【12話完結】私はイジメられた側ですが。国のため、貴方のために王妃修行に努めていたら、婚約破棄を告げられ、友人に裏切られました。

西東友一

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7浮気相手 キャサリン視点

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 やばいやばいやばいやばいやばい・・・・・・・・・

 やっぱり、この男、ルーカス様は危険だった。

(なんなのよっ、まったくどいつもこいつも使えないっ!!)

 私は上手く演じていられるのに、このアホ王子は動揺して、いつもの過信なくらな自信がどっかにいってしまっていて、余計に怪しいし、周りの私がお金を配った貴族たちも味方はしないし、子分たちですら、あわあわするだけ。

(こんな劣勢、王妃に相応しい私なら・・・切り抜けられるはずよっ)

 そう、名家に生まれてこの国を陰で支配しているのは我家ネイサン家なのだから。

 負けてられない。

「エドワード様、頑張ってください。きっと、ルーカス様はあなたが次期王になるのが悔しくて、王座を狙ってあんなことを言っているんですよぉ。わ~ん、怖い~」

 さすがに私が直接、第二王子であるルーカス様を批判したら、首が飛ぶかもしれない。あくまでも間接的に、第一王子のこのポンコツエドワードを使わないと。

「おっ、そうだな。まったく、嫉妬とは怖いものだ。あっ、あれか、舞踏会に呼ばなかったことを根に持っているのか? まったく、困った弟だなぁ、ははは・・・っ」

 ぎりぎり及第点の対応のエドワード。私は私の派閥の子たちだけに見えるように彼女たちを睨む。

(わかってるわね!? あんたたちっ!?)

「パッパーティーに招かれないのに、来るなんて・・・」

「そっ、そうよ、優秀なエドワード様がそんなことをするわけ」

 周りの目なんて気にするんじゃないのっ。中途半端な言い方をするから周りから冷ややかな目で見られてんのよ。
 状況は多少良くなったけれど、劣勢。

「証拠・・・」

「ん?」

 こそっとエドワードにヒントを告げるけれど、勘が悪い。中身がないからってこれじゃあ、本当に困ってしまう。私が王子妃になったら、王もこの男も毒殺して差し上げよう。

「証拠・・・はあるんですかぁ?」

 私はエドワードの背中から出て、ルーカス様の前へと出る。もちろん悪びれも無く、満面の笑顔で。

(うん、だって。私悪くないもん)

 私は幸せになるべき存在。あんな極貧のメリーが王族になるなんてこの国も地に堕ちてしまう。それに私の周りの人たちだって幸せになるんだから。私は良いことをしようとしているのだ。

「ナンシーのご両親、それに盗賊も君たちが黒幕だと証言しているよ。キャサリン嬢」

「あれれ? それって、みんなメリーに都合のいい人とぉ、証言能力がない悪人の意見ですよねぇ? あー、怖いなぁ」

 さっき言っていたわよね、メリー。自分と仲の良い人の証言は無効だって。悪人も証言は無効よ。

「あぁ、怖い。怖いわ、エドワード様っ。きっと、ルーカス様たちは私たちを嵌めようとしているのよ」

 私はエドワードに抱き着いて見せた。
 ほら、ごらんなさい、皆様。
 私はこんなにも泣きじゃくっているのよ?

 こんな美しい涙が出せる私が悪人なわけ・・・ありませんわよね?
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