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一橋治済は本丸小納戸の稲葉主計正存の屋敷で本丸若年寄の酒井忠休に会い、そこで忠休に次期将軍・家基の暗殺計画を打明け、それに手を貸すよう求める
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それから―、田安家と田沼家の仲を裂かんとする治済の企みが失敗に終わってから3日後の安永2(1773)年5月15日、この日もまた、月次御礼に准ずる、
「臨時の朝會」
それが執り行われた。
帝鑑間詰の越後高田藩主の榊原式部大輔政永や、姫路藩主の酒井雅楽頭忠以といった、
「錚々たる…」
顔触れが将軍・家治に暇を賜う為であった。
それ故、忠休も若年寄として中奥へと足を踏み入れる必要があり、そこで本丸小納戸の稲葉主計正存の招きを受けたのだ。
「田沼意次の専横について、これに如何に対処すべきか…」
それを話合いたいと、稲葉主計より耳打ちされたのであった。
これで稲葉主計が一介の小納戸であったならば、忠休も相手にしなかったであろう。
だが稲葉主計はただの小納戸ではない。御側御用取次の稲葉越中守正明の分家筋に当たるのだ。
そうであれば忠休としてもその様な稲葉主計からの招きとあらば、これを無碍には出来まい。
何しろ、背後には稲葉正明が控えていることが予期されたからだ。即ち、
「田沼意次の専横について、これに如何に対処すべきか…」
その「テーマ」で忠休と話合いたいと思っているのは稲葉正明という訳だ。
忠休はそこまで読むと、稲葉主計からの招きに応じることにし、早くもその翌日の29日には下谷新橋にある主計の屋敷へと足を向けた。
すると案の定と言うべきか、そこには本家筋に当たる御側御用取次の稲葉正明の姿があった。
ここまでは忠休も「想定の範囲内」であった。
だが、忠休が稲葉主計と稲葉正明が控える奥座敷へと通され、客座に座らされるや、その直後、「想定の範囲外」の事態が出来した。
その奥座敷だが、何故か上座は空席であった。
本来ならば客人たる酒井忠休が座るべき場所だが、しかし、実際には忠休が座らされたのはその上座とは斜向かいの客座であった。
稲葉正明もまた、上座とは斜向かいにて控えており、酒井忠休とは向かい合う格好となった。
そして本日の「ホスト役」とも言うべき稲葉主計は当然、下座に控えていたものの、忠休を客座に座らせると、中座した。
するとそれから間もなく、中座した稲葉主計の案内により御三卿の一橋民部卿治済が姿を見せたのであった。
これにはさしもの忠休も「想定の範囲外」であり、驚きの余り、「あっ」と声を上げた。
それでもいつまでも驚いてばかりもいられない。忠休は慌てて平伏した。
ちなみに稲葉正明は治済の「登場」を予期、事前に把握していたのであろう、忠休とは異なり、驚く素振りも見せずに、忠休よりも前に平伏していた。
かくして治済は酒井忠休と稲葉正明、両名より平伏の出迎えを受け、上座に着座した。
そして稲葉主計も治済を上座へと座らせると、己は下座へと廻り込み、治済と向かい合うと、やはり即座に平伏した。
治済は己に平伏する彼等を睥睨した後、
「一同、面を上げるが良かろう…」
そう声を発した。
すると忠休と正明は治済のその声で同時に頭を上げ、一方、治済と向かい合う格好で下座にて平伏する稲葉主計は中々に頭を上げ様とはしなかった。
治済は将軍家の御三卿ではあるものの、将軍ではないので、その治済から、
「面を上げよ…」
そう命じられれば、その言葉通り、額面通りに受止めて、即座に顔を上げても何ら問題はなかった。
だが稲葉主計だけは治済に遠慮し、将軍に対するかの様に、直ぐには頭を上げなかった。
治済は稲葉主計のその実に奥ゆかしい態度が好ましく思え、
「正存よ、遠慮せずに面を上げるが良かろうぞ…」
主計に優しい声をかけた。
それで稲葉主計も「ははっ」と応じて、漸くに頭を上げた。
一方、忠休は今の治済と稲葉主計との「やり取り」を目の当たりにして、「おや?」と思ったものである。
それと言うのも、治済が主計の諱である正存を口にしたからだ。
本来ならば通称で呼ぶべきところ、敢えて諱で呼ぶとは、
「民部卿様は…、稲葉主計とはそれ程までに親しいのか…」
忠休にそう思わせた。
さて、治済は忠休に改めて声をかけた。
「石見よ…、否…、忠休と呼んでも良いかの…」
治済よりそう請われれば、忠休としては否やはない。
それどころかむしろ、歓迎すべきところであった。
天下の将軍家、御三卿の一橋治済からは官職名で呼ばれるよりも諱にて呼ばれる方が良いに決まっている。
その方がより、治済と近しい関係を築けるからだ。
そこで忠休も治済からの問いかけに対して、「ははっ」と即答したものである。
「されば忠休よ…、さぞや驚いたことであろうぞ?稲葉主計に招かれたにもかかわらず、この治済までが姿を見せたのだからの…」
確かに治済の言う通りであり、そこで忠休も「御意…」と正直に応えた。
「この治済も田沼主殿めが専横には目に余り…、否、本来なれば忠休よ、そなたの様な由緒正しき血筋の者が幕政を担うべきところ、忠休とはまるで正反対の、どこぞの馬の骨とも分からぬ盗賊も同然の下賤なる成上がりの主殿めが幕政を壟断し…、これには心底、腹に据えかねていたのだ…」
治済のその言葉に忠休は大いに勇気付けられた。忠休も、
「全く以て…」
同感であったからだ。
「これで、この治済が将軍であれば、田沼主殿なぞ、直ちに斥けて、替わって忠休よ、そなたを老職に任じていようぞ…」
忠休は治済のその言葉にもまた、大いに勇気付けられ、何度も頷いた。
「だが実際には、上様は田沼主殿めにすっかり誑かされ、その愚息の山城まで重用しようとする始末…」
「重用、でござりまするか?」
忠休は恐る恐る尋ねた。
「左様…、されば主殿めは愚息の山城めもまずは、若年寄、次いで老職へと進ませ、父子にて幕政を壟断しようと目論んでおるのだ…」
「父子にて…、されば主殿めは山城を部屋住の身にて、若年寄、次いで老中へと進ませようと?」
忠休は信じられないといった面持ちで、治済に確かめる様に尋ねた。
「左様…、主殿めはその為に上様だけではのうて、大納言様まで誑かし…」
「大納言様まで?」
「左様…、大納言様はゆくゆく上様になられる御方なれば、そこで次期将軍にあらせらる今の内に、愚息の山城を売込み…」
成程、意次が息・意知を老中に取立て様としても、それはまだ先の話であろう。
家治が将軍在職の間は無理やも知れぬ。如何に意次が家治からの寵愛を得ていたとしてもだ。
その場合、家治の息にして次期将軍である大納言の家基に、
「今の内に…」
愚息の意知を売込むという、もっと言えば、
「家基《いえもと》をも誑かす…」
意次のその選択は決して間違ってはいなかった。
それどころか幕政を父子で壟断するにはそれが常道と言えた。
家基が晴れて将軍になれば、意次を老中に留任させた上で、その愚息の意知をも部屋住の身にて老中に抜擢して貰えることが期待出来るからだ。
「…結果、大納言様までが、父である上様と同様に主殿めに誑かされ、遂に山城に目をかける始末…」
今の家治政権下においては無理だとしても、家基政権になれば意知が部屋住の身にて老中に抜擢されるのは間違いないと、治済は忠休にそう示唆したのであった。それ故、忠休に思わず、
「許せぬ…」
その本音を口走らせた。
すると治済も「左様…、如何にも許せぬ…」と合いの手を入れると、遂に本題に入った。
「そこでだ…、この治済、大納言様の御命を頂戴することに致した」
治済はそれまでと変わらぬ口調で忠休にそう告げたことから、忠休も一瞬、理解出来なかった。
「あの…、今、何と?」
忠休が治済にそう聞返したので、治済ももう一度、家基の命を奪うことにしたと、復唱した。
「このままでは幕政は立ち行かなくなる…、否、それどころか幕府存亡の危機に瀕するであろうぞ…、さればこれを打開するにはこの治済が嫡子が将軍として幕政を本来、あるべき姿に戻させねばならぬ…、その為には主殿・山城父子に誑かされてしまった大納言様には断腸の思いではあるが…」
死んで貰わねばならぬと、治済は忠休に告げた。
「民部卿様のお気持ちは分かりまするが…、なれど民部卿様にはまだ…」
「左様、確かに未だ、嫡子には恵まれてはおらぬ。なれど秀がこの治済が子を身篭っておるによって…」
「それは…、この忠休めも承知しておりまするが、なれど…」
「未だ、男女の別さえも分からぬと、左様に申したいたいのであろうぞ?忠休は…」
「御意…、されば於秀の方様が無事に…」
子を出産してからでも遅くはないだろうと、忠休は治済にそう示唆した。
「確かに…、なれど今の内から大納言様の御命を頂戴せし計画を練っておいても、決して遅くはなかろう?」
治済にそう反論されれば、忠休としても「はぁ…」と応ずるより外にない。
「そこでだ、忠休よ…、そなたにも手を貸して貰いたいのだ…」
家基暗殺に手を貸せ―、治済が忠休にそう持掛けているのは明らかであり、忠休も直ぐにそうと分かった。
だが忠休としては軽々に応えられるものではない。何しろ、謀叛に手を貸せと、そう持掛けられているのも同然であったからだ。
一方、治済にしても忠休のその反応は想定済みであった。
そこで治済は忠休に「うん」と頷かせるべく、稲葉主計に目配せし、水田養陸こと水谷梅秀を忠休の前に連れて来させたのであった。
「臨時の朝會」
それが執り行われた。
帝鑑間詰の越後高田藩主の榊原式部大輔政永や、姫路藩主の酒井雅楽頭忠以といった、
「錚々たる…」
顔触れが将軍・家治に暇を賜う為であった。
それ故、忠休も若年寄として中奥へと足を踏み入れる必要があり、そこで本丸小納戸の稲葉主計正存の招きを受けたのだ。
「田沼意次の専横について、これに如何に対処すべきか…」
それを話合いたいと、稲葉主計より耳打ちされたのであった。
これで稲葉主計が一介の小納戸であったならば、忠休も相手にしなかったであろう。
だが稲葉主計はただの小納戸ではない。御側御用取次の稲葉越中守正明の分家筋に当たるのだ。
そうであれば忠休としてもその様な稲葉主計からの招きとあらば、これを無碍には出来まい。
何しろ、背後には稲葉正明が控えていることが予期されたからだ。即ち、
「田沼意次の専横について、これに如何に対処すべきか…」
その「テーマ」で忠休と話合いたいと思っているのは稲葉正明という訳だ。
忠休はそこまで読むと、稲葉主計からの招きに応じることにし、早くもその翌日の29日には下谷新橋にある主計の屋敷へと足を向けた。
すると案の定と言うべきか、そこには本家筋に当たる御側御用取次の稲葉正明の姿があった。
ここまでは忠休も「想定の範囲内」であった。
だが、忠休が稲葉主計と稲葉正明が控える奥座敷へと通され、客座に座らされるや、その直後、「想定の範囲外」の事態が出来した。
その奥座敷だが、何故か上座は空席であった。
本来ならば客人たる酒井忠休が座るべき場所だが、しかし、実際には忠休が座らされたのはその上座とは斜向かいの客座であった。
稲葉正明もまた、上座とは斜向かいにて控えており、酒井忠休とは向かい合う格好となった。
そして本日の「ホスト役」とも言うべき稲葉主計は当然、下座に控えていたものの、忠休を客座に座らせると、中座した。
するとそれから間もなく、中座した稲葉主計の案内により御三卿の一橋民部卿治済が姿を見せたのであった。
これにはさしもの忠休も「想定の範囲外」であり、驚きの余り、「あっ」と声を上げた。
それでもいつまでも驚いてばかりもいられない。忠休は慌てて平伏した。
ちなみに稲葉正明は治済の「登場」を予期、事前に把握していたのであろう、忠休とは異なり、驚く素振りも見せずに、忠休よりも前に平伏していた。
かくして治済は酒井忠休と稲葉正明、両名より平伏の出迎えを受け、上座に着座した。
そして稲葉主計も治済を上座へと座らせると、己は下座へと廻り込み、治済と向かい合うと、やはり即座に平伏した。
治済は己に平伏する彼等を睥睨した後、
「一同、面を上げるが良かろう…」
そう声を発した。
すると忠休と正明は治済のその声で同時に頭を上げ、一方、治済と向かい合う格好で下座にて平伏する稲葉主計は中々に頭を上げ様とはしなかった。
治済は将軍家の御三卿ではあるものの、将軍ではないので、その治済から、
「面を上げよ…」
そう命じられれば、その言葉通り、額面通りに受止めて、即座に顔を上げても何ら問題はなかった。
だが稲葉主計だけは治済に遠慮し、将軍に対するかの様に、直ぐには頭を上げなかった。
治済は稲葉主計のその実に奥ゆかしい態度が好ましく思え、
「正存よ、遠慮せずに面を上げるが良かろうぞ…」
主計に優しい声をかけた。
それで稲葉主計も「ははっ」と応じて、漸くに頭を上げた。
一方、忠休は今の治済と稲葉主計との「やり取り」を目の当たりにして、「おや?」と思ったものである。
それと言うのも、治済が主計の諱である正存を口にしたからだ。
本来ならば通称で呼ぶべきところ、敢えて諱で呼ぶとは、
「民部卿様は…、稲葉主計とはそれ程までに親しいのか…」
忠休にそう思わせた。
さて、治済は忠休に改めて声をかけた。
「石見よ…、否…、忠休と呼んでも良いかの…」
治済よりそう請われれば、忠休としては否やはない。
それどころかむしろ、歓迎すべきところであった。
天下の将軍家、御三卿の一橋治済からは官職名で呼ばれるよりも諱にて呼ばれる方が良いに決まっている。
その方がより、治済と近しい関係を築けるからだ。
そこで忠休も治済からの問いかけに対して、「ははっ」と即答したものである。
「されば忠休よ…、さぞや驚いたことであろうぞ?稲葉主計に招かれたにもかかわらず、この治済までが姿を見せたのだからの…」
確かに治済の言う通りであり、そこで忠休も「御意…」と正直に応えた。
「この治済も田沼主殿めが専横には目に余り…、否、本来なれば忠休よ、そなたの様な由緒正しき血筋の者が幕政を担うべきところ、忠休とはまるで正反対の、どこぞの馬の骨とも分からぬ盗賊も同然の下賤なる成上がりの主殿めが幕政を壟断し…、これには心底、腹に据えかねていたのだ…」
治済のその言葉に忠休は大いに勇気付けられた。忠休も、
「全く以て…」
同感であったからだ。
「これで、この治済が将軍であれば、田沼主殿なぞ、直ちに斥けて、替わって忠休よ、そなたを老職に任じていようぞ…」
忠休は治済のその言葉にもまた、大いに勇気付けられ、何度も頷いた。
「だが実際には、上様は田沼主殿めにすっかり誑かされ、その愚息の山城まで重用しようとする始末…」
「重用、でござりまするか?」
忠休は恐る恐る尋ねた。
「左様…、されば主殿めは愚息の山城めもまずは、若年寄、次いで老職へと進ませ、父子にて幕政を壟断しようと目論んでおるのだ…」
「父子にて…、されば主殿めは山城を部屋住の身にて、若年寄、次いで老中へと進ませようと?」
忠休は信じられないといった面持ちで、治済に確かめる様に尋ねた。
「左様…、主殿めはその為に上様だけではのうて、大納言様まで誑かし…」
「大納言様まで?」
「左様…、大納言様はゆくゆく上様になられる御方なれば、そこで次期将軍にあらせらる今の内に、愚息の山城を売込み…」
成程、意次が息・意知を老中に取立て様としても、それはまだ先の話であろう。
家治が将軍在職の間は無理やも知れぬ。如何に意次が家治からの寵愛を得ていたとしてもだ。
その場合、家治の息にして次期将軍である大納言の家基に、
「今の内に…」
愚息の意知を売込むという、もっと言えば、
「家基《いえもと》をも誑かす…」
意次のその選択は決して間違ってはいなかった。
それどころか幕政を父子で壟断するにはそれが常道と言えた。
家基が晴れて将軍になれば、意次を老中に留任させた上で、その愚息の意知をも部屋住の身にて老中に抜擢して貰えることが期待出来るからだ。
「…結果、大納言様までが、父である上様と同様に主殿めに誑かされ、遂に山城に目をかける始末…」
今の家治政権下においては無理だとしても、家基政権になれば意知が部屋住の身にて老中に抜擢されるのは間違いないと、治済は忠休にそう示唆したのであった。それ故、忠休に思わず、
「許せぬ…」
その本音を口走らせた。
すると治済も「左様…、如何にも許せぬ…」と合いの手を入れると、遂に本題に入った。
「そこでだ…、この治済、大納言様の御命を頂戴することに致した」
治済はそれまでと変わらぬ口調で忠休にそう告げたことから、忠休も一瞬、理解出来なかった。
「あの…、今、何と?」
忠休が治済にそう聞返したので、治済ももう一度、家基の命を奪うことにしたと、復唱した。
「このままでは幕政は立ち行かなくなる…、否、それどころか幕府存亡の危機に瀕するであろうぞ…、さればこれを打開するにはこの治済が嫡子が将軍として幕政を本来、あるべき姿に戻させねばならぬ…、その為には主殿・山城父子に誑かされてしまった大納言様には断腸の思いではあるが…」
死んで貰わねばならぬと、治済は忠休に告げた。
「民部卿様のお気持ちは分かりまするが…、なれど民部卿様にはまだ…」
「左様、確かに未だ、嫡子には恵まれてはおらぬ。なれど秀がこの治済が子を身篭っておるによって…」
「それは…、この忠休めも承知しておりまするが、なれど…」
「未だ、男女の別さえも分からぬと、左様に申したいたいのであろうぞ?忠休は…」
「御意…、されば於秀の方様が無事に…」
子を出産してからでも遅くはないだろうと、忠休は治済にそう示唆した。
「確かに…、なれど今の内から大納言様の御命を頂戴せし計画を練っておいても、決して遅くはなかろう?」
治済にそう反論されれば、忠休としても「はぁ…」と応ずるより外にない。
「そこでだ、忠休よ…、そなたにも手を貸して貰いたいのだ…」
家基暗殺に手を貸せ―、治済が忠休にそう持掛けているのは明らかであり、忠休も直ぐにそうと分かった。
だが忠休としては軽々に応えられるものではない。何しろ、謀叛に手を貸せと、そう持掛けられているのも同然であったからだ。
一方、治済にしても忠休のその反応は想定済みであった。
そこで治済は忠休に「うん」と頷かせるべく、稲葉主計に目配せし、水田養陸こと水谷梅秀を忠休の前に連れて来させたのであった。
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