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第63話 お風呂~おっふろ~おっふっろ~♪
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「エマー、早くしてってばぁ」
「ひぃ~ん。だ、ダメですぅ。無理ですぅ」
「いいから早く脱げ~♪ きっもちいいんだぞぉ」
「うひゃぁぁぁっ」
私は全裸のままエマに襲い掛かるとエマが着ている服を剥ぎ取っていく。
ペチコートとズロースをまとめてずるっと脱がし、コルセットの紐を外して放り投げる。
お、見事なシックスパック。毎日一緒に腹筋してるもんね。っていうかコルセット要らないじゃん。
出るとこは出て、引っ込むところは引っ込む。いやぁ、あやかりたいものですなぁ。
よく揉ませてもらってるのになんで私にはご利益ないんだろ。
「お、お風呂入ると病魔が毛穴から入ってくるって……」
「そんなの迷信だから。お風呂入った方が健康にもいいんだゾ」
この世界に来て、本当に、初めてのお風呂に私は大興奮していた。
お風呂を沸かすのには大量の薪が必要なため、かなりの贅沢になるのだ。
幸いこのお城は山城であるため、豊富に薪を手に入れる事が出来た。
というか、モンターギュ侯爵の隠れた趣味との事である。
本当はエマの反応の通り、あまり褒められた事ではないとの認識が強いらしい。
多分、みんなが風呂に入ると森林伐採が進んで人が住めなくなってしまうからそう言ってコントロールしているのだろう。
「とにかく気持ちいいから。あ、石鹸いい匂いする。香水入りなんだ」
私はごちゃごちゃ言うエマをすっかり裸にすると、金属製のバスタブに引きずり込んだ。
バスタブはかなりの広さがあり、対面になって互いの足を体の横に入れなければならなかったが、二人が十分に入れる大きさで……私が小さいからか、チクショウ。
「肩まで浸かってあったまると、すっごく気持ちいいんだから。エマもやってみて」
「うぅ~……。はい……」
だいぶためらっていたエマだったが、私の言うとおりにお湯につかると、その気持ちよさにため息を漏らす。
っていうかさ、楽になったのってそのぷかぷか浮いてる肉の塊が原因だよね。
これ見よがしに水に浮かせやがってさぁ。そういやさっきもぶりゅんぶりゅん揺らして抵抗したっけ……。
ふふふ、どうしてくれようか……。
久しぶりにしこたま揉ませてもらおうかなぁ。
「き、雲母さん顔が怖いですぅ」
おっと、お湯を楽しまないとね
「どうやって揉もうかなぁ」
「心の声が駄々洩れですぅ」
しまった。エマのおっぱいを敵視しすぎてしまったか。さすが魔性の女、エマね。
私を惑わすなんてやるじゃない。
まあ、今はお風呂を楽しもっと。
私はエマに言ったように、自分の体を湯船に沈めた。
「んんっ……しみるぅ……」
ちょっと熱めのお湯が肌をチクチクと刺す。肌を通して侵入してきた熱が体に疲れを認識させ、心地良い気だるさを生む。
「はふぅ~……気持ちいぃ~……」
「ですねぇ~……」
入る前はあれほど嫌がっていたエマだというのに、今は顔を蕩けさせてお風呂を堪能している。
さすがお風呂様様といったところか。
私達はそのまま何もしゃべらず、静かにお湯に浸かっていた。
「エマー……終わっちゃったね」
「……終わっちゃいましたね」
私達の旅は終わった。これからどうなるのか分からないけれど、エマは多分、メイドに戻るつもりなのだろう。
「私は……ただのメイドでした。ちょっと変わったご主人様に音楽の手ほどきを受けただけの。それが舞台に上がって歌ったり踊ったりするようになって。それで皆さんから妖精だなんて言われるようになってしまって……」
間を置くためか、エマはお湯で顔を洗う。
何度かそうした後、エマはお湯を掬って手の中に鏡を作り、その中に居る自分自身を覗き込んだ。
「妖精って言われてる私は本当に私なのかなって思ったりして……。本当に、夢みたいでした。あんなに男の人に求婚されたり告白されるなんて思ってもみませんでしたし」
「ねえ」
私はニヤッと笑いながら常々思っていたことを聞いてみる。
「だいぶいい気分だったでしょ」
「……ちょっとだけ」
エマはクスッと楽しそうに笑った。
多分、今までで一番モテた期間だろう。
私もそうだ。……子どもとお爺さんばっかりだったけど。
「私は……帰ったらメイドに戻るつもりです。あ、もちろん歌は止めませんよ? 私の歌で喜んでくれる人が居るのはとっても嬉しいですし……」
「良かった」
「それに……もう普通のメイドには、戻れなさそうですし」
「あ……」
きっと王城では貴族が放って置かないだろうし、外に出ればすぐ囲まれてしまう。
普通にメイドとしての仕事を続けるのが難しい事は想像に難くなかった。
「ごめんね」
「雲母さんが謝る事なんてないですよ。すっごく楽しかったんですから」
エマはパシャっと水音を立ててバスタブに体を預けると、遠い目で過去に想いを馳せる。
「本当に、夢みたいに楽しい一年と半年でした……。だから、これからが少し、怖い……」
グラジオスは王に疎まれている。それに乗る多数の貴族たちからも。
しかし今のグラジオスはそれに反発し始めている。
これからの王城での生活が明るいものになるとは、到底思えなかった。
グラジオスを助けたエマも、間違いなくその争いに巻き込まれてしまうだろう。
「最悪を考えればいくらでも出てきちゃうけどさ。大丈夫だよ」
「そう……ですか?」
「グラジオスに親子の縁を切ってもらって、ハイネみたいに出奔してもらうの。そしたらみんな自由だよ。後は今までみたいにアッカマンさんに頼んで、馬車の旅。ずっとみんなでいろんな国に行って演奏して回るの。何だったら帝国に雇ってもらお」
それは夢だ。夢想だ。頭の中でなら誰でもドラゴンを倒せる勇者に成れるように、どんな絵空事でも実現してしまえる。
王族が出奔など出来るだろうか。
したところできっと一生命を狙われ続けるだろうし、利用しようとする輩は後を絶たないだろう。
特に、歌という力で外交力の高さを見せつけてしまった今、グラジオスは少し危険すぎた。
国という守りが無ければ、グラジオスの存在など簡単に吹き消されてしまうだろう。
「そうなったらいいですねぇ……」
そんな事、王族に仕えて長いエマなら簡単に想像がつくだろう。
異世界からやってきて、この世界に疎い私でさえ分かるのだから。
「……ところでさ」
「はい?」
私の雰囲気が変わったことに気付いたのか、エマが軽い感じで返答する。
ぬっふっふっふっ。私はね、シリアスな話題はさっきグラジオスとしてお腹いっぱいなのだよ。
もっと女の子ならではの話題がしたいのだ。
「エマっていつになったらグラジオスに告白するの!?」
「ふやぁぁぁぁっ!?」
ばっしゃーんとお湯を盛大に跳ね飛ばして転ぶエマ。
まさか急に話題がそんな事に飛ぶとは思っていなかったに違いない。
「グラジオスって押しに弱そうだからさ、エマが全裸で迫ればイチコロだと思うんだ!」
「しませんっしませんっしませ~んっ! そんな事絶対しませ~んっ!!」
「なんのために胸にそんなでっかい凶器ぶら下げてるのよ! この一年半かけて使い方は教えてあげたでしょ! 挟むの! こするの!」
「あーあーあー、知りません聞いてません! 絶対しませぇぇんっ!!」
「あっ、ちょっと。耳塞ぐの反則! 揉むわよっ!」
「ひいぃぃ~~んっ!!」
私達は、今を楽しんでいる。
幸せな今を積み重ねたら、幸せな未来が待っていると信じて。
「ひぃ~ん。だ、ダメですぅ。無理ですぅ」
「いいから早く脱げ~♪ きっもちいいんだぞぉ」
「うひゃぁぁぁっ」
私は全裸のままエマに襲い掛かるとエマが着ている服を剥ぎ取っていく。
ペチコートとズロースをまとめてずるっと脱がし、コルセットの紐を外して放り投げる。
お、見事なシックスパック。毎日一緒に腹筋してるもんね。っていうかコルセット要らないじゃん。
出るとこは出て、引っ込むところは引っ込む。いやぁ、あやかりたいものですなぁ。
よく揉ませてもらってるのになんで私にはご利益ないんだろ。
「お、お風呂入ると病魔が毛穴から入ってくるって……」
「そんなの迷信だから。お風呂入った方が健康にもいいんだゾ」
この世界に来て、本当に、初めてのお風呂に私は大興奮していた。
お風呂を沸かすのには大量の薪が必要なため、かなりの贅沢になるのだ。
幸いこのお城は山城であるため、豊富に薪を手に入れる事が出来た。
というか、モンターギュ侯爵の隠れた趣味との事である。
本当はエマの反応の通り、あまり褒められた事ではないとの認識が強いらしい。
多分、みんなが風呂に入ると森林伐採が進んで人が住めなくなってしまうからそう言ってコントロールしているのだろう。
「とにかく気持ちいいから。あ、石鹸いい匂いする。香水入りなんだ」
私はごちゃごちゃ言うエマをすっかり裸にすると、金属製のバスタブに引きずり込んだ。
バスタブはかなりの広さがあり、対面になって互いの足を体の横に入れなければならなかったが、二人が十分に入れる大きさで……私が小さいからか、チクショウ。
「肩まで浸かってあったまると、すっごく気持ちいいんだから。エマもやってみて」
「うぅ~……。はい……」
だいぶためらっていたエマだったが、私の言うとおりにお湯につかると、その気持ちよさにため息を漏らす。
っていうかさ、楽になったのってそのぷかぷか浮いてる肉の塊が原因だよね。
これ見よがしに水に浮かせやがってさぁ。そういやさっきもぶりゅんぶりゅん揺らして抵抗したっけ……。
ふふふ、どうしてくれようか……。
久しぶりにしこたま揉ませてもらおうかなぁ。
「き、雲母さん顔が怖いですぅ」
おっと、お湯を楽しまないとね
「どうやって揉もうかなぁ」
「心の声が駄々洩れですぅ」
しまった。エマのおっぱいを敵視しすぎてしまったか。さすが魔性の女、エマね。
私を惑わすなんてやるじゃない。
まあ、今はお風呂を楽しもっと。
私はエマに言ったように、自分の体を湯船に沈めた。
「んんっ……しみるぅ……」
ちょっと熱めのお湯が肌をチクチクと刺す。肌を通して侵入してきた熱が体に疲れを認識させ、心地良い気だるさを生む。
「はふぅ~……気持ちいぃ~……」
「ですねぇ~……」
入る前はあれほど嫌がっていたエマだというのに、今は顔を蕩けさせてお風呂を堪能している。
さすがお風呂様様といったところか。
私達はそのまま何もしゃべらず、静かにお湯に浸かっていた。
「エマー……終わっちゃったね」
「……終わっちゃいましたね」
私達の旅は終わった。これからどうなるのか分からないけれど、エマは多分、メイドに戻るつもりなのだろう。
「私は……ただのメイドでした。ちょっと変わったご主人様に音楽の手ほどきを受けただけの。それが舞台に上がって歌ったり踊ったりするようになって。それで皆さんから妖精だなんて言われるようになってしまって……」
間を置くためか、エマはお湯で顔を洗う。
何度かそうした後、エマはお湯を掬って手の中に鏡を作り、その中に居る自分自身を覗き込んだ。
「妖精って言われてる私は本当に私なのかなって思ったりして……。本当に、夢みたいでした。あんなに男の人に求婚されたり告白されるなんて思ってもみませんでしたし」
「ねえ」
私はニヤッと笑いながら常々思っていたことを聞いてみる。
「だいぶいい気分だったでしょ」
「……ちょっとだけ」
エマはクスッと楽しそうに笑った。
多分、今までで一番モテた期間だろう。
私もそうだ。……子どもとお爺さんばっかりだったけど。
「私は……帰ったらメイドに戻るつもりです。あ、もちろん歌は止めませんよ? 私の歌で喜んでくれる人が居るのはとっても嬉しいですし……」
「良かった」
「それに……もう普通のメイドには、戻れなさそうですし」
「あ……」
きっと王城では貴族が放って置かないだろうし、外に出ればすぐ囲まれてしまう。
普通にメイドとしての仕事を続けるのが難しい事は想像に難くなかった。
「ごめんね」
「雲母さんが謝る事なんてないですよ。すっごく楽しかったんですから」
エマはパシャっと水音を立ててバスタブに体を預けると、遠い目で過去に想いを馳せる。
「本当に、夢みたいに楽しい一年と半年でした……。だから、これからが少し、怖い……」
グラジオスは王に疎まれている。それに乗る多数の貴族たちからも。
しかし今のグラジオスはそれに反発し始めている。
これからの王城での生活が明るいものになるとは、到底思えなかった。
グラジオスを助けたエマも、間違いなくその争いに巻き込まれてしまうだろう。
「最悪を考えればいくらでも出てきちゃうけどさ。大丈夫だよ」
「そう……ですか?」
「グラジオスに親子の縁を切ってもらって、ハイネみたいに出奔してもらうの。そしたらみんな自由だよ。後は今までみたいにアッカマンさんに頼んで、馬車の旅。ずっとみんなでいろんな国に行って演奏して回るの。何だったら帝国に雇ってもらお」
それは夢だ。夢想だ。頭の中でなら誰でもドラゴンを倒せる勇者に成れるように、どんな絵空事でも実現してしまえる。
王族が出奔など出来るだろうか。
したところできっと一生命を狙われ続けるだろうし、利用しようとする輩は後を絶たないだろう。
特に、歌という力で外交力の高さを見せつけてしまった今、グラジオスは少し危険すぎた。
国という守りが無ければ、グラジオスの存在など簡単に吹き消されてしまうだろう。
「そうなったらいいですねぇ……」
そんな事、王族に仕えて長いエマなら簡単に想像がつくだろう。
異世界からやってきて、この世界に疎い私でさえ分かるのだから。
「……ところでさ」
「はい?」
私の雰囲気が変わったことに気付いたのか、エマが軽い感じで返答する。
ぬっふっふっふっ。私はね、シリアスな話題はさっきグラジオスとしてお腹いっぱいなのだよ。
もっと女の子ならではの話題がしたいのだ。
「エマっていつになったらグラジオスに告白するの!?」
「ふやぁぁぁぁっ!?」
ばっしゃーんとお湯を盛大に跳ね飛ばして転ぶエマ。
まさか急に話題がそんな事に飛ぶとは思っていなかったに違いない。
「グラジオスって押しに弱そうだからさ、エマが全裸で迫ればイチコロだと思うんだ!」
「しませんっしませんっしませ~んっ! そんな事絶対しませ~んっ!!」
「なんのために胸にそんなでっかい凶器ぶら下げてるのよ! この一年半かけて使い方は教えてあげたでしょ! 挟むの! こするの!」
「あーあーあー、知りません聞いてません! 絶対しませぇぇんっ!!」
「あっ、ちょっと。耳塞ぐの反則! 揉むわよっ!」
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