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本編

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「あっ、あんんっ」

 浄化剤もいれてないのに、中はヌルヌルしてるらしく、レイの指はすんなりと入ってきた。
 指が根本まで入ってきて、ぼくのお尻の中をかき回す。その度に、グチュグチュと音がして、何かが流れてくる。
 だから、さっきから流れ落ちていたものが、ぼくのお尻から出ていたんだってことに気づいた。
 急に恥ずかしくなって、レイの身体を押しのけようとしたけど、びくともしない。

「レイっ、離して……っ」
「セレス」

 なんだかいつものレイと違う。
 目がギラギラしてて、獲物を狩るときの動物のような。

「レイ」

 声が震えた。
 レイはぼくをどうしたいの…?

「セレス」

 また、キスをされる。
 レイがちゃんと話をしてくれない。
 視線だけは凄く熱くて熱くて、ずっとぼくを捕らえて離さない。

「あ……ぁん、ん、あんんっ」

 舌を吸われて、お尻の中をいじられる。
 なんだか怖い。
 けど、気持ちがいい。
 お腹の奥がもっときゅっとなる。
 お尻から出ている物が太腿を濡らしていて、ヒヤッとするどころか何故か熱くてたまらない。
 頭がふわふわしてきた。
 かくりと足から力が抜けてレイにしがみついたとき、レイの逞しい腕にあっさりと抱き上げられてしまった。
 息も早くて、なんだか苦しくて。
 ベッドに降ろされて、靴下も靴も、足元にくるまっていたズボンも下着も全部取られて、いつの間にか上も脱がされてて。

「セレス」

 ギラギラした目のレイに見下ろされた。

「レ、イ」

 レイはぼくから視線を外さないまま、がばりと上の服を脱いだ。

「……っ」

 綺麗な体。
 鍛えられて、引き締まった、綺麗な体。
 ……また、お腹の奥がぎゅってなる。お尻からは何かが流れ出していく。
 レイがズボンの前を寛げた。
 下着もずらしたら……、ぬらぬらして、ぼくの陰茎とは全然違う肉茎が出てきた。
 太くて、赤黒くて、お腹に付きそうなくらい上を向いていて。表面もなんだかビキビキしてて。
 思わずつばを飲んだ。
 息の荒いレイから目を離せない。
 レイが長く息をついて、ぼくの両足を広げてきた。

「っ」

 そのままぐいっと押されると、ぼくの陰茎もお尻も、全部がレイの目の前に晒されてしまう。
 少し浮いた腰の下に、クッションが入れられた。
 それから、左手でぼくの足を抑えて、右手はぼくのお尻の穴を広げてきた。そこに、濡れたレイの肉茎の先っぽが、ピタリと付けられて、ようやくぼくは、レイが何をしようとしてるのかわかった。

「レイ……っ、だめ……っ、やだ、やめて…っ」

 は結婚して、子供を宿すときの儀式だ。
 ぼくは兄様と結婚するから、には兄様の肉茎が入るはずで。
 駄目。
 これは駄目。
 受け入れてしまったら、ぼくは――――

「レイ……っ」
「セレス」

 ぷちゅ…って音を立てて、レイの肉茎の先がぼくのお尻の中に入り込んできた。

「だめ……、だめ……っ、や、やだ、やめて……っ」
「セレス」

 ぎゅって抱きしめられた。
 それと同時に、レイの肉茎がメリメリとぼくの中に入ってきた。

「ひ………っ、ひぁ、ぁ、ああ……!!」
「セレス……セレス……っ」

 駄目なの。
 駄目なのに。
 涙が止まらない。
 だって、こんなことされたら、ぼくの中の『好き』が変わってしまうから。
 幼馴染の『好き』だから、諦められたのに。遠くから見守ろうって、諦められたのに。

「や………ぁ、やだ……、レイ……っ、レイ……っ」
「セレスっ」

 コツンって、ぼくのお腹の奥でレイの肉茎が止まった。
 レイは体を起こして、両手をぼくの顔の横について、真っ直ぐぼくを見る。
 涙で霞む視界だけど、ぼくもレイから目を離せなくなった。
 レイの目はいつも真っ直ぐ。

「レ……イ……」
「セレス」

 ゆっくり腰を引いていく。
 ぬりゅぬりゅってぼくの中から抜けていく肉茎。

「ひ……ひ……ぁ……」

 ぞわぞわぞわ……って、背中が震える。
 お尻の中が熱い。熱くて熱くて、甘くて。
 一番太いところがお尻の縁にかかって…、脱力したときにずずず……って、また奥に入ってきた。
 駄目なのに。
 駄目なのに。

「ゆる、して……ぇ……っ、れい、や、やめて、やめて……っ」

 心臓が止まりそう。
 お腹の奥が苦しい。
 駄目だ、って思う気持ちとは裏腹に、ぼくの体はレイが欲しいって言ってる。
 ピン…って上を向いたぼくの陰茎からは、熱いものがとろとろ流れてる。
 ぼくが体をビクビクさせるたびに、お尻の中はぎゅっぎゅってレイの肉茎を締め付ける。
 ……出ていかないで、って、言ってるみたいに。
 レイは短い呼吸を繰り返しながら、どんどん打ち付ける速さがましていく。
 痛みなんてない。
 多分、これは、気持ちがいいこと。快感、だと、思う。
 もっと……って言いそうになって、ぎゅ…って唇を噛んだ。
 ぼくがレイの赤ちゃんを身籠るなんて無理。
 ぼくは、兄様と、結婚するんだから。
 あるかわからないぼくの『揺り籠』は、兄様の子供のための――――

「セレス」

 穏やかな声だった。
 目元を拭われて、初めてぼくはいつの間にか目を閉じていたことに気づいた。
 目の前には、いつもよりももっと優しくて柔らかな笑みを浮かべたレイがいて、こめかみからは汗が一筋流れていた。

「愛してる」

 その言葉に、心臓が大きく鳴った。

「愛してるんだ、セレス」

 重ねて言葉にされて。
 ぼくの唇は、少し開いて、震えて、言葉を返すことが出来なかった。


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