痴漢冤罪に遭遇したニートな俺のダイハードな48時間

ご隠居

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田島がまず大友商事から5億もの金をゆすり取った経緯についての俺の推理

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「それで大友龍二は…、そのエリーさん殺し…、いや、まだ遺体が発見されていないから失踪事件か…、ともあれ、その事件に関与した疑いがあるということで特捜本部が置かれた麻布警察署に任意同行を求められたということは、一応、大友龍二の身辺調査も行われたんでしょ?」

 俺はさも当然といった調子で徳間事務官に尋ねた。

「ええ。勿論」

「その結果はどうでした?やはり…、元はヤンキーとか暴走族とか…」

「その通りです。中学・高校時代に暴走行為で警察に検挙されたことがあります…」

「それじゃあ…、少年院とかに…」

「いえ、少年院に入所していた記録はありません。ですが…」

「検挙されたというからには…、高島平警察署で少年係の刑事を務めていた田島とももしかしたら…、いや、絶対に面識があるはずだ…、そうであればこそ、大友龍二は別荘でエリーさんを殺害してしまった時に田島に助けを求めたんじゃないでしょうか…、昔、世話になった刑事の田島なら何とかいい知恵を授けてくれるかも知れない、と…」

「だが普通なら、刑事に相談したところで、自首しろとすすめられるのがオチではないか?」

 押田部長がそう口を挟んだ。いや、その口ぶりから察するに、押田部長にしても田島がそんな、自主をすすめるような殊勝な刑事でないことは分かっているようなそれであり、つまるところ、俺を試すためにあえてそ知らぬ風を装い、尋ねているようであった。

「いや…、田島はまともな刑事でない…、大友龍二もそれが分かっていたからこそ、田島に相談を持ちかけたものと思われます…、いや、俺の勝手な想像ですけど…」

「いや、構わん。続けろ」

 押田部長は今や、俺を部下のように扱っていた。それに対して俺はというと、不思議と不快感はなかった。それどころかある種の心地よささえ感じられたほどであった。

 ともあれ俺は押田部長の命に従い、先を続けることにした。

「大友龍二は中学・高校時代に暴走行為で検挙…、つまるところ暴走族をしていて、それで逮捕された…、通常ならば少年院にぶち込まれてもおかしくはないところ、そうはならなかったのは田島が力添えをしたからではないでしょうか…」

「なるほど…、仮にそうだとすれば田島は大友龍二が中学・高校時代からの付き合いであったと?」

「そういうことになるでしょうね…、勿論、田島にしてもただの好意で力添えをしてやったとも思えませんから…」

「それ相応の金を受け取っていたと?大友グループから…」

「ええ。だと思いますね…」

 俺がそう答えると、「それなら大友商事が金を出したと思われます」という徳間事務官の補足が入った。

「なぜだ?」

 押田部長は首をかしげた。

「大友商事は大友グループの中でも中核企業的な位置付けであり、その大友商事の社長は大友グループの総帥である大友龍三郎の長男の龍三が務めているのです…」

「と言うことは龍二はその龍三の倅だと?」

 俺が口を挟むと徳間事務官は頷いた。

「ああ。それで徳間さんは大友商事に聞き覚えがあると…」

「そういうことです」

「それじゃあ…、龍二も大友商事の人間?」

「ええ、一応、営業課長の役職をあてがわれてはいますが…」

「営業課長…、それはその時の…、エリーさんが殺され、いや、失踪した時の5年前、って意味ですか?龍二が営業係長だったのは…」

「そういうことです」

「ちなみにその時の龍二の年齢は…」

「ちょうど20になったばかりです」

「弱冠20で営業係長ですか…」

「まぁ、通常ならあり得ないでしょうね…」

 徳間事務官はやれやれといった口ぶりであり、その点、俺も同感であった。

「それにしても20になったばかりでその、エリーさんが勤めていた六本木のクラブに入り浸っていたということは、それ以前…、龍二が未成年の頃から入り浸っていた、ってことにはなりませんか?まぁ、どうでも良い話ではありますが…」

「いえ、未成年者の飲酒ともなれば重大な違法行為に違いありませんから、麻布警察署もその点をオーナーに問い質しまして…」

「それでオーナーは何と?」

「案の定、龍二は未成年の頃からそのクラブに入り浸っていたそうで…、具体的には龍二が大学入学と同時に、つまり18の時からクラブに入り浸り始めたそうでして…」

「大学…、ってことは龍二はもう…、少なくとも高校3年次あたりには暴走族からすっぱり足を洗ったと?」

「ええ。そうです」

「つまり…、高3から受験勉強を始め、そして見事、現役合格を果たしたと?」

 俺は徳間事務官に対して懐疑的な視線を向けた。

 すると徳間事務官もそんな俺の懐疑的な視線の意味するところに気付いたようで、

「もしかして…、吉良君は裏口入学でも疑っているとか?」

 徳間事務官は苦笑しながらそう尋ね、それに対して俺はというと、正しくその通りであったので大きくうなずいた。

「確かに…、龍二が合格を果たしたのは慶應大学の、それも法学部の法律学科ですからねぇ…」

「なっ…、慶應法科と言えば偏差値だって相当に高いはずだ…、そんな元暴走族のような人間のクズに現役合格されてたまるものですか…」

 俺は完全に自分を見失っていた。すると徳間事務官に見透かされたらしく、徳間事務官はいよいよもって苦笑した。

「まぁ…、吉良君がそう考えたいのも無理ありませんが…、捜査本部では同時に、大友龍二の学生時代…、高校時代の担任や同級生からも聴取、龍二の人となりを尋ねたのですが…」

「不思議と勉強はできた…、さしずめ、そんな証言が得られたと?」

「そういうことです、まぁ、地頭が良かったのかも知れませんが…」

「だから、元暴走族のような人間のクズでも慶應法科に現役合格を果たせたと…、そういうわけですか…」

 俺は吐き捨てるようにして尋ねた。

「まぁ、裏口入学の可能性もなきにしもあらず、ですがね…」

 徳間事務官は俺を慰めるようにそう付け加えたが、しかし、俺は極めて不本意ではあるが、龍二は裏口入学などではなく実力で慶應法科に現役合格を果たしたのだろうと、直感した。

「ともあれ、龍二は慶應法科に現役合格を果たすや、今度は六本木のクラブ通いですか…」

 俺は嫌味たっぷりにそう言い、徳間事務官をやれやれとそう言わんばかりに苦笑させた。

「いや、待てよ…、大学に現役で入学を果たしたのなら卒業は21か22のはず…、あれっ?龍二は確か、20で大友商事の営業係長にって…、それじゃあ大学生活との二足の草鞋で?」

 俺が尋ねると徳間事務官はニヤリと笑みを浮かべた。ようやく気付いたようだな…、徳間事務官は今にもそう言いたげな表情を作ると、解説してくれた。

「龍二はせっかく、慶應法科に入学、それも現役合格を果たしたにもかかわらず、たった1年で中退してしまったんですよ…」

「1年で中退…、ってことは18か19の時に?」

「19の時です」

「それにしても何でまた中退を…」

「それは龍二の任意聴取の折に、取調べに当たった刑事が尋ねまして、龍二の供述によりますと、ただ飽きてしまったからだと…」

「大学生活に、ですか?」

「ええ。受験勉強している間が一番楽しく…、例えばどうやったら慶應法科の入試をパスできるかといった具合に、ゲーム感覚で受験勉強を楽しんでいたそうで…、しかしいざ実際に現役合格を果たしてしまうと…」

「こんなものかと、飽きてしまったわけですか…」

 俺が自然にそう答えたので、徳間事務官は目を丸くした。

「ええ、正しく龍二はそのように供述しました…、それにしても良くわかりましたねぇ…」

 徳間事務官は感心しきりといった表情であった。

「龍二なる野郎は気に入らないですが、それでもその気持ちは…、受験勉強している間が一番楽しいというその心理は理解できますね。徳間事務官だって、大卒でしょうから当然、受験勉強は経験済みのはずですよね?」

「ええ…」

「なら、龍二のこの気持ち、分かるんじゃないですか?」

「まぁ。確かに…」

「こういう喩えが的を射ているかどうか分かりませんけど…、ちょうど日曜日よりも土曜日の夜の方が楽しい…、そんな心理に似ているような気がするんですよね…」

 俺のその言葉に徳間事務官は自然な調子でうなずいた。どうやら俺の喩えが通じたらしい。

「ともあれ…、龍二がそういう気持ちになったということは、それはとりもなおさず受験を勝ち抜いて慶應法科に入学したと考えるべきでしょうなぁ…、自分としては大変に気に入らないとこですが…」

 俺が改めてそう付け加えると、徳間事務官は遂に噴き出した。

「それはそうと…、龍二は19の時に大学を中退した…、でも相変わらず六本木のクラブ通いは止めようとせず、それを見かねた親父の龍三…、大友商事の社長でもある龍三がその不肖の息子とも言うべき龍二を大友商事に入社させ、あまつさえたった1年で…、20の時に営業係長に抜擢したと、そういうことですか?」

「ええ。そういうことだそうで…」

「だとしたら社員は堪ったものじゃないでしょうに…、ってニートの俺には関係ない話ですが…」

 フン、と俺は鼻を鳴らすと、

「いや、また脱線してしまったな…」

 そう反省の言葉を口にして、議論をまとめにかかった。

「ともあれ、仮に、ですがエリーさんを殺してしまったと龍二から連絡を受けた田島は恐らく、龍二に対して浴室で遺体をバラバラにするよう命じ、己は大量の…、切断された遺体を包み込むための新聞紙と、それにビニール袋も抱えてワゴン車に乗り込み、そして三浦半島にある別荘…、犯行現場へと向かい、田島が別荘に着いた頃には龍二は既に浴室でエリーさんの遺体を切断し終えており、田島は龍二にも手伝わせて遺体の各パーツを新聞紙に包んで、さらにビニール袋に入れ、田島がそれを…、ビニール袋に入れたエリーさんの遺体の各パーツを何回かに分けて、それこそ何往復もして別荘の前に停車させたワゴン車に積み込んだ…、監視カメラの映像に残されていた作業着姿の男の行動はそれで説明ができます…」

「そしてNシステムを…、Nシステムが設置されていない場所を巧みに通って、遺体をどこかに遺棄した…、そういうことだったな?」

 押田部長が確かめるように尋ねた。

「ええ。だとするならば田島としては同時に、龍二がエリーさんを殺した確かな証拠も入手したものと思われます。同時に遺体の遺棄現場についても記録のようなものを…」

「保険、あるいはゆすりの道具として利用するために、か?」

「だと思います。俺が田島の立場だったらそうしますから…」

「だろうな…、だとしたらその確かな証拠が問題になるが…」

「これも俺の想像ですが…、恐らくは凶器ではないかと…」

「凶器…、というとさしずめ、龍二の指掌紋でも付着しているナイフとか、そういうことか?」

「ええ。扼殺…、首を手で絞めて殺した場合にはなるほど、皮膚に指掌紋が残る…、確かそうですよね?」

「ああ。その通りだ」

「ですがその場合だと、遺体を切断した時点で、恐らくは、いや、間違いなく頭部も胴体から切り離されたでしょうから、その時点で首に付着したであろう指掌紋も破壊されてしまいます…」

「なるほど…」

「また、絞殺の場合だと、紐では指掌紋はそもそも期待できないでしょうから…」

「確かに…、それでナイフか?」

「ええ、ナイフだと柄に指掌紋がバッチリ付着しますから…」

「だが、もしかしたら龍二はその場合にはナイフの柄についた自分の指掌紋を綺麗にふき取ったかも知れない。いや、そもそも扼殺や絞殺であったかも知れない…」

「ええ。ですからその場合は恐らく遺体の遺棄現場だけを記録したものを残しているかもしれません。あるいは龍二からの相談を秘かに録音していたとか…」

「なるほど…」

「ともあれ、田島はそのことで大友グループの総帥の龍三郎、あるいや親父にして大友商事の社長の龍三に多大な恩を売りつけることに成功した…」

「と言うことは龍二は自分のしでかしたことを…、さらには田島にもみ消してもらったことを龍三郎や龍三に素直に伝えたと?」

「恐らくは…、それに仮に龍二が黙っていたとしても、仮に田島に遺体を処理してもらったとして、その田島が黙っているとも思えませんから…」

「いずれ田島から龍三郎、あるいは龍三に対してコンタクトがあるかも知れない、と?」

「ええ。その程度のことは龍二にしても見通せたはずですから、ここは自分の方から進んで…、勿論、内心では嫌々だったでしょうが、祖父の龍三郎や、あるいや親父の龍三に何もかも打ち明けたものと思われます…」

「なるほど…、それであの5億の振り込みへと…、田島が三つ葉中央銀行に開設した口座への振り込みへと発展するわけだな?」

「ええ。もっともその前に…、これもやはり俺の勘ですが、龍三郎か龍三、あるいはその両者が…、俺としては両者だと思いますが、田島に対してコンタクトを取ったものと思われます…」

「今回は孫、あるいは倅が大変、世話になったと?」

「ええ。そのため料亭にでも招いたのでしょう。田島を…」

「なるほど…」

「そしてその席で田島に対してこの度のお礼を、という話になって、それで…」

「謝礼として5億で話がまとまったと?」

「だと思いますね…」

「なるほど…、5億の振り込みにはそういう前段階があったと…」

「ええ…、って繰り返しますけど、あくまで俺の想像ですけどね…」

「いや、吉良君の言う通りだと思う」

 押田部長は自信を持ってそう断言した。

「そいつはどうも…、いや、もしかしたら…」

「何だね?」

「田島のことです、そういう前段階があったら…、例えば龍三郎、龍三から料亭に呼ばれたとして、その場合には小型の録音機…、そうICレコーダーでも持参したんじゃないでしょうか…」

「まさか…、会話を録音するために?」

「そうです。田島としては龍三郎、あるいは龍三、もしくはその両者からお呼びがかかった、とあらば当然に今回の龍二がしでかした件…、龍二が人一人あやめてしまい、それを自分が…、田島がその痕跡を消してくれたことに対するお礼だろうと、田島は当然、そう考えたはずです」

「ふむ…、大いに考えられるだろうな…」

「だとするならば、田島はさらに、その席でもって龍三郎、あるいは龍三から当然、まずは挨拶を受けることになるとも予想し、その過程で例えば、この度は不肖の孫、あるいは倅がとんでもないことをしでかしてしまいまして、とか何とか、龍二の殺しを示唆するような発言が聞かれるかも知れない…、いや、もっとストレートに、例えば、孫が、あるいは倅が人殺しをしてしまい、それを救ってくださりありがとうございます、とか何とかストレートなお礼の言葉が聞かれるかも知れない、と…」

「田島はそう予期して小型の録音機を…、それこそICレコーダーでも持参しようと思いついたと?それをしっかりと記録するために…」

「ええ、仮に、それも田島にとっては望み通りというべきでしょう、そういう言葉が聞かれたとしたら、そしてそれを記録することができれば、それもまた、龍二の殺しを立証する物証、とまでは言えないにしても傍証にはなるでしょうから…」

「なるほど…、仮に吉良君の推理通りだとしたら…、そのような発言が記録されたICレコーダーがあるとしたら、それもまたどこかに保管されているはずだな…」

「ええ。それも例の…、警視総監の小山の馬鹿息子が関与しているものと思われるゲームセンター内での会社員暴行傷害致死事件、そいつに小山の馬鹿息子がしっかりと関与している…、それも恐らくは小山の馬鹿息子が会社員をボコボコにしている映像、そいつがしっかりと記録されているビデオと共に…」

「だが問題はどこに隠されているか、だな…」

 やはり議論はそこに戻ってしまう。

「何しろ公安にも見つけられなかったものですからねぇ…」

 俺に分かるわけがない…、俺はそう示唆した。すると押田部長にもそんな俺の気持ちが通じたのか、「話を元に戻そう」と言った。
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