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2浮気相手 キャサリン視点

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(ふっ、これでエドワード様も、王妃の座も、この私、キャサリンのものよ)

 勝利を確信した私は思わず、握ったエドワード様の袖を力強く握ってしまう。

(あっ、やばっ)

 勝利をほくそ笑んでいたら、エドワード様と目が合ってしまって、急いでいつもの猫を被る。すると、この馬鹿王z・・・エドワード様は私が不安で袖をぎゅっとしたと勘違いしてくれたらしく、再び頭を撫でてくださる。

「この俺、第一王子エドワードの顔に泥を塗り、忠臣であり、こんなにもかわいいキャサリンにいじめをするような者は、この国の逆賊。本来であれば、死刑にしても怒りが収まらないが、国外追放で勘弁してやる。平和主義者のキャサリンに感謝しながら、即刻、この国からでていけっ!!」

(あぁ、チョロい、チョロい。王子も・・・王妃になるのも)

 まったく、残念だったわね。メリー。
 あんたも頭が良いみたいだから、私に従えば・・・・・・そうね、私の靴磨きぐらいに登用してあげて、こき使ってあげたのに。残念ね、私に逆らうから、こうなるのよ。



『そんなに勉強して大臣にでもなるの? メリー』

 学生時代、陰キャで本の虫であるメリーに声を掛けてあげた私。私が話しかけると、貴女は花が咲いたように満面の笑みになって、

『えっ、あっ、キャサリンさん』

 あわあわして、いかにも貧しい伯爵の娘って感じで、ペットにしてあげようと思っていたのに、

『えっとね、私・・・王妃になってこの国をもっと良くしたんだっ』

『へぇ・・・』

 貴女ごときが・・・語るのね。

『うん、そのために一杯勉強して、王様や、みんなのためになれる人になるのっ』

『でも・・・難しいんじゃない? あっ、そうだ。私も王妃を目指しているの。だから、私に協力・・・』

『えーそうなのっ!?』

 うっざ。

『ええ、だから、私に協力してはどうかしら? 私がなった方がより早く、そしてより素晴らしい国にできると思うの。ねっ?』

 私が握手を求めてあげたのに、メリーは私の手を握らず、はにかみながら、

『うーんと、ごめんなさい。夢は・・・自分の力で叶えたいの・・・。だから、キャサリンさんと勝負だね。いいライバルとしてよろしくっ!!』

 うざいことを言いながら、私の意見を聞かないくせに私の手をその汚らわしい手で握ってきた。

『ええ・・・よろしくね。メリー』

 汚い手で触った罪は重い。汚いことをしてきたのはあなたの方なのだから、私も少し手荒な真似をさせてもらいますわね。

 大きな壁・・・というよりは、汚らわしくて触りたくもない壁だったから、一番の障害になったけれど、貧乏のメリーに負ける私じゃないのよ。
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