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VS王国+勇者
ベルセ襲撃 戦闘終了後③
しおりを挟むベルセ襲撃後
リッチの件は面倒になったので先輩に…というよりベルウッド商会に押し付ける事にした。
なのでリッチを連れて『転移』で一度アディスの宿に戻ってから魔王城へ行くと…
「この時間は緊急時以外は城への立ち入りは出来ません」
と追い返される。
戦闘終了後は夜もいい時間になっていたので、城の門番さんとして当然の対応である。
「………………」
仕方ない、リッチの件は明日にしよう。
「………リッチさんや」
「はい?」
「今日は宿に戻っていなさい。俺はチョット逝くとこがあるから…」
「はい?着いて行きますよ?」
「いや、チョットアレがアレでアレだから…」
「………?わかりませんけど…?」
………チッ、察しろよぉ。
俺はリッチの肩にポンッと手を置き…
「いいから戻って寝ていなさい…ね?」ニッコリ
笑顔でプレッシャーを与える。
リッチさんは若干引き気味で…
「………わ、わかりました…」
と足を宿に向けた。
どうやら分かってくれたらしい…。
俺は人通りの少ない所に行き、物陰に隠れてからルセリア帝国の商業都市『ガラニカ』へ跳んだ…。
結果?
ノーヒットノーランで敗北したとだけ言っておこう…。
翌日
魔王国アディス
魔王城 客間
「というワケでベルウッド商会の魔道具研究者兼開発者という形で置いてもらえないかと…」
とリッチさんを差し出す。
「………………えっ?」
寝耳に水っ!という顔で俺の方を見てくるが…
先輩は…
「それ…どっちにしてもお前が契約しないと駄目なんじゃないか?」
「………えっ?」
「喚んでる間、魔力を持ってかれるのは良いとしてだ…」
「………良いとして…」
「従魔術ってお前しか使えねえだろ?」
「………なん…だとっ?」
言われて思い出したが確かにその通りだ…いや…
「せ、先輩…知り合いに「いねえ」………ヴィーネさ「いないわよ」………」
「食い気味っ!!」
何て事だ…盲点だった…。
従魔術………まさか俺以外にいないのか…。
そう思っている俺にリッチは…
「さ…諦めて契約してください」
と笑み浮かべ言ってくる。
きっと顔には「さっさと契約しろやコノヤロー(笑)」とか書いてあるに違いない。
俺はくる~りとリッチの方を向き、暗い眼で見やる。
「………ふっ、俺の男女平等パンチは痛えぞ…」
「………えっ?」
「おい、バカ、止めろっ」
「止めなさい」
『ガシィ』と先輩に羽交い締めされ俺は止められるが…
「放してください先輩。コイツ殺して俺は旅にでます」
「リッチなんだろ?多分死なねぇっ」
「もう死んでるのにさらに殺されるなんてっ」
「何かしら、この茶番…」
呆れているのはヴィーネさんだけで、俺たちはノリが良かったとかなんとか…。
~~~~~~~~~~~~~~~~
ルセリア帝国
ベルセの街 宿屋アPA
「………うぅ~、呑み過ぎた…」
俺たち元王国兵組は冒険者ギルド・ベルセ支部長ステルクの誘いで祝勝会に参加。
しこたま呑んで絶賛二日酔い中である。
『コンコン、ガチャ』
「隊長入ります」
「入ってから言うな………あと、もう隊長じゃねえ」
「そんな事より…」
そんな事よりって…コイツら、軍を止めてからさらに馴れ馴れしくなってくな…。
まあ、別に良いけれど…。
「ステルク支部長が来られてますが…」
「支部長が?………わかった今行くわ…」
………ふむ、一体何の用だろうか?
着替えて宿のロビーに行くとステルク支部長がコーヒーを飲み待っていた。
俺は席に行く途中でコーヒーを頼み、ステルク支部長の正面に座る。
「待たせた、ステルク支部長」
「おう、お早うさん。悪いな早くに…」
「つっても、もう昼前だけどな」
「「………ははっ」」
コーヒーが俺の前に置かれ、ブラックで一口。
うむ、この苦味が起き抜けにちょうど良い。
「………で、何の様だい?」
「ああ、昨日は本当に助かった。改めて礼をさせてくれ。うちの奴らを助けてくれてありがとう」
『ペコリ』と頭を下げる。
ステルク支部長、ホント良いヤツだな。王国軍とは大違いだ…。
「頭を上げてくれ。俺たちは偶々通りがかっただけだ…」
「………………そうか」
「………………そうだ」
「「………ははっ」」
お互いに笑いあい、一息つく…。
そしてステルク支部長が再び口を開いた…。
「………で本題なんだが…」
「………本題?」
「お前ら、私物取ってきた後、ベルセで冒険者やらないか?」
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
ノーヒットノーラン=エラーがあったらしい
翌日=目的がしっかりしている時は賢者モードは発動しないらしい
男女平等パンチ=幻想を殺すらしい
一日進みました。
次回もよろしくお願いします。
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