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2章 覚悟の高3編

ぐしゃぐしゃの心

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 啓吾は、皆が戻る前に綺麗にしようと言って、僕のナカに入った。ゆっくりと、僕の反応を確かめながら。
 啓吾はそっと僕の頬を指で撫で、優しい目をして問い掛ける。

「怖くない?」

 慣れたと言うと違うのだが、皆の元に戻れた時点で恐怖心や絶望感は消滅している。しかし、皆の間で“お清めセックス”と呼ばれているこのえっちは、僕を腫れ物みたいに扱うから好きではない。

「んぁ····こぁくない。啓吾、しゅきぃ」

「······愛してる」

 啓吾は僕の頭を撫でて、震える声で言った。

「ん··啓吾、無理して抱かにゃくていいよ?」

「は?」

「啓吾ね、なんかしょぼんて顔してぅの。今、シたくないのかなってンぁぁ゙あ゙っ!!?」

 僕の言葉が途切れる前に、啓吾は奥を貫いた。涙で滲む視界に、啓吾が恍惚な笑みを浮かべているのが見える。
 さっきまでの、落ち込んだような雰囲気は何処へやら。一転して、雄の顔になっている。

「誰が無理してるって? 酔っ払いに気ぃ遣ってさ、優しくシてやろうと思って加減してんだよッ!」

「んあ゙ぁ゙ぁぁ!! 奥゙ッ、しょこらめっ! んぎぃ··イ゙あっ····イクの止まんにゃ····ぅ゙、ぉ゙え゙ぇぇぇ····」

「吐いたら酔ってんのも楽になんじゃね? ほら、もっと吐かしてやっからな」

 啓吾は加減というリミッターを外し、全く容赦のないセックスをする。
 腰を持ち上げ、下腹がポコ、ポコっと膨らむ。僕は枕に縋り、何とか酷い快楽から逃げようとする。しかし、啓吾が腰を離してくれない。
 それどころか、腰を引き寄せられ、八千代でもたまにしか抉らない程の奥を壊そうとする。時々、小休止のつもりなのか大きくピストンする。
 こんなの休むどころか、ナカで啓吾の存在感を際立たせるだけじゃないか。

「け··ご····ごめ、なしゃ····怒ってぅの?」

「怒ってる。俺が結人を抱くの嫌みたいに言われたの、めっちゃムカつく」

「らって、啓吾····辛そうにゃ顔してた、からぁぁ゙っ」

 僕は啓吾の気持ちを尊重したかっただけだ。他意はない。けれど、啓吾にとってそれは、許し難い言葉だったらしい。

「俺はさ、抱きたくなかったら抱かない。どんだけ甘えて誘ってきても抱かねぇよ。わかんねぇ? 俺が今、どんだけ結人の事求めてんのか。これでも潰すの我慢してんだぜ?」

「ごめなしゃ····も、わかった··から、許ひへ····」

 微塵も容赦のない責めに、もう喘ぐ余裕すらない。謝ろうと声を絞り出すと息ができない。

「さっきのは許せねぇ。もっと酷くしたほうが、俺の気持ちわかんの?」

 耳元で、意図して声を甘くドロっとさせる。電流がピリピリと全身を巡り続け、確実に脳がイッているのだとわかる。

「へぁ····もっと····ひろく····?」

 啓吾は僕の身体を持ち上げて座った。自分の身体も支えていられず、力無く啓吾に抱きつく。

「なぁ、痛かったら言ってな? 俺、結人に痛いことしたいワケじゃないから。死ぬほど気持ち良くシてやりたいだけだから」

「はぇ····ぁぃ····」

 啓吾は何を言っているのだろうか。僕の脇を持って、何をするつもりなのだろう。

「だからさ、結人がされて嫌な事とか辛い事、気持ちくない事は絶対に隠すなよ。わかった?」

「ひゃぁ····わかったぁ······ね、ぁにすゅの?」

「思いっきり奥抉ってあげる。もう、俺じゃないとイケないようにしてやりてぇ····」

 大変だ。啓吾の独占欲が爆発している。心臓がギュッと締めつけられて苦しい。
 僕は軽い目眩でフラつき、啓吾の肩をきゅっと握る。

「大丈夫? なぁ、今だけさ····俺だけの結人でいて? だって言って?」

「啓吾の····うん。僕····啓吾らけの僕らよ。らからね、啓吾れしかイケないカラダカララにして?」

 なんという事を口走ってしまったのだろう。
 僕を包むように背中へ手を回し、下へ下へと肩を抑え込む。その、下からの突き上げが激しい。

「ひぁっ、やっ、んっ、ふ··ぅ··アッ····」

 突かれる度に漏れる声が、自分の脳内で響く。それを『えっちだなぁ····』なんて他人事みたいにボーッと霞む頭で思う。

「結人····俺の······ンッ····だぁぁッ!!」

 啓吾は突然、僕を抱えたまま立ち上がると、壁に押し付けて奥を抉る。壁に擦れる背中が熱い。
 キスで口を塞がれ、そのままラストスパートに入った。落ちそうだけど、絶対に落とされないと確信している。与えられる快感に身を委ね、啓吾の首に手を回す。

「けっ··ごぉ····愛ひてぅ····僕の、啓吾····精子せーし、ナカ頂戴ちょぉらい····啓吾のらって、僕のおなかに教ぇへ····」

 最後の一突きの瞬間、啓吾は僕を抱く腕を緩めた。それはそれは、僕の体重のかかった重く深い一突きで、ついにお腹が破けてしまったかと思った。

「ぅ゙っ、ぎゅぅぅ····かはっ····ぁ····」

 朔ほどではないが、確実にダメな所を掘られている。そこに、啓吾の熱く煮え滾るような精液で、僕が誰の所有物なのかを刻まれた。

「結人····んっ····はぁ··ん····」

 啓吾は一心不乱に僕の口にむしゃぶりつく。ずるずると床まで降りると、僕の頭を持って窒息しそうなほどの激しいキスを見舞う。
 徐々に体勢を変え、僕に覆い被さるように抱え込んでしまった。その間もずっとキスは止まない。
 ようやく離れた唇は、甘い言葉をくれなかった。

「ごめん····。俺があん時抱いたから。また俺の所為だ····」

 あれ? 僕、見られてたの言ったっけ?

「なんれ知ってぅの?」

「覗かれてんの知ってたんだ。結人が可愛いの自慢したくて、俺んだぞって見せつけたくて、調子乗って続けたんだよ」

「そうらったんら····。啓吾、“めっ”らね」

「··········軽くね?」

「え? 僕、ちゃんと怒ってぅよ?」

「“めっ”って····幼稚園児かよ」

「あははっ! 誰が幼稚園児だぁ!」

「ぅえっ!? わぁっ!!」

 失礼な事を言う啓吾を押し倒し、僕は啓吾に跨った。そして、お尻でおちんちんを挟みお強請りをする。

「悪い子にはお仕置きらからね! んぇっとね、啓吾のしゅきにいて····?」

「ははっ、お仕置きになってねぇんだよ」

 啓吾は、僕を抱えてベッドに移動する。僕を腰に乗せたままベッドに横たわり、困った顔で僕のお尻を浮かせた。
 啓吾は、自分のおちんちんを手で持って『自分で挿れてみ』と言う。どうも啓吾とりっくんは、僕が自分で挿れてゆくのが好きらしい。
 足がぷるぷる震えて自由が効かない所為で、どちゅんっと奥まで突き挿れてしまった。深い絶頂を迎え、盛大に潮を撒き散らす。

「んはっ♡ 絶景ぇ」

「ぁ····はっ····」

 イッた拍子に意識がふわっと浮いた。僕は蹲るように、啓吾の胸に倒れ込む。

「わっ··と····、大丈夫か?」

「お尻····ちゅかんれちゅき上げぅやちゅやってぇ····もっと、もっと····僕のナカ、啓吾れいっぱいにしてぇ」

 みんな以外の感覚なんて残らないように。

「あぇ····啓吾、僕のこと··しゅき?」

 僕が何度穢されようと、皆は変わらず愛してくれる。そんな甘えた考えではいけない。

「愛してるつってんじゃん。····不安?」

「····うん。やちぉとりっくんと朔も、僕のこと嫌いになってないかなぁ····」

 言葉にすると、いつも涙が溢れてしまう。泣くと、皆は困ったような優しい顔で『大丈夫』と言ってくれる。
 けれど、僕がすぐに泣いてしまうから、そう言わせてしまっているのではないかと疑心暗鬼に陥ってしまう。

「どうだろうね。直接聞いてみれば?」

 啓吾は僕を支えて起き上がる。そして、後ろを見ろと視線で合図する。僕は慌てて振り向く。
 部屋の入り口にはりっくんが立っていた。早くもベルトを外している。
 そして、背後から僕を抱き締め、項や肩に吸い付く。とびきり甘い声で『愛してるよ』と囁くと、僕のナカに入った。

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