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25.驚かれました
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僕は思い切って王様に質問してみた。
「こちらでは成人は何才なんですか?」
「16才だよ。」
16才!聞いてよかった。
「あの、僕15なので、後4ヶ月くらいで16になるのですが、」
「えっ。」
2人の声が重なった。1人無言だった将軍さんも、目を見開いている。
もしやと思っていたけど、機会がなく、年齢の話をしたことがなかった。カイルさんの反応から、どれ位子供に思われてたのか不安になる。
「3ヶ月というと、真冬に生まれたのか。それで栄養が足りなくて、大きくなれなかったんだね。可哀想に。」
しみじみ王様が呟くけど、なんかまた違う誤解が生まれたような気がする。
「僕は少し幼く見える人種で、その中でもちょっとだけ童顔ですけど、大きさはそんなに特別小さいってわけではないんです。大きくはないですけど。栄養も問題ありません。」
「そうなの?まぁ、成人云々の話は気にしなくていいから、まずは焦らず、この世界やこの国のことを知ってほしい。今後のことはずーっと先に考えたらいいからね。それまで大佐がきちんと、お世話してくれるから安心して。
大佐、ごはんたくさん食べさせてあげてね。家庭教師が必要なら、文官から選んでつけていいから。頼むよ。」
隣でカイルさんが短くはいって言って、王様の言葉に頭を下げているけど、なんか誤解は解けてないような。子供に接するように、優しく話してくれているし。
「来てくれてありがとう。また会おう。」
「はい。今日はありがとうございました。」
謁見は終了ということだろう。頭を下げてお礼を言う。カイルさんも退室の挨拶をして2人でその部屋を出た。
黙ったままのカイルさんと来た道を戻り、さっきの部屋に入る。緊張したけど、無事に終わってよかった。早く帰りたいたい。
「ハルカ。」
固い声でカイルさんに声をかけられる。
「15というのは本当か。」
「はい。あ、ただ僕の国では20才で成人で、少なくても後3年は学生です。その後、4年さらに上の学校に行く人も多くて、22才で働く感じなんです。」
「そうか。」
カイルさんがいつもと少し違う。今まで不安もあり、カイルさんに甘えて。とても子供っぽい言動だったことを思い出す。
呆れられたのかもしれないと思うと、すごくつらい。
「…僕が子供っぽいせいで、誤解をさせてしまってすみません。これからは気をつけます。甘えずに、ちゃんとします。」
「いや!そうじゃない!」
急に焦ったように言われて、びっくりする。
「すまない。俺が勝手に思い込んでいただけだ。気にせず、今のままでいてくれ。いいか、無理しないでくれ。」
なんでか僕の肩に両手を置き、必死に言い募る迫力に負けて、思わず頷く。ほっとしたように肩の手の力が弱まった。
「もう帰っていいなら、おうちに帰りましょ。」
「こちらでは成人は何才なんですか?」
「16才だよ。」
16才!聞いてよかった。
「あの、僕15なので、後4ヶ月くらいで16になるのですが、」
「えっ。」
2人の声が重なった。1人無言だった将軍さんも、目を見開いている。
もしやと思っていたけど、機会がなく、年齢の話をしたことがなかった。カイルさんの反応から、どれ位子供に思われてたのか不安になる。
「3ヶ月というと、真冬に生まれたのか。それで栄養が足りなくて、大きくなれなかったんだね。可哀想に。」
しみじみ王様が呟くけど、なんかまた違う誤解が生まれたような気がする。
「僕は少し幼く見える人種で、その中でもちょっとだけ童顔ですけど、大きさはそんなに特別小さいってわけではないんです。大きくはないですけど。栄養も問題ありません。」
「そうなの?まぁ、成人云々の話は気にしなくていいから、まずは焦らず、この世界やこの国のことを知ってほしい。今後のことはずーっと先に考えたらいいからね。それまで大佐がきちんと、お世話してくれるから安心して。
大佐、ごはんたくさん食べさせてあげてね。家庭教師が必要なら、文官から選んでつけていいから。頼むよ。」
隣でカイルさんが短くはいって言って、王様の言葉に頭を下げているけど、なんか誤解は解けてないような。子供に接するように、優しく話してくれているし。
「来てくれてありがとう。また会おう。」
「はい。今日はありがとうございました。」
謁見は終了ということだろう。頭を下げてお礼を言う。カイルさんも退室の挨拶をして2人でその部屋を出た。
黙ったままのカイルさんと来た道を戻り、さっきの部屋に入る。緊張したけど、無事に終わってよかった。早く帰りたいたい。
「ハルカ。」
固い声でカイルさんに声をかけられる。
「15というのは本当か。」
「はい。あ、ただ僕の国では20才で成人で、少なくても後3年は学生です。その後、4年さらに上の学校に行く人も多くて、22才で働く感じなんです。」
「そうか。」
カイルさんがいつもと少し違う。今まで不安もあり、カイルさんに甘えて。とても子供っぽい言動だったことを思い出す。
呆れられたのかもしれないと思うと、すごくつらい。
「…僕が子供っぽいせいで、誤解をさせてしまってすみません。これからは気をつけます。甘えずに、ちゃんとします。」
「いや!そうじゃない!」
急に焦ったように言われて、びっくりする。
「すまない。俺が勝手に思い込んでいただけだ。気にせず、今のままでいてくれ。いいか、無理しないでくれ。」
なんでか僕の肩に両手を置き、必死に言い募る迫力に負けて、思わず頷く。ほっとしたように肩の手の力が弱まった。
「もう帰っていいなら、おうちに帰りましょ。」
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