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しおりを挟む彫師から淫紋の効果について詳しい説明をきいていたはずなのに、実際に身体が反応するとなると、思っていたものとぜんぜん違う。
先ほどまで制御できていた身体が紫雀によって乱されていく。自分のものではないような甘くて甲高い喘ぎ声が虚空に響く。
さっきまで紫雀を喘がせていたのに、拘束を解かれた彼はお返しだとばかりに羽鳥を寝台に押しつけて素早くキャミソールワンピースを脱がしにかかる。隠れていた淫紋が露わになり、互いを求めあうようにキラキラと発光する。二枚の羽がハートマークを描いている可愛らしい絵柄だが、これが欲情のスイッチになっているのかと思うとおっかなくも感じる。背中の「つばさくん」の方がおっかない絵柄だというのに。紫雀は刻まれた淫紋をなぞりながら、くすりと笑う。
「へその下、か。やらしいな」
「紫雀とおそろい、なの」
「てっきりそういうことには興味がないもんだと思ったぜ」
「そういう、こと?」
「性的なコト」
下着姿にされた羽鳥は彼の手で生地越しに乳首や秘芽を摘ままれ、びくっ、と身体を震わせる。
すでに濡れていると自己申告していただけあって、ショーツ越しからも愛液が迸っていることがわかる。紫雀は羽鳥の両脚をM字にひらき、自身の顔を秘処へ近づける。
「あっ、そ、それ、恥ずかし……」
「羽鳥が俺にしてくれたことを俺もしたいんだよ」
「ひゃあっ!?」
ショーツの生地ごと噛みついた紫雀は、驚く羽鳥をよそに丹念に舌先で敏感な場所を探っていく。布越しなのは、初めてだという彼女に強烈な衝撃を与えたくなかったからなのだが、羽鳥はそれがもどかしいようで、いやいやとあたまを振っている。嫌がる彼女に気づいた紫雀は慌てて顔をあげ、悪い悪いと胸元への愛撫を再開する。
「もぅ、脱がせてよぉ……ひんっ」
「ほら。乳首ビンビンにおっ勃たてやがって……淫乱なんだよ、処女のくせに」
「それは淫紋のせいですっ」
ブラジャーのホックをはずされ、まろびでてきた乳房は紫雀のおおきな手のひらに包まれていた。指の間に赤く色づいた乳首を挟まれ、ぎゅっぎゅっとしごかれて羽鳥は瞳を潤ませる。
「あぁ……あぁっ」
「俺の手にフィットする揉みごたえのあるおっぱいだな。他の男にさわらせてなんかいないか?」
「いるわけないじゃな……あぁんっ」
「胸だけでイっちまいそうだな……こら、暴れるな」
そう言うやいなや、先ほどまで自身が縛されていた手錠を取り上げ、はぁはぁと肩で息をしている羽鳥の両腕を手早く拘束する。
「お義兄さまっ?」
「もっと気持ちよくしてやるよ」
胸元を強調するように肩の後ろで手錠をつけられてしまった羽鳥は、楽しそうな紫雀に耳元で囁かれ、きゅんと下腹部を興奮させる。だいすきなお義兄さまに拘束されて、たくさん気持ちいいことをされるのだと期待して、淫紋が制御不能なほど眩く煌めいている。
――お義兄さまがあたいの身体を好き勝手弄ってるなんて、信じられないです……っ!
自身も淫紋に冒されて辛いだろうに、紫雀は涼しい顔で羽鳥の身体をほぐしていく。愛撫もなしに一息に貫かれて終わってもおかしくないと思っていた羽鳥は嬉しい誤算に戸惑いを隠せない。発動している淫紋のせいで全身が性感帯になってしまったかのようで、紫雀の手と口から与えられる淫らな行為ひとつひとつに羽鳥の子宮はズクズク疼く。
「ひぁっ」
「俺を鎖で拘束して淫紋刻ませた罰だ。おかしくなるまで愛してやる……すきだ、羽鳥」
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