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第五話
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「次の聖女?私はまだここにいますけど」
「すぐにいなくなります。そしたら席が空くでしょ」
何言っているのだこの女は。
聖女にはまず認められた人間しかなれない。
認められた人間は教会のほうで保護され、教会の人間として働く。
しかしこの女は教会で見たことがない。
つまり認められていない人間だ。
「あなたは聖女にはなれない。認められていないから」
ルーネスという女は私の発言を聞くとまるで子供のようにお腹を抱えてひとしきりに笑う。
「何がおかしいの!?」
「おかしいわよ、だって聖女になるのに認められる必要なんてないもの」
「それはどういうこと?」
「それは俺から話そう」
私とルーネスの会話に割り込んできたのはマルクス様だった。
「この前一通の手紙が送られてきた。差出人はルーネス、内容は教会司教たちの不正についてだった」
私は驚いて声が出ない。
だがあの威厳がある司教様たちがそんなことするはずがない。
「司教様がそんなことするはずがないか?俺もそう思ったさ。だが裏が取れた。司教たちは真っ黒、不正証拠を見せたら威厳なんていない姿でどうか見逃してくれと言ってきた」
マルクスは挑発するように部屋の中をゆっくりと歩きながら話を続ける。
「俺はある条件で見逃すことにした。その条件こそがルーネスを聖女にすること。これはもう決定事項で明日にはルーネスが聖女だ。だがこれでは民衆は納得しないだろう。だからこの偽造の不正書類だ。これでお前は立派な犯罪者。誰も聖女として認めてはくれなくなるだろう」
マルクスは俯くジーナの前に立つと顔のぞき込むようにする。
「元聖女兼元婚約者のよしみで追放だけにしてやる。今日中に荷物をまとめてこの国から出ていけ」
俯いていたジーナは顔を上げると目の前の二人を睨め付ける。
「……地獄に落ちろ」
そのまま部屋を飛び出し言った。
部屋にはマルクスとルーネスだけになる。
「最後にはお似合いのセリフね」
「ああ、これで後はお前と婚約するだけだ」
マルクスの顔を見たルーネスは笑う。
「あなたもポーカーフェイスを学んだほうがいいわ。私のことをまだ信用しきれていなのでしょう」
「…そうだ」
「大丈夫よ。なんたって私は"派手なこと"が出来るんだから。この力で民衆の支持を集め私が有名になり、あなたは夫としてより強い地位を手に入れることが出来る」
ルーネスはマルクスに絡みつくように腕を首に回す。
「私達でさらに上に行きましょう」
「ああ」
こうしてジーナは国を追放されてしまったのです。
「すぐにいなくなります。そしたら席が空くでしょ」
何言っているのだこの女は。
聖女にはまず認められた人間しかなれない。
認められた人間は教会のほうで保護され、教会の人間として働く。
しかしこの女は教会で見たことがない。
つまり認められていない人間だ。
「あなたは聖女にはなれない。認められていないから」
ルーネスという女は私の発言を聞くとまるで子供のようにお腹を抱えてひとしきりに笑う。
「何がおかしいの!?」
「おかしいわよ、だって聖女になるのに認められる必要なんてないもの」
「それはどういうこと?」
「それは俺から話そう」
私とルーネスの会話に割り込んできたのはマルクス様だった。
「この前一通の手紙が送られてきた。差出人はルーネス、内容は教会司教たちの不正についてだった」
私は驚いて声が出ない。
だがあの威厳がある司教様たちがそんなことするはずがない。
「司教様がそんなことするはずがないか?俺もそう思ったさ。だが裏が取れた。司教たちは真っ黒、不正証拠を見せたら威厳なんていない姿でどうか見逃してくれと言ってきた」
マルクスは挑発するように部屋の中をゆっくりと歩きながら話を続ける。
「俺はある条件で見逃すことにした。その条件こそがルーネスを聖女にすること。これはもう決定事項で明日にはルーネスが聖女だ。だがこれでは民衆は納得しないだろう。だからこの偽造の不正書類だ。これでお前は立派な犯罪者。誰も聖女として認めてはくれなくなるだろう」
マルクスは俯くジーナの前に立つと顔のぞき込むようにする。
「元聖女兼元婚約者のよしみで追放だけにしてやる。今日中に荷物をまとめてこの国から出ていけ」
俯いていたジーナは顔を上げると目の前の二人を睨め付ける。
「……地獄に落ちろ」
そのまま部屋を飛び出し言った。
部屋にはマルクスとルーネスだけになる。
「最後にはお似合いのセリフね」
「ああ、これで後はお前と婚約するだけだ」
マルクスの顔を見たルーネスは笑う。
「あなたもポーカーフェイスを学んだほうがいいわ。私のことをまだ信用しきれていなのでしょう」
「…そうだ」
「大丈夫よ。なんたって私は"派手なこと"が出来るんだから。この力で民衆の支持を集め私が有名になり、あなたは夫としてより強い地位を手に入れることが出来る」
ルーネスはマルクスに絡みつくように腕を首に回す。
「私達でさらに上に行きましょう」
「ああ」
こうしてジーナは国を追放されてしまったのです。
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