痴漢冤罪に遭遇したニートな俺のダイハードな48時間

ご隠居

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会社員暴行傷害致死事件の真相

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「三鷹洋幸と言えば今は官房長官の草加の政策秘書じゃないか…」

 押田部長が沈滞した空気を打ち破るかのようにそう言った。いや、かえって部屋の空気が重くなった。

「その三鷹の馬鹿息子も会社員暴行傷害致死事件に加わっていた…、しかもその当時の馬鹿息子の親父…、馬鹿親父は安西首相の政策秘書だった…、となれば例の…、今は少年刑務所にいるとかいう少年…、少年Aとでも申しましょうか、その少年Aが身代わりになったのもうなずける…、いや、両親が倅を身代わりにすることを承知したのもうなずけるというものだ…」

 俺は吐き捨てるようにそう言った。

「やはり…、少年…、名前を教えても構いませんか?」

 志貴は押田部長に対してそんな許しを求めた。俺に「少年A」の名前を教えても構わないかと、その許しであることはあきらかであった。

 それに対して押田部長は仕方ないといった顔付きでうなずいた。法的には問題があるからであろう。だがこうして俺はまったくの好意から…、その実、単なる野次馬根性から、極めてイレギュラーな形で特捜部の捜査に協力していることから、押田部長もそんな俺の「献身」を無視できなかったのか、法的には問題がある、少年Aの名前を俺に教えることを志貴に許したようであった。

 ともあれ志貴は押田部長からの許しが出ると、「少年A」の名前を教えてくれた。

 中村太郎…、それがその少年の名であった。

「中村太郎は…、やはり馬鹿息子たち…、小山文隆、加藤泰明、そして三鷹三郎のパシリだったのか?」

 俺が志貴にそう尋ねると志貴はうなずいた。

「やはりノートに克明に綴られていたよ。事件の経緯、人間関係も含めて…」

「人間関係も?」

「ああ。恐らくは田島自身が調べたんじゃないだろうか…、どうも単に事件の調書をそのまま引き写したという感じがしないもので…」

「独力で調べたもの…、そんな感じがすると?」

「ああ」

 それもまた、特捜検事としての経験からくる勘ってやつか…、俺はふとそう思ったりした。

「で、やつらの人間関係って?」

「当時、17歳だった小山文隆、加藤泰明、そして三鷹三郎は筑波大学付属駒場高校に通う高校2年生だったんだ」

「中村太郎は?」

「地元の世田谷工業高校だ」

「接点がないようにも思えるが…、地元と言うからには、中村太郎は世田谷が地元なのか?」

「それに小山たちにしても…」

 志貴がそう答えると、「ああ、そうだったな…」という押田部長の思い出したような声が挟まった。

「そうだったとは?」

 首をかしげて聞き返す俺に対して押田部長は加藤泰明の父にして検事総長の加藤泰三の住まいが世田谷であることを教えてくれた。

「加藤泰三は2年前に検事総長に就任したんだが、その頃からずっと…、いや、恐らくは倅の泰明が生まれた時点で世田谷に暮らしていたに違いない…」

 押田部長がそう謎かけしたので、俺は気付いた。

「それじゃあ…、中村と小山たちはもしかして、小学生時代の同級生だったとか?」

 俺が志貴にそう水を向けると、志貴はうなずいた。

「それからずっと、付き合いがあったとか?」

 俺がそう尋ねると、志貴はそれを鼻先で笑って見せた。志貴が鼻先で笑うのも無理はないだろう。

「付き合い、ねぇ…、確かに付き合いといえばその通りかも知れんがな…」

 志貴は嫌味まじりにそう言った。

「と言うことは、小学校時代から中村太郎は小山たちからパシられていたと?」

「そういうことだ。と言っても、金は小山たちが出して、それを中村が受け取って忠犬のようにものを買ってきたりとか、そういう関係だったようだがな…」

「まぁ、警察庁警備局長や検事総長、何より首相の政策秘書ともなれば、カツアゲするほど金には困っちゃいないだろうがな…」

「いや、金に困っていなくとも、カツアゲする連中はいるぞ」

 志貴はそう反論した。恐らくそういう被疑者を見たことがあるのであろう。俺はそれについては否定せずに、

「確かにそういう連中もいるだろうが、しかし、小山たちは親父の立場、ってものがあるだろう。パシリ程度なら…、同級生をパシらせる程度なら世間は大目に見てくれるかも知れんが、これがカツアゲ、要は恐喝ともなると、さすがに世間は大目に見てくれない…、それを恐れてカツアゲはしなかったんじゃないか?」

 俺はそう推測した。

「だがそれならどうして会社員をボコボコにしたんだ?その程度の分別が…、同級生をカツアゲすれば世間は大目に見てはくれないだろうと、その程度の分別があるのなら、そんな連中が会社員を暴行し、挙句、死に至らしめるというのはどうにも納得できないが…」

 押田部長からそんな反論が聞かれた。それは確かに説得力のある疑問であった。

「いや、防犯カメラのビデオテープ、そいつに小山たちが被害者の会社員男性に暴行を加えている映像がしっかりと記録されている以上…、まぁ、まだ法科学鑑定研究センターで画像解析の最中だろうが、それでもほぼ間違いないだろうから、小山たちの犯行そのものを疑うわけではないが…」

 押田部長は志貴を、それに捜索を指揮した田林主任検事を取り成すようにいった。何しろ彼らがそのビデオテープを発見したからで、自分の疑問はそんな彼らの手柄にイチャモンをつけるかのようであったからだ。いや、それは決してイチャモンの類ではなく正当な疑問であったが、それでも押田部長は田林主任検事や志貴の胸中をおもんぱかってみせたのであった。

「それでしたら、やはりノートに動機らしきものが…、田島が単独捜査の末に掘り出した動機らしきものが…」

「記録されていたのか?」

 押田部長は志貴の言葉を引き取る格好で尋ねた。

「はい」

「それは一体、何だ?」

「小山たちは中村と共にゲームセンターに入店する前、男性会社員…、被害者とトラブルになったようなんです」

「トラブル?」

「ええ、まぁどこにでもあるトラブルなんですが、その男性会社員の肩に触れたとかで、それで男性会社員は小山たちを小突いて、それでゲームセンターに入店したようでして…」

「それで小山たちはリベンジとばかり?」

「それもありますが、それ以上に面子を保つためだったのではないかと…」

「面子?」

「ええ。肩に触れたのは小山たち…、それも小山と加藤、そして三鷹の3人が前を歩いて、中村はそのあとを、それも小山たちの鞄を持たされて歩いていたそうなんですが、そのうちの小山が男性会社員の肩に触れて、それで男性会社員は小山たち3人を小突いてからゲームセンターに入店したようなんです…」

「なるほど…」

「それで小山たちとしては自分たちが反撃もしなかったところをパシリに使っている中村に見られてしまったために、それで…」

「ああ。それで、面子を保つ、ってことね…」

 俺は納得したような声を出して、「ああ」と志貴をうなずかせた。

「それで面子を保つ意味で…、さしずめ、俺たちは強いんだぞと、決して弱くはないんだぞと、パシらせている中村に見せるために、その男性会社員をボコボコにしたと…、そういうことか?」

 俺がさらに質問すると、やはり志貴は「ああ」とうなずいた。

「それにしても…、中村と小山たちは小学生時代の同級生、って話でその後は勿論、進路が違ったんだろ?」

 小学校卒業後は別々の学校に進学したのだろう…、俺はそう示唆し、それに対して志貴も勿論、俺のそんな示唆にすぐに気付いた。

「ああ。小学校卒業後は、小山たちは筑波大学付属駒場中学校に進学し、一方、中村はやはり地元の世田谷中学に進学し、そして中村は放課後ともなると、わざわざ駒場中学まで足を伸ばしては…」

「まるで忠犬よろしくパシリとして使われていたと?小山たちに…」

「そういうことだ」

「それにしても中村は地元の、自分が通っている中学には友達はいなかったのか?いや、そもそも友達がいない俺がそんなことを尋ねるのはお門違いだが…」

 俺がそう尋ねると、志貴は「やれやれ…」といった表情を隠そうともせず、それでも教えてくれた。

「どうやらいなかったようだな…、いや、これも田島の単独捜査で明らかになったことだが…」

「つまりその、脅しのノートに記録されていたと?」

「ああ。そういうことだ」

「それで…、中学時代になっても…、中村は地元の中学に進学しても友達ができなかったので、かつて小学校時代に自分をパシリに使っていた小山たちを頼ってと、そういことか?」

「そういうことらしい…」

「それじゃあ勿論、自分がパシリに使われることも…」

「恐らく中村はそれを承知の上で、小山たちを頼ったんだろ」

 志貴は呆れた口調であった。俺も心底、呆れた。いじめられた経験のある俺としてはクラスメイトをパシリに使うような人間はクズ、人間のクズだというのが持論だが、しかし、その俺自身の持論をもってしてもこと、中村太郎をパシリに使っていた小山たちに対しては、中村をパシリに使っていたそのこと自体に関しては断罪する気にはなれなかった。

「それで…、小山たちもそんな中村を受け入れたのか?引き続きパシリとして…」

「そういうことらしい。小山たちにしてもそんな中村を嘲笑すると同時に、これはいいペットが手に入ったと、そう考えていたようだ…」

「ペット、ねぇ…」

「ああ。これもやはりノートに記録されていたことで…、つまりは田島の単独捜査で明らかになったところだが、田島は駒場中学・高等学校にも聞き込みを展開して、そこに通う生徒から小山たちのことをあれこれと嗅ぎまわったようで、それで小山たちが中村をペットだと吹聴している生徒に行き着いたようだ…」

「そうか…、って田島は小山たちが通う駒場中学・高等学校にまで足を運んでは、生徒から色々と嗅ぎまわったのか?」

「ああ」

「そんなことをしたら教師の耳に入るのは時間の問題、っつか即、教師の耳に入るだろうから、そうなれば小山たちの親…、警備局長だった小山たちの耳にも入るのは時間の問題だろうから、何やってんだ、とかクレームが入ったんじゃないのか?田島に対して、例えば小山から…」

 俺がそう尋ねると志貴はニヤリと笑みを浮かべたかと思うと、「良い勘してるぜ」と俺の勘働きを褒めてくれた。

「それじゃあやっぱり?」

「ああ。警備局長の小山から厳重注意との記録もあった。もっともそれで単独捜査を諦めるような田島ではなかったがな…」

「それだけ聞くと、田島は優秀な刑事に思えるが…、いや、実際、そこまで掘り下げたんだから優秀な刑事には違いないんだろうが…、しかし、すべてはてめぇの利益…、当時は警備局長の小山を脅す材料を探すためのネタ、そいつを掘り出すための単独捜査だったんだから、お世辞にも褒められる話じゃないな…」

 俺がそう言うと、志貴も、それに押田部長も田林主任検事も同感だと言わんばかりにうなずいた。

「それで…、田島はそれで単独捜査を諦めなかったとの話だが、田島は他にも何かを掴んだのか?」

「いや、小山から厳重注意を受けた時にはもう、あらかた調べつくしたんだろう、特にこれといって目ぼしいものは…」

「そうか…」

「いや、それでも最後に、それこそエピローグ的な事実が記載されていたよ」

「エピローグ的な事実?」

「ああ。中村が…、中村太郎が身代わりになった経緯とその後についてだが…、ああ、それに被害者の遺族についても…」

「ああ。それだ。それ…、忘れていたが、中村が…、中村太郎が小山たちの身代わりになって捜査していた世田谷署に出頭したとなれば、被害者の遺族だって当然、中村太郎の両親に対して損害賠償をしただろうに…」

「正にそれだ」

「と言うと?」

「吉良が言った通り、被害者の遺族は勿論、中村太郎が身代わりだなんて知らないから、当然、中村太郎の両親に対して慰謝料請求の動きを見せたんだ」

「当然だろうな…」

「しかし、遺族が正式に中村太郎の両親を訴える前に…、裁判という手段に出る前に示談で済ませたそうだ」

「示談…、ってことは小山たちの両親…、警備局長の小山と検事総長の加藤、そして首相の政策秘書の三鷹の3人が金を出し合い、それを中村を…、中村太郎の両親を通じて遺族に渡したと?」

「そういうことだ」

「で、その額はいくらだ?」

「2億だ」

「2億、だと?」

 慰謝料としては破格だろう。

「2億ももらえれば遺族も…、奥さんも納得するってか?」

「ああ。被害者の男性には妻が1人いて、その女房が2億を手にしたわけだが…」

「その口ぶりから察するに、どうやらロクでなしの女房の気配を感ずるな…」

「その通り。その女房、2億の慰謝料を手にすると、別の男とくっついたらしい…」

「だが被害者にはまだ両親がいたんじゃね?その女房からしたら、舅と姑が…」

「2億の慰謝料はあくまで妻に対してだ」

「それじゃあ、舅と姑はもらえず、か?」

「いや、そんなことをしたら今度は舅と姑から…、被害者の両親から訴えられる恐れがあるからな…」

「それじゃあ、さらに金を作って支払ったと?小山たちは…、中村太郎の両親を通じて…」

「そういうことだ」

「で、その額は?」

「1億だ」

「1億…、2億からしたらその半額だけあって少ないようにも思えるが…」

 俺がそんな感想をもらすと、志貴も「確かに…」と俺のその感想を首肯した上で、

「だがそもそも、慰謝料が億という時点で法外だから、両親にしても納得したんだろう」

 志貴はそう意見を付け加えた。

「何で俺たちへの慰謝料がロクでなしの女房へのそれよりも少ないんだと、それが不満で裁判に訴えたところで…、ロクでなしの女房への慰謝料と同額の2億を要求したところで、認められないだろう…、からか?」

「そういうことだ。恐らくは…、これは俺の想像だが、弁護士からも1億で手を打った方が良いとのアドバイスもあったんじゃなかろうか…、仮に両親が額に不満で弁護士に相談したら、だが…」

「なるほど…、ああ、それから金といえばもう一つ…、中村太郎へのギャラ…、といったら不穏当かも知れんが…」

 俺の言葉に志貴もさすがに苦笑した。

「確かに…、不穏当かも知れんが言い得て妙ではあるな。そう、吉良の言う通り、勿論、中村太郎の両親に対してもギャラの意味で銀行から融資を受けられた…」

「確か…、中村太郎の両親は世田谷区内で中小企業…、工場か何かか?それを営んでいて、経営難だそうだが…」

「ああ。マスク製造工場を営んでいてな、だが一時、経営難に陥って…、正に中村太郎が身代わりになった時…」

「すなわち、小山の馬鹿息子たちが事件を引き起こした時、だな?」

「そうだ」

「で、その時分に経営難に陥っていて、それで中村太郎を身代わりに立ててくれれば、銀行から融資を引き出してやる、って話だったよな…」

 俺は思い出しながらそう言った。

「そうだ」

「で、中村太郎の両親はその話を信じたと…、小山から持ちかけられた話だが、それでも首相の政策秘書までも後ろに控えているのなら、と…」

「ああ。と言っても窓口に立ったのは小山だ」

「と言うことは、小山は中村太郎の両親に対して、その当時、首相の政策秘書だった加藤の名は…、つまりは加藤泰三の馬鹿息子の泰明までが暴行に加わっていたことは中村太郎の両親には伝えなかったのか?」

「そういうことだ」

「それで良く、中村太郎の両親は倅を身代わりに立てることを承知したな…」

「いや、中村太郎の両親曰く、小山からはある検事総長と、さらに大物政治家の秘書の倅もかかわっており、それゆえ、お宅の息子を身代わりに差し出してくれれば、その政治家の秘書と私、そして検事総長とが責任をもって銀行から融資を引き出してみせますので…、そう持ちかけたらしいんだな」

「それで中村太郎の両親はそんな与太話を信じたと?」

「ああ。実際、中村太郎の両親は追い詰められていたからな。それに仮に与太話だった場合には、それを世間にぶちまければ良いと…」

「中村太郎の両親はそう思い定めたと?」

「と言うよりは小山がそうアドバイスをして…」

「なるほど…、そんなアドバイスをしてくれるぐらいなら、決して与太話ではないだろうと、中村太郎の両親もさらに信じたわけだな?その話の信憑性について…」

「そういうことだ。そして実際、中村太郎が身代わりとして世田谷警察署に出頭するや、政策秘書…、三鷹は迅速に動いたそうだ…」

「銀行にでも掛け合ったと?」

「その通り。ここでもまた、三つ葉中央銀行がでてくるんだが…」

「良くご登場願う銀行だが…、その三つ葉中央銀行は三鷹の求めに応じて、中村太郎の両親に対して融資をしたと?」

「ああ。何しろ首相の政策秘書の口利き、いや、事実上の要求とあらば、これに従わないわけにはいかないだろうからな…、回収に不安があったとしても…」

「それで銀行は焦げ付き覚悟で中村太郎の両親に対して融資を実行したと?」

「そうだ」

「で、いくら融資を実行したんだ?」

「3億だ」

「これまたデカい金額だこと…」

「ああ、まったくだ。しかも驚くべきは無利子、無担保、無期限での貸し出しだそうだ…」

「マジかよ…」

 サラ金を営む父を持つ俺には到底、信じられない話であった。

「マジだ、やはり田島が銀行の担当者を脅して聞き出した話らしい…」

「それだけでも立派な犯罪…、背任に問われてもおかしくない話だぞ…」

「確かに…」

 志貴はうなずいた。

「それで中村太郎の両親の会社は今は…」

「もうすっかり持ち直したらしい」

「そうか…」

 だが今回の事件がすべて明らかになれば中村太郎の両親もただでは済まないだろう。

 するとそんな俺の胸中を察したらしい押田部長が俺の不安を的中させた。

「中村太郎の両親も罪に問われるだろうな…」

「それは…」

「今、聞いた限りでは犯人蔵匿の容疑で…」

「でも犯人蔵匿って、確か親族間の…」

「親族間の特例…、だがあれはあくまで、例えば罪を犯した我が子を匿うとか、そういう場合に適用されるんであって、自分達の利益のために我が子を身代わりに立てて捜査当局に差し出すような、そんな事例にまでは適用されない。正確には他人の刑事事件…、それについては適用されない」

「ああ。そうですか…」

 俺は中村太郎が憐れに思えた。例え、冤罪が晴れたところで、それは両親の犯罪を立証することになるからだ。

「まぁ、それでも罪に問われるのは中村太郎の両親だけじゃない。警視総監の小山たちにしてもそれは同じだ。いや、やつらは中村太郎の両親の弱味につけ込んで、倅の太郎を身代わりに差し出すよう求めたのだから、その罪たるや、中村太郎の両親以上に重いものだろう…」

 押田部長は俺を慰めるようにそう言うと、

「ともあれ、それらの証拠が公安に…、小山の命で動いていた公安に見つけられなかったのは幸いだったな…」

 そう呟いたので、俺もそれに呼応する格好で、

「ええ。確かに…、だからこそこうして志貴たちが見つけられたわけですから…」

 そう言って押田部長ら全員をうなずかせた。
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