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4.痛みを知る聖女
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私が神殿にこもっていたのは、ただ――外に出してもらえなかったから。
ほかの二人は、式典や視察、国王主催の祝宴に招かれることが多かった。皆、二人の純白の衣と飾られた冠に目を奪われ、「これぞ神に選ばれし者」と賛美していたという。
本当は、私も一度は行ってみたかったのだけれど……。
ーーあなたには、まだ早いわーー
ーーそうね、年齢も教養も……何もかもーー
暗に平民は行けないと言われているようだった。
二人が式典や外遊に駆り出されるたび、神への祈りはもちろんのこと、他の仕事も三人分頑張った。書庫の整理は、大変だったわ。古文書は埃にまみれ、開けば喉が焼けるようだった。
巡礼者の介抱も日課の一つ。足の腫れたお婆さん、道に迷って泣く子供、熱にうなされる若者――彼らの世話をしながら、私は供物の花の水を替え、捧げられた果物の傷み具合を確かめ、余った食材で孤児院にスープを届けた。
夜になると、神殿に運び込まれる急病人の看護。血や吐瀉物の処理は貴族出身の神官たちの「聖なる手」では手に余るらしい。私の仕事、そう決まっていた。
神殿には、多くの神官やシスターがいる。かつては平民の神官やシスターもいたそうだが、「格が落ちる」と言って、今の代の者たちがすべて追い出してしまったと聞く。
そんな日々の中、ある日、巡礼者の幼い少女に言われたことがある。
「ねえ、聖女様は、どうして、そんなに手が荒れているの?」
冷たい水に何度も晒され、石畳の上で転んだ子を支えたときについた擦り傷、書庫の重い扉を押し開けたときにできたひび割れ――指先には、そんな痕跡がいくつも残っていた。
私は黙ってその一つに指を滑らせ、笑みを浮かべる。
「……たくさん水を運んだからかな。お供えの花も、長く持たせたいでしょ?」
「でも……光の癒聖なのに。自分の傷は癒せないの?」
その一言に、ふっと笑みが漏れた。
「癒せるの。でも、癒さないときもあるのよ。痛みを覚えておかないと、誰かの痛みに気づけないことがあるから」
少女は少し考えてから、小さくうなずいた。そして、私の手を両手で包み込むように握って、そっと囁いた。
「……がんばってね、聖女さま」
――あのときの声を、私は今でも忘れられない。
神の名を借りて人を癒すなら、まず人の痛みのそばにいなければ、そう思っていた。「光の癒聖」なんて、身に余る美名。でも、素足で道を歩く痛さは、そんな痛みを遙かに超えていたけ
ど……。
貴族たちは、「樹霊の慈愛」の聖女が調合したポーションを競って使った。
贈り物として珍重され、時には賄賂として使われることもあったという。だがそんな高価な品を手に入れられない人々――薬すら買えない病人、荒れた皮膚を隠して笑う子供たちを癒すのは、私の役目だった。
それでも、たまに酔狂な貴族が、平民風の服に身を包んで私の元ににやってきた。
「聖女の癒しを」と言って、ほんのかすり傷を差し出してくる。それを癒すだけで、目に涙を浮かべて「感謝します、聖女様」と頭を下げるのだ。
不思議な光景だったわ。『平民の聖女』に関わりたくない貴族も多いのに。
だから「薬で十分治りますよ」――そんな言葉は、飲み込んだ。
誰かが私の癒しに救いを見出すのなら、私はそれを断る必要はないもの。
*****
目を開けると、木々の葉の隙間から朝の光が差し込んでいた。
瞼の裏に、まだ夢の残り香が滲んでいた。
淡く白んだ空と、揺れる影。
寝転んだまま、何度か瞬きを繰り返す。現実と夢の境目が、まだ霞んでいる。頬に触れた冷たい朝の空気が、ようやく今が朝であることを教えてくれた。
焚き火の残り火が、小さな音を立てる。
その音が、少しずつ私の意識を現実へと引き戻していく。
あたたかい――焚き火のぬくもりが、心にまで染み込むようだった。
「お、起きたか」
声に振り向くと、そこにいたのはテオだった。火の番をしていたらしい彼は、肩にかけたマントの裾を少し濡らしていた。
夜露か、それとも森の霧か。
それでも彼の表情には疲れの色はなく、むしろ穏やかな微笑が浮かんでいた。
差し出された湯気立つ白湯を、私は両手で包み込むように受け取り、一口、そっと口に運んだ。ぬるくて優しい味が、喉を通り、ようやく完全に目が覚める。
「で、リイナは、これからどこに向かうつもりだ?」
その問いかけに、私はふと視線を落とす。答える前に、少し唇を噛んだ。言いたいことはあるのに、上手く形にできない。
「本当は、エトルタへ行くつもりでした。巡礼の順番を考えたら、それが正しいと思って……でも……」
言いかけて、言葉が途切れる。風が吹いて、肩にかかる髪がふわりと揺れた。迷いを含んだ私の横顔を見たテオが、静かに眉根を寄せる。
「何か思うことがあるなら、無理して行くこともないと思うぞ」
その一言に、胸の奥のつかえがふっとほどけた。
「……実は、先に行ってみたい場所があります。少し遠回りになるけれど」
「どこだ?」
「ルヴェラン領。あのあたりにも、祀られている巡礼地があります。前に神殿で教育を受けていた時……その地を出身とする教育係のエリーが、いつも誇らしげに語っていたのです」
話しながら、自分でも驚くほど、自然に声が柔らかくなっていた。エリーの声や微笑みが、今も記憶の中で鮮やかに息づいている。大聖女様と同じく私に優しくしてくれたエリー。もう教育は必要ないと10歳の時には引き離された。風の噂でエリーは故郷に戻ったと聞く。
「だから、ずっと行ってみたいって思っていて……。エリーが語ってくれた景色を、自分の目で見てみたいのです」
テオは一瞬目を細めて、そして小さく笑った。
「なるほどな。行きたいところを目的地にするのが一番だ。多少順番が違っても、神は許してくれるだろう」
「ふふっ、ありがとうございます」
「そのルートなら……俺もちょっと寄り道してもいいか?」
「ええ。もちろんですわ。寄り道くらい、好きなだけしてください」
そう微笑み合った、まさにその時だった。
森の奥の方から、誰かの声――それも、明らかに切迫した響きが込められていた。
空気が一変する。
テオが素早く立ち上がる。
私も白湯を地面に置き、身を起こした。
ほかの二人は、式典や視察、国王主催の祝宴に招かれることが多かった。皆、二人の純白の衣と飾られた冠に目を奪われ、「これぞ神に選ばれし者」と賛美していたという。
本当は、私も一度は行ってみたかったのだけれど……。
ーーあなたには、まだ早いわーー
ーーそうね、年齢も教養も……何もかもーー
暗に平民は行けないと言われているようだった。
二人が式典や外遊に駆り出されるたび、神への祈りはもちろんのこと、他の仕事も三人分頑張った。書庫の整理は、大変だったわ。古文書は埃にまみれ、開けば喉が焼けるようだった。
巡礼者の介抱も日課の一つ。足の腫れたお婆さん、道に迷って泣く子供、熱にうなされる若者――彼らの世話をしながら、私は供物の花の水を替え、捧げられた果物の傷み具合を確かめ、余った食材で孤児院にスープを届けた。
夜になると、神殿に運び込まれる急病人の看護。血や吐瀉物の処理は貴族出身の神官たちの「聖なる手」では手に余るらしい。私の仕事、そう決まっていた。
神殿には、多くの神官やシスターがいる。かつては平民の神官やシスターもいたそうだが、「格が落ちる」と言って、今の代の者たちがすべて追い出してしまったと聞く。
そんな日々の中、ある日、巡礼者の幼い少女に言われたことがある。
「ねえ、聖女様は、どうして、そんなに手が荒れているの?」
冷たい水に何度も晒され、石畳の上で転んだ子を支えたときについた擦り傷、書庫の重い扉を押し開けたときにできたひび割れ――指先には、そんな痕跡がいくつも残っていた。
私は黙ってその一つに指を滑らせ、笑みを浮かべる。
「……たくさん水を運んだからかな。お供えの花も、長く持たせたいでしょ?」
「でも……光の癒聖なのに。自分の傷は癒せないの?」
その一言に、ふっと笑みが漏れた。
「癒せるの。でも、癒さないときもあるのよ。痛みを覚えておかないと、誰かの痛みに気づけないことがあるから」
少女は少し考えてから、小さくうなずいた。そして、私の手を両手で包み込むように握って、そっと囁いた。
「……がんばってね、聖女さま」
――あのときの声を、私は今でも忘れられない。
神の名を借りて人を癒すなら、まず人の痛みのそばにいなければ、そう思っていた。「光の癒聖」なんて、身に余る美名。でも、素足で道を歩く痛さは、そんな痛みを遙かに超えていたけ
ど……。
貴族たちは、「樹霊の慈愛」の聖女が調合したポーションを競って使った。
贈り物として珍重され、時には賄賂として使われることもあったという。だがそんな高価な品を手に入れられない人々――薬すら買えない病人、荒れた皮膚を隠して笑う子供たちを癒すのは、私の役目だった。
それでも、たまに酔狂な貴族が、平民風の服に身を包んで私の元ににやってきた。
「聖女の癒しを」と言って、ほんのかすり傷を差し出してくる。それを癒すだけで、目に涙を浮かべて「感謝します、聖女様」と頭を下げるのだ。
不思議な光景だったわ。『平民の聖女』に関わりたくない貴族も多いのに。
だから「薬で十分治りますよ」――そんな言葉は、飲み込んだ。
誰かが私の癒しに救いを見出すのなら、私はそれを断る必要はないもの。
*****
目を開けると、木々の葉の隙間から朝の光が差し込んでいた。
瞼の裏に、まだ夢の残り香が滲んでいた。
淡く白んだ空と、揺れる影。
寝転んだまま、何度か瞬きを繰り返す。現実と夢の境目が、まだ霞んでいる。頬に触れた冷たい朝の空気が、ようやく今が朝であることを教えてくれた。
焚き火の残り火が、小さな音を立てる。
その音が、少しずつ私の意識を現実へと引き戻していく。
あたたかい――焚き火のぬくもりが、心にまで染み込むようだった。
「お、起きたか」
声に振り向くと、そこにいたのはテオだった。火の番をしていたらしい彼は、肩にかけたマントの裾を少し濡らしていた。
夜露か、それとも森の霧か。
それでも彼の表情には疲れの色はなく、むしろ穏やかな微笑が浮かんでいた。
差し出された湯気立つ白湯を、私は両手で包み込むように受け取り、一口、そっと口に運んだ。ぬるくて優しい味が、喉を通り、ようやく完全に目が覚める。
「で、リイナは、これからどこに向かうつもりだ?」
その問いかけに、私はふと視線を落とす。答える前に、少し唇を噛んだ。言いたいことはあるのに、上手く形にできない。
「本当は、エトルタへ行くつもりでした。巡礼の順番を考えたら、それが正しいと思って……でも……」
言いかけて、言葉が途切れる。風が吹いて、肩にかかる髪がふわりと揺れた。迷いを含んだ私の横顔を見たテオが、静かに眉根を寄せる。
「何か思うことがあるなら、無理して行くこともないと思うぞ」
その一言に、胸の奥のつかえがふっとほどけた。
「……実は、先に行ってみたい場所があります。少し遠回りになるけれど」
「どこだ?」
「ルヴェラン領。あのあたりにも、祀られている巡礼地があります。前に神殿で教育を受けていた時……その地を出身とする教育係のエリーが、いつも誇らしげに語っていたのです」
話しながら、自分でも驚くほど、自然に声が柔らかくなっていた。エリーの声や微笑みが、今も記憶の中で鮮やかに息づいている。大聖女様と同じく私に優しくしてくれたエリー。もう教育は必要ないと10歳の時には引き離された。風の噂でエリーは故郷に戻ったと聞く。
「だから、ずっと行ってみたいって思っていて……。エリーが語ってくれた景色を、自分の目で見てみたいのです」
テオは一瞬目を細めて、そして小さく笑った。
「なるほどな。行きたいところを目的地にするのが一番だ。多少順番が違っても、神は許してくれるだろう」
「ふふっ、ありがとうございます」
「そのルートなら……俺もちょっと寄り道してもいいか?」
「ええ。もちろんですわ。寄り道くらい、好きなだけしてください」
そう微笑み合った、まさにその時だった。
森の奥の方から、誰かの声――それも、明らかに切迫した響きが込められていた。
空気が一変する。
テオが素早く立ち上がる。
私も白湯を地面に置き、身を起こした。
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