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本編 最終部 ~運命の姫君はパーティーにて~
長過ぎた青春
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「ーーーん?えっと・・・つまり・・・?」
私がお望み通り婚約破棄を申し渡したと言うのに・・・何故か殿下は理解出来ていない様子で眉を顰めながら、慌てた様子だ。
そんな殿下の様子に相変わらず察しが悪いなぁ・・・と思ってしまった私は、二度目は我慢出来ずため息を漏らしてしまった。
「だから・・・私達の婚姻関係を本日を以て終わらせて頂きたいのです。いえ・・・今、この瞬間からでもかまいませんわ!ですから、殿下はとっとと王宮へお戻りなって準備を進めて下さいまし!」
「フローラーーーっ!!!!」
「・・・わ?!」
どうやら、ようやく私の言わんとしている事を理解した様子の殿下は感動の余り私に抱きついて来た。
無理もないであろう・・・。
サイラスという強敵が居たにも関わらず身分を越えて想い人と結ばれただけでは無く・・・
私と婚約破棄をすれば・・・正真正銘、その女性を自分の妻に据え置く事が出来るのだから。
殿下にとっては・・・正に夢の様な展開では無かろうか?
「フローラ・・・ありがとうーーー!すまない、君がそこまで私達の未来の事を考えていてくれているとは思っていなくてーーー」
表情こそ見えないが・・・私の上から零れ落ちてきた滴は恐らく殿下の涙だと思った。
殿方の泣き顔を見るだなんて無粋な真似は出来ないので・・・私は殿下の胸に顔を埋めたまま、背中へと手を回して摩っていた。
「殿下ーーー、これからが本番なのですよ?頑張って下さい。私、良い報告を待っていますから・・・!」
コクコクと首を縦に振っている殿下の姿に・・・私まで笑顔になってしまった。
(良かったーーー。これで、長い・・・長すぎた私の青春が終わるのねーーー。)
5回目にしてようやく私は殿下との婚約破棄を受け入れた。
婚約破棄という結果は変わらなかったけれどーーー私の気持ちは5回目にして初めて晴れやかだ。
ーーーで、終わると思っていた。
「フローラ・・・?これは一体どういう事なんだい?」
「いや、私にもさっぱり・・・何故、こんな事になってしまったのか・・・。」
誕生パーティーから一週間ほど経ったある日ーーー
屋敷で黒い笑みを浮かべながら、私に一枚の紙を見せ付けるかの様に眼前に広げているのはお兄様だ。
とにかく怒っていらっしゃる・・・。いや無理もないでしょう、私が嘘をついたと思っているのだから・・・
「フローラ・・・僕の気持ちを弄んでいるのかい?確かに君は・・・こう言ったよね?『殿下との婚約は無くなってしまいました。結婚はもう懲り懲りなので、アナスタシア公爵家で一生面倒見て頂けたりとかしませんか~?何ちゃってぇ』とーーー。」
「いや・・・誕生パーティーの時には確かに・・・殿下とそうお話しをした筈なんですけど・・・あれぇ?」
お兄様が私の眼前で広げている書類に何度も目を通すが・・・内容は変わらない。
流石の私もこの状況に冷や汗が止まらず、椅子の上で姿勢正しく座っている事しか出来ない。
「それで今日辺りに書類が届くと言っていたよね?ーーーこれが、その書類だよ?」
「・・・・・・・・。」
「これはーーー婚約破棄どころか・・・正式な婚姻を結ぶ為の書類じゃないか!!!どういう事なんだ!!!」
私がお望み通り婚約破棄を申し渡したと言うのに・・・何故か殿下は理解出来ていない様子で眉を顰めながら、慌てた様子だ。
そんな殿下の様子に相変わらず察しが悪いなぁ・・・と思ってしまった私は、二度目は我慢出来ずため息を漏らしてしまった。
「だから・・・私達の婚姻関係を本日を以て終わらせて頂きたいのです。いえ・・・今、この瞬間からでもかまいませんわ!ですから、殿下はとっとと王宮へお戻りなって準備を進めて下さいまし!」
「フローラーーーっ!!!!」
「・・・わ?!」
どうやら、ようやく私の言わんとしている事を理解した様子の殿下は感動の余り私に抱きついて来た。
無理もないであろう・・・。
サイラスという強敵が居たにも関わらず身分を越えて想い人と結ばれただけでは無く・・・
私と婚約破棄をすれば・・・正真正銘、その女性を自分の妻に据え置く事が出来るのだから。
殿下にとっては・・・正に夢の様な展開では無かろうか?
「フローラ・・・ありがとうーーー!すまない、君がそこまで私達の未来の事を考えていてくれているとは思っていなくてーーー」
表情こそ見えないが・・・私の上から零れ落ちてきた滴は恐らく殿下の涙だと思った。
殿方の泣き顔を見るだなんて無粋な真似は出来ないので・・・私は殿下の胸に顔を埋めたまま、背中へと手を回して摩っていた。
「殿下ーーー、これからが本番なのですよ?頑張って下さい。私、良い報告を待っていますから・・・!」
コクコクと首を縦に振っている殿下の姿に・・・私まで笑顔になってしまった。
(良かったーーー。これで、長い・・・長すぎた私の青春が終わるのねーーー。)
5回目にしてようやく私は殿下との婚約破棄を受け入れた。
婚約破棄という結果は変わらなかったけれどーーー私の気持ちは5回目にして初めて晴れやかだ。
ーーーで、終わると思っていた。
「フローラ・・・?これは一体どういう事なんだい?」
「いや、私にもさっぱり・・・何故、こんな事になってしまったのか・・・。」
誕生パーティーから一週間ほど経ったある日ーーー
屋敷で黒い笑みを浮かべながら、私に一枚の紙を見せ付けるかの様に眼前に広げているのはお兄様だ。
とにかく怒っていらっしゃる・・・。いや無理もないでしょう、私が嘘をついたと思っているのだから・・・
「フローラ・・・僕の気持ちを弄んでいるのかい?確かに君は・・・こう言ったよね?『殿下との婚約は無くなってしまいました。結婚はもう懲り懲りなので、アナスタシア公爵家で一生面倒見て頂けたりとかしませんか~?何ちゃってぇ』とーーー。」
「いや・・・誕生パーティーの時には確かに・・・殿下とそうお話しをした筈なんですけど・・・あれぇ?」
お兄様が私の眼前で広げている書類に何度も目を通すが・・・内容は変わらない。
流石の私もこの状況に冷や汗が止まらず、椅子の上で姿勢正しく座っている事しか出来ない。
「それで今日辺りに書類が届くと言っていたよね?ーーーこれが、その書類だよ?」
「・・・・・・・・。」
「これはーーー婚約破棄どころか・・・正式な婚姻を結ぶ為の書類じゃないか!!!どういう事なんだ!!!」
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