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啓吾と莉久の企み
しおりを挟む「どーっすっかな~。万が一にも風邪ひかせたらなぁ····」
「でも場野ん家さぁ、どうせ帰る頃にはあったかいでしょ?」
「当たり前だろ。クソ寒ぃトコで結人抱くわけにいかねぇからな」
「だよね。やっぱ材料さ、今日のうちに場野ん家置いといたほうが良くない? とりあえず啓吾の部屋に置いといてさ、朝にでも場野の部屋にセットしといてくれたらいいし」
「だなぁ。冷えたヤツは可哀想だしな。ちょっとあっためとくか」
「ねぇ····りっくんと啓吾は何を企んでるの?」
「ん~? めっちゃイイ事。明日、覚悟しててな。とろっとろにしてやるから」
「えぇ····。なんか怖いよぉ」
「大丈夫だよ、ゆいぴ。甘い事しかしないから♡」
「りっくんが言うと余計に怖いなぁ····」
「つぅわけで、俺と莉久は買い物してから帰るから。結人は綺麗にしてもらってなね」
「ゆいぴ、場野ん家着いたらすぐ俺が抱いてあげるからね」
「ふざけんな。俺と朔で抱き潰しといてやっから、ゆっくり買いもんして来いよ」
「もう、喧嘩しないでね?」
「しないよ~。ゆいぴ、唇尖ってちっちゃくて可愛い」
「んわぁ!? やだぁ··耳元でハァハァしないで····ひぁぁ····りっくん気持ち悪い····」
「ははっ、気持ち悪いってよ。ざまぁ」
「ほ、褒め言葉だもん····。ゆいぴの俺に対する『気持ち悪い』は褒め言葉なの!」
「褒め····てないよ。今のはホントにぞわぞわしたもん。悪口のつもりじゃないけど、りっくんにはよくゾワゾワするよ」
「え····。俺マジでそんなに気持ち悪い?」
「あはは。りっくんは僕に対して変態が過ぎるよね。愛されてるなぁって思うけど、たまに怖い」
「えぇ~····」
「あ、でもね。だからって、塩対応されたら辛いな」
「ゆいぴに塩対応なんかできるわけないでしょ。冷たくするくらいなら、気持ち悪がられても甘々してるほうがいいや」
「んっ、やぁっ····耳食べないれぇ····」
「莉久、昼休み終わんだからあんまトロけさせんなよ。つぅかそろそろ朔起こさねぇとなぁ」
「だねぇ。でも起こしたら機嫌悪いじゃん」
「コイツ、結人が起こしたら機嫌悪くなんねぇんじゃねぇか」
「えー、ホント? ······朔。朔、起きて? お昼休み終わっちゃうよ」
「····ん」
「んぇ!? ····朔のキス待ち顔えっちすぎるよぉ。んもぅ····」
(ちゅっ)
「おはよ。マカロン食うか?」
「教室戻らなきゃだよ。····でも、1個だけ」
「お前、マジで結人に起こされると機嫌悪くなんねぇのな。単純な奴····」
「あ? 結人に起こされてキスまでしてもらって、機嫌悪くなれるわけねぇだろ。ほら結人、あーん」
「あー····ん」
「うっせアホが。さっさとヨダレ拭け。教室戻んぞ」
「あ、結人! 今1個食っただろ? 持ってんの戻せよ。放課後の分無くなるぞ」
「バ、バレてた? 教室戻ったらギリギリ1個食べれるかなぁって思って····。美味しいから····つい····」
「マカロン足りねぇか? 今度からもっと作らせるな」
「朔~、そういうのダメよ? 結人はあるだけ食っちゃうんだから。まーたお母さんが心配すんじゃん?」
「お··そうだな。わりぃ。結人、おやつは場野ん家行ってからな。ほら、隠してるやつ全部出せ」
「んぇっ····なんでわかったの?」
「ポケット膨らんでる」
「え? あ、ホントだ! 何個持ってんだよ」
「えへへ····。3つ」
「ゆいぴ、ホントに病気になっちゃうよ?」
「ごめんなさい····」
「俺らがちゃんと管理してやったら食わねぇだろ。まぁ、約束破って隠れて食ったらちゃんと吐かしてやっから安心しろよ」
「そんなのやだよぉ····。ちゃんと約束守るから、そんな理由で吐かせないで?」
「俺だって嫌だわ。お前が約束守りゃいいんだよ。それに、口寂しくなったら俺がキスしといてやっから」
「八千──ん、んぅ······はぁ··ン····」
「ゆいぴは口寂しいんじゃなくてお腹が減るんだろ。タバコじゃないんだから。ホント馬鹿じゃないの? あー、ほらトロけちゃってるじゃん」
「ふはっ。おい結人、シャキッとしろ」
「ふぇ····あぃ」
「よーし、教室戻んぞ」
「おま····嘘だろ。結人蕩けたまんまじゃん」
「だ、大丈夫だよ。教室に着くまでにはちゃんとできるもん」
「いや、お前蕩けてんのいつもすぐに戻んねぇだろ。何も大丈夫じゃねぇ。おい場野、お前が責任とれよ」
「あー····ったく。結人、耳かせ」
「んぇ? ひゃぁっ············エッ、ホント!? やったぁ!!」
「嘘だろ。一瞬じゃん。なぁ場野、何言ったんだよ」
「帰りに、コンビニでやってた推しのくじ引いてやるって」
「そんだけ!? えぇ~····そんなんで戻んだ。オタクすげぇな」
「ほら皆、早く教室に戻ろ。んぁ~、放課後楽しみだなぁ」
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