終わったらバカンスに行くんだ!〜幻想に終わる社畜の夢〜

藤原遊

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リモートワークの夢

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「リモートワークで自由に働こう!」(なお、自由とは)

AM 9:00 — リモートワークの理想

「チカ、ついに本社が“リモートワーク推奨”を正式に発表したぞ」

鬼島リョウが淡々とした声で告げる。

「おお! ついに我々も自由な働き方が……!」

「……そう思うだろ?」

「(え、違うの??)」

AM 9:30 — 「リモートOK!」(ただし、フル監視)

📩 【本社からの通達】
📩 「本日より、リモートワーク制度を導入します! これにより、社員の働きやすさを向上させます!」

「おお、ホワイトっぽい!」

📩 「ただし、業務の進捗管理のため、
📩 ・PCのカメラは常時ONにしてください
📩 ・ログイン時間を記録します
📩 ・『勤務時間内の対応が遅れた場合、遅延報告を提出してください』
📩 ・なお、通勤が不要になった分、朝の会議が30分早まります」

「(え、全然自由じゃない……)」

PM 12:00 — お昼休憩? そんなものはない

「リモートワークって、もっとゆったりできると思ってたんですが……」

「リモートは**“オフィスの外で仕事ができる”だけで、“仕事量が減る”とは言ってない**」

📩 【本社チャット】
📩 「チカさん、ランチ中かもしれませんが、これだけ対応お願いできます?」

📩 「お昼ご飯食べながらでいいので!」

「(つまり、“休憩するな”と……?)」

PM 6:00 — 「定時で終われる!」(終わらない)

📩 【本社からの連絡】
📩 「リモートの方、定時以降も対応できる方はご協力お願いします!」

「(え、リモートだからって、残業前提!?)」

「チカ、“通勤時間がなくなった分、働ける”って考えられてるぞ」

「(私の時間、どこ???)」

PM 9:00 — 「オフィスで残業するのはダメ!」(でも家ならOK)

📩 【本社からの指示】
📩 「残業は減らしましょう!」
📩 「ただし、リモートワークの場合は“業務時間外”の管理が難しいので、各自の判断にお任せします!」

「(つまり、“会社としては残業させてない”ことにしてるだけでは???)」

鬼島が静かにコーヒーを飲みながら言った。

「オフィスにいると残業代が発生する。でも、自宅でやる分にはタダだからな。」

「(ブラックの知恵……!!!)」

PM 11:00 — 「リモートって、労働時間が消える魔法?」

📩 【クライアントからのメール】
📩 「リモートワークなら、夜遅くても対応できますよね?」

📩 【上司からのチャット】
📩 「ついでにこれも明日の朝までに確認して!」

📩 【社内グループ】
📩 「夜の方が集中できるので、自由に仕事してください!」

「自由って、そういう意味じゃない!!」

AM 2:00 — 社畜、終わらない

「鬼島さん、リモートワークって、何のための制度なんですか?」

「本来は、働く時間を調整しやすくするためのものだ」

「でも、実際は**“業務時間が無限に伸びるだけ”**では……?」

「……そうだな」

📩 【本社からのメール】
📩 「リモートワーク制度の見直しに伴い、さらなる柔軟な働き方を導入します!」

「(柔軟って、ただ**“仕事時間が無限”**になるだけでは???)」

「……チカ、お前のバカンスは?」

「……また遠のきましたね」

— 終わり(そして、終わらないリモートワーク)
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