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森で薬草採取。そして牙が閃く
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朝、村の外れ。
「……ここが、森?」
「獣人の村を囲む神木の森だ。外敵もいるが薬草や果物も豊富だ」
「外敵って、サラッと怖いこと言ったな!?」
朝焼けのなか、俺はライガに連れられて森の入口に立っていた。森の中は想像以上に深く、木々が空を覆っている。鳥の鳴き声や風にそよぐ葉の音が、どこか神秘的で息をのむほど静かだった。
「お前は薬草の知識もあるはずだ。生活魔術大全に含まれているからな」
「いや、含まれてるんだろうけど、俺が使いこなせるとは限らな……」
言い終わる前に、脳内に「薬草のイラスト」と「採取ポイントのデータ」がばばっと流れてきた。
「あ、これ……マジで使えるやつだ……!」
「行くぞ。俺は周囲を警戒する」
ライガはそう言って、俺の横についた。完全にボディガード体制。頼れるけど……距離近い。いや、ありがたいんだけど、さっきから狼耳が俺の視界にちらついて集中できない。
「このへんに……あった、これが〈ミントリーフ〉解熱効果があるらしい。あと、これは〈ユルア草〉……整腸作用……って、なんだこの薬草めっちゃ現代的……」
と、ひとりでぶつぶつ言いながら夢中で採取していると、突然
「っ下がれ!!」
ライガが俺を突き飛ばすようにして前に出た。
「えっ……!?」
その刹那、風を裂くような音とともに、巨大な影が目の前を通り過ぎた。
「グォォォオオ!!」
「なに、あれ……クマ!?いや、デカすぎる!!」
茶色の毛並みに鋭い爪。獣人よりも遥かに野性的で凶暴な……魔獣か!?目が血走っていて、完全にこちらを敵と見なしている。
「智也、下がっていろ。こいつは俺がやる」
「ま、待って、俺も……!」
「ダメだ」
その声があまりにも真剣で、俺は言葉を飲み込んだ。
ライガは腰の獣骨刀を抜いた。大地を蹴って、魔獣の懐に飛び込み、鋭く、流れるような動きで斬りかかる。速い。力強い。そして……美しい。
「グァアアッ!」
魔獣が雄叫びをあげながら巨大な爪を振り下ろした。それをライガが紙一重で避け再び斬撃。毛皮を裂き鮮血が飛び散った。その一撃で、魔獣は崩れるように倒れた。
「はぁ……はぁ……」
ライガの肩が上下している。どうやら無事だが、体に傷が……
「ライガさん、傷!ちょっと待って、たしか生活魔術大全に……あった治癒魔術!!」
俺は彼の腕に手を添えて魔力を流し込む。思ったより自然に、そして穏やかに力が流れていった。
「……治った?どう?」
「……不思議だな。痛みが引いていく。……お前、本当に賢者かもな」
「いやだから賢者はやめてって!俺は元社畜だって何回言えば……!」
それでも、彼が静かに笑ったのを見て、なんかもう何も言えなくなった。
「助かった。……ありがとう、智也」
「……こっちのセリフだよ。俺をかばってくれて」
ふたりの間に森の静けさが戻ってくる。だけどその静けさが、なんだか心地よくて言葉を探すのがもったいない気がした。
***
「今日はこれで帰る。魔獣が出た以上、無理はできん」
「そうだね。薬草は……まぁ、けっこう採れたし」
「……また、一緒に来てくれるか?」
「え?」
「お前と一緒だと俺は……気が緩む。……悪くない」
「っ……ずるいってば、そういうの……!」
その帰り道、ライガの尻尾が何気なく俺の手に触れた。
「わっ、わざと!?ねえ、今の絶対わざと!!」
「……気のせいだ」
絶対気のせいじゃない!!
こうしてまたひとつ、俺とこの世界の距離が近づいていく……そんな気がした、静かな森の帰り道だった。
「……ここが、森?」
「獣人の村を囲む神木の森だ。外敵もいるが薬草や果物も豊富だ」
「外敵って、サラッと怖いこと言ったな!?」
朝焼けのなか、俺はライガに連れられて森の入口に立っていた。森の中は想像以上に深く、木々が空を覆っている。鳥の鳴き声や風にそよぐ葉の音が、どこか神秘的で息をのむほど静かだった。
「お前は薬草の知識もあるはずだ。生活魔術大全に含まれているからな」
「いや、含まれてるんだろうけど、俺が使いこなせるとは限らな……」
言い終わる前に、脳内に「薬草のイラスト」と「採取ポイントのデータ」がばばっと流れてきた。
「あ、これ……マジで使えるやつだ……!」
「行くぞ。俺は周囲を警戒する」
ライガはそう言って、俺の横についた。完全にボディガード体制。頼れるけど……距離近い。いや、ありがたいんだけど、さっきから狼耳が俺の視界にちらついて集中できない。
「このへんに……あった、これが〈ミントリーフ〉解熱効果があるらしい。あと、これは〈ユルア草〉……整腸作用……って、なんだこの薬草めっちゃ現代的……」
と、ひとりでぶつぶつ言いながら夢中で採取していると、突然
「っ下がれ!!」
ライガが俺を突き飛ばすようにして前に出た。
「えっ……!?」
その刹那、風を裂くような音とともに、巨大な影が目の前を通り過ぎた。
「グォォォオオ!!」
「なに、あれ……クマ!?いや、デカすぎる!!」
茶色の毛並みに鋭い爪。獣人よりも遥かに野性的で凶暴な……魔獣か!?目が血走っていて、完全にこちらを敵と見なしている。
「智也、下がっていろ。こいつは俺がやる」
「ま、待って、俺も……!」
「ダメだ」
その声があまりにも真剣で、俺は言葉を飲み込んだ。
ライガは腰の獣骨刀を抜いた。大地を蹴って、魔獣の懐に飛び込み、鋭く、流れるような動きで斬りかかる。速い。力強い。そして……美しい。
「グァアアッ!」
魔獣が雄叫びをあげながら巨大な爪を振り下ろした。それをライガが紙一重で避け再び斬撃。毛皮を裂き鮮血が飛び散った。その一撃で、魔獣は崩れるように倒れた。
「はぁ……はぁ……」
ライガの肩が上下している。どうやら無事だが、体に傷が……
「ライガさん、傷!ちょっと待って、たしか生活魔術大全に……あった治癒魔術!!」
俺は彼の腕に手を添えて魔力を流し込む。思ったより自然に、そして穏やかに力が流れていった。
「……治った?どう?」
「……不思議だな。痛みが引いていく。……お前、本当に賢者かもな」
「いやだから賢者はやめてって!俺は元社畜だって何回言えば……!」
それでも、彼が静かに笑ったのを見て、なんかもう何も言えなくなった。
「助かった。……ありがとう、智也」
「……こっちのセリフだよ。俺をかばってくれて」
ふたりの間に森の静けさが戻ってくる。だけどその静けさが、なんだか心地よくて言葉を探すのがもったいない気がした。
***
「今日はこれで帰る。魔獣が出た以上、無理はできん」
「そうだね。薬草は……まぁ、けっこう採れたし」
「……また、一緒に来てくれるか?」
「え?」
「お前と一緒だと俺は……気が緩む。……悪くない」
「っ……ずるいってば、そういうの……!」
その帰り道、ライガの尻尾が何気なく俺の手に触れた。
「わっ、わざと!?ねえ、今の絶対わざと!!」
「……気のせいだ」
絶対気のせいじゃない!!
こうしてまたひとつ、俺とこの世界の距離が近づいていく……そんな気がした、静かな森の帰り道だった。
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