【12話完結】私はイジメられた側ですが。国のため、貴方のために王妃修行に努めていたら、婚約破棄を告げられ、友人に裏切られました。

西東友一

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6主人公視点

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 私にとってとても息苦しい空間。
 けれど、爽やかな風が入り口から吹いてきた。

 第二王子ルーカスだ。
 
 女性の多くが彼に見惚れて頬を赤らめる。それは、キャサリン派閥の人々すら私を弾圧するのを忘れて、喉を鳴らしている。

「兄様、父上と一度は約束した結婚。反故にするおつもりですか?」

「ふっ、ふん。王家の名を傷つけうる女だとわかったから、婚約破棄するだけだ」

「では、キャサリン嬢と結婚するわけではありませんよね」

 ルーカスの言葉にキャサリンが人に懐かない野良犬のようにルーカスを警戒して、エドワードの背中に隠れた。

「なっ、それは・・・お前には関係ないだろうが」

 毅然とするルーカス。毅然としようとても目が泳ぐエドワード。どちらが兄でどちらが弟なのかわからなくなる。

「どちらにしても、彼女と姑息な手を使いましたね」

「なっ、なんのことだ」

 ルーカスはエドワードを無視して、ナンシーの元へと向かう。

「もう大丈夫ですよ」

 ナンシーに微笑むルーカスの顔はとても優しくて素敵だった。

(いいなぁ・・・)

 私は本が好きだ。小さい頃は絵本をたくさん読んだ。だから、ナンシーが主人公で白馬の王子様が助けに来たみたいで少し羨ましかった。

(って、寂しいからって何考えてるの、私っ)

 ルーカスだって、王家の人間。少し、兄弟で確執があるのは知っているけれど、王家側の人間なのだから、私の味方なはずがない。

「兄様・・・いいや、エドワード。そして、キャサリン。君たちはナンシーのご両親を誘拐したね?」

「なんですって・・・」

 私は思わず、声を出してしまった。ナンシーは申し訳なさそうに下を向き、ルーカスはナンシーの背中を擦ってあげていた。

「おい・・・誘拐って」

 ざわつく貴族たち。

「おっおい、ルーカスっ。あっ、兄を呼び捨てにした上に、その、濡れ衣を着せるとは、良い度胸だ」

「そうよ、ひどいですわ。ルーカス様」

 さっきまで周りに背中を押してもらっていた二人だったけれど、急に旗色が悪くなったことでエドワードは動揺し、キャサリンは・・・悲劇のヒロインのような顔をしていたけれど、

(・・・ん?)

 一瞬、鬼のような形相で動揺するエドワードを睨んだのが見えた気がする・・・。

「君たちが雇った盗賊は全て捕まえさせてもらったよ」

「わっ、わたしのパパとママはっ!?」

「大丈夫、無事だ」

「よかった・・・」

 泣き始めるナンシー。私が見ていると、私の元へ泣きながら走って来て、

「ごめんなさいっ、メリーっ。私、親友のあなたを・・・・・・っ」

「いいの、いいのよ・・・。私こそ、あなたの異変に気づけなくてごめんなさい」

 親友と呼んでくれたのが嬉しかった。それで十分。私だって家族を人質に取られていたら・・・正常な判断が取れなかったかもしれないもの。私は彼女の手を握ってあげると、氷のように冷たかった。よっぽど、緊張していたに違いない。
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