正座をしていた。
[まぁいい、話しを続けるぞー。]
「あぁ。」
[まりあがユアキスのパーティに入っている。まりあにはあたしから話しておくから、ゲーム内で合流して話しを進めろ。]
「分かった。だけど、なんで俺がそのパーティに入らないとならないんだ?」
[それについてはこれから説明するが、もう一つ言っておくことがある。]
「なんだ?」
禍月が通常の喋りに戻った事で、来栖は正座をしていた自分に首を傾げながら胡坐に戻った。
[そのキャラはちょっと改造する。]
「はっ?」
[事が終わったら別キャラをまた作ってくれ。進捗状況とアイテムはそのまま新しいキャラにコンバートするし、おまけも付けといてやるから。]
「そこまでしないといけない状況って事なんだな?」
[察しがいいなー。通常のキャラじゃどうしようもない状況になっててなー。]
「いいぜ、面白そうじゃねぇか。それに、何とかしないと普通にゲームも楽しめないんだろ?」
[そういうところは敏いよなー。うざい。]
「うざい言うな。で、どんな状況なんだ?」
[現状、憶測を出ない部分もあるんだが・・・]
放課後、いつものカフェに来ると、既に来ていた麻璃亜が手を振ってくる。だけど、その顔はいつもと違って弱々しい笑みしか浮かべていない。
それに、何処か切なさが混じっているようにも見えた。
「待たせたな。」
「ううん。入ろうか。」
「あぁ。」
今までは麻璃亜と店に入るのは、恥ずかしさや、戸惑いというものがあったが、今の俺はまったくそんな気分は無かった。どちらかと言えば、気も、足取りも重く感じる。
それはどの程度の話しが出来るかは不明だが、話さないといけないという気負いからかもしれないが。
ただ、今話しをしないと、酷く後悔するんじゃないか?
そんな思いと、これ以上何かを話してくれるだろうか?
という不安と、麻璃亜を追い詰めたりしないだろうか?
という恐怖が、自分の中で渦巻いているようだった。
「来ていないのですわね。」
中島の席を見ていると、後ろから聞こえた声に振り返る。誰かを確認するためではなく、綺迦に返事をするために。
「今朝、中島の母さんから電話があった。」
俺がそう言うと、綺迦の表情も曇った。多分、察したのかも知れない。
「命に別状は無いそうだが、起きないんだって。」
その情報を知ると、綺迦は俯いた。なんとなく、予想はしていたのだろう。驚いたりはしなかった。結果から話した俺は、続けて経緯を言う事にする。
「今朝、起きてこないから部屋に行ったら、HMD装着したままの状態で、いくら呼びかけても起きないから急遽病院に運んだそうだ。だから、電話があったのもついさっきなんだ。」
調べてみたが、ネット上でもそういった類の話しはちらほらと見かけた。意識不明というのもそうだが、城之内のように身体に異変が起きている人も居るらしい。あくまでネットの情報なので信憑性は乏しいが、現に中島が巻き込まれている以上、否定も出来ないのは確かだ。
「ゲーム、続けるんですの?」
何時もの気丈な態度は見当たらない、不安を表に出している綺迦を見るのは初めてな気がした。それよりも、綺迦の問いに対する答えははっきりしない。
「無理して続ける必要は無いんじゃないか?それこそ、二の舞どころじゃなくなる可能性だってある。」
中島がこうなった以上、そこには恐怖や不安と負の部分が明らかになって来た。今までの強制ログアウトの様な漠然としたものじゃない。受ければ、何かしらの障害が発生する可能性が大きくなったんだ。そこまでして、ゲームをするかと言われれば否、だろう。
「私は、晶社に聞いているのですわ。」
綺迦は真っ直ぐに俺の目を見て言っていた。いつの間にかその表情には不安が見えなくなっている。ここでやると言ったら、綺迦もやると言い出しそうな気がしたが、やらないと言ってもやりそうだな。
ただ俺の場合、答えは出ていた。それは俺がどうするかに対しての事であって、現状を解決出来るものではない。だけど、ゲーム内で起きた事だから、ゲーム内に答えがあるんじゃないかって気はしていたからだ。
「俺は・・・続けようと思う。」
このまま何もしないでいる方が、きっといろいろ考えて嫌な気分になりそうというのもあった。だから、綺迦の目を見返してはっきりと言った。
「晶社が辞めると言っても、私にはとやかく言う権利はありません。ですが、私はELINEAが許せませんわ。」
「それはお互いに、だな。」
逆でもそうだ。綺迦がもうやらないと言ったとしても、俺はいいと思っていた。危険なところに飛び込む必要もないのだから。ただ、本人はやる気のようだが。
「問題は、ELINEAが現れたら逃げるしかないというところだな。」
「本当に、どうしようもないんですの?マリアは闘えていましたわ。」
そう、それなんだ。
明らかにゲームで使用されている一般的な武器じゃない。それが改造武器なのか、アリシアが使っているような武器なのかは定かじゃないが。
「それは、麻璃亜に聞いてみるしかないな。」
「そうですわね。」
綺迦には言わないが、今日の帰りに麻璃亜とは会う事になっている。今朝連絡をして、既に返事も貰っている。
「もうそろそろ授業だが、今日も屋上に行けるか?」
「もちろんですわ。」
朝の時間じゃ話し足りない。今後の事も含めて、もう少し話しはしておいた方がいいだろう。ヒナや悠美の事もあるし。
「今日は、曇りで気温は低いそうだが、いいのか?」
「愚問ですわね。」
そう言った綺迦は、いつもの表情になっていた。内心ではどうかは分からないが、俺は話せた事で少し気が楽になった。一人で考えているより、誰かと話した方が気が紛れるのは間違いない。それが当事者なら尚更だ。
「さみぃな・・・」
誰も居ない屋上を見渡していたら、考えるでもなくその言葉が出てきていた。普通に寒い・・・
そろそろ屋上も限界かもな。
「もう、屋上でのランチは終わりですの?」
聞こえた声に振り向くと、綺迦は少しだけ寂しそうな表情をしていた。本当にそうかは分からないが。俺の一言からは、もう終わりなんだと察したのだろう。晴れて気温が高ければいいが、そんな日はもう殆ど来ないだろうな。
しかし、そんなに屋上で昼飯が食いたいとは。
「そうか、俺と一緒に昼飯が食いたいとは・・・」
冗談で言ってみたが、凄い形相で睨まれた。が、綺迦はその表情をすぐに止めると顔を逸らす。
「そ、そんなんじゃありませんわ。」
「まぁ、屋上じゃなくても食べる場所なんて校内にもあるからな。寒い日はそこに行こうぜ。」
俺は言いながら振り返り、いつもの席に向かう。
「うん。」
その後ろから、小さな声でそう聞こえた気がした。
「それで、具体的な案は思い付きましたの?」
「いや、昨日の今日じゃ無理だろ。」
お互いにジャーマンを一口齧ると、早速話しに入る。結局、綺迦はジャーマンを気に入ったようで、今のところ毎日食べている。まぁ、屋上での昼飯も始めてそんなに日が経っているわけじゃないから、アホみたいにそれしか食わないってわけじゃないが。
「そうですわね・・・」
「取り合えず麻璃亜には確認かな。あの武器が俺らも使えるなら、対処の仕方も変わるだろうし。」
「えぇ。」
だが、そうすんなり話しが進むとも思えない。そもそもアリシアの件に関しては何一つ情報が入らない。それに関わっているのならば、武器を手に入れるどころか、その情報を手に入れる事すら出来ない可能性も高い。
「それと、ヒナと悠美はログインさせない方がいいんじゃないかと思っている。」
「ユミ?」
「あぁ、姫だ。ヒナの同級生なんだよ。」
「そうでしたのね。思えば私、その辺の事情も知りませんでしたわ。」
知ろうともしてないがな。
「晶社は、みんなと知り合いなのですね。」
「悠美に関して言えば、ヒナの友達ってだけでそんなに面識もない。イレギュラーなのは城之内の代わりに入ってきた麻璃亜くらいか。」
麻璃亜の事に関しては今のところ言えないからな。実のところ、たまに遊びに来る悠美よりも会っている数は多い気がする。
「話しは戻るが、もし武器が手に入るとしても、犠牲が出る可能性は減らした方がいいと思うんだ。」
ヒナが意識不明になったら、親父も母さんもどんな反応をするか分からない。一つ言えるのはDEWSをさせてもらえない可能性が高くなるという事だ。もちろん、前提として意識不明なんて事はあってはならない。
それは裕美にも言える事だ。ヒナと悠美の友達関係にしろ、互いの家の関係にしろ、何かが崩れていくような気がしてならない。
「私も同意見ですわ。ですが、彼女たちがすんなり受け入れるとも思えませんわ。」
よく気付いたな。
「そう、そこが一番の問題なんだよな・・・」
頑固だし、何を考えているのか俺には分からないところがある。素直に聞いてくれるとは思えない。
「そこは追々考えるとして、今俺らが考え付く事なんて、この程度か?」
話すほどでもなかった気はする。
いや、そんな事は無いな。話した事で自分の立ち位置も見えるし、やる事も確認出来た。それに、そうする事で得られる安堵は、一人で考えていては得られない。
「そうですわね・・・無力ですわ。」
綺迦もそれ以上は出て来ないのか、自分たちの限られた思考、行動に気落ちするように言った。
「そのうち中島の様子でも見に行くか。」
面会が可能ならの話しだが、見舞いくらい行ってやった方がいいよな。
「お見舞い、というやつですわね。」
「あぁ。」
「では、見舞いの品は私が用意致しますわ。」
そんな大仰なもんじゃないんだが・・・。それに持っていくとしたら、意識不明じゃ食べ物以外だよな。
「で、何を用意するんだ?」
「私お気に入りのスイーツがありますの。」
「まて、相手は病人だぞ・・・」
俺がそう言うと、綺迦は首を傾げた。どうしてそこで首を傾げる・・・
「病気の時、風邪でもいいや、そんなものは食わないだろう。」
「なった事がありませんわ。」
・・・
聞いて損した。
「そもそも、意識不明なんだから食えないだろうが。」
「あ・・・そうでしたわ。」
アホめ。
「まぁいい。取り合えず様子見くらいでいいだろう。長引いたらまたその時に何か考えようぜ。」
「仕方がありませんわね。」
何が仕方無いのか不明だが。
話しはその程度で終わり、昼休みの終わりが近付いて来たので、俺たちは教室に戻る事にした。
-DEWS内 メルフェア-
胡坐をかきシステムデバイスを開いて、黙々と装備と素材の確認をしている人物がいた。キャラの頭上には来栖という名前が表示されている。
その来栖は、システムデバイスを見ながら満足そうに笑うと、
「よし、次はこの素材だな・・・」
独り呟き、システムデバイスを閉じて立ち上がった。
[久しぶりだなー、おっさん。]
「うわおぅっ・・・」
来栖は突然聞こえた声に変な悲鳴を上げ、不思議な踊りを踊るように身体をあたふたさせた。
「その声は、禍月か・・・」
[おう、よく分かったなー]
「その声と独特な口調を聞けば嫌でも思い出すっての。」
来栖は腕を組むと嫌そうな顔をする。
[そうかー、あたしの声が聞けて嬉しいかー。]
「言って無いだろうが!」
来栖は地面を踏み付ける動作をして言うと、またその場に胡坐をかいた。
[だけど、変な名前に変えるなよー、探すのにちょっと苦労したぞー。]
「探して欲しくねぇっての。それに変じゃねぇ。」
[しかも、未だに最初の街に居座ってんのかー。]
「ちょっと用があって来ただけだっての。前みたいに家があるわけじゃなし。」
来栖は言って思い出すと、懐かしそうに家のあった方に目を向けた。
[それで、元気でいるのかー?]
「さっきまではな。今体調が崩れた。」
[そりゃ大変だなー。仕事をすると治るぞー。]
「治るか!」
来栖は頭の中で叫ぶと、不貞腐れたような顔をして、膝に肘をついた右手に頬を乗せた。
「大体、一般プレイヤーになった俺に話し掛けて来るなよ。それに、仕事もしねぇ。俺はもう普通のプレイヤー、分かったか。」
[うむ、知ってるぞー。ところで、素材は気に入ったか?]
来栖は視線を上方へ向けて考えると、直ぐに思い出して笑みを浮かべる。
「あぁ、あれな。あんなに貰っちまって悪いな。見たときはびっくりしたぜ。」
[管理者権限なー。有意義に使ったんだろうなー?]
「当たり前だっての、使わない意味がねーだろ。」
[だけど、一つ勘違いしているようだなー。]
「何の事だ?」
[貰ったと言っていたが、あたしは上げたなんて一言も言ってないからなー。]
嫌な予感のしていた来栖は、その一言で顔が引き攣る。
「・・・持ってたら使うだろうが!」
来栖は両手で頭を抱えると叫んだ。
[うん、それは構わんぞー。あたしも先行投資として持たせただけだからなー。]
「おい・・・」
[ま、保険みたいなもんだー。]
「まて・・・」
[でもなぁ、使ったからにはしょうがないよなー。]
「いや・・・」
[って事で働け。]
「ふざけんな!拒否権を行使する。」
禍月の理不尽な言葉に、地面に拳を打ち付けながら来栖はきっぱりと言う。
[分かった。別のキャラを用意する事にするわ。]
「え?」
あっさりと引いた禍月に、来栖はきょとんとした。まさか引くとは思ってなかったので、ゲーム内で間抜けな声を漏らしながら。
「いいのか?」
[うん、いいぞー。]
「そうか、だったら最初からそうすればいいじゃねぇか。」
[まぁそう言うな。知った仲ならやりやすいと思うのは当然だろー?]
「いやまぁ、そうだけどもさ。」
気が抜けた来栖は、胡坐を解いて足を伸ばすと仰向けになった。頭の後ろで手を組み、枕代わりにして。
[流石に無理も言えないからな。元気でなー。]
「本当にいいのか?」
まさか本当に引いてくんじゃないかと思った来栖は、何処か後ろめたさから引き留めるように言う。
[なんだ、気が変わったのかー?]
「別にそういうわけじゃねぇよ。」
[なら余生を楽しんでおけ。]
「あのな、そんな歳じゃ・・・って、どういう意味だよ?」
[ん?キャラを用意するにしてもその分のリソースは必要だろー?だから一人消して一人作るだけだ。]
「ちょっと待てや!!」
寝転がっていた来栖は勢いよく立ち上がると、またも脳内ではなく叫んだ。
[なんだ、騒々しいな。]
「その消すってのは俺のキャラって事か?」
[他に誰がいるんだー?]
「キャラ一人分のリソースが空いてないなんて事は無いだろうが!」
[分からないかなー。この仕事をするためのキャラのリソースが無いと言っているんだ。あたしの勝手で本社サーバーのリソースを使用するわけにはいかないだろー?]
「お前の勝手で一般プレイヤーの俺のキャラを消すのはいいのかよ!?」
[うん。]
来栖はきっぱりと頷く禍月の声を聞くと、膝から崩れて両手を地面に着いた。
「はぁ・・・分かった、やるよ、やればいいんだろ。」
[マジか。嬉しいなー、快諾してくれるなんて。]
愉快そうな禍月の声に、来栖は項垂れてそのまま俯せに倒れ込んだ。
「悪魔め・・・」
[何か言ったかー?]
「何でもねぇよ!で、何をすりゃいいんだよ?」
[ユアキスを覚えているかー?]
「そんな奴は知らん!」
[・・・]
[やっぱ作り直すかー。]
「だぁっ!聞け!本当に知らないんだっての。」
[鶏か。]
「興味の無いものは覚えん。」
[使えない奴だなー。]
「うるせぇ。」
[前に女性を一人連れていってもらった事があるだろー?その時に会った筈なんだけどなー。]
「・・・あ、あいつか。」
来栖は起き上がって胡坐の姿勢に戻ると、少し考えてから思い出して掌をぽんっと打った。
[思い出して良かったなー、危なく消えるところだったぞー。]
「・・・鬼畜・・・」
[なーんか言ったかー?]
「何にも。それで、そいつがどうかしたのか?」
[パーティに一人欠員が出た。入れ。]
「・・・って、無茶振り過ぎだろうが!知らないおっさんがいきなり入れて、って言って入れると思ってんか!」
[我儘な奴だなー。それを含めて仕事だろー。]
「お膳立てくらいしろよ。」
[しょうがないなー。まりあは覚えいるだろー?]
「ん?あぁ、胸のでかいねーちゃんな。よく覚えているぞ。」
[それ、本人に言ったら殺されるから気を付けろ。]
「え・・・」
危ねぇ奴だな、と来栖は続けようとしたが、禍月の声のトーンが変わった事でその言葉を慌てて飲み込んだ。実際に目にしているわけではないので、禍月がどんな表情で言っているのかは分からないが、背筋の凍るような声にそれ以上は巫山戯られないと思って。
[ちなみに触ったら本人じゃなく、あたしがキャラも圀光リュート本人も抹殺するから心しておけ。]
「・・・はい。」
そう返事をした来栖はいつの間にか、自分でも気付かずに正座をしていた。
[まぁいい、話しを続けるぞー。]
「あぁ。」
[まりあがユアキスのパーティに入っている。まりあにはあたしから話しておくから、ゲーム内で合流して話しを進めろ。]
「分かった。だけど、なんで俺がそのパーティに入らないとならないんだ?」
[それについてはこれから説明するが、もう一つ言っておくことがある。]
「なんだ?」
禍月が通常の喋りに戻った事で、来栖は正座をしていた自分に首を傾げながら胡坐に戻った。
[そのキャラはちょっと改造する。]
「はっ?」
[事が終わったら別キャラをまた作ってくれ。進捗状況とアイテムはそのまま新しいキャラにコンバートするし、おまけも付けといてやるから。]
「そこまでしないといけない状況って事なんだな?」
[察しがいいなー。通常のキャラじゃどうしようもない状況になっててなー。]
「いいぜ、面白そうじゃねぇか。それに、何とかしないと普通にゲームも楽しめないんだろ?」
[そういうところは敏いよなー。うざい。]
「うざい言うな。で、どんな状況なんだ?」
[現状、憶測を出ない部分もあるんだが・・・]
放課後、いつものカフェに来ると、既に来ていた麻璃亜が手を振ってくる。だけど、その顔はいつもと違って弱々しい笑みしか浮かべていない。
それに、何処か切なさが混じっているようにも見えた。
「待たせたな。」
「ううん。入ろうか。」
「あぁ。」
今までは麻璃亜と店に入るのは、恥ずかしさや、戸惑いというものがあったが、今の俺はまったくそんな気分は無かった。どちらかと言えば、気も、足取りも重く感じる。
それはどの程度の話しが出来るかは不明だが、話さないといけないという気負いからかもしれないが。
ただ、今話しをしないと、酷く後悔するんじゃないか?
そんな思いと、これ以上何かを話してくれるだろうか?
という不安と、麻璃亜を追い詰めたりしないだろうか?
という恐怖が、自分の中で渦巻いているようだった。
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